さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

Aretha_Franklinの関連記事一覧

I Say a Littler Prayer / Dionne Warwick

I Say a Littler Prayer / Dionne Warwick

 

Lyrics&訳

The moment I wake up

Before I put on my makeup

I say a little prayer for you

 

ベッドから起きたこの時

お化粧もまだのこの時に

あなたに小さな祈りを乗せるの

 

While combing my hair, now

And wonder what dress to wear, now

I say a little prayer for you

 

髪を梳かしている今

何を着ようか迷ってる今も

あなたに小さな祈りを乗せるの

 

Forever, forever, you'll stay in my heart

And I will love you

Forever, and ever, we never will part

Oh, how I'll love you

Together, together, that's how it must be

To live without you

Would only mean heartbreak for me

 

ずっと、ずっと、あなたが私を想ってますよう

私があなたを愛せますよう

ずっと、これからも、分かたれることがありませんよう

あなたをどれ程でも愛せますよう

一緒に、一緒に、そうありますよう

あなたなしで生きるなんて

考えただけで胸が張り裂けそう

 

I run for the bus, dear

While riding I think of us, dear

I say a little prayer for you

 

バスに向かって走って

シートの上で二人を想っては

あなたに小さな祈りを乗せるの

 

At work, I just take time

And all through my coffee break-time

I say a little prayer for you

 

仕事の合間に時間を取って

その間に珈琲を飲んでは

あなたに小さな祈りを乗せるの

 

Forever, forever, you'll stay in my heart

And I will love you

Forever, and ever, we never will part

Oh, how I'll love you

Together, together, that's how it must be

To live without you

Would only mean heartbreak for me

 

ずっと、ずっと、あなたに想われていたいと

あなたを想っていたいと

この先も、ずっと、離れることなどあり得ないと

どこまでもあなたを愛していたいと

一緒に、一緒に、それが当たり前であると

あなた無しの人生なんて

壊れた心で生きるような物

 

I say a little prayer for you

I say a little prayer for you

 

あなたに小さな祈りを乗せるの

あなたに小さな願いを乗せるの

 

Forever, forever, you'll stay in my heart

And I will love you

Forever, and ever, we never will part

Oh, how I'll love you

Together, together, that's how it must be

To live without you

Would only mean heartbreak for me

 

ずっと、ずっと、あなたに愛されますよう

あなたを愛せますよう

ずっと、この先、離れることなどありませんよう

それ程あなたを愛せますよう

共に、一緒に、それがいつもの姿でありますよう

あなた無しで生きるということは

悲劇の人生を送るということ

 

My darling, believe me

For me there is no one, but you

Please love me, too

I'm in love with you

Answer my prayer

Say you love me, too.

Why don't you answer my prayer?

You know, every day I say a little prayer

I said, I say, I say a little prayer

 

ねえ、私を信じて欲しい

私にはもう誰もいないの。あなた以外

どうか私のことも愛して欲しい

私の心は貴方と共にあるの

私の祈りにどうか返事を

私を愛していると言って

そう、もう返事をくれてもいいでしょう?

知ってるでしょ。私の祈りを

言ったから。私は、あなたに祈りを乗せると

 

この曲について

 何とも一途でいじらしいですね。片思いを歌った曲です。アメリカと言えば自分の主張をしてなんぼなイメージがあるのですが、この曲のようなシチュエーションで A little が使われる辺り、シャイで控えめなイメージが良い方向に捉えられる感覚はやっぱりあるんですね。

 

 朝起きてから、髪を梳かして、お化粧をして、仕事に行って……そんな普段の生活の間中、ずっとこの主人公は好きな人の事を想っているようです。そして、その人と両想いになれたらと、かすかな望みをかけて祈っているということになるのですが、さて、この主人公は実際に本人には想いを伝えているのでしょうか。

 

 曲の最後で「これだけ祈りの言葉を口にしたのだから、そろそろ返事をくれてもいいんじゃないかしら?」のようなことを言っていますが、口にしているのはあくまで「祈り」なので、恐らく結局は本人には伝えていないのではないかなと言う気がします。そろそろ返事をくれてもいいんじゃない?とは、神様に向かって言っているのかも知れませんね。

 

 さて、この曲はディオンヌ・ワーウィック (Dionne Warwick) によって1967年に歌われた曲で、邦題では「小さな願い」という名前で知られています。



Dionne Warwick I Say A Little Prayer 1967 Original Million Seller

 そしてこの曲は、先日惜しくも亡くなられたアレサ・フランクリン(Aretha Franklin) によってカバーされた曲としても有名で、今日では彼女の代表曲の一つとなっています。やはりというか何と言うか、アレサが歌うと本家より有名になってしまうという……

Aretha Franklin - I say a little prayer

 また、glee のシーズン1、第2話において、チア部のクィンがグリークラブ妨害を狙った潜入入部を企てた際、その入部試験でこの曲を歌いました。
 プライドが高く苛烈で強かで計算高い彼女が、そんな腹黒い思惑とは裏腹に、見た目の愛らしさを武器にこんな曲を歌ってピュアさをアピールしているというのが、なんとも言えずニヤニヤさせられますね(笑)



Glee- I Say a Little Prayer (full performance) (official music video)

訳、言葉について

 Prayer は、Pray が「祈る」なので、それに er を付けて「祈る人」なのかなと思いがちですが、通常は「祈り」という名詞として使われる言葉です。(勿論、祈る人という意味もあります)

 

 Why don't you ~ ?は、多くの日本人が今でもニュアンスを誤解している言葉ですが、これは「何で~しないの?」と言うよりは、「~したらどうですか?」とか「~したらいいんじゃないかな」という提案の意味合いで使われることの多い言葉です。

The Weight / The Band

f:id:Sasakichi:20170310010521p:plain

Lyrics&訳

I pulled into Nazareth, was feelin' about half past dead

I just need some place where I can lay my head

"Hey, mister, can you tell me where a man might find a bed?"

He just grinned and shook my hand, "no" was all he said

 

ナザレに来たときゃ、俺は半分死にかけてたな

ま、せめて、横になれる場所くらい欲しいもんだと

「おい、ちょっとそこのあんた。ゆっくり眠れそうな場所は無いもんかね」

奴は俺の手を握り「んなもんねぇよ」ってニカッと笑いやがんのさ

 

Take a load off, Fanny

Take a load for free

Take a load off, Fanny

And you put the load right on me

 

積み荷を降ろせ、このぐうたらめ

持っててもいいが金にはならんぜ

そんな荷物は降ろすんだ

俺が引き受けてやるからよ

 

I picked up my bag, I went lookin' for a place to hide

When I saw Carmen and the Devil walkin' side by side

I said, "Hey, Carmen, come on let's go downtown"

She said, "I gotta go but my friend can stick around"

 

ドロンする為に鞄一つで彷徨ってたら

カルメンが毒物みてぇな奴と並んで歩いてるのを見ちまった

俺は言ったね。「おいカルメン。俺と一緒に下町にでも繰り出さねぇか」って

アイツは言ったさ。「行きたいわよ。でも相方が離れてくれないの」ってな

 

Take a load off, Fanny

Take a load for free

Take a load off, Fanny

And you put the load right on me

 

重かないか、ろくでなしさんよ

んなもん持ってても一文にもならんぜ

ここで降ろして行けよ

で、俺の背中にでも乗っけちまいな

 

Go down, Miss Moses, there's nothin' you can say

It's just ol' Luke and Luke's waitin' on the Judgment Day

"Well, Luke, my friend, what about young Anna Lee?"

He said, "Do me a favor, son, won't you stay and keep Anna Lee company?"

 

行け、モーゼ女史さんよ。もう、あんたが言うべき言葉は何もないだろ

彼の大いなるルカは、審判の日をただ待つのみなのさ

「なあ、ルカ。お前、残されたアンナはどうするつもりだ?」

奴は言ったさ「頼みがある。お前、あの子と添い遂げてくれないか」ってな

 

Take a load off, Fanny

Take a load for free

Take a load off, Fanny

And you put the load right on me

 

背中から降ろせ、お人よしめ

持ってったって損するだけだ

いいから降ろせ。降ろしてけって。

俺が持ってきゃいいんだろ

 

Crazy Chester followed me and he caught me in the fog

He said, "I will fix your rack if you'll take Jack, my dog"

I said, "Wait a minute, Chester, you know I'm a peaceful man"

He said, "That's okay, boy, won't you feed him when you can"

 

今度はイカれたチェスターが霧に紛れて俺を掴んだのさ

「この犬、ジャックってんだ。連れてかねぇか。オメェん家の棚を直してもいいぜ?」

俺は言ったよ「おいおい、チェスター。オレ様を一体誰だと思ってるんだ?」

奴は言ったさ「そうこなくっちゃ。なるべくで良い。餌だけは食わせてやってくれな」

 

Yeah, take a load off, Fanny

Take a load for free

Take a load off, Fanny

And you put the load right on me

 

ああ、そうだ、置いていけ。お調子もん

お前に必要なもんだけ持っていけ

重いだろ。降ろしていきな

俺が持つ分には構わないからさ

 

Catch a cannonball now to take me down the line

My bag is sinkin' low and I do believe it's time

To get back to Miss Fanny, you know she's the only one

Who sent me here with her regards for everyone

 

特急列車に乗せちゃくれないか。今すぐ連れてって欲しいんだ

俺の鞄も重くなりすぎた。まあ、そろそろ潮時だろうな。

何がって、帰るんだよ。アイツんとこに。知ってるだろ。アソコは最高だ

言ってみりゃ、俺はアソコからこうやって、お前らの目の前に遣わされたようなもんだしな

  

Take a load off, Fanny

Take a load for free

Take a load off, Fanny

And you put the load right on me

 

さあ、荷物を降ろせ、野郎共

そんな荷物は何の得にもならねぇ

そんなムダに重てぇモンなんてなぁな

俺に預けちまって楽になりな

 

この曲について

 今までの訳の中で一番苦労したかもしれません。いやはや何とも掴みどころのない曲ですね。軸になるメッセージは「気楽にいこうぜ」とか「重い荷物は降ろしてしまっても良い」と言った、しんどい心を楽にしてくれるものだと思うのですが、それを構成する各々の要素が何せ意味が深いんだか浅いんだか訳が分かりません。

 

 その最たるものが、固有名詞の多さですね。個人名(犬を含む)だけでも、カルメン(Carmen)、ミス・モーゼ(Miss Moses)、ルカ(Luke)、アンナ・リー(Anna Lee)、チェスター(Chester)、ジャック(Jack)、そしてミス・ファニー(Miss Fanny)と、7名も登場しています。

 

 そしてまた、妙に聖書に因んだ名前が見え隠れするのが、余計に色々勘繰ってしまいたくなりますね。1番に出てくるナザレ(Nazareth)と言えば、ナザレのイエス、即ちイエス・キリストに縁のある地ですし、ルカは使徒の一人、そしてアンナはそのルカの福音書の中に登場する人物です。


 ただ、とりあえず訳を進めてみて感じたのは、どうもこの曲は聖書の内容を引用したり、なぞらえたりしているのではなく、単に聖書をからかっているんじゃないかなと。使徒であるルカに対して、My friendなんてフランクに語り掛けてますし、予言者アンナと結婚してくれなどと頼まれますし、だいたい本来男であるモーゼの名前を取ってミス・モーゼって、どう考えても悪い冗談でしかないですね。

 

 それはさておき、各章に登場する人物は、何かしら皆悩みを抱えています。離れたくても離れられない悪友のおかげでどこにも行けないカルメン、娘(と思われる)アンナを残してこの世を去ろうとしているルカ、飼い続けられなくなった犬、ジャックの始末に困るチェスター。そんな彼らを縛り付ける悩みを、この主人公は「俺が肩代わりしてやる」と言って、彼らの悩みを預かり、心の負担を取り除いてあげます。

 

 この人々の心の重荷を取り除くと言う行動を見る限り、ナザレの地名から考えても、何だか主人公=キリストっぽい感じがしますね。

 

 ですが、です。この主人公、それらを引き受けすぎて重くなりすぎた自分の荷物も、それはそれで最終的にはミス・ファニーに肩代わりして貰えばいいやって思っているようですね。この辺り、ちょっとお気楽気質が見え隠れします。

 

 そして、じゃあこのミス・ファニーってのは何者かと言う話になるのですが、耳でミス・ファニーと聞けば、単に自分の悩みとかを聴いてくれる女性がいるんだろうなと捉えられると思います。ですが、ここは人名のFannieではなくFannyです。Fannyは、言ってしまえば「お尻」ですとか、ともすれば「女性器」を意味する名詞で、それにMissを付けて人名っぽくしていることになります。・・・なるほど、確かに彼をこの世に送り出した張本人ですね。

 

 しかしまあ、そうなるとこの主人公は何というか「色々しんどくなってきても、まあ、一発ヤってスッキリすれば忘れられるだろ」っていう、かなりのーてんきな考えの持ち主なんじゃないかなぁと。で、それが、人々の心の重荷を肩代わりして取り除くと言う、言わばキリストを彷彿とさせる行動とっている人とイコールとなるわけでして……まあ、多分ここが一番の聖書のおちょくりどころなのかなと。つまり、キリストが人々の苦痛を取り除いたのは本当かもしれないけど、高潔な精神を持っていたかは疑わしいもんで、むしろこんなケセラセラでお調子モンな性格が幸いして、たまたま人々の助けになっていた……って方が現実的じゃね?という、俗物的なリアリティを聖書に持ち込んだように思えます。なかなか罰当りな曲ですね。

 

 ただ、この曲のメッセージの軸は、先ほども書いた通り「重い荷物は降ろしてしまえ」です。ではその重い荷物とは何かという話になるのですが、ここでは恐らく、「良心」ですとか「モラル」、「善と悪の概念」といった物が特にそれに当たるのかなと思います。通常は美徳とされながらも、見方によっては心を縛りつけてしまい、思ったように身動きが取れなくなる。そんな既成概念を「The Weight」と題し、そんなものは一旦手放してみたら?と聴き手に伝える為に、敢えてその象徴となる聖書をからかって見せたのかも知れません。そう考えるとやっぱりそれなりに深い意味を持っているのかなぁと。考えすぎですかね。

 

 さて、この曲はザ・バンド(The Band)によって1968年にリリースされた曲ですが、翌年アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)にカバーされており、どうもこちらの方が売れてしまったようですね。RESPECTと言い、この曲と言い、アレサが歌うと本家より売れてしまうと言う(笑)

 


The Weight - The Band (lyrics)

 


The Weight - Aretha Franklin (1969)

 

 本家こそ売れ行きはそこまで伸びなかったようですが、カバーしているアーティストはアレサだけに留まらず、様々なアレンジを施されて色んな人に歌われています。日本でも・・・あ、忌野清志郎さんが歌われてますね(正確には、石田長生さん、忌野清志郎さん、三宅伸治さん、藤井裕さんの4人で歌われています)。うーん、忌野清志郎さんがこの曲を歌うことに妙な納得感があるのは僕だけでしょうか……。

 


 曲の詳細な内容はともかく、生きてて何だかしんどくなったり面倒くさくなったりした時にはうってつけの曲なのではないかなと思います。

 

訳、言葉について

 まず、上記でFannyを女性器と訳しましたが、別の意味で「ろくでなし」とか「怠け者」とか「穀潰し」といった意味でも使われるそうです。なので、サビの部分のFannyは、こっちの意味で訳しました。

 

 Take a load for freeですが、普通に訳すと「タダで運んでくれ」という意味になります。が、これだと前後の文の繋がりが意味不明になるので、ニュアンスとしては「運ぶならタダで運んでいけ。金は払わん」という意味合いで捉えた方が自然かなと思います。そこから「運んだところで得にならないぞ」という感じに派生させてみました。

 

 3章にGo down Miss Mosesといフレーズが突然出てきますが、これはゴスペルソングに「Go down Moses(行け、モーゼよ)」という曲があり、恐らくこれのパロディーではないかと思われます。なお、Go downは「行け」の他に「控えおろう」のようなニュアンスも持っているようです。どっちで訳そうかと迷ったのですが、元ネタがあるパロディーであることを重んじて、前者を採用しました。

 

 また、同じく3章にWhat about young Anna Lee?という言い回しが登場しますが、What about ○○で「○○はどうだ?」とか「○○についてはどういう腹積もりなんだ?」というざっくりした問いかけに使えるようです。ThinkとかFeelとか使わなくていいんですねぇ……

 

 3章が続きますが、Do me a favorは、直訳すれば「私に親切にしてくれ」となり、それが転じて「頼みがあるんだが聴いてくれないか」というニュアンスに派生するようです。

 

 最後に出てくるCannonballは、一般的には大砲の玉ですが、特急列車を表す俗語として使われることもあり、今回はこちらかなと思います。

 

※2017/03/11 明らかな誤訳があったので訂正しました。

RESPECT / Aretha Franklin

f:id:Sasakichi:20161016165427p:plain

Lyrics&訳

(Ooh) What you want

(Ooh) Baby, I got

(Ooh) What you need

(Ooh) Do you know I've got it

(Ooh) All I'm askin'

(Ooh) Is for a little respect when you come home (just a little bit)

Hey baby (just a little bit) when you get home

(Just a little bit) mister (just a little bit)

 

あなたが望んでる物

分かってるわ

あなたに必要な物

もう私は分かってるの。知ってた?

私が望むのは

あなたが家に帰って来た時。少しだけでも大事にされること(ちょっとでいいのよ)

そう、あなたが家に帰って来る時

ねえ愛しい人

 

I ain't gonna do you wrong, while you're gone

Ain't gonna do you wrong (ooh) 'cause I don't want to (ooh)

All I'm askin' (ooh)

Is for a little respect when you come home (just a little bit)

Baby (just a little bit), when you get home (just a little bit)

Yeah (just a little bit)

 

あなたが居なくなっても、私はあなたを責めやしない

そうよ、意地悪しないわ。そんなこと望んじゃいないもの

私が願うのは

大事にしてほしいの。あなたが帰ってきた時は(ちょっとだけいいから)

そう、あなたが家にもどってきた時にね

ねえってば!

 

I'm about to give you all of my money

And all I'm askin' in return, honey

Is to give me my profits

When you get home (just a, just a, just a, just a)

Yeah baby (just a, just a, just a, just a)

When you get home (just a little bit)

Yeah (just a little bit)

 

私はあんたに全財産つぎ込むような女で

でもってちゃんと見返りも求めるわ、ハニー

私へのご褒美をね

あんたが帰ってきた時の

ねえねえ

帰ってきてからのあれよ

ねえってば!(まあ、ちょっとだけね)

 

Ooh, your kisses (ooh)

Sweeter than honey (ooh)

And guess what (ooh)

So is my money (ooh)

All I want you to do (ooh) for me

Is give it to me when you get home (re, re, re ,re)

Yeah baby (re, re, re ,re)

Whip it to me (respect, just a little bit)

When you get home, now (just a little bit)

 

ああ、あんたの口づけ

蜂蜜の甘さも霞むような、ね

もしかして

お金目当てだったりしてね

でも私はあんたにして貰いたいの

帰ってきてからね

ねえねえ

刺激が欲しいの(大事にして。ちょっとだ・け)

帰ってきて、今すぐよ(待ちきれないわ)

 

R-E-S-P-E-C-T

Find out what it means to me

R-E-S-P-E-C-T

Take care, TCB

 

だ・い・じ・に・し・て

意味、分かってるわよね?

だ・い・じ・に・し・て

優しくしてね、ちゃ・ん・と・よ。

 

Oh (sock it to me, sock it to me, sock it to me, sock it to me)

A little respect (sock it to me, sock it to me, sock it to me, sock it to me)

Whoa, babe (just a little bit)

A little respect (just a little bit)

I get tired (just a little bit)

Keep on tryin' (just a little bit)

You're runnin' out of fools (just a little bit)

And I ain't lyin' (just a little bit)

(Re, re, re, re) 'spect

When you come home (re, re, re ,re)

Or you might walk in (respect, just a little bit)

And find out I'm gone (just a little bit)

I got to have (just a little bit)

A little respect (just a little bit)

 

ああ(もっとちょうだい)

あとちょっと大事にして(もっとってば)

もう、ねえったら(ちょっとだけ)

大事にしてってば(ちょっとだけでいいの)

ねぇ退屈よ(ちょっとだけね)

もっと続けましょうよ(ちょっとだけよ)

もっとはっちゃけちゃってよ(ちょっとだけだって)

やだ、本気よ?(ちょっとだけね)

だ・い・じ・に・し・て

あんたが帰ってきた時はね

ダメなら私、あんたが部屋に入った時

居なくなっちゃってるかもね

わたしはね、絶対

あんたに大事にされるべきなんだから

 

この曲について

 え~と……特に後半、訳してて段々自信が無くなってきたのですが、まず間違いないのは、愛しい人へのラブコールの曲ですね。で、多分それも、かなり生々しいというか、欲望むき出しと言うか……それでいて言葉尻は無闇にオブラートに包んでいるあたりがまたいやらしいというか……そんな感じの曲なんだと思うんですが……

 

 この曲の楽しみ処は、タイトルにもなっているRespect(敬う・大事に思う・価値を認める)という言葉が、歌詞を追うごとに、実は裏の意味を含んだ言葉であることが分かっていく点なのだと思います。

 最初では、それなりに普通の使われ方をしているように思えます。愛しい人が家に帰って来た時、私がそこにいるのを当たり前だなんて思わないで、少しはそれなりに特別感を持ってほしいと言っています。

 次のフレーズでは、もっと健気に見えますね。例え、愛しい人がいなくなってしまったとしても、それを責めない懐の大きい自分に、もっと有難味を感じて欲しいと言っています。

 

 ですが、これ以降から段々様子が妖しくなっていきます。自分の全てを相手に捧げたのだから見返りが欲しいとか、あなたとのキスって最高とか、どうもこの主人公は、愛しい人への思いが若干抑えられていないような様子を呈してきます。当初Respectという言葉は「私に対して少しは有難味ってものを持って欲しい」という意味合いでしたが、ここにくると、どうも「私をちゃんと女として扱って欲しい」という位の意味にスライドしているように思えます。何だか、焦れったい思いが今にも爆発しそうですね。

 と思ったら、本当に爆発しましたね。「RespectよRespect。意味分かってるわよね?」と相手に詰め寄ります。ということで、ここまで来ると最早Respectは「女としての悦びを与える義務くらいあるでしょ」ぐらいのニュアンスになっており、お互いの情事を匂わせる隠語として使われていますね。

 

 ここでRespectの裏の意味が分かってからは、ひたすら主人公は欲望に忠実に暴走していくイメージに思えます。なんかもう、相手のネクタイひっつかんで、ワイシャツのボタンを引きちぎって片足絡ませて自分も肩辺りから肌蹴させて(以下省略)

 こんだけ暴走しておいて「ちょっとだけね」なんて無駄に言い訳している辺りがまたユーモラスですな(?)

 

 さて、この曲はアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)によって歌われた曲ですが、実際のオリジナルはオーティス・レディング(Otis Ray Redding Jr.)の物と言われています。ただ、歌詞の内容はオーティス・レディング版は男が女にRespectを求めているのに対し、アレサ・フランクリン版は女が男にRespectを求めており、一部歌詞も改変・追加されています。というか、オーティス・レディング版の歌詞にそっくりそのままお返しするような形になっており、合わせて読むと夫婦喧嘩みたいで面白いですね。オーティス・レディング版も別の機会にご紹介したいと思います。

 


Aretha Franklin - Respect [1967] (Original Version)

 

 また、この曲がリリースされたのは1967年ですが、1960年代後半はアメリカで職場上の男女平等運動が盛んになり始めた時期です。そんな中にこの曲はマッチしていたのかも知れませんね。最初は女性側が控えめな主張を行い、それが段々エスカレートしていき、最後には自分の望むものをはっきりきっぱり言い放って、セックスの主導権まで女性側で持つ様を描いているこの曲は、男性に従属する女性というイメージを吹き飛ばすのに一役買ったのではないかなと思います。

 あと、この曲は海外ドラマgleeでも、メルセデスが第1話のオーディションでちらっと歌っています。いやぁ「私を認めなさいよ!」っていう、メルセデスらしい選曲かもしれませんね、こうしてみると。

 ※僕がglee大好きなので、gleeで使われたことのある曲は、今後もその旨記していこうかなと思います。

 

訳、言葉について

 Respectに関しては本文中で説明した通りなので割愛しますが、合いの手で出てくるJust a little bitは「本当にちょっとだけね」という意味で、色々なところで使われます。料理番組なんかでも、コショウを少々のような、この「少々」を言う時に使われたりします。

 

 Whip to meは、直訳すれば「私に鞭打って」となり、SMでもするのかしらと一瞬思ってしまいましたが、いくらなんでもそれは過激なので、単に「刺激をちょうだい」と捉えればいいかなと思います。

 

 途中、TCBという言葉がありますが、これはTake care of buisinessの略で、「やるべきことに気を配りなさい」という意味だそうです。端的に言えば「やることやって」というニュアンスになるのではないかなと思います。当然というかなんというか、この曲においてはセックスアピールの意味で使っているかと。

 

 また、暴走後(笑)に出てくる、Sock it to meは、普通に訳すと「私を打ち負かして」という意味になりますが、これもまた挑発的な意味合いで使っていると思われます。「どっちが先に力尽き果てるか勝負よ」のような、そんな感じでしょうか。

 

 一点良く分からないのが、You're runnin' out of foolsです。run out of 何々で、何々を使い果たすという意味となり、燃料切れの時によく使われる言葉なのですが、それに則って訳すと「あなたはおバカ成分を切らしている」のような意味になってしまうような……ということで、「気取ってないで」とか「本能ってものは無いの?」というような意味に訳してみたのですが……あ、これ、もしかしたらYou're runnin' out of fuel(あなた燃料(つまり精力)切れてんじゃないの)のダジャレなんでしょうか……?

プロフィール

笹森茂樹

カテゴリ
関連アーティスト検索
検索