さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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Castle On The Hill / Ed Sheeran

Castle On The Hill / Ed Sheeran

 

Lyrics&訳

When I was six years old I broke my leg

I was running from my brother and his friends

Tasted the sweet perfume of the mountain grass as I rolled down

I was younger then, take me back to when I

 

6つのときか。足の骨を折ったっけな

兄貴と、兄貴の友達らとで追いかけっこしててさ

それで転んだ。山肌の草の良い匂いがなんとも言えなかったな

幼かった。あの頃に戻れないか。俺が

 

Found my heart and broke it here

Made friends and lost them through the years

And I've not seen the roaring fields in so long, I know I've grown

I can't wait to go home

 

自分の気持ちに気付き、壊したここに

友達を作っちゃ別れてを年中繰り返していた頃に

世界が輝いていたのはいつまでだったか。ああ、大人になっちまったよな

戻りたくてたまらない

 

I'm on my way

Driving at 90 down those country lanes

Singing to "Tiny Dancer"

And I miss the way you make me feel, and it's real

We watched the sunset over the castle on the hill

 

今、俺はあの

時速90マイルで、故郷の道へ

タイニー・ダンサーを口ずさみながら

忘れられない。皆との日々が。幻じゃない

皆で見たあの、丘の城に沈む夕陽は

 

Fifteen years old and smoking hand-rolled cigarettes

Running from the law through the backfields and getting drunk with my friends

Had my first kiss on a Friday night, I don't reckon that I did it right

I was younger then, take me back to when

 

15の頃。手巻きの煙草に手を出した

裏路地使ってポリから逃げちゃ、皆とつるんで酔っ払ってた

ファーストキスは金曜の夜。今思えば、遊び半分だったな

若かったな。あの頃に戻れないか

 

We found weekend jobs, when we got paid

We'd buy cheap spirits and drink them straight

Me and my friends have not thrown up in so long, oh how we've grown

I can't wait to go home

 

週末のバイトを皆で探して、小銭を稼いで

安酒買っちゃ、割りもせず飲んだ

どいつも吐くまで飲まなくなってどれほど経った。なんて様だよ

戻りたくてたまらない

 

I'm on my way

Driving at 90 down those country lanes

Singing to "Tiny Dancer"

And I miss the way you make me feel, and it's real

We watched the sunset over the castle on the hill

Over the castle on the hill

Over the castle on the hill

 

今、俺はあの

時速90マイルで、故郷の道へ

タイニー・ダンサーを口ずさみながら

忘れられない。皆との日々が。そして嘘じゃない

皆で見たあの、丘の城に沈む夕陽は

そう、見てたんだ。あの丘の城に

沈む夕陽を

 

One friend left to sell clothes

One works down by the coast

One had two kids but lives alone

One's brother overdosed

One's already on his second wife

One's just barely getting by

But these people raised me

And I can't wait to go home

 

アイツは服で生きて行くと去り

アイツは海の近くで働いている

アイツは子供が二人いた。今は独り

アイツの兄貴は薬に溺れて

アイツの嫁は既に二人目

アイツはその日暮らしがやっと

だが、奴らがあって今の俺が

戻りたくて、たまらない

 

And I'm on my way

I still remember these old country lanes

When we did not know the answers

And I miss the way you make me feel, it's real

We watched the sunset over the castle on the hill

Over the castle on the hill

Over the castle on the hill

 

今、俺はこの

まだ覚えている、故郷の道に。あの頃の道に

こんな答えを知らずにいた日の

忘れられない。皆との日々が。嘘なわけない

皆で見たあの、丘の城に沈む夕陽は

そう、お前達と見た

あの丘の城に沈む夕陽は

 

この曲について

 かつて過ごした日々を振り返り、その思い出を噛みしめる曲です。曲調がとても軽快なので、青春時代の眩しい思い出に溢れた曲かなと最初は思えますが、この曲の主題はそこには有りません。

 

 1番では、6歳の頃の想い出が語られます。山の草原で、兄弟とその友達とで追いかけっこをしていた時、転んで足を折ってしまったようですね。しかし、覚えているのは痛みでは無く、顔が地面に急接近したことで感じられた草花の匂いだったと言うところが、なんとも瑞々しく幸せだった時間に見えますね。しかしその後で、そんな純朴さは失われ、気軽に友達を作って別れてを繰り返しているうちに、いつしか世界がそんな風に輝いては見えなくなってしまったことに想いを馳せています。
 そして、呟くように I've grown と続きます。単純に訳せば「私は成長した」ですが、これは現在完了形なので「自分が成長した結果が今ここにある」というようなニュアンスになります。つまり、『世界が活き活きとした物に見えなくなってしまったこと』=『自分が成長した結果』ということになり、これは、日本語で言うところの「成長してしまった」というニュアンスを出していると思われます。そして、その頃に戻りたいと願います。

 

 続く2番では、15歳の頃の、ちょっと悪い遊びを覚え始めた頃が語られます。仲間とつるんで手作りの煙草を吸って、酒を飲んで、警察を上手く捲いて、軽い気持ちでファーストキスを済ませて……所謂「バカをやってた頃」っていう奴でしょうね。これはこれで青春らしい、良い思い出です。そして、ここでもこの主人公はこの頃に戻りたいと願っています。

 

 今、この主人公がしきりにそのように願っているその理由の片鱗は、ブリッジ部分で明らかになります。自分の眩しい想い出を彩る、同じ日々を過ごした友人達。そんな彼らの今はどうか。
 ごく普通に仕事を始めた者もいれば、その為に遠く離れてしまった者もいます。そして一方では、自分の子供と一緒に過ごすことが叶わなくなった者もいれば、兄弟が心を病んでしまった者、愛が永遠では無かった者、生活すらままならない者……と、彼らを待ち受けていたものは、呆れるほど現実的過ぎる現実でした。ですが、自分が今現在の自分に至るまでには、そんな彼らは確かにかつて大切な存在として傍に在った筈なのです。

 

 この主人公はサビの部分で、故郷の思い出の道を目指して車を飛ばしており、三回目のサビでようやくその思い出の地に降り立ちます。恐らくですが、自分の記憶に有るどれも素晴らしく大切な過去と、無情な現実を叩きつけられた現在とのギャップに耐えられなくなりそうだったのでしょうね。そして、これも恐らくですが、そんな自分の大事な思い出は、実は夢や幻の類だったのではと思ってしまったのではないかなと。
 この主人公は、そんな疑念を打ち払う為、自分の過去は確かにかつての現実だったと確認しようとしているのだと思われます。そして、いつかの仲間達と見た景色が今も同じであれば、それで確信できると考えたのではないかなと。Castle on the hill (丘の上の城) は、自分の思い出の景色と言うよりは、大切な思い出達がどれも嘘でないことの証明なのでしょうね。

 

 さて、この曲は今をときめくシンガーソングライター、エド・シーラン(Ed Sheeran)によって2017年にリリースされた曲で、アルバム「÷(Divide)」に収録されています。メロディで興味を持って、歌詞を読んで更に好きになる……ということは良くあるのですが、この曲は更に好きになると言うより、一気にのめり込むといった感じでした。30代、40代を迎えられた方々には、是非歌詞良くイメージして聴いて貰いたい曲だなと思います。

 


Ed Sheeran - Castle On The Hill [Official Video]

訳、言葉について

 roaring fields は、直訳すると「吠える世界」となりますが、roar は「賑やか」とか「活力のある」いうような意味で使うこともできるので、「活き活きとした世界」「色鮮やかな世界」のような表現がこの曲においては近いのかなと思います。

 

 driving at 90 の 90 は、時速90マイル(時速約144キロ)のことと思われます。この曲をリリース後、エドは故郷のフラムリンガムに、この曲が収録されたアルバム Divide のジャケットをイメージした安全運転の看板を寄贈したようです。エド本人は、そんなにスピードを出すタイプではないそうで(笑)

 

 running from the law の the law は、普通に訳せば「法律」ですが、口語的に「警察」の意味で使うことができるそうで、この曲では後者かなと思われます。

 

 Tiny Dancer は、エルトン・ジョン(Elton John)がリリースした曲のタイトルと思われます。

 

 reckon は、「~を計算する」「~を推算する」という言葉ですが、そこから「~だと思う」のようにも使う言葉のようです。イギリス英語では I think ~「~と考える」と同じ用法で I reckon ~ という形で使うそうです。

 

 weekend job は、「週末の仕事」……日本で言うところの「アルバイト」という言葉に置き換えて良いかと思います。英語では「アルバイト」のようなざっくりとした雇用形態のくくりは無く、part time、full time といった感じで働く時間で雇用形態を区別するようです。

 

 overdose は、日本でも「OD」ということが有りますが、薬の過剰摂取のことです。主に、精神を病んだ人が精神安定剤などを規定容量以上に(大抵は極端な量で)摂取する行動を指します。

Ella Mai / 10,000 Hours

Ella Mai / 10,000 Hours


Lyrics&訳

Since the day that I was born

I been looking out for love

But never really quite found the one

They say practice makes perfect

I know I deserve it

Sometimes we should do it for fun

 

生まれてから

ずっと愛を求めてた

でもまだそうと思える物に出会えてない

皆言う。「千里の道も一歩から」って

そうね、私ならそれができるって思えるし

楽しむなら、そんな気持ちでいるのも大事かもね。お互い

 

Baby when I clock up I can't wait

Promise this time won't go to waste

For all we put up now I won't let your love down

I know we're not too far away, ay, ayyy

 

時計の針をながめる度、待ちきれなくなる

約束して。この時間はムダにはならないって

あなたの愛を台無しにするつもりはないの。今まで築いたものの為にも

私達、そんなに離れているって訳じゃない。そうでしょ

 

Why you always take so long to call me?

Know I gotta wake up in the morning

You know every second adds up to a minute

Need 10,000 hours

We can be so in love

Don't stop I'm counting them up

Run the clock, I be counting them up

We can be so in love

You know every second adds up to a minute

Need 10,000 hours

We can be so in love

 

そんなにいつも長電話する必要、あるのかしら

起きるの、いつも早いの。分かってよ

知ってるでしょう。1分は、1秒の積み重ねだって

10,000時間。それぐらいは必要

ちゃんと愛し合うならね

やめないわ。その時間を数えるのを

時計が動く。その動きを数えるのを

愛し合える

そうでしょう、1秒が積み重なって1分になる

10,000時間になったなら

ちゃんと愛し合える

 

I've been right and I've been wrong

I've been high and I've been low

But this time I know it's for sure

Cause I'm right where I belong

Yeah we're only getting stronger

Feels good to be down in my soul

 

正しいことも、間違ったこともしてきた

いい時も、悪い時もあった

でも今この時は大切なもの。そう信じてる

今いる場所が、私の居場所。そう思えるから

そうね、お互い強くなってるってだけ

心のままに居ることも、悪くはないわね

 

Baby when I clock up I can't wait

Promise this time won't go to waste

For all we put up now I won't let your love down

I know we're not too far away, ay, ayyy

 

そう、時計の動きを見つめる度に、待ちきれなくなる

約束して。今この時はムダにはならないって

積み上げてきたものの為に、あなたの愛を裏切ったりしない

今も私達は離れてはいない。そうでしょう

 

Why you always take so long to call me?

Know I gotta wake up in the morning

You know every second adds up to a minute

Need 10,000 hours

We can be so in love

Don't stop I'm counting them up

Run the clock I be counting them up

We can be so in love

You know every second adds up to a minute

Need 10,000 hours

 

なんでそんなに電話するのに時間をかけるの

朝だって、ちゃんと起きなきゃならないでしょ

1秒を幾つも集めて1分になる。そうでしょう

積み重ねるの。10,000時間を

それだけあれば、愛し合える

それまで数えるのを止めたりしない

時計の針から目を離さない

私達は、ちゃんと愛し合える

1分だって、小さな1秒の積み重ね

そして二人に10,000時間を

 

There's no time for us holding out

Cause this love is profound

Let the clock go round, let the clock go round

Love is best when built from the ground

To your heart I am bound

Let the clock go round, let the clock go round

 

耐え忍ぶ時間なんてどこにもない

それだけ、この愛は大切な物

時は刻ませ続けておくの。それでいいの

愛って、1から作り上げている時が一番いい

結び付けられてる。あなたの心に

時は進ませておけばいい。このまま進んでいけばいい

 

Why you always take so long to call me?

Know I gotta wake up in the morning

You know every second adds up to a minute

Need 10,000 hours

We can be so in love

Don't stop I'm counting them up

Run the clock, I be counting them up

We can be so in love

You know every second adds up to a minute

Need 10,000 hours

 

電話でそんなに時間を取らなくたっていいの

次の日が辛くなるだけだし

ねえ、今この瞬間も積み重なってて

10,000時間になったら

私達はもう大丈夫よ

ちゃんと私は数え続けてる

時計の針を見つめ続けてる

私達なら大丈夫よ

1秒、1分を積み重ねていき

10,000時間を待ちましょう

 

この曲について

 お互いの関係を進めることを急く相手に対して、主人公はもっと時間をかけてゆっくり進めて行きたい。そうすることで、本当の意味で相手のことを好きになれる。そんな想いを語っている曲だと思われます。

 

 そんな冷静な主人公ですが、ただ決してドライなわけではなさそうです。むしろ、想いはとても真剣で、それ故に浮ついた気持ちで事を運んでしまうことで、うっかり台無しにしてしまいたくない。そんな真摯な気持ちなのかなと思います。

 そう思うようになった経緯が、冒頭部分に現れています。主人公は、理想の恋愛、理想の相手をずっと求めていたのですが、ある日周囲から「最初から完璧なものなどない。何かを積み重ねて、初めて完ぺきに近づくものだ」と諭されたようですね。

 

 その為、相手には少しずつ少しずつお互いの時間を重ねて行こうと伝えます。やや途方もない話ですが、1分1秒を丁寧に積み上げて行こうとしていますね。そして、それが10,000時間になったとき、自分の求めていた理想の愛が出来上がっているはずと信じています。
 もちろん、これは本人も耐えて待っています。その為、その日が来るのを今か今かと、ずっと時計の針が刻む1秒1秒を数え続けているのでしょうね。

 

 さて、この曲はエラ・メイ・ハウエル(Ella Mai Howell)によって、2016年にリリースされた曲で、アルバム Change に収録されています。

 
Ella Mai - 10,000 Hours

 

 ちょっと珍しいことですが、この曲はツイッターでフォロワーの方から教えてもらった曲です。おとなしめの曲調から、もしかしたらすごく冷めた内容の曲なのかなと思いましたが、静かなのでは無く、真の望みに向かって淡々と姿勢を変えない姿を知ると、むしろ力強い曲に思えます。情熱的なだけが恋愛ソングではないですよね。

 

訳、言葉について

 Practice makes perfect は、一般的には「習うより慣れろ」と訳される言葉です。ただ、これは何らかの能力・技術を身に着ける場合において使われることが多い為にこのように訳されるのであって、この曲においてこの言葉をそのまま持ってくると非常に具合が悪く思えました。その為、訳中では別の諺に差し替えることにしました。この言葉を直訳すると「繰り返すことで、完全なものを作り上げる」となりますが、これは少し別の観点から捉えると「最初から完全なものなどない」ともとれます。その為、「いきなり理想が実現するわけでは無い」というニュアンスから「千里の道も一歩から」を採用してみました。

 

 Clock は、日本では「時計」という名詞でおなじみですが、これは動詞として「時間を計る」という形で使えます。今回の曲では、1秒1秒時間を数える主人公の行動にあたります。

 

 Go round は、「回る」という意味になります。メリーゴーランドの「ゴーランド」ですね。この曲においては時計の針が回る様子を表しています。

 

 Hold out は、「抵抗する」「耐える」という意味の言葉です。そのほか、「協調性の無い人」のような意味で使われることもあるようですが、今回は前者でしょうね。

One Foot / Walk The Moon

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Lyrics&訳

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

 

Not a soul up ahead and nothing behind

There's a desert in my blood and a storm in your eyes

Am I the king of nothing at all?

And you're the queen of nothing at all

 

前を向けば人ひとりいない。後ろを向けば何一つない

俺の血には砂漠が広がり、お前の眼には嵐が荒ぶ

俺は虚無の王なのか

ならばお前は虚無の女王だな

 

But I remember the fight and I forget the pain

I got my hand in your pocket and my key in your chain

Am I the king of nothing at all?

And you're the queen of nothing at all

 

だが抗うことは忘れはしない。忘れるのならば痛みでいい

そのポケットにこの手を突っ込み、お前の鎖にこの俺の鍵を

俺は虚しき王なのか

ならばお前はその女王だな

 

Oh, through the wilderness

You and I will walk into the emptiness

Oh, and my heart is a mess

Is it the only defense against the wilderness?

 

ああ、この荒野を越えて行く

この空虚の中、俺らは歩く

ああ、この胸は酷くざわめく

ただこれだけで身を守れるかと

 

Cross my heart and hope to die

Taking this one step at a time

I got your back if you got mine

Oh, one foot in front of the other

 

神に誓おう。俺を信じろ

一歩ずつでも、この歩を進めろ

お前が俺の背を支えるなら、俺もお前の背中を支える

その足は常に前に投げ出せ

 

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

 

その次の足をまた一つ前に

その次の足もまた一つ前に

 

One foot in front of the other

Ooh, all that we have is each other

One foot in front of the other

 

足を並べて止まりはしない

俺にはお前、お前には俺だけ

そう、この足をまた一つ前に

 

Not a soul in the road, not a star in the sky

It's a desert in my heart, and I know where to hide

I'm your king of nothing at all

And you're my queen of nothing at all

 

人影なき道、星影なき空

この心の砂漠。覚えた隠れ家

俺はお前の持たざる王で

お前は俺の持たざる女王

 

Well, out here in the dust

If you don't have trust

Ain't nothing left of us

This is the exodus

They're just testing us

They can't flex with us

They can't mess with us

They can't mess with us

 

砂塵の外に抜けねばならない

心許なくば行かねばならない

ここに残すのは何一つ無い

俺達は生き延びねばならない

奴らに俺らを好きにはさせない

奴らは俺らを曲げられはしない

奴らは俺らを潰せはしない

奴らに俺らは潰せない

 

Oh, through the wilderness

How come even together there can be loneliness?

Oh, our hearts a mess

But it's our only defense to brave the wilderness

 

そう、この荒野をいま越えて行く

二人でいれば、孤独など無い

そう、俺らの胸は渦巻いている

だが立ち向かわねば、身は守れない

 

Cross my heart and hope to die

Taking this one step at a time

I got your back if you got mine

Oh, one foot in front of the other

 

命を賭けよう。俺を信じろ

一歩、一歩、その足を前に

俺がついてる。お前もついてる

さあ、その足をまた一つ前に

 

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

 

その次の足をまた一つ前に

その次の足もまた一つ前に

 

One foot in front of the other

Ooh, all that we have is each other

One foot in front of the other

 

足を揃えて立ち止まるなど

俺達二人、俺等しかいない

さあ、この足をまた一つ前に

 

Well, out here in the dust

 

この塵だらけの世界を抜け出せ

 

Oh, through the wilderness

How come even together there can be loneliness?

Oh, our hearts a mess

But it's our only defense to brave the wilderness

 

そう、この荒野を抜けて行く

心細くない。二人でいれば

そう、俺等の心は荒れ果てている

だが、俺等の救いはこの勇気だけ

 

Cross my heart and hope to die

Taking this one step at a time

I got your back if you got mine

Oh, one foot in front of the other

 

俺を信じろ。さもなくばこの命を奪え

前に進め。一歩、一歩

俺にはお前が、お前には俺が

さあ、その足をまた一つ前に

 

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

(Ooh-ooh-ooh-hey!)

One foot in front of the other

 

その次の足をまた一つ前に

その次の足もまた一つ前に

 

In the wilderness

One foot in front of the other

Ooh, all that we have is each other

One foot in front of the other

 

荒れ果てた地でも

足を止めるな。立ち尽くすな

俺にはお前、お前には俺しか

さあ、この足をまた一つ前に

 

Oh, in the so-called 'Land of the Free'

One foot in front of the other

Don't you know that all we have is each other?

One foot in front of the other

 

自由の地などと呼ばれた大地で

この次の足をまた一つ前に

俺等は二人で一つ、分かっているだろ

さあ、その次の足をまた一つ前に

 

この曲について

 荒れ果てて何もない大地を行く二人の男女の映像が目に浮かぶようですね。何とも荒涼感と野性的な雰囲気に満ち溢れたドラマチックな曲です。

 

 恐らくシチュエーションとしては、何も見い出せない世界に絶望を覚えた女性を、主人公がやや強引に立ち直らせようとしているのだと思われます。1番で「Am I the king of nothing at all? And you're the queen of nothing at all」と言っていますが、この世界に何も見い出せていないのは自分も同じということを伝えているのかなと思いました。

 

 そして、その何もない世界を抜け出そうと相手を促し、共に歩き始めます。ここは主人公がかなり力強く相手を説き伏せていますね。そして、吹き荒ぶ嵐の中を折れそうな心と闘いながら一歩、また一歩、お互いに確かめ合いながら懸命に前に進んでいく姿が見える気がします。そしてこの、どんな困難の中に有ろうと進めて行くこの一歩が、タイトルの One Foot となっているようです。

 

 さて、この曲はウォーク・ザ・ムーン(Walk The Moon)によって2017年にリリースされた曲で、アルバム What If Nothing に収録されています。
 彼らは、以前ご紹介した Shut Up And Dance のイメージが強かったのですが、あの軽快でチャラい(笑)曲調からは想像がつかない程、重厚で雄々しい曲ですね。うーん、かっこいい……



WALK THE MOON - One Foot (Official Video)

 MVも、荒野と野性味が全面的に押し出されており、大分曲のイメージを踏襲して作られていますね。うーん、やっぱりかっこいい…… 笑

 

訳、言葉について

 Not a soul は、日本語で言うところの「人っ子一人見当たらない」というニュアンスに相当する言葉のようです。Soul は一般的には「魂」で訳されることが多いですが、そこから「命」だとか「生気」「生きている気配」のようなニュアンスも包括しているようです。

 

 Mess という単語が曲中に何度が登場しますが、今回は二つの意味で使われており、一つが「乱雑」という名詞としての表現、もう一つが「酷い目に合わせる」という動詞としての表現です。My heart is a mess の方は前者、They can't mess with us の方は後者となります。

 

 Cross my heart and hope to die は、これ一文で決まり文句だそうで「神に誓って嘘は言わない。嘘だったら死んだって構わない」という意味だそうです。
 なお、この前半の Cross my heart は、自分の胸の前で十字を切る行為を指します。これが「神に誓って」という意味になります。

 

 Taking this one step at a time ですが、まず At a time で「~ずつ」という意味になります。その為、One step at a time で「一歩ずつ」という意味になり、それに Take がつくので「一歩ずつ手に入れろ」→「一歩ずつ前に進め」というニュアンスになります。

 

 I got your back は「僕がついているよ」という、相手を支える時にかける言葉です。Back はこの場合「背中」とか「背後」と捉えればニュアンスが分かりやすいかと思います。

 

 そしてキーフレーズの One foot in front of the other ですが、One foot は「片足」、front は「前」、the other は「もう片方」となるので、「片足を、もう片方の足の前に出す」となり、つまりは「一歩前に進む」という意味の言葉となります。実際には、最初に Put を付けて使うようです。

The Sound / The 1975

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Lyrics&訳

Well I know when you're around cause I know the sound

I know the sound, of your heart

Well I know when you're around cause I know the sound

I know the sound, of your heart

 

ああ、お前が傍に居ると分かるんだ。この音を知ってるから。

そう、知ってるんだ。お前の鼓動を

そうさ、お前が居ると分かるんだ。この音が分かるから

そう、お前の胸の鼓動が

 

I can't believe I forgot your name

Oh baby won't you come again?

She said "I've got a problem with your shoes and your tunes

But I might move in" and

"I thought that you were straight, now I'm wondering"

 

お前の名前を忘れるなんてありえない

なあ、もう戻ってこないのか?

アイツは言った「あなたの靴も歌も考えものね。

まあ、一緒に住むのは構わないけど」って。そして

「もっとひたむきな人だと思ってた。でもちょっと考え直す」

 

You're so conceited

I said "I love you"

What does it matter if I lie to you?

I don't regret it but I'm glad that we're through

So don't you tell me that you 'just don't get it'

Cause I know you do.

 

この自惚れ屋め

俺は言ったぜ。「お前が好きだ」って

俺が嘘をついたとして、それが何だってんだ

後悔なんてないさ。お前と過ごせて良かったよ

「何にも分かってない」なんて言うなよ

お前の行動なんてお見通しだ

 

Well I know when you're around cause I know the sound

I know the sound, of your heart

Well I know when you're around cause I know the sound

I know the sound, of your heart

 

そうさ、お前が俺の傍に居るなんて分かってるんだ。その音で

お前の胸の鼓動で

お前が俺の傍を離れないなんて分かってるんだ。その音さ

その胸の音さ。分かってるんだ

 

It's not about reciprocation it's just all about me

A sycophantic, prophetic, Socratic junkie wannabe

There's so much skin to see

A simple Epicurean Philosophy

 

別に仕返しって訳じゃない。全部俺自身の事だ

媚売って、予言者ぶって、ソクラテスぶって、中毒患者見たく生きたいもんだ

見渡せば沢山の肌

単に快楽主義の哲学者さ

 

And you say I'm such a cliche,

I can't see the difference in it either way.

And we left things to protect my mental health

But you call me when you're bored and you're playing with yourself

 

お前は言うよな。もっと気の利いた言い訳は無いのって

俺とお前にどれ程の違いがあるか分からないけどな

心を守るために色々手放したが

暇になったら俺に電話。その向こうでナニやってんだか

 

You're so conceited

I said "I love you"

What does it matter if I lie to you?

I don't regret it but I'm glad that we're through

So don't you tell me that you 'just don't get it'

Cause I know you do.

 

いい御身分だな

ああ言ったさ。愛してるってな

それが嘘だとして問題あるか?

後ろめたさなんてないさ。お前との日々はまあ良かったさ

「意味が分からない」だなんて言うなよ

俺には分かってるんだ

 

Well I know when you're around cause I know the sound

I know the sound, of your heart

Well I know when you're around cause I know the sound

I know the sound, of your heart

Well I know when you're around cause I know the sound

I know the sound, of your heart

Well I know when you're around cause I know the sound
I know the sound, of your heart

 

そうさ、お前は俺の傍に居る。良く知ってる音

その胸の音がそう教えてる

ああ、お前はここに居るさ。音で分かる

その胸の音がそう言っている

そうだろ、お前は離れられない。その音が鳴っているから

胸の鼓動が高鳴ってるから

結局俺の傍が良いんだろ。その音は隠せない

その胸の音は隠せない

 

この曲について

 お互い、駆け引きだらけの男女の姿が見える気がします。何と言うか、お互いが二人の関係の主導権を握ろうと躍起にでもなっているんでしょうか。相手のボロをつき続ける、何とも不毛な、でも傍から見ればまあ面白いかもしれない、そんな二人の状況を歌った歌なのではないかなと思います。

 

 冒頭、いきなり相手の方から「あんたって案外ダサいわよね」ぐらいの言われようです。その上で「そんなアンタと付き合ってやってもまあ、別にいいんだけどさぁ」のような、いかにも相手側がこの主人公よりも上の立ち位置に居るように振る舞ってきます。

 

 しかし、この主人公も負けていません。以前言った「愛してる」の言葉にもそんな大した意味はなかったし、何よりお前の方が俺に惚れてるってことが分かっていると言い切ります。このフレーズの冒頭、お前は自惚れ屋だと主人公は言っていますが……どっちもどっちですね。

 

 サビの部分で繰り返される「君が近くに居るのが分かる。その胸の鼓動が聴こえるから」というフレーズ、最初はもっとロマンチックな意味合いかと思っていたのですが、つっかかってくる相手に対して「そんな強がって見せたって結局お前は俺に惚れてて離れられないんだろ?」のような、何ともナルシシズムに溢れた内容でしたね。

 

 さて、この曲は The 1975 によって 2015年に歌われた曲です。収録アルバム名は……えーと…… I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It です(長いっ!!)


The 1975 - The Sound

 それにしてもこの曲、30代後半から40代の人達には何となく懐かしさを覚えるのではないでしょうか。特に後ろで鳴っているシンセサイザーの音が、1980年後半頃によく使われたような使われ方をしていますね。

 

訳、言葉について

 曲は短いですが、普段使わないような単語が乱立していますね。ちょっと訳すのが厄介でした

 

 Move in は、「引っ越して来る」という意味です。今回の曲においては、相手がこの主人公の所に越してくるという捉え方になるのかなと思います。

 

 Conceited は「自惚れが強い」という意味になります。

 

 Sycophantic は「媚を売る」とか「後をついていく」のような意味があるそうです。

 

 Prophetic は「予言者めいた」という訳し方をすればよいのかなと思います。以前にもこちらの曲で違った形で登場していますね。

 

 Epicurean は「快楽主義」という意味で使えます。特に「食い道楽」指すことが多い言葉だそうです。

 

 Philosophy は 「哲学者」を意味する言葉です。

 

 Cliche は「マンネリ」とか「ありきたり」という意味から、更に「陳腐」「平凡」のようなニュアンスを持った言葉だそうです。

Dancing / Kylie Minogue

image

 

Lyrics&訳

No one wants to stay at home

Nobody wants to be alone

When you come knocking, I'll be at your door

 

誰だって家なんかに居たくない

独りでなんて居たくない

ドアを叩きに来てくれたなら、あなたの家の前までいくわ

 

I don't ever wanna stop

I'm gonna give it all I've got

And when they ask me, "who could ask for more?"

 

いつになっても止まらずにいたい

手にしたものは全部あげたい

そして皆私に言うの。「こんなに貰っていいの?」って

 

Can't stand still

I won't slow down

When I go out, I wanna go out dancing

 

立ったままじゃいられない

進む速さを緩めたりしない

表に出たなら、踊りに出たいの

 

Ah-ah-ah-ah, ah-ah-ah-ah

When I go out, I wanna go out dancing

Ah-ah-ah-ah, ah-ah-ah-ah

I wanna go out dancing

 

I wanna go out

I wanna go out, dancing

 

ああ、そうよ

外に出たいの。踊っていたいの

そう

私は外で踊っていたい

 

表に出たい

踊っていたい

 

This is where I wanna be with you

Your arms wrapped around me

And fireworks reflecting in your eyes

 

ここはあなたと共にと願った場所

あなたの腕に包まれる私

あなたの瞳に映る花火

 

This is how I wanna feel

The wild kiss, the music reeling

Getting down, riding all the highs

 

これが私の願った全て

大胆なキス、流れる音楽

落ちてく気分、舞い上がる気分

 

Can't stand still

I won't slow down

When I go out, I wanna go out dancing

 

もう立ったままなんて嫌

呑気になんてしてられない

外に出るなら、踊っていたいの

 

Ah-ah-ah-ah, ah-ah-ah-ah

When I go out, I wanna go out dancing

Ah-ah-ah-ah, ah-ah-ah-ah

I wanna go out dancing

 

I wanna go out

I wanna go out, dancing

 

ああ、そうなの

外にでて、広い所で

そうしていたい

踊りたい。踊っていたい

 

Everybody's got a story

Let it be your blaze of glory

Burning bright, never fade away

 

皆に与えられた物語

輝く栄光もそのままに

燃え上がらせましょ。明るく、ずっと

 

And when the final curtain falls

We could say we did it all

The never ending of a perfect day

 

幕を下ろす時が来たら

こう言いましょう。やりきったって

終わること無い、最高の日に

 

Can't stand still

I won't slow down

When I go out, I wanna go out dancing

 

ただ立ってるなんてできやしない

休み休みになんてしたくない

外に飛び出し、踊っていたいの

 

Ah-ah-ah-ah, ah-ah-ah-ah

When I go out, I wanna go out dancing

Ah-ah-ah-ah, ah-ah-ah-ah

I wanna go out dancing

 

そうよ、そうでしょ

外の世界で、踊っていたい

そうでなくちゃ

踊っていたい

 

I wanna go out

I wanna go out

I wanna go out dancing

 

閉じこもってないで

表に出るの

そして踊るの

 

I wanna go out

I wanna go out

I wanna go out dancing

 

外の世界で

広い世界で

踊っていたいの

 

この曲について

 もう、タイトルのまんまですね。踊っていたい。だから部屋の中に閉じこもっている訳にはいかない。外に出なきゃ。そして踊らなきゃ。そんな感じの、なんとも開放的な曲です。

 

 この開放的な雰囲気にもつながることですが、この主人公はあんまり細かいことを気にしない、というか太っ腹と言うか、持っているものは何でも誰かに与えたいと思っているようですね。確かに、ダンスが心から好きな人って、ラテン系でおおらかな人が多いイメージです。

 

 そんな主人公の持論は、自分たちの人生が終わりを迎えるその時、やれること、やりたいことは全部やったと思えるようにしようと言うものみたいです。なんだか7つの習慣みたいですが、とてもあるがままに、思いのままに生きている人間像が見えるのではないかなと思います。そんな人が踊ってたら、周りもさぞかし楽しいでしょうね。

 

 さて、この曲はカイリー・ミノーグによって2018年に歌われた曲で、アルバム Golden に収録されています。それにしても、カイリー・ミノーグ、何気に今年で50歳の筈なのですが、それでもこれだけポップで元気いっぱいの歌をリリースできるってなんかすごいなと思います。声もとても若々しいですね。



Kylie Minogue - Dancing (Official Video)

 ……念を押しますが、今年で50歳の筈です。Cher とはまた別の方向で年齢不詳ですね……

 

訳、言葉について

 Music is reeling というのがちょっと良く分かりませんでした。reel は「巻き取る」の他に「よろめく」という意味のものもあるのですが、それが Music にかかるとどういうイメージになるのでしょう。あれこれ考えて、可能性としては昔の音楽機材にあったオープンリールのテープのイメージではないか、という結論に至りました。音楽がかかる時、リールが動いてテープを巻き取っていくあの様子です。合っているかどうかは判らないのですが……

 

 Blaze of glory で、直訳すると「栄光の炎」となります。日本語的な意味で捉えると「輝かしい栄光」と捉えればいいかなと思います。

プロフィール

笹森茂樹

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