さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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Lord Of The Dance / Traditional

Lord Of The Dance / Traditional

Lyrics&訳

I danced on the morning when the world began

I danced in the moon and the stars and the Sun

I came out of Heaven and I danced on the Earth

In Bethlehem I had my birth

 

この世界が始まった朝、私は踊っていたのです

月の、星々の、太陽の下、私は踊っていたのです

天の国より訪れて、この地の上で踊ったのです

ベツレヘムにて、私がかつて生まれたこの地で

 

Dance, dance, wherever you may be

I am the lord of the dance, said he

And I lead you all wherever you may be...

And I lead you all in the dance, said he

 

踊ろう、踊ろう、貴方が何処に居ようとも

私は踊りの王たる者と、彼は仰せになったのです

私は貴方を導きましょう。貴方が何処に居ようとも

そう、この踊りで導きましょうと、彼は仰せになったのです

 

I danced for the scribes and the Pharisees

They would not dance and they wouldn't follow me

I danced for the fishermen James and John

They came with me and the dance went on

 

戒律主義者に代筆者。彼らにもまた踊ったのです

彼らが踊らぬ者であっても、後に続かぬ者であっても

漁師ヤコブとヨハンの二人、彼らにもまた踊ったのです

彼らは私の近くに寄り添い、私と一緒に踊ったのです

 

Dance, dance, wherever you may be

I am the lord of the dance, said he

And I lead you all wherever you may be...

And I lead you all in the dance, said he

 

踊ろう、踊ろう、貴方が何処に居ようとも

私は踊りの王たる者と、彼は仰せになったのです

私は貴方を導きましょう。貴方が何処に居ようとも

そう、この踊りで導きましょうと、彼は仰せになったのです

 

I danced on a Sabbath and I cured the lame

The holy people thought it was a shame

They cut me, they stripped me, and they hung me high

And left me there on a cross to die

 

安息日にも私は踊り、脚動かぬ者を治したのです

聖人たちは思われた。何とそなたは恥ずべき者かと

彼らは私を切り裂いて、裸体を高くに吊し上げ

十字架の上に張り付けて、只々死ぬのを待ったのです

 

Dance, dance, wherever you may be

I am the lord of the dance, said he

And I lead you all wherever you may be...

And I lead you all in the dance, said he

 

踊ろう、踊ろう、貴方が何処に居ようとも

私は踊りの王たる者と、彼は仰せになったのです

私は貴方を導きましょう。貴方が何処に居ようとも

そう、この踊りで導きましょうと、彼は仰せになったのです

 

I danced on a Friday when the sky turned black

It's hard to dance with the Devil on your back

They buried my body, but I'd gone...

I am the dance and I still go on

 

空の昏き金曜日にも、踊ることはやめぬのです

貴方の背後の悪魔と共に、踊るのはさぞ難しいでしょう

身体は彼らに埋められて、この世を去るに至ったが

私は踊りとして在りて、今もまたここに在るのです

 

Dance, dance, wherever you may be

I am the lord of the dance, said he

And I lead you all wherever you may be...

And I lead you all in the dance, said he

 

踊ろう、踊ろう、貴方が何処に居ようとも

私は踊りの王たる者と、彼は仰せになったのです

私は貴方を導きましょう。貴方が何処に居ようとも

そう、この踊りで導きましょうと、彼は仰せになったのです

 

Well they cut me down but I lept up high

I am the light that will never, never die

I live in you and you live in me...

I am the lord of the dance, said he

 

彼らは私を切り裂いた。だが私は天に跳ね上がり

終わること無き光となりて、永久にそこに在り続けましょう

私は皆の中に在りて、皆は私の中に在る

私は踊りの王たる者ぞと、彼は仰せになったのです

 

Dance, dance, wherever you may be

I am the lord of the dance, said he

And I lead you all wherever you may be...

And I lead you all in the dance, said he

 

踊ろう、踊ろう、そなたが何処に居ようとも

私は踊りの王たる者と、彼は仰せになったのです

私はそなたを導こう。そなたが何処に居ようとも

そう、この踊りで導こうと、彼は仰せになったのです

 

Dance, dance, wherever you may be

I am the lord of the dance, said he

And I lead you all wherever you may be...

And I lead you all in the dance, said he

 

踊ろう、踊ろう、皆が何処に居ようとも

私は踊りの王たる者と、彼は仰せになったのです

私は皆を導こう。皆が何処に居ようとも

そう、この踊りで導こうと、彼は仰せになったのです

 

この曲について

 キリストの生誕から、十字架に張り付けられて処刑され、その後に神聖なる存在となったまでを描いた曲です。

 

 この曲では、キリストは踊りを踊るもので、それにより大衆を一つにまとめ上げたように描かれています。実際はキリストはダンサーでは無かったでしょうが、皆が彼の後に続く様は、確かにリードダンサーに近いかもしれませんね。

 

 本来は何もしてはならない安息日であっても、奇跡を起こして大衆を惹きつけた彼は、恥ずべき存在として当時の聖人達……権力者達に処刑されてしまいます。しかし、死んでその身が果てた後も、天から射す光となって皆の心の中に永遠に存在し続け、皆を導いていこう。そんなストーリーとなっています。

 

 さて、この曲は讃美歌のナンバーではあるものの、歴史は割と新しく、1963年に作られたものです。ただメロディーそのものは、Simple Gift という別の歌のものとして、古くから存在しています。クリスマスの曲としては余り一般的なナンバーでは無いかもしれませんが、ゴスペルではない讃美歌としてはノリが良い方で、親しみやすいのではないかなと思います。



The Dubliners - Lord Of The Dance (with lyrics) - HD

 僕の知っている中だと、ブラックモアズ・ナイト(Blackmore's Night)が歌っています。※但し、歌詞が大分違います。



Blackmore's Night - Lord of the Dance - Simple Gifts

訳、言葉について

 James and John は、恐らく十二使徒の二人、ヤコブとヨハンのことと思われます。最初にFisherman(漁師、釣人)とついているのは、彼らが漁師の下に生まれた兄弟だからです。

 

 lept は、leap(跳ねる)の過去形の古い表現だそうです。踊りを踊るイメージから、天に昇るのを「跳ねる」のイメージにしたのかも知れませんね。

Can't Help Falling In Love / Elvis Presley

Can't Help Falling In Love / Elvis Presley

 

Lyrics&訳

Wise men say

Only fools rush in

But I can't help falling in love with you

 

先人達はこう言う

急いては事を仕損じると

でも、もうこの恋に落ちることは避けられない

 

Shall I stay?

Would it be a sin

If I can't help falling in love with you?

 

傍に居てもいいだろうか

罪深いことだろうか

もし、君への愛を抑えられないと言ったら

 

Like a river flows

Surely to the sea

Darling, so it goes

Some things are meant to be

 

例えるならば川の流れ

常に海へと進むが如く

私の心も止まること無く

私の望みはその先にあると

 

Take my hand

Take my whole life too

For I can't help falling in love with you

 

この手をとってはくれないか

いっそ私の人生ごと全てを

君への想いが止められないから

 

Like a river flows

Surely to the sea

Darling, so it goes

Some things are meant to be

 

川の流れが途切れることなく

必ず海へと至るように

この想いも絶えることなく

いつか果たされる時が来ると

 

Take my hand

Take my whole life, too

For I can't help falling in love with you

For I can't help falling in love with you

 

この手を君に掴んで欲しい

この人生の全てと共に

君に恋せずにはいられない僕の為に

君を愛せずにはいられない僕の為に

 

この曲について

 純情な、けれど大人な恋模様を描いた歌のようですね。昔の有名な曲を訳すと、想像していた曲のイメージと大分違ったということが往々にしてありますが、この曲は恐らくほぼイメージと違うことはないのではないでしょうか。

 

 この曲の主人公は、割と恋愛には奥手な性格なのかもしれません。罪深いことかもしれないなどと言っている辺り、恋心の自覚はあっても、それは周囲から咎められたり、或いは相手にも受け入れて貰えないのではないかと危惧している様が見受けられます。

 

 しかし、そんな迷いはあっても結局は自分の心に逆らえず、想いを募らせていきます。そして、流れる川が途中に何があっても最終的には海に辿り着くことを例えに、自分の想いも色々な困難を乗り越え、最終的には成就するはずと強く自分に言い聞かせています。
 そして結局は、相手に「自分の人生を丸ごと持って行って欲しい」と想いのたけを伝えるという、ちょっと王道な展開で締めくくられます。

 

 さて、この曲は1961年にエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)によって歌われた歌です。曲調がアメリカの曲としては珍しいとは思っていたのですが、メロディーそのものは18世紀のフランスの音楽が元になっているそうです。こんな歌詞がピッタリくるのも頷けますね。



Elvis Presley - Can't Help Falling In Love (Audio)

 

 プレスリーの代表的なバラードで、後年様々なアーティストにもカバーされています。このブログで御紹介したことのあるアーティストですと、ボブ・ディラン(Bob Dylan) や ブラックモアズ・ナイト(Black More's Night) 、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)もカバーしています。
 ボブ・ディランのバージョンは残念ながら動画は見当たりませんでしたが、ブラックモアズ・ナイトのバージョンは、エレキで軽快に飛ばすアレンジとなっており、だいぶ印象が違います。「恋せずにはいられない」の気持ちに一切衒いの無い、ある種まっすぐな気持ちのナンバーとなっておりますので、是非聴いてみて下さい。


~Can't Falling In Love by Blackmore's Night~

 


Bruce Springsteen - I can't help falling in love

訳、言葉について

 Wise men で「賢い人達」となります。ただ、この曲においては、「賢者」とか「賢人」のような硬いイメージでは無く「冷静な人たち」の総称として捉えればいいのかなと思います。

 

 Rush in で、「~に急ぐ」とか「~に飛び込む」という意味になります。
 なお、Fools rush in は「Fools rush in where angels fear to tread(天使の恐れる場所にも愚か者は飛び込む)」という英語のことわざが元になっていると思われます。これは、日本で言うと「君子危うきに近寄らず」を逆の視点で見た意味合いですね。
 ただ「君子危うきに近寄らず」だと歌詞上は非常に具合が悪いので、Rush in の「急ぐ」の方の意味合いをもとに、「急いては事を仕損じる」にして見ました。対訳としては間違っていますが、ご容赦下さい。

 

 余談ですが、Fools Rush In という映画が1997年に製作されました。このタイトルの邦題は「愛さずにはいられない」です。恐らくこの曲からとってきたか、恋愛感情の無鉄砲さを表すのにもともとぴったりな言葉なのかもしれません。

 

 Can't help ~で、「~せずにはいられない」という意味合いの言葉になります。似たような言葉だと、Can't fight ~で「~に抗うことができない」という言い回しも有ります。

Hark! The Herald Angels Sing / Traditional

image

 

Lyrics&約

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

Peace on earth, and mercy mild

God and sinners reconciled

 

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

地は安寧と慈悲に覆われ

咎人と神は歩み寄らん

 

Joyful, all ye nations, rise

Join the triumph of the skies

With th' angelic host proclaim

"Christ is born in Bethlehem."

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

慶び満ちて諸人こぞれ

天の凱旋を共に参れ

聖なる宣主の声を刻め

主はベツヘレムでお生まれになった

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

Christ, by highest heaven adored

Christ, the everlasting Lord

Late in time behold him come

Offspring of the favored one

 

天の寵愛受けしキリスト

永遠に我らを導くキリスト

来たる時、彼の来たるを見給え

愛されし者の子の御姿を

 

Veiled in flesh, the Godhead see

Hail, th' incarnate Deity

Pleased, as man, with men to dwell

Jesus, our Emmanuel!

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

聖なる衣を纏いし御体

やあ、神はこの世に舞い降りん

この人の世にぞ住まわれん

神よ、我らが救世主よ

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

Hail! the heaven born Prince of peace!

Hail! the Son of Righteousness!

Light and life to all he brings

Risen with healing in his wings

 

やあ、天に生まれし王の子よ

やあ、聖なる意志を継ぐ子よ

命を導く彼に光を

彼の翼に、癒され登らん

 

Mild he lays his glory by

Born that man no more may die

Born to raise the sons of earth

Born to give them second birth

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

穏やかにして栄なる光

御生まれになった。永遠に続く命を持って

御生まれになった。地の子、我等を導く為に

御生まれになった。新たな命を与える為に

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

この曲について

 キリストの誕生の喜びを歌った曲で、日本では「天には栄え(あめにはさかえ)」と題されている讃美歌の一つです。新たな人間の王の誕生により、人々が迷うこと無く導かれていく、その期待が大いに込められていますね。

 

 讃美歌は大抵そうですが、場面展開と言うものが全くと言って良い程無く、ただひたすら主を讃えているだけとなっております。ただ、その神聖なるものを讃える言葉のバラエティは非常に多いので、是非一度目を通して頂けたらなと思って御紹介しました。

 

 さて、この曲は1739年には既に詩としては存在していたようですが、それが1840年にイギリスで讃美歌として作られたそうです。原詩は本当はもう少し長いのですが、讃美歌として歌われる場合は今回ご紹介した部分までのみとなります。

 

 キリストの誕生を歌った歌なので、クリスマスキャロルとしてもよく使われており、カバーしているアーティストも多くいますので、讃美歌では無くカバーバージョンでお聴きになった方もいらっしゃるのではないかなと思います。


 
Hark the herald angels sing

 

Maraiah Careyバージョン

Mariah Carey - Hark! The Herald Angels Sing / Gloria (In Excelsis Deo) [audio]


Blackmore's Night バージョン

Blackmore's Night - Hark The Herald Angels Sing / Come All Ye Faithfull

訳、言葉について

 Hark は、口語ではあまり使われ無い言葉で「聴け」という時に使う言葉だそうです。

 

 Herald は、「使者」を意味する言葉です。ただ、日本語で Angel が既に「天使」と使者の意味を含んでいるので、Herald angels でまとめて「天使」で良いと思います。

 

 Everlasting は、「永遠に続く」とか「不朽」という意味の言葉です。

 

 Godhead、Deity は、どちらも「神性」とか「神格」という意味の言葉ですが、単にそのまま「神」の意味として使用することもあるようです。

 

 dwell は「住む」を意味する言葉です。Live も同じ意味で使うことが有りますが、こちらは「居を構える」点に重点を置いた言葉のようです。

 

 Emmanuel は男性の名前ですが、救世主という意味を持たせることも出来るようです。また、Wikipedia によると、語源を辿れば「神は我らと共に」という意味になる名前だそうです。

We Wish You A Merry Christmas / Traditional

We Wish You A Merry Christmas / Traditional

 

Lyrics&訳

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year

 

良きクリスマスが訪れますよう

今年もあなたに

クリスマスが、そして新しい年が訪れますよう

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

良き流れが訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

良き流れでこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

Oh, bring us a figgy pudding

Oh, bring us a figgy pudding

Oh, bring us a figgy pudding and a cup of good cheer

 

さあクリスマスプディングを私たちに

クリスマスの伝統の

イチジクでできたプディングを食べて、乾杯しましょう

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

良き出会いが訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

良き出会いでこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

For we all like figgy pudding,
For we all like figgy pudding,
For we all like figgy pudding, so bring some out here

 

みんな大好きな

イチジクのプディング

クリスマスのプディングを、ここに一切れ持ってきてね

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

幸せな時が訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

幸せな時でこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

We won't go until we get some

We won't go until we get some

We won't go until we get some, so bring some out here

 

僕らここを動かないよ

それを一切れ貰えるまでは

ずっとここを動かないよ。だから一切れ持ってきてね

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

素敵な一年が訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

素敵な一年でまたクリスマスと、次の年をまた迎えられますよう

 

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year

 

良きクリスマスが訪れますよう

来年もあなたに

クリスマスが、そしてまた次なる年が訪れますよう

 

この曲について

 日本でも最もポピュラーな部類に入るこのクリスマスキャロルですが、We wish your merry christmas の部分だけが有名で、それ以外の部分は御存知ない方も多いかもしれませんね。

 

 テーマは、良いクリスマスと新年が迎えられますようにという、一年を無事に終えて、また新たな年を無事に始められることの感謝です。そしてまた、来年も同じようにこの一時を迎えられますようにと言う祈りも込められているように思えます。

 

 さて、この曲は16世紀頃にイギリスで作られた曲とされています。子供から大人まで広く歌われており、また様々なアレンジを施されて今日まで歌い続けられています。また、Good tidings we bring ~ の部分は幾つか違うバージョンがあるようで、特にこれが正解と言うのも無いようです。


We Wish You a Merry Christmas with Lyrics | Christmas Carol & Song | Children Love to Sing

 

 このブログでも御紹介したことのあるエンヤ(Enya)もこの曲をリリースしており、彼女らしいとても厳かなバージョンで歌いあげています。


Enya - We Wish you a merry christmas

 

 また、先日も御紹介したブラックモアズナイト(Blackmore's Night)も、Winter Carol のCDの最後をこの曲で飾っています。


Blackmore's Night - We Wish You A Merry Christmas

 

訳、言葉について

 Wishは「願う」「望む」と訳されますが、どちらかというと「お祈り」に近いニュアンスで、切実さは余りなく「そうだったらいいね」という感じで使われます。

 

 Kin は、親戚という意味を持つ言葉のようですが、どうも古めの言葉のようですね。例文があまり見当たりませんでした。

 

 Figgy pudding はイチジクのプディングのことです。イギリスではクリスマスにプディングを食べるという伝統が有りますが、その代表的なものの一つがこれだそうです。

I Saw Three Ships / Blackmore's Night 他

I Saw Three Ships / Blackmore's Night

Lyrics&訳

I saw three ships come sailing in

On Christmas Day, on Christmas Day

I saw three ships come sailing in

On Christmas Day in the morning

 

三隻の船の来たるを我は見た

クリスマスの日、聖なるこの日に

三隻の船の来たるを我は見た

清きこの日の朝陽の中に

 

And what was in those ships all three

On Christmas Day, on Christmas Day?

And what was in those ships all three

On Christmas Day in the morning?

 

彼の船に乗るは何れの者か

クリスマスの日、聖なるこの日に

彼の船に乗るは何れの者か

清きこの日の朝陽の中の

 

The Virgin Mary and Christ were there

On Christmas Day, on Christmas Day

The Virgin Mary and Christ were there

On Christmas Day in the morning

 

居わすは聖母マリアとキリストなるぞ

クリスマスの日、聖なるこの日に

居わすは聖母マリアとキリストなるぞ

清きこの日の朝陽の中に

 

Pray, wither sailed those ships all three

On Christmas Day, on Christmas Day

Pray, wither sailed those ships all three

On Christmas Day in the morning

 

祈れ、朽ちぬべきかな彼の三隻は

クリスマスの日、聖なるこの日

祈れ、朽ちぬべきかな彼の三隻は

清きこの日の朝陽の中で

 

O they sailed into Bethlehem

On Christmas Day, on Christmas Day

O they sailed into Bethlehem

On Christmas Day in the morning

 

おお、彼の船はベツヘレムへと辿り着かん

クリスマスの日、聖なるこの日

おお、彼の船はベツヘレムへと辿り着かん

清きこの日の朝陽と共に

 

And all the bells on earth shall ring

On Christmas Day, on Christmas Day

And all the bells on earth shall ring

On Christmas Day in the morning

 

大地の鐘ぞ鳴り響かん

クリスマスの日、聖なるこの日

大地の鐘ぞ鳴り響かん

清きこの日の朝陽の中で

 

And all the Angels in Heaven shall sing

On Christmas Day, on Christmas Day

And all the Angels in Heaven shall sing

On Christmas Day in the morning

 

天の御使いぞここに歌わん

クリスマスの日、聖なるこの日

天の御使いぞここに歌わん

清きこの日の朝陽の中で

 

And all the souls on earth shall sing

On Christmas Day, on Christmas Day

And all the souls on earth shall sing

On Christmas Day in the morning

 

普く御魂ぞここに歌わん

クリスマスの日、聖なるこの日

普く御魂ぞここに歌わん

清きこの日の朝陽の中で

 

Then let us all rejoice again

On Christmas Day, on Christmas Day

Then let us all rejoice again

On Christmas Day in the morning

 

讃える慶びを再び我らに

クリスマスの日、聖なるこの日

讃える喜びを再び我らに

清きこの日の朝陽の中で

 

この曲について

 主にイギリスで歌われることの多い、古い歴史を持つクリスマスキャロルで、遡ると作られたのは17世紀の事だそうです。


  この曲では、三隻の朽ちかけた船に聖母マリアとキリストが乗っており、彼らがベツヘレムへと向かう様子が描かれております。一見、聖書の中の1シーンにも思えるのですが、聖書に具体的にこのエピソードが描かれている訳ではないようです。

 

 ただ、ベツヘレムは福音書によってはキリスト生誕の土地とされており、この街の厩で聖母マリアがキリストを産んだとされています。その為、この船に乗っている聖母マリアとキリストというのは、実際はキリストを身籠った聖母マリアと言うことになるのかもしれませんね。なので、キリスト生誕の少し前のエピソードなのかもしれません。(ただ、そう考えると Christmas day という言葉は相応しくないようにも思えるのですが……)

 

 さて、この曲は前述の通り17世紀には既に存在していた曲のようで、現代では童謡を初めとして色んな方に歌われています。ここ数年ですと、このブログでも御紹介したことのあるブラックモアズ・ナイト(Blackmore's Night)が歌ったバージョンが手に入れ易い音源と思われます。(全詞は歌っていませんが)


Blackmore's Night - I Saw Three Ships

 

 日本ではあまりメジャーでは無いかもしれませんが、昨年何故かセブンイレブンでこの曲がかかっていた時期が有りまして、なかなか通な選曲だなぁ等と思った記憶が有ります。

 

訳、言葉について

 wither は、しぼむとか、弱っているという意味の言葉です。今回は船と言う物体に使われているので、老朽化してボロボロな様子を指すのではないかなと思います。

 

 O they ~ という表現が有りますが、この O は感嘆を意味する言葉として使うようです。日本で言う「おお」と同じ意味で捉えて良いようですね。

 

 今回はっきりと分からなかった言葉が2つありまして、一つはearthです。聖書の時代は地動説の概念が無かったはずなので、earth と言った時に、それは現代で言う地球のイメージでは無いのではないかなと思われます。と言うか、この曲が作られたとされる17世紀の時点でも、まだ現代ほど地動説が確固とした立場を形成していなかったため、この歌詞で言う earth は、もっと別の形をイメージするべきかもしれません。

 

 その上で、もう一つ分からなかったのが、All the bells on earth です。これが単に、地上にある鐘の事なのか、それともこの「鐘」が組み込まれた earth のモデル図があるのか、それとも神話のような類の物があるのかと言う点です。実際、これをタイトルとした本も出版されているようなのですが、洋書なので全部読むわけにもいかない(と言うか読めません(笑))ので、もしこの辺りの知識に明るい方がいらっしゃいましたら、お教えいただければと思います。

 

 なお、例によって古語っぽく書いていますが、雰囲気重視の出鱈目文法となっております(こら)

プロフィール

笹森茂樹

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