さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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Let The River Run / Carly Simon

Let The River Run / Carly Simon

 

Lyrics&訳

We're coming to the edge

Running on the water

Coming through the fog

Your sons and daughters

 

辿り着いた涯

流れ征く水に乗って

霧の中を抜けてくるのは

皆の愛しい子供達

 

Let the river run

Let all the dreamers

Wake the nation

Come the New Jerusalem

 

流れる河はそのままに

夢見る者達が

国を甦らせたるも

新たな聖地に辿り着きたるも

 

Silver cities rise

The morning lights

The streets that meet them

And sirens call them on

With a song

 

白銀の街に昇る

朝の太陽

皆の出会う街並み

セイレーンは彼らを誘う

その歌声で

 

It's asking for the taking

Trembling, shaking

Oh, my heart is aching

 

呼びかけ、求め

震えて、揺られ

そして私は、心を痛め

 

We're coming to the edge

Running on the water

Coming through the fog

Your sons and daughters

 

この果てまで辿り着いた

河の流れに導かれ

そして先の見えぬ霧の先には

愛しい子らが

 

We the great and small

Stand on a star

And blaze a trail of desire

Through the dark'ning dawn

 

大いなる小人たる我らは

この星に立ち

深き森にも信念の道を

光の射さぬ夜明けを越えて

 

It's asking for the taking

Come run with me now

The sky is the color of blue

You've never even seen

In the eyes of your lover

 

問い掛け、望む

今、私と共に走り来たるを

この空を色なす青は

皆決して見たことのない

今それが愛しき人の目に

 

Oh my heart is aching

We're coming to the edge

Running on the water

Coming through the fog

Your sons and daughters

 

そう、この胸は痛む

我らは辿り着いたのだ

とめどない水に流され

見えない道を抜け出で

我らの子らの待つ世界へ

 

It's asking for the taking

Trembling, shaking

Oh, my heart is aching

 

得る為に請い

身を震わせ、頭を振り被り

またこの心は痛み行く

 

We're coming to the edge

Running on the water

Coming through the fog

Your sons and daughters

 

辿り着いた先

流るる河に任せて

先見えぬ道を進み抜ければ

そこにはもう次の時代が

 

Let the river run

Let all the dreamers

Wake the nation

Come the New Jerusalem

 

流れる河を止めてはならない

夢見る者達を止めてはならない

この世界を変え行くを

新たな聖地を見い出すを

 

この曲について

 ちょっと解釈に悩みましたが、未来なんて予測もつかないものだけれど、それでも時と共に世の中が変わっていくことを受け入れよう、喜ぼうという歌かなと思いました。そこから、世代交代を歌った歌にも思えます。

 

 とはいえ、初めは出だしからいきなり戸惑いました。水の流れに乗って辿り着いた先に、霧の向こうから子供達がやって来るってどういうシチュエーションなんだと首を傾げました。ただまあ、ここはまず普通に考えて何かの比喩表現と思われるので、後で解かるだろうと信じて保留ですね。

 

 そして次のフレーズでは、河は流れさせておけ、夢見る者達には国を復興させておけと続きます。これは恐らく、若い世代によって国が変わっていくことを、河が流れていくことと同じと例えて、それは無理矢理止められるものではないし、止めない方が良いということでしょうか。そして、New Jerusalem と続きますが、次世代のユートピアのようなニュアンスで解釈しました。

 

 次のシチュエーションでは銀色の街という表現が出てくるので、この歌の背景は都会と見て間違いないと思います。そこに雑多に行きかう人達。そこには毎日常に新たな出会いが繰り広げられているという様子に思えます。これは、先ほどの国が変わっていくという様子とイメージがリンクするのではないかなと。
 また、ここでセイレーンと言う、水夫を歌声で海に引きずり込むと言う伝説上の魔物が出てきますが、これは次々に人が夢に惹かれてやってくるという、この街そのものを例えた表現でしょうね。

 

 ただ、この次のシチュエーションでは、主人公が胸を痛めています。この曲が上記までの通り、変わり行く世の中を表しているとして、それに対して主人公が胸を痛めているということは、主人公もまた変わり行く世の中を受け入れるのに抵抗が生まれ始めた歳だと言うことでしょうか。

 

 ここまでを整理すると、冒頭の比喩表現のイメージが大分固まりますね。「私たちはEdge(境界線、崖、ふち)に辿り着きそうだ」と言っていますが、この Edge というのは、自分たちが時代を切り開く側の役目から、時代を切り開く人を見守る役目へと移る境界線の事かなと。そして、Fog(霧)は、先の見えない未来を例えていて、でもその霧の向こう側には、次の世代を担う自分たちの子供達がいるというイメージかなと思います。
 そして、Sons and daughters と、子供達が複数で表現されていることもあり、今回の曲においては、You は「あなた」ではなく「あなた方」「皆」という複数にしました。

 

 さて、この曲は1989年にカーリー・サイモン(Carly Simon)によって歌われた歌で、映画「ワーキング・ガール(原題:Working Girl)」の中で使用されました。


 

Let The River Run - Carly Simon


 PV、時代を感じますね。この時代の活気ある風景は、これはこれででいいなぁと思ってしまいます。30年後に今の時代の映像を見た時、やっぱり同じように思えるのでしょうか(歳か)

 

訳、言葉について

 Siren は日本では一般的には「セイレーン」と呼ばれており、上記でも説明した通り、海の上で歌を歌うことで水夫を誘惑し、海の中に引きずり込むという伝説上の魔物です。
 ただ、その外見は人によってイメージが分かれております。一つは、人間女性の身体に鷲のような羽が生えている、ハーピーのような外見のイメージ。もう一つは、同じく人間の女性の上半身と、魚の下半身という、所謂マーメイドと同じ外見のイメージです。個人的には、嵐の海に立つ岩の上で竪琴を持っている人魚のイメージでした。

 

 Braze a trail は「未開の森を進むために、木に焼き痕を付ける」という行為から転じて「先駆者となる」という意味を持つ言葉だそうです。

 

 Dark'ning は、Darkening の別の記述法のようで、意味はDarkening(だんだん暗くなる)という意味だそうです。なので、Darkening dawn は「だんだん暗くなる夜明け」という、正反対のイメージが同居した言葉となります。詩的とまでは行かなくても、独特のニュアンスを醸し出した言葉ですね。

Everywhere You Look / Jesse Frederik

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 Lyrics&訳

(Ahhh, ahhh, ahhh, ahhh)

Whatever happened to predictability.

The milkman, the paperboy, evening TV?

How did I get to living here?

Somebody tell me please!

This old world's confusing me.

 

何が起こるかなんていつも同じ

牛乳配達屋さんでしょ、新聞配達屋さんでしょ、あとは夜のテレビ?

何でこんなところで生きることになっちゃったの?

誰か教えてよ!

ありきたりな世界に頭がおかしくなりそう

 

Clouds as mean as you've ever seen

Ain't a bird who knows your tune.

Then a little voice inside you Whispers,

Kid don't sell your dreams, so soon

 

君は同じ雲しか見たことないじゃないか

君の歌を知らない鳥がいるじゃないか

君の中で囁く声が聴こえるじゃないか

君さ、そんなに早く夢を諦めるもんじゃないと

 

Everywhere you look, everywhere you go

There's a heart (There's a heart), a hand to hold onto.

Everywhere you look, everywhere you go

There's a place, of Somebody who needs you

Everywhere you look.

 

君が見る全ての景色、君が行く全ての街

そこには温かく受け止めてくれる人がいるよ

君が見る全ての大地、君が行く全ての海

そこには君を待ち望んでいる人がいるよ

君が見る全ての空にだって

 

When you're lost out there and you're all alone,

A light is waiting to carry you home.

Everywhere you look.

Everywhere you look.

(Chip-a-dee-ba-ba-dow)

 

もしそこで道に迷って独りになったら

そんな時は戻っておかえりって言ってもらおう

君が見る全ての場所で

君が見る全ての世界で

 

この曲について

 曲名だけではピンと来ないかもしれませんが、聴けば多くの人は解かる曲だと思います。そう、アメリカはもとより、日本でも長期にわたって放送された人気ドラマ「フルハウス」(Full House)のオープニングテーマです。

 

 この曲は2つの構成に分かれています。最初の5行までが第1パート、それ以降が第2パートです。

 

 まず第1パートは、子供の愚痴ですね。毎日同じことの繰り返しで、あっと驚くような感動もそうしょっちゅう起きるわけじゃない。こんな中で、何が楽しくて生きて行かなきゃいけないのか・・・とまあ、普段の生活に「慣れて」きてしまってきたお年頃なんでしょうね。そして、誰か教えて!と叫んだところで、第2パートに移ります。

 

 第2パートは、そんな子供を諭す誰かさんが登場します。毎日がつまらないのは、それは同じものばかり見ているからだよと。君のことを知らない人もたくさんいる。だから夢を簡単に諦めたりしないで、心のままに色々なものをみて、色々な所に行ってみればいいじゃないと言っています。そこにはまだ見ぬ人との出会いやふれ合いといった素晴らしいものが待ってる筈さと、元気づけていますね。

 そして、それを後押しするかのように、何かあっても、戻ってくれば出迎えてくれる温かい家族がいるよと勇気づけます。この「何かあっても家族がついているよ」というメッセージが、フルハウスの主題歌たるゆえんかなと思います。

 

 さて、この曲は1987年にフルハウスのテーマソングとして作られ、ジェシー・フレデリック(Jesse Frederic)によって歌われた曲です。曲作りには、フルハウスの生みの親、ジェフ・フランクリン(Jeff Franklin)も携わっているそうです。


 


Full House - Season 1 Opening

 

 そして、昨年の2016年にはフルハウスの長女DJが成長した後を描くスピンオフ「フラーハウス」が放送されましたね。こちらもテーマソングは同じこの「Everywhere You Look」曲なのですが、歌詞が大分変ったり増えています。そちらはまた時間があったら訳してみようかなと思います。

 

訳、言葉について

 一番苦労したのは、Clouds as mean as you've ever seenの部分です。Meanは色んな意味があって困る単語の一つで、最初は「意味する」で訳そうとしてしまった為、意味不明になってしまいました。今回の訳としては「等しい」とか「平均的」の意味で使用して、

 

 ・Clouds・・・雲

 ・as mean as ・・・~と等しい

 ・you've ever seen ・・・いままでずっと見ていた

 

 として、「雲は今まで見ていたのと同じようなのばかり」としました。

 

 ところで、この後のain't a bird who knows your tuneは、素直に訳すと「あなたの歌を知る鳥などいない」となるので、この二つを続けて読むと

 

「雲は今まで見ていたのと同じようなのばかり」

「君の歌を知る鳥などいない」

 

と、大分ネガティブな歌詞となります(※ain'tはbe notとかhave notを崩した言い方です)。しかし、ここは前述の通り、愚痴を言う子供に対して「簡単に夢を手放してはいけない」と諭す場面です。なので、実際の言葉の狙い処としては

 

「君と一緒の雲は、今まで見ていたのと同じようなのばかり」→「だから違う雲を見に行こうじゃないか」

「君の歌を知る鳥などいない」→「だから教えに行こうじゃないか」

 

という、前向きな意思を裏に持ったフレーズだと思われます。なので、訳上ではそのようなニュアンスで書いてみました。

From A Distance / Nanci Griffith

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Lyrics&訳

From a distance the world looks blue and green
And the snow-capped mountains white
From a distance the ocean meets the stream
And the eagle takes to flight

 

彼の場所からは、青く緑の世界が見える
山脈覆う雪の白も覗かせる
彼の場所からは、風と出会う海が見える
鷲もまた、懸命に羽ばたいている

From a distance there is harmony
And it echoes through the land
It's the voice of hope, it's the voice of peace
It's the voice of every man

 

彼の場所からは、幾重に織り成す音が見えて
その響きは大地を駆け抜けてゆく
それは希望なる声、それは平和たる声
それは全ての人々の声

 

From a distance we all have enough
And no one is in need
There are no guns, no bombs, no diseases
There's no hungry mouths to feed

 

彼の場所からは、満ち足りている我らが見える
何かを渇望する者もいない
銃も無く、爆弾も無い。疫病も、そして
飢えてねだる寂しい口も

 

From a distance we are instruments
Marching in a common band
Playing songs of hope, playing songs of peace
They're the songs of every man

 

彼の場所からは、我らはまるで楽器のようで
音は違えど、調べは一つに往き進む
奏でるのは希望の曲。歌うのは平和の歌
それは全ての人々の音楽

 

God is watching us,
God is watching us
God is watching us from a distance

 

神様は見ている
いつも見ている
彼の場所から

 

From a distance you look like my friend
Even though we are at war
From a distance I can't comprehend
What all this war is for

 

彼の場所からは、あなたは私の友人に見える
例え今、争いの中にあろうとも
彼の場所からは、答えの見えない自分が見える
この争いは、一体誰が為なのか

 

From a distance there is harmony
And it echoes through the land
It's the hope of hopes, it's the love of loves
It's the heart of every man
It's the hope of hopes, It's the love of loves
It's the song of every man

 

彼の場所からは、幾重に織り成す音が聴こえ
響き合って、世界の大地を吹き抜ける
それは希望の中の希望、それは愛の中の愛
それは世界の人々の心
それは希望の中の希望、それは愛の中の愛
それは世界の人々の音楽

 

この曲について

 この曲は、地球と言うかけがえのない物と、その中で織り成される平和な日々、そして戦争と言う悲惨な現実を歌った歌です。その歌詞を紐解いていくと、とてもイメージに強く訴えかける歌詞となっており、あたかもカメラワークがそこにあるような構成を取っています。

 

 まず1番では地球がドンと目の前にあり、その距離からは地球の素晴らしい色合いを讃えます。そして、そこから急激に拡大され、地球上の大洋にフォーカスが移り、その自然の雄大さが語られます。
 次の2番では、カメラはどこかの国、及びそこの人々にフォーカスを移し、悲劇や争いの種になるような物(銃、爆弾、疫病、貧困)は何もないと、幸せな様子を映し出します。
 最後の3番ではもっとカメラのフォーカスは狭まり、一人の人間にそのフォーカスを移します。そこには、戦争などなければ、何のためらいもなく目の前の相手と友人になれただろうと悔やむ人物の姿があります。

 ここで一つ重要なのは、この戦争のシチュエーションを描いた3番において、youという二人称が使われているという事です。つまり、これまで世界の美しさや素晴らしさを歌っていたこの主人公は、実は今も戦地にいたということです。そしてなお、和解や平和への希望と、この戦争が一体何のためになるというのか理解ができないという想いを、敵である相手に語りかけているということになります。
 タイトルが「From A Distance(離れた距離から)」なので、何となく全て第三者が語っているように見えますが、実はこの曲は、戦争の渦中に身を置くある一人の人物により、その切なる願いが歌われているというシチュエーションになります。

 

 上記の通り、この曲のメインのテーマとしては戦争を扱っておりますが、その取り扱い方として、世界と言うものに対しフォーカスを変えて眺めるという手法を取っています。その為、今が平和である人に対しては、確かに戦争といった悲劇は存在するということ、現在世界を悲観している人に対しては、確かに平和と言う希望も存在するということ……と、この曲に込められたメッセージも、聴き手の視点によっても、フォーカスが変わるという効果が出来ている気がします。

 

 さて、この曲は、ナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)によって1987年に歌われ、その後1990年にベット・ミドラー(Bette Midler)によって再度歌われることとなり、その後に代表的な平和の祈りを込めた曲の一つとして、広く歌われるようになりました。最近は日本国内でも、元ル・クプルの藤田恵美さんが歌われたようです。

 

 
Nanci Griffith - From A Distance

 

 また、この歌は絵本にもなっており、国内訳版も「遠くから見ると」というタイトルで発売されたことがあるようです。(残念ながら、現在は絶版のようです)
 私がこの曲と出会ったのは、上記のどれでもなく、たまたまゴスペルアレンジされたのを聴いたのがきっかけでした。確かに歌詞の中には神様も出てくるので、教会で歌われることにも自然な曲かもしれませんね。

 

訳、言葉について

 この曲のタイトルである「From A Distance」をどう訳そうかが凄く困りました。確かに「遠くから見ると」でも全く間違いではないのですが、この曲の持ち味は、このDistance(距離)が、明示していなくてもだんだん狭まっていること、そして最終的には、目の前にいる人物と主人公との距離まで表現しているというところにあり、必ずしも「遠い」とは限らないのです。なので、何も飾らずに言うならば、「とある距離から」とか「例えばこの距離から」といったニュアンスの方がしっくりくる気がします。これを、日本語において一つの共通の言葉で、しかもそれぞれの前後の詞にきちんと続くように表現するのは、僕の語彙力ではちょっと無理があったように思いました。そう考えると、英語って便利(?)ですね。

 

 また、2番のサビに出てくるCommon bandですが、これは多分、周波数の共用帯域のことだと思われます。ここのフレーズでは、我々は楽器であると例えられていますが、恐らくその奏でる音色の一つ一つは違っても、全体で見ればほぼ同じ周波数帯に収まっている……即ち、上下も差別も無く、皆大体同じであるという表現ではないかなと考えました。

プロフィール

笹森茂樹

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