さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

2000~2004年の関連記事一覧

The Scientist / Coldplay

The Scientist / Coldplay

 

Lyrics&訳

Come up to meet you

Tell you I'm sorry

You don't know how lovely you are

 

君に会う為向かってる

謝罪の気持ちを伝えたい

知らないだろう。その愛らしさは如何程か

 

I had to find you

Tell you I need you

Tell you I set you apart

 

君を探し出すべきだった

大事な人だと伝える為に

特別なのだと伝える為に

 

Tell me your secrets

And ask me your questions

Oh, let's go back to the start

 

本当の声を聞かせてほしい

言いたいことは尋ねてほしい

一からお互い出直す機会を

 

Running in circles

Coming up tails

Heads on a science apart

 

ただ同じことの繰り返し

コインを投げれば裏の目ばかり

理論を無視して出ぬ表側

 

Nobody said it was easy

It's such a shame for us to part

Nobody said it was easy

No one ever said it would be this hard

Oh, take me back to the start

 

簡単だとは思わなかったが

別れるのは大きな汚点だ

簡単だなんて言われなかったが

これ程までとも言われなかった

僕をあの日に戻して欲しい

 

I was just guessing

At numbers and figures

Pulling the puzzles apart

 

ただあれこれ推し測ってた

どんな数字か、どんな図形かと

パズルを引き寄せバラバラにした

 

Questions of science

Science and progress

Do not speak as loud as my heart

 

科学の難問

科学と進歩

心はそれらの声も掻き消し

 

Tell me you love me

Come back and haunt me

Oh, and I rush to the start

 

僕を愛していると言ってと

戻って僕の隣に居てと

出会ったあの日に駆けこんで行く

 

Running in circles

Chasing our tails

Coming back as we are

 

あの頃をまたを繰り返そう

裏目のコインは打ち砕こう

有るべき二人にまた戻ろう

 

Nobody said it was easy

Oh, it's such a shame for us to part

Nobody said it was easy

No one ever said it would be so hard

I'm going back to the start

 

誰一人として易しい事とは

でもお互い、別れは惨めだ

誰一人として簡単だとは

しかしこれ程難問だとも

また一からやり直すんだ

 

この曲について

 恋人ともはや破局している状況における、後悔を歌った歌のようですね。

 

 最初のフレーズを見る限り、この主人公はもう恋人とは完全に音信不通になってしまっているようです。謝ることも、自分の愛も伝えることも叶わない状況のようです。それに対し、主人公はああするべきだった、こうしたかったと嘆くと共に、いくら分析して、世の中に普く理屈を、理論をもってしても、この状況は変わらないのだと悟っているようです。
 この、難問に向き合ってあれこれ悩み答えを見い出そうとしている姿を、日々難問に立ち向かっている科学者の姿に準えて「The Scientist(科学者)」というタイトルなのかなと思います。

 

 そして、ただ確かなのは、出会って最初の頃は上手く行っていたこと。それだけです。それ故に、出会った頃の自分を思い出し、その自分に戻るから、また一からやり直したいと主人公は願うのですが……科学と違い、トライアンドエラーで答えが求められる分野ではないですよね。こう捉えると、永遠に答えを出せない主人公の未来が見て取れる気もして、なんだかバッドエンドの小説を読んだ後のような気分になります。

 

 さて、この曲はコールドプレイ(Coldplay)によって、2002年にリリースされた曲で、アルバム A Rush Of Blood To The Head に収録されています。最初にタイトルから、割とクレイジーな曲なのだろうなと想像していたのですが、全然違いましたね(笑)


Coldplay - The Scientist

 

 また、この曲は glee のシーズン4で歌われました。シリーズ内を代表するカップル4組が一斉に破局してしまうという、何とも言えぬ悲惨な回を締めくくる曲として歌われています。ですが、歌詞の内容を見ると納得ですね。

GLEE - The Scientist (Full Performance) (Official Music Video)

訳、言葉について

 run in circle は、「堂々巡り」を意味する言葉だそうです。最初は、答えを出せない状態の事を指していますが、二回目に使われている部分では、幸せだった頃にまた戻っていこうという意思を表しているのではないかなと思います。

 

 coming up tails と heads on science apart は、heads がコインの表側、tails がコインの裏側であることを知っていれば分かり易くなると思います。※heads or tails で、コイントスの時の定番の掛け声となります。
 そして即ち、come up tails はコイントスの結果が裏面であることを意味し、heads on science apart は、コインの表側は科学から離れた所にある……つまり、本来は1/2の確率で出るはずの表が何度やっても出てこないことを意味していると思われます。

If I Ain't Got You / Alicia Keys

If I Ain't Got You / Alicia Keys

 

Lyrics&訳

Some people live for the fortune

Some people live just for the fame

Some people live for the power, yeah

Some people live just to play the game

 

幸せを求め生きる人もいる

名声を求め生きる人もいる

権力の為に生きる人も

ただ享楽に生きる人だって

 

Some people think that the physical things

Define what's within

And I've been there before

But that life's a bore

So full of the superficial

 

それを物に求める人もいる

これは良いとか。あれは違うとか

あたしも昔そうだった

でもそんな生き方つまらない

ただ上っ面が立派なだけ

 

Some people want it all

But I don't want nothing at all

If it ain't you, baby

If I ain't got you, baby

Some people want diamond rings

Some just want everything

But everything means nothing

If I ain't got you, yeah

 

全てを求める人もいる

でもあたしは何もいらないの

あんたじゃないのなら

あんたがあたしから離れるくらいなら

ダイヤの指輪を求める人も

何でもいいから欲しがる人もいる

でも、全てもゼロも同じこと

あんたの傍に居られないなら

 

Some people search for a fountain

That promises forever young

Some people need three dozen roses

And that's the only way to prove you love them

 

泉を求める人もいる

永遠の若さを約束するようなね

薔薇の36本を望む人もいる

それだけが皆への愛の証と。そう、あんたのこと

 

Hand me the world on a silver platter

And what good would it be

With no one to share

With no one who truly cares for me

 

さあさどうぞと差し出された全て

その良いって言われる世界の中に

分かち合える人はいない

心の底から想ってくれる人も

 

Some people want it all

But I don't want nothing at all

If it ain't you, baby

If I ain't got you, baby

Some people want diamond rings

Some just want everything

But everything means nothing

If I ain't got you, you, you

 

あらゆる物を望む人もいる

でもあたしは何も欲しかない

あんたじゃないなら

あんたがあたしンじゃないのなら

高い指輪を欲しがる人

何でもかんでもねだる人

でも「何でも」も「何にも」も同じこと

そう、あんたが振り向いてくれないのなら

 

Some people want it all

But I don't want nothing at all

If it ain't you, baby

If I ain't got you, baby

Some people want diamond rings

Some just want everything

But everything means nothing

If I ain't got you, yeah

 

全てを望む誰か

何も望まないあたし

それがあんたでないなら

そう、あんたでなかったのなら

輝く宝石に焦がれる娘

この世の全てを渇望する男

でも手にするもしないもどっちでもいい

それがあんたでないのなら

 

If I ain't got you with me, baby

So nothing in this whole wide world don't mean a thing

If I ain't got you with me, baby

 

あたしの傍に居ないあんたなら

この世にどれにも意味なんてありゃしない

あたしの傍に居ないあんたなら


この曲について

 価値観というものは人それぞれで、色んなものを望む人がいる。しかし、私が望むのはあなた一人。そんな心境を歌っているようですが、どうもその望みは叶えられそうにないことも心のどこかに抱えている、ちょっと浪花節の入った曲に映りました。

 

 1番では、世の中には多くの人がいて、それぞれ人生に見い出す大事なものは違っているということを連ねています。そしてその人の中には、目に見えて形ある物を手に入れたがる人も多くいることを示唆していますが、自分もかつてはその中の一人だったと思い返します。

 

 しかし、今は違います。そんな物だけがある生活は虚しいものと気付かせてくれた人物がいた為です。それが、この曲における「You」ですね。そのおかげで、この主人公の人生における価値観は、物質的なものから精神的な物へと移り変わったようです。そして今は、その「You」さえいれば、この世のどんな価値のある物だって要らない、無価値に等しいと言い切っています。

 

 ですが、2番でどうも雲行きが怪しくなります。というのも、この世には3ダースの薔薇を望む人がいて、「You」はそれを与える可能性のある人だとこの主人公は知ってしまっています。この3ダースの薔薇、全てが自分に向けられるなら良いのですが、歌詞上は「You love them」となっており、「You」の愛する人、あるいは「You」に愛されたがってる人が複数(下手をすれば36人)いることが確定しているようです。自分に愛と言う精神的な価値を教えてくれた「You」は、実は八方美人な浮気者、あるいはとても競争率の高いモテ男だったということですね。

 

 この流れを踏まえると、歌詞は同じでも1番と2番のそれぞれのサビでは大分想いが違います。1番では「宝石とか色んなものを欲しがる人がいるけど、私にはあなたがいてくれればそれでいい」くらいの意味合いで取れますが、2番だと「あんたよりも宝石や他の物が良いって言ってる奴らがひしめいてる中、あんただけが好きって言ってるあたしにどうして振り向いてくれないの」位の恨み節になっているように聴こえます。

 

 とはいえ、恨んでみたところで一度惚れてしまった相手なので、最後まで未練を断ち切れずにいますね。タイトルの If I Ain't Got You が、どうしても僕の頭の中で「それがアンタでないのなら」という、浪花節な邦題に変換されてしまいます。(※ごめんなさい)

 

 さて、この曲は2003年にアリシア・キーズ(Alicia Keys)によって歌われた曲で、アルバム「The Diary Of Alicia Keys」に収録されています。また、2004年にはシングルカットされています。


Alicia Keys - If I Ain't Got You

 

 ムービーだと、ラスト3行の部分がカットされていますね。CDではちゃんと収録されています。

 

訳、言葉について

 Some people を冒頭に持ってきて「~という人もいる」という表現は、特に歌詞の世界では多用される表現のように思えます。People を省略する場合も多いですね。

 

 Define what's within は、Difine が「定義する」、Within が「~の範囲内」なので、「何が範囲内に収まるかを定義する」ということになります。この一つ前で「物質的なものに価値を見い出す人もいる」と言っているので、それを受けてこのフレーズが来ると言うことは、「これは価値のある物、これは価値のない物」と選り分けている姿が思い浮かべばいいのかなと思います。

 

 Dozen は、日本語発音で言うところの「ダース」、12個1かたまりを指すあの単位です。
 ※全くの余談ですが、森永のチョコレート「DARS」の綴りは造語だそうです。昔はちゃんと「DOZEN」だったらしいのですが、途中で現在の形に改めたのだとか。

 

 Hand(もしくは Give) ~ on a silver plate とは「~をうやうやしく差し出す」という意味だそうです。確かに、銀のお皿やお盆に物を乗せて差し出されるシチュエーションって、最低でも執事がいるような階級での光景ですよね。

 

 So nothing in this whole wide world don't mean a thing は、直訳すると「この世に価値ある物を意味しないものはない」となってしまいますが、これは Bad Day などで出てきたように、二重否定では無く否定の強調として捉えるべきかなと思いました。なので、上記の文の Nothing は、実質的には Anything の 意味を持った言葉かと思われます。なので「この世にある全ての物は、価値のある物を意味しない」となり、「全部無価値」という意味で捉えられると思います。

 

 なお、この曲において Thing は暗黙的に、ある人にとっての「大切な物」とか「価値のある物」、「幸せを証明する物」といったニュアンスが含まれているかと思います。

The Anthem / Good Charlotte

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Lyrics&訳

It's a new day, but it all feels old

It's a good life, that's what I'm told

But everything, it all just feels the same

 

新しい日だとさ。どこがだっての

イイ暮らしなんだと。周りが言うには

だが俺に言わせりゃ、「停滞」の一言で片付いちまうな

 

At my high school, it felt more to me

Like a jail cell, a penitentiary

My time spent there only made me see

 

高校生活。余計悪ぃや

まるで牢屋だ。ム所の中のな

まあでも、ここで過ごして見て分かったよ

 

That I don't ever wanna be like you

I don't wanna do the things you do

I'm never gonna hear the words you say

And I don't ever wanna

 

お前みてぇには絶対ぇなりたかねぇ

お前と同じことはやりたくねぇ

お前のいう事は二度と聴きたくねぇ

そうさ絶対ぇゴメンだ

 

I don't ever wanna be you

Don't wanna be just like you

What I'm sayin' is, this is the anthem

Throw all your hands up

You, don't wanna be you

 

お前の生き方なんざ絶対ぇゴメンだ

お前みたいにゃ絶対ぇならねぇ

何が言いてぇかってとだな、それこそが俺たちの誇りなんだ

さあ、両手を思いっきり振り上げようぜ

お前、今の自分がイイだなんて思ってんじゃねぇよ

 

Go to college, a university

Get a real job, that's what they said to me

But I could never live the way they want

 

大学だとか、エリートだとか

真っ当な仕事だとか、皆そんなことばっかり言いやがる

だが、そんなお望みの人生なんざまっぴらゴメンだ

 

I'm gonna get by and just do my time

Out of step, while they all get in line

I'm just a minor threat, so pay no mind

 

俺は俺だけの生き方でやってくさ

皆がおキレイに並んでる間に、他のどっかに一足お先だ

大してお前らの邪魔にはならねぇよ。気にすんな

 

Do you really wanna be like them

Do you really wanna be another trend

Do you wanna be part of their drill

'Cause I don't ever wanna

 

お前、ホントにアイツ等みてぇになりてぇか?

ホントに世の中に流されるだけでいいのか?

ホントに何かの機械の歯車でいいのか?

だったら、俺は絶対ぇに

 

I don't ever wanna be you

Don't wanna be just like you

What I'm sayin' is, this is the anthem

Throw all your hands up

You, don't wanna be you

 

お前にだけは絶対ぇなりたくねぇ

お前みてぇにだけはな

これは俺等なりの讃歌だと思ってくれ

その手を突き上げるんだ

お前は、今変わらなきゃいけねぇ

 

Shake it once, that's fine

Shake it twice, that's okay

Shake it three times, you're playing with yourself again

 

見方を変えろ。そうだ、いいぜ

今までを疑え。それでいいんだ

常識なんざクソくらえだ。取り戻せよ。「お前」ってモノを

 

You, don't wanna be just like you

What I'm sayin' is, this is the anthem

Throw all your hands up

Y'all got to feel me, sing if you're with me

 

お前は、今のお前になっちゃいけねぇ

言ってるだろ、これは俺たちの魂の歌だ

拳を上げるんだ

解かったんなら一緒に唄おうぜ

 

You, don't wanna be just like you (be just like you)

This is the anthem throw all your hands up

Y'all got to feel me, sing if you're with me

 

そうだ、そんな殻なんかぶち破っちまえ

俺達の魂の叫びだ、両手を突き上げろ

解かってんだろ、一緒に叫ぼうぜ

 

Another loser anthem (whoa)

Another loser anthem (whoa)

Another loser anthem (whoa)

Another loser anthem

 

俺もお前も

負け犬の一人

そんな俺等を

誇らしく叫ぼうぜ

 

この曲について

 日本でもよく、代わり映えしない日々を「判で押されたような毎日」と表現することが有りますが、それを徹底的に批判した曲のようです。が、批判の矛先はそんな毎日が送られている世の中と言うよりも、そんな世の中に流されてしまっている一人一人に向けられているようですね。そして、その一人一人と言うのが、聴き手側である我々なのかなと。

 

 言われた通りに進学して、望まれるままに安定した職業につき、特にはみ出すことも無く横並びに生きている。そしてそれが良い生き方だと教わる……まあ、大抵の人は何かしら心当たりのある生き方でしょうね。

 

 しかし、そんな我々みたいに、俺はなりたくないと歌い手に言われてしまいます。これを聴いた時、上記のような何の変哲もない毎日を送っている人には「私だって本気でなりたくてなったわけじゃないわい」という気分になるでしょうね。そしてその上でサビの最後に、本当にあんたは今のあんたのままでいいのかという問いが畳みかけられることになります。

 

 普通とか常識めいたことはどこかに置いといて、自分自身が本来どういう人間で何を望んでいたのかを思い出し、それを堂々と誇ればいいと言うのがこの曲のコアとなるメッセージと思われます。そして、その自分に忠実に生きていられる人を讃える歌が、この「The Anthem(讃歌)」というタイトルになるのかなと思います。

 

 話は変わりますが、個人的にこのサビに使われている歌詞とメロディの運びは面白いなと思います。Bメロとサビを繋げた場合「I don't ever wanna be you, don't wanna be just like you」、つまり「俺はお前みたいにはなりたくない」という自分の姿勢を宣言する言葉になりますが、終盤のサビ部分だけを切り取った個所は「You, don't wanna be just like you」となり「お前、今のお前のままでいたいだなんて思うな」という、相手への警告へと変化します。歌詞を変えなくとも、繋ぎを変えるだけで意味が変わると言うのは、あんまり他には無い手法じゃないでしょうか。

 

 さて、この曲は2002年にグッド・シャーロット(Good Charlotte)によってリリースされた曲で、アルバムThe Young And The Hopelessに収録されています。このブログで以前ご紹介したMakes No DifferenceBelieve同様、エリート・ビート・エージェント(Elite Beat Agents)という音ゲーにも収録されており、僕がこの曲を知ったきっかけとなったのもこのゲームです。

 


Good Charlotte - The Anthem

 

 また、なんでそうしたのかはよく覚えていませんが、僕が学校の課題以外で、洋楽の歌詞を初めて自力で全訳したのはこの曲だったので、個人的にはちょっと思い出深い曲です。(当時結構苦労したので、じゃあ次に他の曲も訳してみよう……という感じには繋がりませんでしたが)

 

 余談ですが、gleeで「Anthem」がテーマとなった回があったので「お、The Anthem歌われるかな」と、こっそり期待したのですが、歌われずにがっかりした記憶が有ります(笑)

 

訳、言葉について

 まずタイトルの「Anthem」は一応「讃歌」と訳されるのですが、個人的にはこの言葉を綺麗に表す日本語の単語は無いのではないかなと思います。あくまで何となくですが、「讃える歌」と言うよりは「誇る歌」と言った方が、ニュアンスには忠実に思えます。ですが「誇歌」なんて言葉も無いので、仕方なく「讃歌」という単語で代用しているような、そんな気がします。

 

 Penitentiaryは「刑務所」の事ですが、物凄く紛らわしいことに、Penitentiallyという言葉もあります。こちらは「悔やまれる」という意味ですが……聴き分け出来る気がしません。(まあ、一応名詞か副詞かの違いが有るので、語順で判断できるのかもしれないですが)

 

 Pay no mindは、Pay mindで「気にする」とか「構う」と言う意味なので、反対の「気にするな」「構わないでくれ」という意味になります。

 

 Part of their drillのdrillは、地面に穴を掘るドリルではなく「定められた手順」という意味の方のドリルかなと思います。つまり、Part of their drillで、「世の中を正常に回す為の一つの部品」というようなニュアンスになるのかなと。

 日本語でも問題集を意味するドリルが有りますが、これはこの「定められた教練手順」のニュアンスに則った言葉かなと思います。

 

 Shakeはこの場合「振る」よりも「振り払う」のニュアンスで訳せばいいのかなと思います。振り払うというニュアンスを正確に押し出したい場合は「Shake 何々 out」なのかもしれませんが、Shake単体でもこの「振り払う」というニュアンスは内包しているようです。

Makes No Difference / Sum41

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Lyrics&訳

You're running fast and missing but cannot help convincing.

The reasons you gave me are all wearing thin.

It's not meant to hurt you but let me assure you,

It's not what I said but intentions you've read.

 

慌てて逃げまくっているくせに、言い訳ばっかり一人前だが

お前の吐き出す理由ってのは、薄っぺらく飾られてんだ

キツイことを言うかもしれねぇ、だが、ただこれだけは覚えとけ

俺が何を言ったかじゃなく、お前がどう感じたかに目を向けろ

 

So when you hold onto the past then you

Will break down what little is left.

There's nothing more you can't ignore,

And say it makes no difference to me.

 

昔の事にしがみついてちゃ

何か一つ失くしただけで躓いちまうぜ

これ以上何を気にするってんだ

口に出して言ってみな。「こんなものはどうでもいい」って

 

Now that you're older life's weighing on your shoulders.

You can't seem to keep things so perfectly straight.

With most things so basic you might as well face it.

You can't help but worry it's all just begun

 

大人ってやつになっていくと、いろいろ圧し掛かってくるだろ

今のまんまのお前じゃ押し潰されちまうかもしれねぇ

小難しいこと考えてねぇで、いっそ体当たりでぶつかっていけ

不安なんてのは当たり前だ。今やっと始まったんだ

 

So when you hold onto the past then you,

Will break down what little is left.

There's nothing more you can't ignore,

And say it makes no difference to me.

 

昔の事ばっか気にかけてたら

ちっぽけなことでもやってらんなくなるぜ

これ以上気にすることなんか何もねぇ

さあ、叫べ。「俺にとっちゃなんでもねぇ」って

 

It makes no difference to me

It makes no difference to me

It makes no difference to me

It makes no difference

 

どうでもいい

どうってことねぇって

何てことねぇだろ

お前にとっちゃね

 

この曲について

 逃げてばっかりで目の前の問題を後回しにして、行動を起こさないことに対して言い訳ばかり言っている。そんな煮え切らない人達に活を入れる曲でしょうか。特に1番の歌詞は、この内容そのまんまですね。そして、歌い手たちが発する言葉を額面通りに受け取るのではなく、そこから自分なりに何かをつかみ取って前を向けと檄を飛ばします。

 

 そして相手には、昔の事ばっかり思い返していては、小さなことに傷つくだけと言っています。これは、過去を大事にしすぎると、それらを失うことを必要以上に恐れ、そのせいで前に進めなくなってしまうことに警鐘を鳴らしているのでしょうね。 そして、それを振り払う為に一つの方法を提案します。それは、声に出して「こんなものはなんでもない!」と叫ぶことです。

 いいですね。実際に叫んでみたら、ホントにそんな気がしてくるかもしれません。

 

 その後、今こんな状態だったら、大人になっていくにつれてもっと人生の色々なことが重く圧し掛かってきたときどうするんだと問いかけます。

 答えは、全力で立ち向かうしかないってことですね。そしてその為には色々なものをかなぐり捨てる勇気も必要になってきます。その中には、かつて手に入れた栄光やら地位やらも含まれるかもしれません。しかし、そこに想いを向けてしまうと尻込みしてしまいます。だからこそ、また口に出して自分に言い聞かせます。「こんなものはどうでもいい」と。

 

 何かを始める時、何かに抵抗しなければならない時、何かを決断しなければならない時などに、決まって邪魔をするのは「今まで」です。そんな邪魔を振り払い、自分自身に言い聞かせるおまじないのような言葉が、この「Makes No Difference」なのだと思います。

 

 さて、この曲はSum41によって2000年にシングルリリースされた、彼らの記念すべき最初の曲です。あまりエレキギターばりばりの曲は聴かないのですが、たまたまエリート・ビート・エージェントというニンテンドーDSの音ゲーでこの曲を知って一発で好きになり、思わずその日にCDを買いに行ってしまいました。

 当時は洋楽を和訳する習慣も無く、歌詞カードも対して読まなかったので、意味も何も全く知らずにMakes no difference to meの部分だけ口ずさんでましたが、それだけでも妙に元気になれる曲ですね。

 


Sum 41 Makes No Difference HD

 

 それにしてもまた、PVも凄い騒ぎですね。いくら何でも車で家の壁をぶち破っておいて「こんなのどうでもいい」ってことは無いと思うんですが(笑)

 また、PVはもう一つバージョンが有り、そちらではSum41があれこれイタズラやら万引きやらをしでかすという内容になっています。どちらにしろ、後先考えずにいい意味でも悪い意味でも前ばっかり向いている作品ですね。

 

訳、言葉について

 タイトルを含む「It makes no difference to me」は、上記でも説明がありますが、直訳すると「これは自分を変えるものではない」となり、転じて「これは自分に何も影響を与えない」→「自分にとってはどうでもいい」という時の表現に使われる言い回しです。

 なお、曲中では「It makes no difference to me」という言葉を「お前が叫べ」と促しているので、単にこの言葉だけを切り取った部分の訳としては「お前にとって、それは実はどうでもいいものなんだ」というニュアンスを押し出してみました。

 

 中盤にYou might as well face itという一文がありますが、このmight as wellという言葉で、日本語で言うところの「どうせなら」とか「いっそのこと」というニュアンスになります。この文のfaceは「向き合う」「立ち向かう」なので、「いっそのこと立ち向かってしまえ」という言葉になります。

 

 今回、自信が無いのはYou can't help but worry it's all just begunの部分です。このまま訳すと「お前は今まさに(何かが)始まってしまったことに対して、不安にならざるを得ない」的な意味になってしまうのですが、これだと文の前後関係から意味不明です。

 恐らくなのですが、ここはworryで一旦区切るのかなと思います。そうすることで、「今始まったばかりなのだから、不安になるのも仕方がない」という、暗黙の「だから」が入ってくれるのではないかなと思います。

Minority / Green Day

 

 

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Lyrics&訳

I want to be the minority

I don't need your authority

Down with the moral majority

'Cause I want to be the minority

 

俺ははみだし者でいてぇんだ

てめぇらに認めて貰おうなんざ思っちゃいねぇ

お堅い多数派はあっちへ行ってろ

俺は横並びに生きるつもりはねぇからな

 

I pledge allegiance to the underworld

One nation underdog

There of which I stand alone

A face in the crowd

Unsung, against the mold

Without a doubt

Singled out

The only way I know

 

忠誠を誓うぜ。自由と正義の犠牲になった

御犬様の下の、どうやったって分けようもない

たった一人の独立国に

人ごみに埋もれた顔で

型にはまった褒め言葉なんざゴメンだ

迷うこたねぇ

唯我独尊

こんな生き方しか知らねぇよ

 

'Cause I want to be the minority

I don't need your authority

Down with the moral majority

'Cause I want to be the minority

 

だから皆と一緒なんざ勘弁な

解かってくれなんて思っちゃいねぇ

仲良しルールなんざ捨てちまえよ

俺は群れるのは好きじゃねぇんだって

 

Stepped out of the line

Like a sheep runs from the herd

Marching out of time

To my own beat now

The only way I know

 

お決まりの道からはとっくに外れた

群れから逃げ出す羊みてぇに

調子っぱずれの行進曲

俺には俺のペースがあんだ

他の生き方なんざ知るか

 

One light, one mind

Flashing in the dark

Blinded by the silence of a thousand broken hearts

"For crying out loud", she screamed unto me

A free for all

Fuck'em all

You are your own sight.

 

一つの光、一つの心

暗闇の中で光るもの

壊れちまった千の心、その静寂の裏にあるもの

「お願いだから!」ってお袋に怒鳴られたっけな

自由をお前らに

クソったれのてめぇらに

お前らもお前らの見てるもん信じろ

 

'Cause I want to be the minority

I don't need your authority

Down with the moral majority

'Cause I want to be the minority

 

だから俺も一人で好きにするさ

お前らにどうこう言われる筋合いもねぇ

仲良く猫かぶって楽しいか?

俺は爪はじきもんで丁度いい 

 

One light, one mind

Flashing in the dark

Blinded by the silence of a thousand broken hearts

"For crying out loud", she screamed unto me

A free for all

Fuck'em all

You are your own sight

 

一つの灯り、一つの知性

真っ暗な中で輝く何か

壊れて黙っちまった心達が見ようとしない物

「あっきれた!」アイツ、俺に叫んだっけな

自由を我らに

クソったれの俺達に

お前らにもお前らなりの価値ってモンがあるだろ

 

'Cause I want to be the minority

I don't need your authority

Down with the moral majority

'Cause I want to be the minority

 

だから俺は普通ってのがイヤなんだ

お前らに許されて生きるつもりもねぇ

良い人ぶってんなよ、その他大勢さんよ

ああそうさ、少数派上等だ

 

(I want to be the minority)

I'm minority

(I want to be the minority)

I'm minority

 

皆と同じにゃなりたくねぇ

俺は変わりもんだ

まともでいるつもりもねぇ

俺は当たり前の人間じゃねぇ

 

この曲について

 皆と同じであることを良しとせず、自分の価値観やペースを最も大事にして生きたい、というよりそんな生き方しかできなくて、それが自分だということを、力いっぱいに主張した歌ですね。ですが、これを単に開き直りだけの曲として捉えるのもちょっと無粋かなと思います。(まあ、そもそもパンクの歌詞の内容を、頭を捻って考えること自体も無粋なのですが)

 

 1番で、Underworld(底辺社会)やUnderdog(負け犬)、Unsungなど、明らかにマイナスイメージの言葉が並べられおり、しかしそして自分はそこに身を置く人間であるとしています。ここで大多数=正義・優位という構造を改めてイメージさせているように思えます。

 

 そして2番ですが、ちょっと難解です。光、心、輝きなどが出てきますが、どれもか弱いイメージで描かれているように思えます。そして、壊れた心達に隠された物という表現が後に続きます。ここでは、大事な物や価値のあるものが、いろいろな何かによって見えづらくなってしまっている、或いは見てみぬふりをされてしまっていることへの警告かなと思いました。その為か、2番の最後は、自分の見たものを素直に受け止めろといったニュアンスのことが書かれているようですね。

 

 そうしてみると、自分がマイノリティ(少数派)で在りたいという言葉は、単に周りに合わせるのが苦手だとか、一匹狼が好きとか、そういった類のものでは無いようです。色々なものに目を瞑ったり、迎合したり、自分の価値観や考えを押し殺すことで、本来の価値あるものを見失った結果の集合体がマジョリティ(多数派)であり、自分はそんなのはゴメンだね・・・と、先にマジョリティへの痛烈な批判があり、その結果として自分が必然的にマイノリティに位置する存在になるはずで、だからマイノリティで在りたいという、そういうメッセージが込められているように思えます。

 

 さて、この曲はGreen Dayにより2000年に6番目のアルバム「Warning」に収録され、後にシングルカットされた曲です。メインテーマが、一回聴けばすぐに頭の中でリフレインするくらい覚えやすくて小気味が良いうえ、当時の国内でも長いこと洋楽トップチャート入りしていた為、歌手名、曲名を知らなくても、聴けば皆さん「ああ、この曲ね」と分かってくれるような気がします。かく言う僕も、この曲でGreen Dayを知りました。

 


Green Day - Minority (Video)

 …あ、ビデオだとFuck'em allの歌詞は消されてますね…

 当時CDは買わなかったのですが、にも関わらずその後何年もの間、時折頭の中に鮮明に蘇るこのメロディのインパクトたるや、凄いものがあるなと思います。歌詞の内容もいいですが、何も考えずに単に口ずさむだけでも充分楽しめる曲だと思います。

 

訳、単語について

 この曲のキーフレーズである「I want to be the minority」は、直訳すれば「少数派でありたい」ですが、これは捉え方によって「ユニークでありたい」「オリジナリティが欲しい」という解釈もできますし、先に書いたように「多数派でありたくない」「群れたくない」という否定の解釈もできます。なので、色々なアプローチで訳してみましたがいかがでしょうか

 

 また、1番に出てくる「Singled out」ですが、これは大勢いる中から選ばれた、或いは抜きんでていたという意味合いで使われます。今回は、Minorityという言葉に合わせ、ユニークさとか独自性、替えの効かないものといった意味として捉えてみました。

 

 2番に出てくる「For crying out loud」ですが、これは割と相手の行動を非難する時の言葉で、例えば聞き分けの無い子供に「お願いだから言うことを聴いて頂戴」という時とか、失敗ばかり繰り返す人に「呆れて物も言えない」と言った時に使うようです。そして今回この言葉の後に「she screamed」と続きますが、この何の伏線も無く出てきたsheは、恐らく母親の事を指しているのではないかなと思われます。ただ、折角2回このフレーズが出てきているので、2回目は恋人にしてみました。(ただ、そうすると主人公がほぼ男性限定になってしまって若干つまらないかなと思うのですが)

 

 あと2番からもう一つ。この中には「You are your own sight」というフレーズが出てきます。直訳すると「あなたはあなたの見解である」という、哲学のような言葉となりますが、これは恐らく「あなたが見た物、感じたこと、直感したこと、それらがそのまま、あなた自身の性格や個性と言ったものを形作っている」というような意味合いで捉えればいいのかなと思います。それを転じて、訳上では「自分の見たものを信じろ」という意味に収めています。

 

2018/05/28追記
 Down with~ で、「~を捨てろ」「~を放棄しろ」という、意味になると知りました。そのため、一部ニュアンスを変更しました。

 

2018/10/12追記
 コメントで御指摘頂いた、Pledge allegiance ~ の部分を、アメリカの「忠誠の誓い」のパロディであるニュアンスが強調されるよう修正しました。

プロフィール

笹森茂樹

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