さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

1975~1979年の関連記事一覧

Mr.Cellophane / Chicago

Mr.Cellophane / Cicago

Lyrics&訳

If someone stood up in a crowd

And raised their voice up way out loud

And waved their arm and shook his leg

You'd notice him

 

もし誰かが人ごみに立ってて

うるさく声を張り上げて

手足をじたばたさせてたら

君は気付くよね

 

If someone in the movie show

Yelled, "Fire!, in the second row

This whole place is a powder keg!"

You'd notice him

 

もし誰かが映画の最中に

こう叫ぶんだ「火事だ!前から2列目!

もうここは、火薬樽と変わらないぞ!!」

そしたら君は目が放せない筈だ

 

And even without clucking like a hen

Everyone gets noticed, now and then

Unless of course, that personage should be

Invisible, inconsequential me

 

別に鶏みたいにけたたましく騒いでなんかなくたって

普通は「そこにいる」って分かって貰える

ああそうさ、人として消えてしまうことなんてない

取るに足らない僕を除いては、ね

 

Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me

And never know I'm there

I tell ya Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me and never know I'm there

 

セロファン。ああ、ミスターセロファン

そんな名前が相応しい。ミスターセロファンだ

ほら、僕は透けて見えるだろ?

僕のそばを歩いたって

ここにいるって分かるまいさ

こう呼んでくれ。ミスターセロファン

似合うだろう。ミスターセロファンだ

君には見えない、無色透明

僕がそばにいるなんて知らないんだろう?

 

Suppose you was a little cat

Residin' in a person's flat

Who fed you fish and scratched your ears?

You'd notice him

 

君は言ってみれば、子猫ちゃんみたいなもんだったのかね

新しいご主人様のそばで

お魚をもらって耳でも掻いてるようなね

君の目に映るのは彼ばっかだ

 

Suppose you was a woman, wed

And sleepin' in a double bed

Beside one man, for seven years

You'd notice him

 

君はまあなんというか、そんな女だったんだな

結婚して、ダブルベッドで寝て

7年も前に乗り換えてた

君が気にかけるのは

 

A human being's made of more than air

With all that bulk, you're bound to see him there

Unless that human bein' next to you

Is unimpressive, undistinguished you know who

 

空気の寄せ集めよりずっと確かな存在のあいつ

君はあそこにいるあいつに釘付けさ

君のすぐ隣にいる誰かさんのような

そう、面白くもなんともない人その人ではなくてね

 

Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me and never know I'm there

I tell ya Cellophane, Mr. Cellophane

Shoulda been my name Mr. Cellophane

'Cause you can look right through me

Walk right by me and never know I'm there

 

セロファン。そう、ミスターセロファンだ

正にそうじゃないか。ミスターセロファン

君には見えてないんだものな

僕のそばを通り過ぎて、気付かないままで

覚えておいてくれ、ミスターセロファンだ

ぴったりだと思わないか、ミスターセロファン

居ても居なくても同じな僕だ

こんなそばでも、僕が居るような素振りも見せず

 

Never even know I'm there

Hope I didn't take up too much of your time

 

例え…そう、気付いていたとしてもね

まあいいさ、これ以上時間を取らせるつもりもないよ

 

この曲について

 想いを傾けた相手の視界にも入れて貰えず、ただ別の男と仲良くしている彼女を眺めるばかり。そんな自分、居ても居なくても変わらない、薄っぺらな存在ということを自虐的に歌った曲ですね。

 

 存在感が無い、薄っぺらい、透明のような自分を例えたのがセロファンです。いっそ、名前もそうであった方がいいとまで言っていますね。この主人公、卑屈になりすぎて大分ねじ曲がってしまっているようです。そんな彼に幸せが訪れるかと言えば……見込みはなさそうですね。

 

 さて、この曲は1975年に初演が行われ、以降再演、映画化までされて長く続くミュージカル「シカゴ(Chicago)」の中のナンバーで、主人公ロキシー(Roxy)の夫である、バカ正直と言うか、正直バカなエイモス(Amos)によって歌われた曲です。ロキシーが妊娠でスキャンダルになっている中、その父親である筈のエイモスは全く世間から相手にされずおざなりになっている時に歌われます。



Mr. Cellophane

 本当に何の救いも無いまま舞台が終わってしまう、彼の悲哀と呆気なさが良く出ている曲ですね(笑)

 

 また、この曲は glee でカートがグリークラブに入る際のオーディションにてこの曲を歌いました。




Glee Mr Cellophane Music Video KURT

 いじめの標的となっていた当時の彼の心境を良く表した曲ではありますが、以降の彼の派手なエンターテイナーぶりを見ると、とても彼がこれを歌っていたとは思えないほど成長したなって思えますね。エイモスとは違ってよかったです

 

訳、言葉について

 Keg は樽の事ですが、これが Powder keg となると、火薬樽を意味するそうです。

 

 Person's flat の Flat ですが、これは日本で言うところのアパートに相当するようです。どちらかと言うとイギリス寄りの言葉のようで、アメリカでは Apartment のようです。

 

 Next to you という言葉がありますが、 Next to ~で「~の隣」という意味になります。neighbor と違い、本当にすぐ横隣というような、位置を強調した感じでしょうか。

Georgy Porgy / Toto

Georgy Porgy / Toto

 

Lyrics&訳

It's not your situation

I just need contemplation over you

I'm not so systematic

It's just that I'm an addict for your love

 

君には似つかわしくないって分かってる

ただ君についてちょっとじっくり考えたい

誰かにつられてそう思ってるんじゃない

純粋に、君に夢中。ただそれだけなんだ

 

I'm not the only one that holds you

I never ever should have told you

You're my only girl

I'm not the only one that holds you

I never ever should have told you

You're my only world

 

俺だけが君に相応しいだなんて思わない

こんなこと、この先も言えやしない

君は俺だけのものだなんて

他にだってイイ奴は沢山いるさ

こんなこと言う資格も無いんだろう

俺の世界には君しかいないなんて

 

Just think how long I've known you

It's wrong for me to own you lock and key

It's really not confusing

I'm just a young illusion can't you see

 

君と出会ってから、ずっと頭から離れない

君が僕を閉め出してるだなんてことは無い筈

そんな難しく考えることじゃない

俺、ウブだから、考え過ぎて見失ってるだけなんだ

 

I'm not the only one that hold you

I never ever should have told you

You're my only girl

I'm not the only one that hold you

I never ever should have told you

You're my only world

 

俺だけが君を求めてるわけじゃない

こんなこと言えやしないよ

俺には君しかいないだなんて

俺じゃなくたっていいんだろうさ

胸の中だけに秘めておこうか

俺の眼には君しか映らないって

 

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls and made them cry

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls and made them cry

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them cry

 

ジョージー・ポージー。プリンパイ

唇奪って、あの娘を泣かせた

ジョージー・ポージー。プリンパイ

唇奪って、あの娘も泣かせた

ジョージー・ポージー。プリンパイ

キスして泣かせた

あの娘を泣かせた

あの娘も泣かせた

 

It's not your situation

I just need contemplation over you

I'm not so systematic

It's just that I'm an addict for your love

 

君にはどうでもいいことかもしれない

でも君のことを幾らでも考えていたい

誰かが言うからそう思うんじゃない

ただ君に夢中。それだけなんだ

 

I'm not the only one that hold you

I never ever should have told you

You're my only girl

I'm not the only one that hold you

I never ever should have told you

You're my only world

 

そんなことを考えてるのは俺だけじゃない

だから言わないでおいた方が良いよな

俺には君だけだなんて

俺だけが君を抱きしめられる奴ならいいのに

この先も言えないだろうな

君だけが俺の人生だなんて

 

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls then made them cry

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls then made them cry

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls then made them cry

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls then made them cry

 

ジョージー・ポージー。プリンパイ

あの娘とキスして、あの娘を泣かせた

ジョージー・ポージー。プリンパイ

あの娘とキスして、あの娘も泣かせた

ジョージー・ポージー。プリンパイ

あの娘達とも、あの娘達とも

ジョージー・ポージー。プリンパイ

キスして泣かせた。キスして泣かせた

 

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them cry

 

ジョージー・ポージー。プリンパイ

昨日はあの娘

今度はあの娘

お次はどの娘?

 

Georgy porgy puddin' pie

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them high

 

ジョージー・ポージー。プリンパイ

女を泣かせる

何度も泣かせる

それでも湧かせる

 

Georgy porgy

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them high

 

ジョージー・ポージー

キスして泣かせる

キスして湧かせる

 

Georgy porgy

Kissed the girls then made them cry

Kissed the girls then made them cry

 

ジョージー・ポージー

それでも泣かせる

最後は泣かせる

 


この曲について


 女性に惚れこんでいるものの、なかなかそれを口に出せないでいる、そんな純な青年である主人公の心情を描いた曲かな……と思わせておいて、実はこの主人公、結構な遊び人なんですよ~という曲ですね。

 

 主人公から発せられる台詞は、どうにもこうにも歯切れの悪い、なんだか今一つはっきりしない言葉ばかりです。その為、女性にはすごく奥手で、とても軽々しくお付き合いするようなタイプには見えません。

 

 しかしその後、この主人公の化けの皮を剥がす囃したてが始まります。この男は、あっちこっちの女に手を出しちゃ、泣かせてきた男だぞと。なかなかこれもしつこいほど繰り返されるので、本当にこの主人公は何度も同じことを繰り返しているのだろうなと予測がつきますね。

 

 そして、その囃したてが終わったと思ったら、冒頭と全く同じ口説き文句が始まります。つまり、これがこの主人公が女性を口説くときのいつもの手口、言ってみればパターンなんでしょうね。いつもこのやり口で女を口説いちゃ捨て口説いちゃ捨てを繰り返している。そんな、情景が見えてくる気がします。

 

 こう言った女泣かせを歌った曲は、割とこの時代に多かった気がしますね。国内外問わず。

 

 さて、この曲はTotoによって1979年にリリースされた曲で、彼らの名を冠したアルバムTotoに収録されています。某洋楽専門のカラオケバーに通っていたことがきっかけで知った曲で、調子の良いサビが頭の中をリフレインして離れなかったので、ついには購入してしまった曲です。


Toto - Georgy Porgy
 

 この時代は今よりも、男が女をオトすことにもっとずっと価値が置かれていたように思います。なので、こんな感じの曲も流行ったんでしょうね。

 


訳、言葉について


 この曲の一番の特徴である、サビの Georgy porgy puddin' pie ですが、これはどうもマザーグースの寓話の一節のようですね。原文は下記の通りです。

 

Georgy Porgy, pudding and pie,
Kissed the girls and made them cry.
When the boys came out to play,
Georgy Porgy ran away.

 

ジョージー・ポージー プリンにパイ

彼女らにキスして、彼女ら泣かせた

男友達遊びに来たら

ジョージー・ポージー そっちに逃げた

 

 微妙に違う所がありますが、内容は全く一緒ですね。この寓話の知名度がどの程度なのか解からないのですが、皆が知っている節まわしだとしたら、この一節が曲中に出てきたところで「はは~ん、なるほどね」みたいな感覚が聴く人には生まれるのかも知れませんね。

 

 また、この Puddin' and pie 。これは単に調子を合わせただけの言葉かもしれませんが、アメリカでは可愛らしい人に対する愛称として、Honey pie だとか Pumpkin pie だとか言ったりするので、ジョージー・ポージーの危険なチャーミングさを表しているのかも知れませんね。

Fire / Bruce Springsteen

Fire / Bruce Springsteen

Lyrics&訳

I'm driving in my car

I turn on the radio

I'm pulling you close

You just say no

You say you don't like it

But girl I know you're a liar

'Cause when we kiss

 

Fire

 

ドライブしながら

ラジオに灯を入れ

その肩に腕を

やめてって声

イヤって言う声

そいつは嘘だ。俺には分かる

ほら、こうやって口づけ交わせば

 

火が点く

 

Late at night

I'm takin' you home

I say I wanna stay

You say you wanna be alone

You say you don't love me

Girl you can't hide your desire

'Cause when we kiss

 

Fire

 

こんな時間だ

連れて帰るよ

家に寄ってけ

独りにしてって?

タイプじゃないって?

嘘つけ、顔に書いてある

だってそうだろ、口づけ一つで

 

燃える

 

You had a hold on me

Right from the start

A grip so tight

I couldn't tear it apart

My nerves all jumpin'

Actin' like a fool

Well your kisses they burn

But your heart stays cool

 

お前のもんだ

最初からな

俺はお前にガッチリ掴まれ

お前の手から逃げられやしない

どうなってもいい

ネジを飛ばして

辺り一面キスに焼かれて

お前一人がどこ吹く風で

 

Romeo and Juliet

Samson and Delilah

Baby you can bet

Their love they didn't deny

Your words say split

But your words they lie

'Cause when we kiss

 

シェイクスピア

旧約聖書

信じてみろよ

悲劇でも愛だ

拒む言葉

お前の並べる嘘の言葉

観念しろよ、唇重ねりゃ

 

Fire

Fire

 

焼けつく

火傷しそうだ

 

Burning in my soul

It's outta control

 

焦がれる魂

イカレちまうね

 

この曲について

 ちょっと強引に彼女を口説き落とす男のシチュエーションですね。ドライブしながら肩を抱き寄せて口説く男と、まんざらじゃないと思いつつも拒んで焦らす彼女という、そんな駆け引きが楽しい曲です。そして、そんなお互いじりじりと燻ってる中、キスをすることで、一気に火が点いて燃え上がります。まさに「Fire」ですね。

 

 ただ、主人公の男の方は、彼女の方が一枚上手で、自分はうまく転がされてるなって思っているところが、ちょっと可愛らしかったりします。

 

 さて、この曲は1977年にブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)により歌われました。アップテンポのバージョンも有りますが、アルバム「Live/1975-85」の、遅めでメリハリの効いたバージョンが有名ではないでしょうか。カバーしているアーティストも多いですが、やはりそちらのバージョンがベースになっています。


Bruce Springsteen - Fire - Lyrics

 

 gleeでもこの曲はシュー先生とエイプリルのデュエットで歌われています。ちょうど離婚が決まったシュー先生とエイプリルとの再会により、再び火が点いたことを匂わせる選曲ですね。なお、歌詞は同じシチュエーションの女性側目線になっていて、こちらも面白いです。やっぱり、gleeは曲の意味を知っていると楽しさが倍増しますね。


 GLEE "Fire" (Full Performance)| From "Home"

 また、以前ご紹介したDes'reeも、Lifeと同じアルバム「Supernatural」の中で、この曲をBabyfaceとのデュエットで歌っています。こちらは、Babyfaceが男性目線の歌詞で、Des'reeが女性目線の歌詞で交互に歌う形をとっています。



Fire (Babyface & Des'ree)
 

 こう、歌詞を少しずつ変えて色んな歌い方をされているというのも楽しいですね。

 

訳、言葉について

 You can betは、そのままだと「あなたは賭けることができます」となりますが、これは「これは絶対勝てる賭けだよ」というニュアンスです。つまり「間違いない」「絶対」という意味になります。

 

 Samson and Delilahは、旧約聖書に登場する話の、怪力男サムソンと、彼に歪んだ愛を寄せるデリラの二人の事のようです。

 

 It's outta control は、It's out of control のことで「制御できない」「抑えがきかない」「どうにもならない」という場合に使う言葉です。

Go Your Own Way / Fleetwood Mac

Go Your Own Way / Freetwood Mac

Lyrics&訳

Loving you isn't the right thing to do

How can I ever change things that I feel?

If I could baby I'd give you my world

How can I when you won't take it from me?

 

お前を愛するのはまずいことかもしれない

思い留まるにはどうしたらいい?

もしお前に全てを捧げようとしたとして

お前が受け取る気が無かったらどうしたらいい?

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

だってお前は我が道を行ける奴だから

そうさ、自分の道を

それは孤独な日とも言えるだろうが

自分のだけの道を

自分を信じて

 

Tell me why everything turned around

Packing up shacking up's all you wanna do

If I could baby I'd give you my world

Open up everything's waiting for you

 

待ってくれ。一体どういう心境の変化だ

荷物まとめて一つ屋根の下。それが望む全てだって?

出来るなら、俺の人生全部くれてやりたいところだが

世界はお前の手で開かれるのを待ってるんだぜ?

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

だから、そのまま自分の道を行けばいいんだ

俺なんか振りきって行け

それは孤独と戦う日かもしれない

でもお前は自分の道を

迷うこと無く

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

自分の人生を行け

自分だけの人生を

その横には俺もいないことになるが

お前だけの人生を駆け抜けろ

お前だけの人生を

 

この曲について

 軽快なノリで、歌詞も多くないのでサラッと内容は理解できるかなと思ったのですが、甘かったです。どうにもまず「これだ!」って確信できるシチュエーションがいまいち思い浮かびません。
 昔の歌詞によくあることなのかもしれませんが、ThenとかButとかBecauseといった接続詞が全くない為、各フレーズをどういう想いで繋いでいいのか、主人公の本意は一体どこにあるのかを読むとっかかりが無いのが、一番の原因かなと思います。

 

 まず最初は、自分が相手を愛することにためらいを持っています。もし自分が全てを賭けて相手に尽くしたとしても、相手はそれを受け入れる気が無いのではないかと危惧します。それは何故か。それは You can go your own way……つまり、相手は周りに流されたり縛られたりすることのない、我が道を行くことができる人だからという事のようです。

 

 ここまでは分かります。

 

 さて問題は2番です。ここをどう読み解くべきかが分かりません。とりあえず最初の歌詞を直訳すると

 

・状況が全く変わってしまったのは何故なんだ

・お前は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる

 

 となります。ここ、とりあえず二つの解釈が思い浮かびます。

 

 

1:状況が全く変わった結果、相手は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる

 

2:相手は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる筈。なのにその状況が全く変わってしまった


 

 そして、このどちらの解釈だったとしても、これに対する主人公からの回答は、You can go your own way……つまり、お前は自分の道を行けばいいんだと、相手を突き放しています。これが色々引っかかりました。
 後のサビにこの突き放したこの言葉が控えていることを考えると、最初は2の解釈だと思いました。しかしその場合、時制を正確に考えると、3行目の歌詞はShacking up was all you wanna do か Shacking up's all you wanted to doとなる筈で、なんかしっくりきません。
 しかしかと言って、1の解釈だったとして、その後に相手を突き放しているのは何故なんでしょう。1番の歌詞を見る限り、この1のシチュエーションは、主人公にとっては好都合の筈です。

 

 で、色々考えた結果、1の解釈を採用しました。というのも、恐らく1番と2番の間には、長い時間の経過が隠されているのではないかなと思いました。少なくともそれは、主人公が相手の事を諦めるのに十分な時間です。そう考えれば、2番のシチュエーションは、主人公にしてみれば「何を今さら」となり、相手を突き放す理由も説明がつき、上記の1の解釈とも矛盾しないかなと思います。

 

 さてそう考えると、タイトルを含む You can go your own wayというフレーズは、

 

 ・1番では「君は我が道を行くタイプの人だよな」という、相手のパーソナリティを言及する言葉

 ・2番では「君は自分の道を進めばいいんだ」という、自分から離れる事を促すメッセージ

 

 と、それぞれ意味合いが異なることになりますね。そして、その後もこの言葉は繰り返されますが、これにどんな気持ちが乗せられるかは、聴き手によって様々でしょうね。「自分と行く道は違うけど頑張れよ」という応援のメッセージにも取れるでしょうし、「我が道を突っ走る為に俺を捨てたんだから、最後まで我が道を貫き通せ」と相手に発破をかけているようにも取れます。勿論、自分になびかなかった相手への「好きにすればいいだろう」という捨て台詞にも取れますね。ここがこの曲の楽しみ処かもしれません。

 

 さて、この曲はフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)により1977年にリリースされた曲で、アルバム「Rumours(邦題:噂)」に収録されています。この曲はgleeで知っていたのですが、元はフリートウッド・マックの曲だと気づいたのは実はつい最近です(思いっきり劇中でもそう言っているのに……)。
 それにしても、フリートウッド・マックは、以前訳したLandslideのイメージが強かったので、ちょっとびっくりしました。


Fleetwood Mac - Go Your Own Way (HQ)

 

 そしてこの曲が収録されたアルバムRumoursは、gleeのSeason2の19話で特集が組まれており、この曲もその際に登場します。クィンとのよりを戻してしまったフィンに対して、レイチェルが嫌味と未練を込めて挑戦状でも叩きつけるようにこの曲を歌います。この時のフィンは、なかなかどっちつかずな態度をとりますね。


Glee - Go Your Own Way (Lyrics On Screen) HD

 


訳、言葉について

 Your own は、All The Wayの時にも出てきましたが、「君一人で」というニュアンスになります。その為、Your own way は、「一人きりの道」「自分だけの道」となります。 

 

 Pack up は、「荷物をまとめる」という意味で使える言葉だそうです。

 

 Shackは「掘っ建て小屋」という名詞となりますが、これを動詞にすると「同棲する」という意味になるそうです。

 

 歌詞とは違いますが、この曲が収められているRumours。日本語訳は「噂」ですが、噂を英語にしたとき、我々が習うスペルでは「Rumor」と記述されます。Rumourは、このRumorのイギリス表記のスペルです( sは複数形のs)。

One Love / Bob Marley

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Lyrics&訳

One Love. One Heart

Let's get together and feel all right.

Hear the children cryin' (One Love)

Hear the children cryin' (One Heart)

Sayin' give thanks and praise to the Lord and I will feel all right

Sayin' let's get together and feel all right. Wo wo-wo wo-wo

 

愛が一つ。心が一つ

だったら集めて沢山にしよう。そっちの方がいいだろう

ほら、子供達の泣き声が

君の耳に聴こえてきたら

教えてあげよう。主を讃える心があれば、きっとこの先大丈夫だよって

言ってあげよう。一緒にいれば寂しくないよって

 

Let them all pass all their dirty remarks (One Love)

There is one question I'd really love to ask (One Heart)

Is there a place for the hopeless sinner

Who has hurt all mankind just to save his own beliefs

 

一度罪を犯したら、その人はもう終わりなのかな

教えてくれないか。僕はまだこの問いに答えが出せないんだ。

この世のどこにも、咎人の居場所は無いのかな

その咎は信じる者の為の、仕方がなかった物だとしても?

 

One Love. What about the one heart? One Heart

What about - ? Let's get together and feel all right

As it was in the beginning (One Love)

So shall it be in the end (One Heart)

All right.

Give thanks and praise to the Lord and I will feel all right.

Let's get together and feel all right.

One more thing.

 

孤独な愛。愛だけじゃないな。心も独り

だったら、皆で寄り添おう。そうすればきっと温かい

初めからこうだったみたいに

終わりを迎える日までずっと

そうさ

主にこの喜びを伝えよう。きっと気分も落ち着くさ

さあ、みんな一緒に集まろう。誰かがいれば怖くないよ

 

Let's get together to fight this Holy Armagiddyon (One Love)

So when the Man comes there will be no, no doom (One Song)

Have pity on those whose chances grows thinner

There ain't no hiding place from the Father of Creation.

 

皆心を一つに合わせて、この聖戦を生き抜こう

絶望なんてすることない。神様がきっと味方する

恵まれることの無かった人にも、その救いの手を差し伸べよう

例えこの世の何処に居ようと、彼は皆を見ているよ

 

Sayin' One Love. What about the One Heart? (One Heart)

What about the - ? Let's get together and feel all right.

I'm pleadin' to mankind (One Love)

Oh, Lord (One Heart) Wo-ooh

Give thanks and praise to the Lord and I will feel all right;

Let's get together and feel all right.

Give thanks and praise to the Lord and I will feel all right;

Let's get together and feel all right.

 

一つの愛を高らかに。その一つの心も重ねて

皆で叫ぼう。こっちにおいで、一緒に居れば笑顔も生まれる

心の底からお願いするよ

主もこの声を聴いてくれ

今ここにいることを喜び合おう。僕はそれだけで嬉しいんだ

一人一人が集まれば、だんだん気持ちが楽になる

今生きていることを讃え合おう。もう、恐れる物など何も無い

一人一人が寄り合えば、ほらもう寂しくないだろう

 

この曲について

 前回の、聖書をからかったと思われる曲からは一転して、ちょっと宗教感の強めのチョイスとなりましたが、世の中の行き場を無くして彷徨っている人たちに対して、居場所が無いなんてことない、独りになることないと呼びかける歌です。そして一方で、独りの人を独りのままにしておいてはいけないと、周りに呼びかける歌でもあります。

 

 この歌は、曲調こそ明るくてゆったりと軽快な調子ですが、のっけから、罪を犯した者はただ世の中から捨てられればそれで良いのかと鋭く問いかけます。そして、彼らは彼らなりに大切な物、守るべきものがあり、その為に否応なく手を汚さざるを得なかった、まずそこを理解してあげるという道はないかということを伝えています。

 

 そして、そんな理解が得られていない人たちを例えた言葉が「One Love」であり「One Heart」なのかなと思います。つまり、愛も優しい心も持っている、けど不運にも孤立してしまっている人。という表現かなと。しかし、そんな人たちも集まれば、必ずTwo LovesになりFour Heartsになり……Many Loves、Many Heartsになりますね。愛も想いもいっぱいあったら、それはとてもいいことじゃないか……と、とてもシンプルな理屈を言っているように思えます。そして、そんなシンプルな考えだからこそ、温かみがあるように思えます。

 

 さて、この曲はボブ・マーリー(Bob Marley)によって1977年に歌われた曲です。ボブ・マーリーと言えばレゲエの神様ですね。このOne Loveも、レゲエ・ミュージックの代表曲の一つに思えます。特にジャマイカで愛されているようですね。

 

 色んな人に歌われている曲ですが、宗教的なメッセージ性も強く持っている為、ゴスペルクワイヤーを初め、人種を問わず様々なコーラス隊によってもよく歌われる曲です。肌の色を問わない世界を望んだボブ・マーリーとしては、そのように歌われることを望んでいるかもしれないですね。

 


One Love Bob Marley official video (HD)

 

 また、この曲はgleeのSeason2にて、パックとアーティのデュオで歌われます。刑務所から出所したパックが、善い行い(?)をしようとして彼女のいないアーティにナンパ指導を施しますが、その為の資金として寄付を募る為に歌ったのがこの曲です。過去の過ちなんて忘れてやろうぜというメッセージは、まあ確かにこの時のパックにはぴったりかもしれませんが、それを君自身が歌っちゃダメでしょう(笑)

 


glee - one love/people get ready full performance official music video

 

訳、言葉について

 Doomというのは、これ単体で「もう終わりだ」という破滅感を表す言葉ですが、いわゆる「最後の審判」という意味合いもあります。それにNoがついているので、「絶望することは無い」という意味合いで訳しました。

 

 Praiseは「称賛」と訳せますが、日常生活の中においてというよりは、どちらかと言うと特にこういった神様や王様を讃える時にこそよく使われるフレーズのような気がします。

 

 Pleadingは、Pleadの現在進行形で、「弁論する」「訴えかける」という意味から「嘆願する」という意味でも使われるそうです。今回は、この「嘆願する」のニュアンスを押し出して訳してみました。

 

プロフィール

笹森茂樹

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