Billionaire / Travie Mccoy

 

Lyrics&訳

I wanna be a billionaire so fucking bad

Buy all of the things I never had

Uh, I wanna be on the cover of Forbes magazine

Smiling next to Oprah and the Queen

 

億万長者になりてぇな。あり得ねぇ位の

手にできなかった物も金に飽かせてさ

フォーブスの表紙を飾ってみてぇな

女王やオプラの隣で笑顔で写るのさ

 

Oh every time I close my eyes

I see my name in shining lights, yeah

A different city every night, oh I

I swear the world better prepare

For when I'm a billionaire

 

いつだって目を閉じれば

栄光の中に俺の名前が

毎晩違う街を飛び回る俺が

誓うぜ、全世界の野郎共。首を洗って待ってな

俺がとんでもねぇ金を手にするのをな

 

Yeah I would have a show like Oprah

I would be the host of everyday Christmas

Give Travie your wish list

I'd probably pull an Angelina and Brad Pitt

And adopt a bunch of babies that ain't never had shit

 

オプラみてぇな番組持ってさ

毎日をクリスマスにしてやるのさ

この俺に願い事リストを寄こしなって

アンジェリーナでもブラピでも引っ張って来られるし

見捨てられちまったガキ共もまとめて面倒見てやるさ

 

Give away a few Mercedes like 'Here lady have this'

And last but not least grant somebody their last wish

It's been a couple months that I've been single so

You can call me Travie Claus minus the Ho Ho

 

ベンツの2,3台くらいならくれてやるのさ。「嬢ちゃん、コレやるよ」ってな

それだけじゃねぇ、誰かの一生の願いだって叶えてやるんだ

この2、3か月、俺についてくる奴は誰もいねぇ

さみしんぼうのトラヴィー・クロースとでも歌ってくれや

 

Ha ha get it? I'd probably visit where Katrina hit

And damn sure do a lot more than FEMA did

Yeah, can't forget about me, stupid

Everywhere I go, Imma have my own theme music

 

いいか、俺はきっとハリケーンに滅茶苦茶にされた街に行って

皆を助けまくってみせるのさ。フィーマなんて役立たずよりずっとな

まあ俺のことを忘れられなくしてやるよ、くそったれ

この世のどこでもオレ様のテーマソングを歌ってやるからな

 

Oh every time I close my eyes (what you see what you see brah?)

I see my name in shining lights (uhuh uhuh yeah what else?)

A different city every night, oh I

I swear the world better prepare (for what?)

For when I'm a billionaire

 

いつもこうやって目を瞑れば

眩しい光の中にある俺の名が見える

毎晩違う街で眠る俺が見える

ああ、誓うさ。待ってろよ世界

長者番付でも何でも載ってやるさ

 

Oh oooh oh oooh for when I'm a billionaire

Oh oooh oh oooh for when I'm a billionaire

 

ああそうさ、俺がのし上がる日を

すっげぇ金を手にする日を

 

I'll be playing basketball with the President

Dunking on his delegates

Then I'll compliment him on his political etiquette

Toss a couple milli in the air just for the heck of it

But keep the fives, twenties, tens and bens completely separate

 

大統領とバスケだってしちまうぜ

この俺をヤツの側近の中にダンクシュートだ

でもってヤツの素ん晴らしい人格を褒め称えてやんの

お遊びではした金を空に放り投げまくってやるのもいいな

5ドル、20ドル、10ドル、100ドル、全部の札をきっちり分けてさ

 

And yeah I'll be in a whole new tax bracket

We in recession but let me take a crack at it

I'll probably take whatever's left and just split it up

So everybody that I love can have a couple bucks

 

もう、新しい税率階級作らねぇとおっつかねぇぐらいでさ

この不景気だって俺が何とかできんじゃねぇの

俺にいくら残るんだか分かんねぇけどさ、全部分けちまうの

そしたら、俺の愛する皆に2,3ドルは届くんじゃねぇか

 

And not a single tummy around me would know what hungry was

Eating good, sleeping soundly

I know we all have a similar dream

Go in your pocket, pull out your wallet

And put it in the air and sing

 

そしたら、俺の周りの奴らの腹は、初めて飢えてたってことに気付くのさ

良く食って、よく寝るんだ

みんなそんなの夢見てるんだろ

ポケットに手を突っ込んで財布を出しな

そんなもん放り投げて歌うんだ

 

I wanna be a billionaire so fucking bad (so bad)

Buy all of the things I never had (buy everything ha ha)

Uh, I wanna be on the cover of Forbes magazine

Smiling next to Oprah and the Queen (what up Oprah)

 

そうさ、超絶金持ちになりてぇ。呆れて物も言えねぇぐらいの

ぜってぇ手に入らなかった物だって思いのままさ

全世界の王者共と一緒に名前を連ねてさ

そいつらと肩並べて笑うんだ

 

Oh every time I close my eyes (what ya see, what you see brah?)

I see my name in shining lights (uh huh, uh huh, what else?)

A different city every night, oh I

I swear the world better prepare (for what?)

For when I'm a billionaire (yeah, sing it)

 

だから今はこうやって目を閉じて

そうなる事を信じてる

世界を股にかけてやるって

よお全人類に告ぐ。目ん玉ひんむいて見てろ

俺がトップにのし上がる日を

 

Oh oooh oh oooh when I'm a billionaire

Oh oooh oh oooh

 

そうさ、俺が頂点を極める瞬間を

いつかきっと

 

I wanna be a billionaire so fucking bad

 

億万長者だ。ぶったまげるほどのな

 

この曲について

 とにかく金持ちになりたい。億万長者になりたい。ひたすらそんなアメリカンドリームを夢見る曲です。ただ、言葉尻はお金にフォーカスを当てた「億万長者」となっておりますが、この主人公がなりたいものの本質は、どちらかと言うとヒーローに近いものなのではないかなと思います。

 

 通常、お金があればまずは自分の欲望を満たす為の使い道を考える物ですが、歌詞の内容を見る限り、どうもちょっとそちらとは想いのベクトルが違うようです。かといって、金と言う権力を使って世界を思いのままに動かしてやろうとか、そう言った野心めいた類のものも見当たりません。あるのは、恵まれない人、不幸に見舞われた人達への救済の心と、それによって感謝されたい、讃えられたいという名誉やステータスといったもののようです。

 

 その意志を如実に表しているのが、歌詞中に出てくる「Oprah」という人物名です。オプラ・ゲイル・ウィンフリー(Oprah Gail Winfrey)は、アメリカの有名な司会者で、世界有数の億万長者なのですが、その一方でアメリカで最も偉大な慈善事業家とすら言わしめるほどの活動を行っている人物でもあります。その彼女に憧れていると言うことなので、この主人公が「お金」と言う物が持つ力に求めているものの一つには、そのように人々を幸せにすることがあるでしょうね。

 

 実際、歌詞の中に出てくる「お金があったら何をするか」という内容も何となく、幼稚園児や小学校低学年ぐらいの男の子が語る、突拍子もないほどカッコイイ未来の自分っていう感じがしませんか。多分、この主人公は心底カッコよくなりたいのだと思います。そして、その単にその手段が彼にとってはお金というだけであって、Billionaire というタイトルには、そんな理想の自分像を込めているのでしょうね。

 

 さて、この曲は トラヴィー・マッコイ (Travie Mccoy) が ブルーノ・マーズ (Bruno Mars) をゲストに招いて2010年にリリースされた曲で、トラヴィーのデビュー曲でもあります。100万回以上のダウンロードが記録されており、全米でトップ4まで上り詰めた曲で、タイトル通りの Billionaire とまではいかなくても、大分売れた曲となりました。

 

Travie McCoy: Billionaire ft. Bruno Mars [OFFICIAL VIDEO]


 日本ではこの曲、ブルーノ・マーズの曲と言うイメージの方が強いかもしれませんね。実際、グラミー賞も取った彼の方が稼いでそうですが(^^;)

 

 また、この曲は glee のSeason2で新たに加わったメンバー、サムの初披露の曲としても使われました。これが歌われた話の時点では違いましたが、後程父親が仕事をクビになり、モーテル暮らしを余儀なくされた彼を見てからこの曲のシーンを見ると、また一味違った感慨がありますね。


GLEE - Full Performance of ''Billionaire'' from ''Audition''

訳、言葉について

 この曲の特徴の一つは、人物名を含めて色々な固有名詞が出てくるところだと思いますので、それぞれ解説してみます。(Oprah は前述したので省きますね)

 

 Forbes は、有名な経済誌の名前です。日本でもForbes JAPANとして売られているので、政治経済の情報収集をなさっている方には馴染みの深いタイトルでしょうね。

 

 Angelina は、恐らくアンジェリーナ・ジョリー (Angelina Jolie) のことでしょうね。続くBrad Pitt はそのままブラッド・ピットですね。

 

 Mercedes は、皆さんご存知のメルセデス・ベンツ (Mercedes Benz) です。アメリカでも、やっぱりベンツは高級車の代名詞のようです。

 

 Katrina は、2005年にアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)のことと思われます。そのハリケーンに襲われた街の復興の手助けに行こうとしているのでしょうね。

 

 FEMA は、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)の略称だそうです。重大な災害が発生した時の対応機関のようなのですが、上記のタイフーン・カトリーナの被害の時の対応に関してはかなり市民から不満があったようで、Wikipedia にもその件が記載されています。
 この背景を理解すると、歌詞中にこのカトリーナとフィーマという二つの固有名詞を並べたのには、「役立たずの政府」という暗黙のニュアンスを浮かび上がらせる意図が込められているのだなと分かりますね。

 

 固有名詞はここまでにして、他の言葉についてですが、訳す上で非常に困ったのが Toss a couple milli in the air でした。Toss ~ in the air で、「~を空に向かって放り投げる」なのは分かるのですが、 a couple milli が何を意味しているのかが良く分かりませんでした。普通に読めば、milliはミリなので、1000分の1となり、a couple milli だと 1000分の2~3 のですが……考え付いたのは

 

1:milli はmillionの略

2:ミリメートルのことで、お札を束にした時の厚さ

3:自分の持つ資産の1000分の1

 

  の3パターンでした。とはいえ、1番の略し方があるとは調べても出てきませんでしたし、2番にしても、アメリカではミリメートルという単位自体普段は使わないので、やっぱり3でしょうかね。

 

 For the heck of it は、「興味本位で」「面白半分で」という意味を持つイディオムです。Heckが「一体全体どういうことだ」というようなニュアンスを持った言葉なので、そこから「訳がわからない」→「理由なんてなく」→「面白半分で」みたいなニュアンスで使われるようになったのかなと、個人的に勝手に解釈しました。

 

 また、bens は100ドル札の事です(sは複数形)。恐らく、肖像画がベンジャミン・フランクリン (Benjamin Franklin) だから、頭の3文字を取って ben と呼んでいるのではないかなと思われます。