さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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One Foot / Walk The Moon

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Lyrics&訳

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

 

Not a soul up ahead and nothing behind

There's a desert in my blood and a storm in your eyes

Am I the king of nothing at all?

And you're the queen of nothing at all

 

前を向けば人ひとりいない。後ろを向けば何一つない

俺の血には砂漠が広がり、お前の眼には嵐が荒ぶ

俺は虚無の王なのか

ならばお前は虚無の女王だな

 

But I remember the fight and I forget the pain

I got my hand in your pocket and my key in your chain

Am I the king of nothing at all?

And you're the queen of nothing at all

 

だが抗うことは忘れはしない。忘れるのならば痛みでいい

そのポケットにこの手を突っ込み、お前の鎖にこの俺の鍵を

俺は虚しき王なのか

ならばお前はその女王だな

 

Oh, through the wilderness

You and I will walk into the emptiness

Oh, and my heart is a mess

Is it the only defense against the wilderness?

 

ああ、この荒野を越えて行く

この空虚の中、俺らは歩く

ああ、この胸は酷くざわめく

ただこれだけで身を守れるかと

 

Cross my heart and hope to die

Taking this one step at a time

I got your back if you got mine

Oh, one foot in front of the other

 

神に誓おう。俺を信じろ

一歩ずつでも、この歩を進めろ

お前が俺の背を支えるなら、俺もお前の背中を支える

その足は常に前に投げ出せ

 

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

 

その次の足をまた一つ前に

その次の足もまた一つ前に

 

One foot in front of the other

Ooh, all that we have is each other

One foot in front of the other

 

足を並べて止まりはしない

俺にはお前、お前には俺だけ

そう、この足をまた一つ前に

 

Not a soul in the road, not a star in the sky

It's a desert in my heart, and I know where to hide

I'm your king of nothing at all

And you're my queen of nothing at all

 

人影なき道、星影なき空

この心の砂漠。覚えた隠れ家

俺はお前の持たざる王で

お前は俺の持たざる女王

 

Well, out here in the dust

If you don't have trust

Ain't nothing left of us

This is the exodus

They're just testing us

They can't flex with us

They can't mess with us

They can't mess with us

 

砂塵の外に抜けねばならない

心許なくば行かねばならない

ここに残すのは何一つ無い

俺達は生き延びねばならない

奴らに俺らを好きにはさせない

奴らは俺らを曲げられはしない

奴らは俺らを潰せはしない

奴らに俺らは潰せない

 

Oh, through the wilderness

How come even together there can be loneliness?

Oh, our hearts a mess

But it's our only defense to brave the wilderness

 

そう、この荒野をいま越えて行く

二人でいれば、孤独など無い

そう、俺らの胸は渦巻いている

だが立ち向かわねば、身は守れない

 

Cross my heart and hope to die

Taking this one step at a time

I got your back if you got mine

Oh, one foot in front of the other

 

命を賭けよう。俺を信じろ

一歩、一歩、その足を前に

俺がついてる。お前もついてる

さあ、その足をまた一つ前に

 

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

 

その次の足をまた一つ前に

その次の足もまた一つ前に

 

One foot in front of the other

Ooh, all that we have is each other

One foot in front of the other

 

足を揃えて立ち止まるなど

俺達二人、俺等しかいない

さあ、この足をまた一つ前に

 

Well, out here in the dust

 

この塵だらけの世界を抜け出せ

 

Oh, through the wilderness

How come even together there can be loneliness?

Oh, our hearts a mess

But it's our only defense to brave the wilderness

 

そう、この荒野を抜けて行く

心細くない。二人でいれば

そう、俺等の心は荒れ果てている

だが、俺等の救いはこの勇気だけ

 

Cross my heart and hope to die

Taking this one step at a time

I got your back if you got mine

Oh, one foot in front of the other

 

俺を信じろ。さもなくばこの命を奪え

前に進め。一歩、一歩

俺にはお前が、お前には俺が

さあ、その足をまた一つ前に

 

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

 

その次の足をまた一つ前に

その次の足もまた一つ前に

 

In the wilderness

One foot in front of the other

Ooh, all that we have is each other

One foot in front of the other

 

荒れ果てた地でも

足を止めるな。立ち尽くすな

俺にはお前、お前には俺しか

さあ、この足をまた一つ前に

 

Oh, in the so-called 'Land of the Free'

One foot in front of the other

Don't you know that all we have is each other?

One foot in front of the other

 

自由の地などと呼ばれた大地で

この次の足をまた一つ前に

俺等は二人で一つ、分かっているだろ

さあ、その次の足をまた一つ前に

 

この曲について

 荒れ果てて何もない大地を行く二人の男女の映像が目に浮かぶようですね。何とも荒涼感と野性的な雰囲気に満ち溢れたドラマチックな曲です。

 

 恐らくシチュエーションとしては、何も見い出せない世界に絶望を覚えた女性を、主人公がやや強引に立ち直らせようとしているのだと思われます。1番で「Am I the king of nothing at all? And you're the queen of nothing at all」と言っていますが、この世界に何も見い出せていないのは自分も同じということを伝えているのかなと思いました。

 

 そして、その何もない世界を抜け出そうと相手を促し、共に歩き始めます。ここは主人公がかなり力強く相手を説き伏せていますね。そして、吹き荒ぶ嵐の中を折れそうな心と闘いながら一歩、また一歩、お互いに確かめ合いながら懸命に前に進んでいく姿が見える気がします。そしてこの、どんな困難の中に有ろうと進めて行くこの一歩が、タイトルの One Foot となっているようです。

 

 さて、この曲はウォーク・ザ・ムーン(Walk The Moon)によって2017年にリリースされた曲で、アルバム What If Nothing に収録されています。
 彼らは、以前ご紹介した Shut Up And Dance のイメージが強かったのですが、あの軽快でチャラい(笑)曲調からは想像がつかない程、重厚で雄々しい曲ですね。うーん、かっこいい……



WALK THE MOON - One Foot (Official Video)

 MVも、荒野と野性味が全面的に押し出されており、大分曲のイメージを踏襲して作られていますね。うーん、やっぱりかっこいい…… 笑

 

訳、言葉について

 Not a soul は、日本語で言うところの「人っ子一人見当たらない」というニュアンスに相当する言葉のようです。Soul は一般的には「魂」で訳されることが多いですが、そこから「命」だとか「生気」「生きている気配」のようなニュアンスも包括しているようです。

 

 Mess という単語が曲中に何度が登場しますが、今回は二つの意味で使われており、一つが「乱雑」という名詞としての表現、もう一つが「酷い目に合わせる」という動詞としての表現です。My heart is a mess の方は前者、They can't mess with us の方は後者となります。

 

 Cross my heart and hope to die は、これ一文で決まり文句だそうで「神に誓って嘘は言わない。嘘だったら死んだって構わない」という意味だそうです。
 なお、この前半の Cross my heart は、自分の胸の前で十字を切る行為を指します。これが「神に誓って」という意味になります。

 

 Taking this one step at a time ですが、まず At a time で「~ずつ」という意味になります。その為、One step at a time で「一歩ずつ」という意味になり、それに Take がつくので「一歩ずつ手に入れろ」→「一歩ずつ前に進め」というニュアンスになります。

 

 I got your back は「僕がついているよ」という、相手を支える時にかける言葉です。Back はこの場合「背中」とか「背後」と捉えればニュアンスが分かりやすいかと思います。

 

 そしてキーフレーズの One foot in front of the other ですが、One foot は「片足」、front は「前」、the other は「もう片方」となるので、「片足を、もう片方の足の前に出す」となり、つまりは「一歩前に進む」という意味の言葉となります。実際には、最初に Put を付けて使うようです。

Shut Up And Dance / Walk The Moon

Shut Up Dance / Walk The Moon

 

Lyrics&訳

"Oh don't you dare look back

Just keep your eyes on me."

I said, "You're holding back,"

She said, "Shut up and dance with me!"

This woman is my destiny

She said, "Ooh-ooh-hoo

Shut up and dance with me."

 

「ちょっと、ナニよそ見してるの

私の眼だけ見ててちょうだい」

俺は言ったね「何か企んでるのか」

コイツは言った「ダマって踊って」

まあ運命の相手ってやつだな

こう言うんだぜ「ほら、いいから

ダマって私と踊ってちょうだい」

 

We were victims of the night

The chemical, physical, kryptonite

Helpless to the bass and the fading light

Oh, we were bound to get together

Bound to get together

 

俺達は、夜の被害者ってやつさ

化学の力で作られた、骨抜きにされちまう世界のな

救いの無い声に、消えてく光

俺達は縛り付けられたみたいにつるんでた

ずっと抜け出せなかった

 

She took my arm

I don't know how it happened

We took the floor and she said

 

で、アイツに、いきなり俺の腕を掴まれた

何が起こったのかわからなかったが

フロアに連れてこられて、アイツこう言った

 

"Oh, don't you dare look back

Just keep your eyes on me."

I said, "You're holding back,"

She said, "Shut up and dance with me!"

This woman is my destiny

She said, "Ooh-ooh-hoo,

Shut up and dance with me."

 

「さあ、ぼやぼやしてないで

私の眼だけをしっかり見て」

俺は言った「おい、何考えてるんだ」

アイツはぴしゃりと「いいから踊って」

こいつ、俺の運命ってやつじゃないか

この言い草だ「ほら、ねえってば

口動かしてないで足動かして」

 

A backless dress and some beat up sneaks

My discothèque, Juliet teenage dream

I felt it in my chest as she looked at me

I knew we were bound to be together

Bound to be together

 

背中の空いたドレスに、弾むスニーカー

このフロアは俺の物。ジュリエットも仲間入りさ

俺の胸に感じるあいつの視線

解かってるさ、俺達は一緒だ

ずっと一緒だ

 

She took my arm

I don't know how it happened

We took the floor and she said

 

あいつに腕をとられて

何が何だかわからねぇうちに

このフロアに来て、言われたんだ

 

"Oh, don't you dare look back

Just keep your eyes on me."

I said, "You're holding back,"

She said, "Shut up and dance with me!"

This woman is my destiny

She said, "Ooh-ooh-hoo,

Shut up and dance with me."

Oh, come on girl!

 

「ほらちょっと、ドコ見てるの

見るのは私の眼だけでいいの」

言い返した「おいおい、どういうつもりだ」

言い返された「だまって私と踊ればいいの」

コイツ、シビれるじゃねぇの

また言いやがる「ほらほら

四の五の言ってないで私と踊る!」

 

Deep in her eyes

I think I see the future

I realize this is my last chance

 

アイツの眼の奥

未来ってやつが見えた気がした

マジでこいつはラストチャンスだ

 

She took my arm

I don't know how it happened

We took the floor and she said

 

アイツに腕をとられて

ワケ分かんねぇまま

連れて来られて言われたんだ

 

"Oh, don't you dare look back

Just keep your eyes on me."

I said, "You're holding back,"

She said, "Shut up and dance with me!"

This woman is my destiny

She said, "Ooh-ooh-hoo

Shut up and dance!"

 

「あっちこっち見てないの

私の眼だけを見てればいいの」

言ってやった「おいおい、なんかアヤしいな」

こう言ってきた「何でも無いから黙って踊って」

ああ、こんな奴を待ってたのかも知れないな

この一言だ「はいはい

いいから黙って私と踊ればいいの」

 

"Don't you dare look back

Just keep your eyes on me."

I said, "You're holding back,"

She said, "Shut up and dance with me!"

This woman is my destiny

She said, "Ooh-ooh-hoo

Shut up and dance with me."

 

「見るのはそっちじゃないでしょ

こっち。私だけを見てりゃいいの」

「何か隠してるだろ」

「どうでもいいでしょ、黙って踊って」

この女、最高だ

「ほらほら、こっち

喋ってないで私と踊るの」

 

Ooh-ooh-hoo, shut up and dance with me

Ooh-ooh-hoo, shut up and dance with me

 

ほら、一緒に踊っていれば

言葉なんて要らないでしょ

 

この曲について

 出だしからノリの良い、軽快なダンスミュージックです。この主人公、夜の街でろくでもない連中とずっと腐ってたのだと思われますが、そんな彼に一つの出会いが訪れます。主人公の腕を強引に掴み、ナイトクラブに連れこんでひたすら踊り明かす謎の女性です。
 主人公の何が気になってどこが気に入ったのかはさっぱり語られませんが「とにかく黙って私と踊んなさい」と主人公をリードし続けます。

 

 最初は訝しむ主人公ですが、次第にこれは運命の出会いなんじゃないかと思い始めてきます。最初は腰が引けてる主人公をぐいぐいリードしていく強引な女性が強烈にイメージできますが、曲が進むにつれ、そのノリに主人公も段々慣れてきて、お互いリードし合う、イーブンな関係にまで持ち込んでいっている姿が見えてくる気がします。

 

 そして最後の方では、言葉なんか交わさなくても、踊っているだけで通じ合える仲になっているかもしれませんね。理屈も何も無い、本当にノリと勢いだけの出会いですが、なんだかうまく行きそうな二人ですね。

 

 さて、この曲は2014年にウォーク・ザ・ムーンよりリリースされた曲で、アルバム「トーキング・イズ・ハード(Talking Is Hard)」からのシングルカットされています。アルバム名の「話すの、ムズい」に収録されるのにぴったりの曲ですね。


WALK THE MOON - Shut Up and Dance

 

 それにしてもこの曲を聴いた時、「あれ、懐かしいなぁ」と思いました。なので、多分自分が生まれた1980年代前半くらいに流行った曲だとばっかり思っていたのですが、こんなに最近だったんですね。曲調がどう聴いても昭和なのですが、それでも曲が良ければちゃんと流行るのがアメリカンポップスのいいところに思えます。

 ……PVも大分その頃を意識して作ってるようですね。

 

訳、言葉について

 kryptoniteという謎の単語が出てきますが、これはお馴染みのヒーロー映画「スーパーマン」に出てくる、スーパーマンが力を抜き取られてしまう鉱物だそうです。

 

 We were bound で、「我々は縛り付けられた」となります。Boundは、日本語で言うバウンド(弾む)の意味もありますが、Bind(縛る)の過去形、受身形でもあります。
 ただここの We were bound to get together に関しては、We をどう捉えるべきかちょっと悩みました。1番の時点で既に「主人公と彼女が夜の街という世界に縛り付けられて一緒に居た」のかとも思ったのですが、それだとその後で、彼女が主人公を強引に連れ去って行く展開があまりに唐突です。(いや、実際唐突なのですが、唐突さにドラマが無いと言うか)
 なので、1番の We は、夜の街で無気力にしている人達全員の事では無いかなと思います。そんな中に、この強引な彼女が颯爽と現れた方が、場面展開が鮮やかですし、後のシーンと辻褄が合う気がします。
 そして、2番で今度は We were bound to be together というフレーズが出てきますが、この時の We は、主人公と彼女のことで、「もうこの二人はくっついて離れない」という表現に変わるのかなと思います。

プロフィール

笹森茂樹

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