さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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New Year's Day / U2

New Year's Day / U2

 

Lyrics&訳

All is quiet on New Year's Day

A world in white gets underway

I want to be with you

Be with you night and day

 

全てが静まる新年の初め

世界はまだ白さを増してく

君と一緒に居たい

朝から晩まで、四六時中でも

 

Nothing changes on New Year's Day

On New Year's Day

I will be with you again

I will be with you again

 

何も変わらない新年の初め

そう、新しい日

君とまた一緒に

そう、また一緒に

 

Under a blood red sky

A crowd has gathered in black and white

Arms entwined, the chosen few

The newspapers says, says

 

血のように赤いこの空の下

書かれた言葉に集まる人々

絡まりあった腕、選ばれた僅か

新聞の上の文字、文字

 

Say it's true it's true...

And we can break through

Though torn in two

We can be one

 

嘘だ。嘘なんだ

そんなものは乗り越える

二つに分かたれても

僕らは一つになれる

 

I...I will begin again

I...I will begin again

 

もう一度そうなる

またそうなるんだ

 

Oh...

Maybe the time is right

Oh...maybe tonight...

 

ああ

その時なのかもしれない

今夜、その時なのかもしれない

 

I will be with you again

I will be with you again

 

君とまた一緒になる

一緒になるんだ

 

And so we're told this is the golden age

And gold is the reason for the wars we wage

Though I want to be with you

Be with you night and day

Nothing changes

 

話したよね。僕らは黄金の時代にって

その黄金で、僕らは争いを始めることに

でも、僕は君と居たい

朝起きてから、夜眠るまで

何一つ変わること無く

 

On New Year's Day

On New Year's Day

 

新しい年

古い年が明けたこの日に

 


この曲について


 付き合っている相手と、一度はお互いの関係を見直そうとしたものの、やはり一緒に居たいという気持ちを新たにした曲と思われます。そして、新年を迎えたこの日がそのきっかけとなったのではないかなと思われます。

 

 逆に、関係を見直そうとしたきっかけは、どうも世間の目のように思われます。新聞に何やら書かれた記事の数々、それらに対して、本当のことを言ってくれと懇願しているように思える部分がありますが、それにより一度は相手との関係を終わらせようとしたのかも知れません。

 

 また、もう一つの要因として、生きている時代のせいにしていると思われる部分もあります。自分たちは黄金自体……つまり、平和で充実した時代を生きているというフレーズが有り、またその後を見る限り、その時代が故にお互いの中に争いが発生したようだということが読み取れます。

 

 しかし、そんなことも乗り越えて、また相手と一緒に居ようとしています。want ではなくwill なので、自分の心には迷いはなく、抱負というか決意に近いのではないかなと思います。

 

 さて、この曲は1983年にU2によって歌われた曲です。この曲を聴いて、アメリカでも新年の抱負のような物はあるのかを調べてみたのですが、やっぱりあるようですね。


 
U2 New Year's Day (Full Version)

 そしてもう一つ。この歌詞からだけだと前述のような読み解き方が普通に思えますが、この曲が作られた背景として、当時のポーランドの独立自主管理労働組合の応援ソングとして作られたという、政治的な面があったそうです(出典:Wikipedia)歌詞の中にある、真実を伝えないニュースというのは、当時のポーランドの政治報道の事を言っているそうですね。

 


訳、言葉について


 underway は、「進み続けている」「進み始めている」という意味の言葉です。

 

 night and day (もしくは day and night) は、一日中という意味になります。そういえば、この言葉を見る限り、夜って day に含まれないんですねぇ……

 

 black and white は、普通に捉えれば白と黒ですが、これ一つで「(モノクロの)印刷物」を指すことができます。この曲においては、後に続く歌詞を見る限り、新聞とか週刊誌のようなもののことを指しているのかなと思われます。

 

 entwine は「絡みつく」という意味の言葉です。ちなみにentwinという単語もあるらしく、これだと「切り離す」という全然違う意味になるようです。過去形は entwinned …うーん、ややこしいですね(笑)

 

 wage は、名詞だと「賃金」ですが、動詞で使うと「遂行する」という意味になります。


※2019/01/02 誤訳訂正

 申し訳有りません。crowd を誤って cloud で訳してしまいました。謹んで訂正致します

Do They Know It's Christmas / Band Aid

Do They Know It's Christmas / Band Aid

 

Lyrics&訳

It's Christmas time, there's no need to be afraid

At Christmas time, we let in light and we banish shade

And in our world of plenty, we can spread a smile of joy

Throw your arms around the world at Christmas time

 

クリスマスだよ。恐れる必要はどこにもないよね

クリスマスでは、光に包まれ、暗い影なんて吹き飛んでしまう

僕たちの殆どの世界では、皆あふれる笑顔を振りまける

さあ、その手で世界を抱きしめて。クリスマスだから

 

But say a prayer, pray for the other ones

At Christmas time, it's hard, but when you're having fun

There's a world outside your window

And it's a world of dread and fear

Where the only water flowing is the bitter sting of tears

And the Christmas bells that ring there

Are the clanging chimes of doom

Well, tonight, thank God it's them instead of you

 

誰かの為に祈ろうと人は言うけどさ

クリスマスにそれは難しいよね。でも、君が幸せな今この時に

その窓の外には違う世界もあるんだ

そして、そこでは恐ろしいことが起きているんだ

水は大地からではなく、人の眼からしか湧き出ない世界

鳴り響くクリスマスの鐘の音も

そこでは破滅の合図に聴こえてしまう

だから今夜、神様に感謝しよう。世界がそんな時でも君は楽しいんだろう?

 

And there won't be snow in Africa this Christmas time

The greatest gift they'll get this year is life

Where nothing ever grows, no rain or rivers flow

Do they know it's Christmas time at all?

 

このクリスマスの時、アフリカでは雪も降らないんだ

幸運といえば、この一年を生き延びられることぐらい

雨も降らない、泉も湧かない、枯れ果てた場所

彼らにクリスマスってものはあるのかな?

 

Here's to you, raise a glass for everyone

Here's to them underneath that burning sun

Do they know it's Christmas time at all?

 

君に乾杯。世界の為にグラスを掲げて

彼らに乾杯。太陽の下で灼かれる人に

彼らにクリスマスは届くかな?

 

Feed the world

Feed the world

 

世界を元気に

世界に栄養を

 

Feed the world

Let them know it's Christmas time again

Feed the world

Let them know it's Christmas time again

Feed the world

Let them know it's Christmas time again

Feed the world

Let them know it's Christmas time again

Feed the world

Let them know it's Christmas time again

Feed the world

Let them know it's Christmas time again

Feed the world

Let them know it's Christmas time again

 

世界を豊かに

一緒にクリスマスを楽しもうって

世界に喜びを

そう、クリスマスで気づかせてあげよう

世界を癒そう

聖なる夜は少し休もうって

世界を治そう

この世の素晴らしさをまた語ろう

世界を潤おそう

このクリスマスを一緒に過ごそう

世界に届けよう

幸せな時を分け合おう

世界を満たそう

クリスマスならそれができると信じよう

 

この曲について

 クリスマスソングのテーマの一つに取り上げられることの多い、世界の平和を歌った曲です。恐らく、まだニュース等で世界を知るという経験を持たない子供達に向けたメッセージ性が、特に強いのかなと思います。

 

 最初のフレーズでは、クリスマスって素晴らしいよねという事が語られます。これは、クリスマスを知っている子供達にとっては、ある種当たり前のことです。
 しかし次のフレーズで、実はいま同じこの時に、辛く苦しんでいる人、クリスマスなんて言葉すら知らない人たちが世界には沢山いるという事が伝えられます。そして、それをきちんと伝える為か、少し生々しい表現が使われています。

 

 一つは At Christmas time, it's hard (楽しいクリスマスに、人の為に祈るのは難しい)です。自分がとても楽しい時は素晴らしいけれど、でもそのとき実は、自分のことにばかり夢中になってて、他の人なんか知ったこっちゃないという身勝手な状態になっていると言うことを諭しています。

 

 そしてもう一つは Thank God it's them instead of you です。訳上では少しぼかしましたが、「君が恵まれない彼らじゃなくて良かったと神様に感謝しよう」という意味になります。ものすごく端的に言えば「彼らは不幸だけど君は幸せで良かったね」という事ですね。この歌詞は、曲の製作時にも大分揉めたそうですが、目を背けたくなる事実も包み隠さず伝えたいという想いから、この歌詞には結局手を入れなかったそうです。この歌詞に込められた痛烈な皮肉から、子供達に世界と言う難問について自問自答してほしいと言うのが本意なのだと思われます。

 

 だから、例えばこの楽しい時と幸せな気持ちを、今そうでない彼らも感じられる方法を探そうと言うのが、この曲のテーマですね。そしてその一つの答えの方向性として、クリスマスと言う物がその手助けになれたらという想いが込められているのだと思われます。

 

 さて、この曲はバンドエイド(Band Aid)によって1984年に歌われた曲です。バンドエイドは、様々な著名なるバンドから有志を募って結成されたドリームチームです。(なので、関連アーティストタグもちょっと多めです)
 このプロジェクト名でもあるバンドエイドは、その後もバンドエイドⅡ、バンドエイド20、バンドエイド30と、メンバーを変えつつ曲もリメイクしながら続けられていますので、是非聴き比べてみて下さい。

Band Aid 1984

Do they Know it's Christmas ~ Band Aid 1984

Band Aid Ⅱ

Band Aid II - Do They Know It's Christmas

Band Aid 20

Band Aid 20 Do They Know It's Christmas


Band Aid 30

Band Aid 30 - Do They Know It’s Christmas

 

 また、glee シーズン3のクリスマスエピソードでも、スープキッチンに集まる恵まれない子供達と一緒に歌われました。


Glee-Do They Know It's Christmas? (Full Performance)

 このエピソード自体、楽しいクリスマスと、楽しいの外にあるクリスマスの対比がテーマになっており、暗めのクリスマス曲が歌われたり、サムやローリーが「クリスマスは自分たちだけが楽しければいいのか」と疑問を投げかけるといったシーンが見られます。そんなエピソードのラストを飾るのにふさわしい曲では無いかなと思います。

 

訳、言葉について

 Throw one's arm around ~ は、「~を、誰それが抱きしめる」という意味の熟語です。なので、Throw your arms around the world と言ったら「あなたの腕で世界を抱きしめよう」という意味になります。なお、Throwは Put で似たような表現が可能で、以前ご紹介した The Longest Time でも When you put your arms around me という表現で使われています。また、around ではなく round でも良いそうです。

 

 Here's to ~で、「~に乾杯」となります。乾杯といえば Cheers を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらはどちらかというと乾杯の時のかけ声の意味合いが強く、乾杯という行為そのものとしてはあまり使わないようです。また、A toast も乾杯を指す言葉ですが、こちらは少し格式高いイメージが有ります。

 

 Feed は、食料を与えると言う意味の言葉なので、Feed the world で「世界に食料を与えよう」となります。この解釈は多分二つに分かれるかと思います。一つは「世界の恵まれない人に食料を与えよう」という解釈、そしてもう一つは世界そのものを擬人化して「世界さんに食料を与えよう」という解釈です。前者だと直接的過ぎるかなと思って僕は後者で訳しましたが、先述の生々しい表現で語られた部分があることを考えると、前者で訳した方が本来のメッセージに近いのでしょうね。

Christmas (Baby Please Come Home) / Darlene Love

Christmas (Baby Please Come Home) / Darlene Love

 

Lyrics&訳

It's Christmas

Baby, please come home

Yeah!

 

クリスマスだぜ

頼むから帰ってきてくれよ

なあって!

 

The snow's coming down

I'm watching it fall

Watching the people around

Baby please come home

 

ちらついてきた雪

それを見てる俺

一緒に見える幸せそーな奴ら

なあ、帰ってきてくれよ

 

The churchbells in town

They're ringing a song

What a happy sound

Baby please come home

 

街中の教会の鐘

鳴り響く歌

幸せそーな曲

なあ、帰ってきてくれよ

 

They're singing Deck the halls

But it's not like Christmas at all

I remember when you were here

And all the fun we had last year

 

ひいらぎかざろうを口ずさむ奴ら

なのに全然らしくねぇクリスマス

お前が傍に居たあの頃

ああ、去年はサイコーだったっつーのになぁ

 

Pretty lights on the tree

I'm watching 'em shine

You should be here with me

Baby please come home

Baby please come home

Baby please come home

 

もみの木の電飾

ずっと眺めてる俺

傍に居るはずのお前

なあ、帰ってきてくれよ

頼むから

後生だ

 

They're singing Deck the halls

But it's not like Christmas at all

I remember when you were here

And all the fun we had last year

 

クリスマスソングを歌う奴ら

そんな気になれねぇクリスマス

お前と一緒に歩いた思い出

全く、去年は良かったよなぁ

 

If there was a way

I'd hold back these tears

But it's Christmas day

Baby please come home

 

有ったかもしれない正解

流れなかったかもしれない涙

だが時期はもうクリスマス

なあ、頼むから帰ってきてくれ

 

Ohh...

Baby please come home

Baby please come home

Baby please come home

 

頼むぜなぁ

頼むから帰ってきてくれよ

また一緒に居てくれよ

考え直してくれよ

 

Ohh...

Baby please come home

Baby please come home

 

なあ

頼む、この通りだ

俺のところに帰ってきてくれよ

 

この曲について

 愛する人と別れたことをひたすら悔やむ歌です。主人公は街で独りぼっちで立っており、ぼーっとクリスマスの賑やかな街並みを眺めながら、今はもう隣に居ない恋人を思い出して寂しさを噛みしめています。そして、去年は恋人がいて楽しかったはずのクリスマスと、今年の何も無いクリスマスを比べては落ち込んでいます。

 

 曲調はクリスマスらしく明るくノリのいいものとなっていますが、それはあくまでバックであって、歌っている主人公は必死にかつての恋人に帰ってきてくれと叫び続けています。この幸せそうな周囲と、その幸せさに当てられて別れた恋人が無性に恋しくなっている主人公の落差がこの曲の楽しみ所かなと思います。

 

 さて、この曲は1963年にDarlene Loveによって歌われ、その後様々なアーティストによって歌われております。その中でも有名なのは、U2のバージョンか、マライア・キャリー(Mariah Carey)のバージョンではないかと思います。なお、訳はU2をイメージして、主人公を男性にしてみました。

 

 

訳、言葉について

 Deck the halls は、ポピュラーなクリスマスソング「ひいらぎかざろう」のことです。曲名ではピンと来なくても、「ファララララ~ララッラッラ♪」の部分を聴けば、ああ、あの曲かと思われる方も多いのではないでしょうか。

プロフィール

笹森茂樹

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