さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

Musicalの関連記事一覧

My Favorite Things / Sound Of Music

My Favorite Things / Sound Of Music

 

Lyrics&訳

Raindrops on roses and whiskers on kittens

Bright copper kettles and warm woolen mittens

Brown paper packages tied up with strings

These are a few of my favorite things

 

バラに降る雨、猫のおひげ

ピカピカ光る銅の薬缶に、とてもあったか毛糸のミトン

茶色の紙で、包んで結んで

ささやかだけど、お気に入り

 

Cream colored ponies and crisp apple strudels

Door bells and sleigh bells and  with noodles

Wild geese that fly with the moon on their wings

These are a few of my favorite things

 

鳥の子色したお馬さん、さっくりリンゴのシュトルデル

扉のベルにそりのベル、ヌードルを添えたシュニッツェル

その両翼で月を飛ぶガチョウ

数少ないけど、お気に入り

 

Girls in white dresses with blue satin sashes

Snowflakes that stay on my nose and eyelashes

Silver white winters that melt into springs

These are a few of my favorite things

 

青いサテンの帯を結んだ、白いドレスの女の子達

まつ毛とお鼻の上に残った、小さな雪のかけら達

冬の白銀に染まったものは、春に向かって溶けてゆく

選りすぐった、お気に入り

 

When the dog bites, when the bee stings

When I'm feeling sad

I simply remember my favorite things

And then I don't feel so bad

 

犬に噛みつかれたとしても、蜂に刺されてしまっても

哀しい気持ちになったとしても

こんな物達を思い出すの

すると気持ちも落ち着くの

 

この曲について

 自分の大好きな物についてを並べた歌ですが、そのどれもがとても素朴ですね。日々の小さなことを愛おしがる、可愛らしさと慎ましさのようなものが見えてくる気がします。

 

 キーフレーズとなる These are a few of my favorite things (これらは、数少ない私の好きな物達)は、この素朴な雰囲気をそのまま汲み取って、そんなに大それたものは望んでいないといった、奥ゆかしい雰囲気を汲み取るのが自然かと思います。が、一握りの本当に好きと言えるものを選りすぐった為、数はそんなに多くないと捉えても良いような気もします。そうすると、最後に描かれている、「どんなことがあってもこれらを思い出すことで元気になれる」という部分が、より強い想いとして捉えられるのではないかなと思います。

 

 さて、この曲は皆さんお馴染みのミュージカル、サウンド・オブ・ミュージック (Sound Of Music) に登場する一曲で、初出は1959年となります。マリア先生が、雷を怖がる子供達をなだめる為に一緒のベッドで歌った訳ですが、歌詞を見る限り、雷なんて好きな物を思い出していれば忘れてしまうでしょうと言っているのでしょうね。

The Sound of Music (3/5) Movie CLIP - My Favorite Things (1965) HD



 そして何と言っても、この曲を聴いた時には皆さんの頭の中に「そうだ、京都、行こう」のキャッチフレーズがパッと浮かぶでしょうね。国内では、JR東海のキャンペーン曲として、長く使用されています。

 

 また、 glee でもこの曲はクリスマスの回で歌われています。何故この曲がクリスマスで歌われたのかは良く分かっていなかったのですが、毛糸のミトンや雪の欠片など、冬を思い出させるものが多い為、一般的にクリスマスソングとしても良く歌われているそうです。

GLEE - My Favorite Things (Full Performance) HD

訳、言葉について

 whisker は、髭のことです。髭と言うと beard を思い出される方も多いかと思いますが、beard は「あご髭」であるのに対し、whisker は「ほお髭」を表すそうです。

 

 strudel は、パイ生地の中に具を詰めて焼いたものです。曲中にもあるリンゴを初め、ドライフルーツやナッツを詰めて焼いたものは、クリスマスに食べられるそうです。

 

 schnitzel は、主に牛肉をカツレツにした料理のことのようです。 noodle with… となっていますが、このnoodleはパスタか何かかなと思われます。

I Wanna Be Loved By You / Marilyn Monroe

 

I Wanna Be Loved By You / Marilyn Monroe

Lyrics&訳

I wanna be loved by you

Just you and nobody else but you

I wanna be loved by you - alone

Boo boo bee doo

 

あなたから愛されたいわ

あなただけ。そう他の誰でもないあなた

あなたから愛されたい……あなただけ

 

I wanna be kissed by you

Just you and nobody else but you

I wanna be kissed by you - alone

Boo boo bee doo

 

あなたからの口づけが欲しいの

そうあなた。他の誰でもないあなた

あなたからの口づけが……二人きりで

 

I couldn't aspire

To anything higher

And to feel the desire

To make you my own

Badum badum bee doodily dum ! Boo !

 

そんな望んだりはしてないわ

どんなことにも。高望みはね

それでも強く望むのは

あなたが私と一緒になること

 

I wanna be loved by you

Just you and nobody else but you

I wanna be loved by you - alone

 

あなたから愛されたいの

他の人なんてどうでもいいわ

あなたから愛されたいの……そう、あなただけ

 

I couldn't aspire

To anything higher

And to feel the desire

To make you my own

Badum badum bee doodily dum ! Boo !

 

大したことは望まないわ

どんなこともほどほどで良いの

それでも強く望むのは

あなたが私のもとに

 

I wanna be loved by you

Just you and nobody else but you

I wanna be loved by you

Ba deedily deedily deedily dum

Boo boo bee doo !

 

愛されたいの。あなたから

あなただけ。他は誰もいらない

そう、愛されたいの。あなたから

この曲について

 内容は非常にシンプルな曲ですね。あなたが欲しい。それ以外は大して望んでない。そんなラブコールを送る歌ですね。

 

 ……本当にこれだけなので、逆に他に特筆する内容も無いですね(笑)なお、途中にある「Boo boo bee doo」や「Badum badum bee doodily dum ! Boo !」はスキャットの為、特に意味はありません。

 

 さて、この曲はみなさんご存知、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe) によって、映画「お熱いのがお好き」の中で歌われたことで有名ですが、実際はこの映画の元となったミュージカルで、ヘレン・ケイン(Helen Kane)が歌った曲のアレンジとなっています。
 若い世代の方でも、マリリン・モンロー版の曲のイントロの「ジャージャッジャッジャジャッ♪ジャージャッジャジャッ♪」を聴けば「ああ、この曲ね」ってなるのではないかなと思います。



Marilyn Monroe - I Wanna Be Loved By You (HD)

 ちなみに、ヘレン・ケインバージョンはこちら


Helen Kane - I Wanna Be Loved by You (1928)

訳、言葉について

 alone は、「独りで」と言う意味で捉えられることが多いですが、もうちょっと大枠のイメージとして「他に誰もいない」という状況を表す言葉である為、「~だけ」とか「二人きり」のような使い方もできます。

 

 no○○ but △△は、「○○でなく、△△だ」という言い回しとなります。その為 nobody else but you は「他の誰でもなく、あなただ」という意味になります。

Slipping Through My Fingers / ABBA

 

Slipping Through My Fingers / ABBA

 

Lyrics&訳

Schoolbag in hand, she leaves home in the early morning

Waving goodbye with an absent-minded smile

I watch her go with a surge of that well known sadness

And I have to sit down for a while

 

教科書の詰まった鞄を手に、朝早くから出かけて行く

手を振って見送るの。上の空の笑顔と共に

あの子が行く姿を見てると、押し寄せてくるの。寂しさが

少しの間、立っているのも辛くなる

 

The feeling that I'm losing her forever

And without really entering her world

I'm glad whenever I can share her laughter

That funny little girl

 

これから先、あの子が失われていくように思えて

あの子の人生から放り出された気がして

いつだって、あの子と笑い合えるのが幸せで

愉快な、明るい女の子

 

Slipping through my fingers all the time

I try to capture every minute

The feeling in it

Slipping through my fingers all the time

Do I really see what's in her mind

Each time I think I'm close to knowing

She keeps on growing

Slipping through my fingers all the time

 

いつだってそう。この指をすり抜けて行くよう

様々な瞬間を留めおきたいけど

そんな時に感じるの

この指の間から抜け落ちていくと

本当にあの子のことを分かってあげられているか

そう考える度、思い知るの

大人になり続けて行くあの子を

そしてこの指をすり抜けて行ってしまうのだなと

 

Sleep in our eyes, her and me at the breakfast table

Barely awake I let precious time go by

Then when she's gone, there's that odd melancholy feeling

And a sense of guilt I can't deny

 

目をこすりながら、二人で囲む朝食のテーブル

なんとか目を覚まして、この大切な時を過ごしている

あの子が席を立つと、なんだか胸に穴が空いたようで

そんなこと考えてはダメと分かっているけど

 

What happened to the wonderful adventures

The places I had planned for us to go

Well, some of that we did, but most we didn't

And why, I just don't know

 

この素晴らしい旅路に何があったって言うの

私達、あの場所へ向かおうと決めて

できたこともあったけど、殆どのことは

何故かしら。分からない

 

Slipping through my fingers all the time

I try to capture every minute

The feeling in it

Slipping through my fingers all the time

Do I really see what's in her mind

Each time I think I'm close to knowing

She keeps on growing

Slipping through my fingers all the time

 

この指から漏れ落ちて行くよう

沢山の時間。そのどれも切り取っておきたい

そんな時感じるの

この指の間からこぼれて行く気分を

考える度、分かってしまう

今のあの子のままではないのだと

この手はあの子を留め置けないのだと

 

Sometimes I wish that I could freeze the picture

And save it from the funny tricks of time

Slipping through my fingers...

 

たまに思うの。この一枚絵を止められたらと

そして、時間のいたずらから守れたらと

今もこの指から滑り落ちてく……

 

Slipping through my fingers all the time

 

今この時も、この手の先から

 

Schoolbag in hand, she leaves home in the early morning

Waving goodbye with an absent-minded smile

 

教科書の詰まった鞄を手に、また朝早くから出かけて行く

手を振って見送るの。いつもの笑顔と共に

 

この曲について

 自分の娘が成長するにつれ、だんだん自分の手を離れて行ってしまう。そんな時の親の心境を描いた曲です。シチュエーションとしては、以前ご紹介した Landslide に似ているかもしれません。

 

 この主人公の娘さんはまだ学生のようですね。しかし、学生は学生の社会を持っているもので、そこは親の目の届かない場所です。恐らくですが、毎日の中で、自分の知らない娘さんの姿を垣間見たり、すぐには受け入れられないような考え方が娘さんから飛び出したり……少しずつ、今までの自分の知っていた娘さんから変わって行くのを感じており、そしてそれについて行けていない自分に気付いているのでしょうね。without really entering her world という部分に、そんな気持ちが現れているのではないかと思います。

 

 そんな瞬間に出会う度、自分の手を娘さんが離れて行ってしまう感じを、自分の手の中から砂や水が指の隙間を通って零れ落ちてしまう様子に例え、Slipping Through My Fingers と題したようです。

 

 さて、この曲は、1981年にアバ(ABBA)によってリリースされた曲で、アルバム The Visitor に収録されています。また、レコードの画像を見てお分かりの通り、コカ・コーラのプロモーションミュージックとして採用されています(・・・何故)



ABBA - Slipping through my fingers

 そしてこの曲は、ミュージカル「マンマ・ミーア!」(Mamma Mia!) の中で、主人公のドナ(Donna)によって歌われています。娘であるソフィ(Sophie)が嫁に行く直前、最後の二人の時間を過ごしながら歌われるこの歌は、ABBAのバージョンと比べて、より母親らしさを強調したイメージに仕上がっています。メリル・ストリープの歌声もいいですねぇ。

Mamma Mia! (2008) - Slipping Through My Fingers Scene (8/10) | Movieclips

訳、言葉について

 Absent-minded は、Absent(不在)、Mind(心)なので、「心ここにあらず」という表現となります。

 

 Each time ~ は、「~の度に」という表現になります。Every time と殆ど同じ意味合いで使えますが、Each time の方が、行動と結果の因果関係にフォーカスを当てたニュアンスがあるそうです。

 

 Sleep in our eyes は、Sleep in one's eyes で「眠そうな目をしている」という意味になるので、「私達は眠そうな目をしている」という意味になります。

Mr.Cellophane / Chicago

Mr.Cellophane / Cicago

Lyrics&訳

If someone stood up in a crowd

And raised their voice up way out loud

And waved their arm and shook his leg

You'd notice him

 

もし誰かが人ごみに立ってて

うるさく声を張り上げて

手足をじたばたさせてたら

君は気付くよね

 

If someone in the movie show

Yelled, "Fire!, in the second row

This whole place is a powder keg!"

You'd notice him

 

もし誰かが映画の最中に

こう叫ぶんだ「火事だ!前から2列目!

もうここは、火薬樽と変わらないぞ!!」

そしたら君は目が放せない筈だ

 

And even without clucking like a hen

Everyone gets noticed, now and then

Unless of course, that personage should be

Invisible, inconsequential me

 

別に鶏みたいにけたたましく騒いでなんかなくたって

普通は「そこにいる」って分かって貰える

ああそうさ、人として消えてしまうことなんてない

取るに足らない僕を除いては、ね

 

Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me

And never know I'm there

I tell ya Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me and never know I'm there

 

セロファン。ああ、ミスターセロファン

そんな名前が相応しい。ミスターセロファンだ

ほら、僕は透けて見えるだろ?

僕のそばを歩いたって

ここにいるって分かるまいさ

こう呼んでくれ。ミスターセロファン

似合うだろう。ミスターセロファンだ

君には見えない、無色透明

僕がそばにいるなんて知らないんだろう?

 

Suppose you was a little cat

Residin' in a person's flat

Who fed you fish and scratched your ears?

You'd notice him

 

君は言ってみれば、子猫ちゃんみたいなもんだったのかね

新しいご主人様のそばで

お魚をもらって耳でも掻いてるようなね

君の目に映るのは彼ばっかだ

 

Suppose you was a woman, wed

And sleepin' in a double bed

Beside one man, for seven years

You'd notice him

 

君はまあなんというか、そんな女だったんだな

結婚して、ダブルベッドで寝て

7年も前に乗り換えてた

君が気にかけるのは

 

A human being's made of more than air

With all that bulk, you're bound to see him there

Unless that human bein' next to you

Is unimpressive, undistinguished you know who

 

空気の寄せ集めよりずっと確かな存在のあいつ

君はあそこにいるあいつに釘付けさ

君のすぐ隣にいる誰かさんのような

そう、面白くもなんともない人その人ではなくてね

 

Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me and never know I'm there

I tell ya Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me and never know I'm there

 

セロファン。そう、ミスターセロファンだ

正にそうじゃないか。ミスターセロファン

君には見えてないんだものな

僕のそばを通り過ぎて、気付かないままで

覚えておいてくれ、ミスターセロファンだ

ぴったりだと思わないか、ミスターセロファン

居ても居なくても同じな僕だ

こんなそばでも、僕が居るような素振りも見せず

 

Never even know I'm there

Hope I didn't take up too much of your time

 

例え…そう、気付いていたとしてもね

まあいいさ、これ以上時間を取らせるつもりもないよ

 

この曲について

 想いを傾けた相手の視界にも入れて貰えず、ただ別の男と仲良くしている彼女を眺めるばかり。そんな自分、居ても居なくても変わらない、薄っぺらな存在ということを自虐的に歌った曲ですね。

 

 存在感が無い、薄っぺらい、透明のような自分を例えたのがセロファンです。いっそ、名前もそうであった方がいいとまで言っていますね。この主人公、卑屈になりすぎて大分ねじ曲がってしまっているようです。そんな彼に幸せが訪れるかと言えば……見込みはなさそうですね。

 

 さて、この曲は1975年に初演が行われ、以降再演、映画化までされて長く続くミュージカル「シカゴ(Chicago)」の中のナンバーで、主人公ロキシー(Roxy)の夫である、バカ正直と言うか、正直バカなエイモス(Amos)によって歌われた曲です。ロキシーが妊娠でスキャンダルになっている中、その父親である筈のエイモスは全く世間から相手にされずおざなりになっている時に歌われます。



Mr. Cellophane

 本当に何の救いも無いまま舞台が終わってしまう、彼の悲哀と呆気なさが良く出ている曲ですね(笑)

 

 また、この曲は glee でカートがグリークラブに入る際のオーディションにてこの曲を歌いました。




Glee Mr Cellophane Music Video KURT

 いじめの標的となっていた当時の彼の心境を良く表した曲ではありますが、以降の彼の派手なエンターテイナーぶりを見ると、とても彼がこれを歌っていたとは思えないほど成長したなって思えますね。エイモスとは違ってよかったです

 

訳、言葉について

 Keg は樽の事ですが、これが Powder keg となると、火薬樽を意味するそうです。

 

 Person's flat の Flat ですが、これは日本で言うところのアパートに相当するようです。どちらかと言うとイギリス寄りの言葉のようで、アメリカでは Apartment のようです。

 

 Next to you という言葉がありますが、 Next to ~で「~の隣」という意味になります。neighbor と違い、本当にすぐ横隣というような、位置を強調した感じでしょうか。

Seasons Of Love / RENT

Seasons Of Love / RENT

 

Lyrics&訳

Five hundred twenty-five thousand six hundred minutes

Five hundred twenty-five thousand moments so dear

Five hundred twenty-five thousand six hundred minutes

How do you measure-measure a year

 

525,600分

525,000の愛しい瞬間

525,600分

君はどう測る?1年っていうものを

 

In daylights- in sunsets

In midnights- in cups of coffee

In inches- in miles

In laughter- in strife

 

陽の昇った回数か 陽の沈んだ回数か

夜が訪れた回数か 淹れたコーヒーの回数か

長さで測ろうか 距離で測ろうか

笑った回数か 怒った回数か

 

Five hundred twenty-five thousand six hundred minutes

How do you measure a year in the life

 

525,600分

どう測ればいい?この人生の一年を

 

How about love

How about love

How about love

Measure in love

Seasons of love

Seasons of love

 

愛ならどうかな

愛ならいいんじゃないか

愛で見てみればいいんじゃないか

愛で測ってみようよ

最初、この愛はどうだったのか

今、その愛はどうなっているかで

 

Five hundred twenty-five thousand six hundred minutes

Five hundred twenty-five thousand journeys to plan

Five hundred twenty-five thousand six hundred minutes

How do you measure the life of a woman or a man

 

525,600分

525,000の旅人達

525,600分

どうやって捉えよう。女の人も、男の人も

 

In truth that she learned

Or in times that he cried

In bridges he burned

Or the way that she died

 

彼女が知った真実か

彼が涙した瞬間か

あいつが閉ざしてしまった心か

あの娘の死と言う現実か

 

It's time now to sing out

Though the story never ends

Let's celebrate remember a year in the life of friends

 

今こそ皆で歌い明かそう

この物語は終わりを知らないけれど

この一年を、過ごした仲間を、今日この日に胸に刻もう

 

Remember the love

(Oh, you got to, you got to remember the love)

Remember the love

(You know that love is a gift from up above)

Remember the love

(Share love, give love, spread love)

Measure in love

(Measure, measure your life in love)

 

思い出すんだ、愛があったことを

(そう、思い出すべきよ)

それを忘れちゃいけない

(愛は神様からの贈り物だから)

覚えておくんだ

(そして分け合うの。与えるの。広めるの)

愛でこの一年を振り返ろう

(あなたの人生に常に愛はあったはずだから)

 

Seasons of love

Seasons of love

 

今の愛はどうなっているか

あの頃の愛はどうだったかって

 

この曲について

 テーマは見てお分かりの通り「1年」です。そして、その1年をどう測ろうという曲です。「どう測る」というと若干伝わりにくいかもしれませんが、この1年はあなたにとってどうだったかと尋ねられた場合に、何を基準に答えようという事だと思います。

 

 仕事、学業、趣味……色々考えられますが、この曲では愛を基準に見た場合どうだろうと提案されます。1年あれば人の心内やそれを取り巻く環境も変化する物ですが、それがどう移り変わってきたかを辿ることで、この1年を振り返ろうということのようです。

 

 愛で……とは言いますが、決して幸せなことばかりでは無く、むしろこの曲では悲しい思い出に主軸が置かれています。特に、She died (彼女は亡くなった) とある為、特に辛い1年であったことが垣間見えます。

 

 さて、この曲はRENTというミュージカルの代表曲の一つで、映画では開幕早々に主人公たち全員で歌われます。RENTは、芸術家を志す若者たちとそれらを取り巻く社会現状の1年を描いた作品です。ミュージカル公開当時の1994年辺りの時代背景を反映して、AIDSとそれによる死も話の核に関わってきます。

 

 ミュージカルのオリジナルキャストでの映画化も実現されておりますので、ご覧になったことの無い方は是非。glee のレイチェルの母親役であり、アナと雪の女王の Let It Go の歌い手でもあるイディナ・メンゼル(Idina Menzel) も出演してます。


Seasons of Love (HD)

 

 そして、この曲はgleeのフィン役であったコーリー・モンテース(Cory Monteith)がドラマの完結を待たずに亡くなり、その追悼の為に作られた話の最初に歌われました。

 
GLEE Seasons Of Love Full Performance Official Music Video HD

 

 彼が生きてた時のgleeのグランドフィナーレを見たかったです。本当に。

 

訳、言葉について

 Bridges he burned という一節が有ります。熟語でburn one's bridgeという言葉が有り、意味は「誰それの橋を焼き払う」から転じて「誰それと関係を断ち切る」という意味になりますので、Bridges he burnedは「彼が断ち切った関係」のようなニュアンスで訳せばいいかなと思います。

 

 Celebrate はいつも訳に困る単語です。「祝う」とか「褒める」とかなのですが、そのままその言葉を当てこんでしまうと、大抵その前後の単語やシチュエーションとしっくり来ないと言うか……。かといって「偲ぶ」でもないですしね。強いていうなら「今日を特別な日にする」でしょうか。多分、日本語でぴったりに表現しきれない単語の一つなのではないかなと思います。
 余談ですが「偲ぶ」を英訳したらRemember……逆に「偲ぶ」は英語でぴったり表現しきれない日本語の単語かもしれません。

 

 あと、今回は Seasons もどう訳したものかと思いました。Seasonと言うとパッと思い浮かぶのは「季節」ですが、「愛の季節」ってこの曲とはちょっと違うベクトルの表現かなと言う気がします。多分「章」とか「期間」とか「節目」が近いイメージかなと思うのですが……なんか気に食わなかったので、単語で訳すのは諦めて、意訳表現にしました。

プロフィール

笹森茂樹

カテゴリ
関連アーティスト検索
検索