さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

1975~1979年の関連記事一覧

Fire / Bruce Springsteen

Fire / Bruce Springsteen

Lyrics&訳

I'm driving in my car

I turn on the radio

I'm pulling you close

You just say no

You say you don't like it

But girl I know you're a liar

'Cause when we kiss

 

Fire

 

ドライブしながら

ラジオに灯を入れ

その肩に腕を

やめてって声

イヤって言う声

そいつは嘘だ。俺には分かる

ほら、こうやって口づけ交わせば

 

火が点く

 

Late at night

I'm takin' you home

I say I wanna stay

You say you wanna be alone

You say you don't love me

Girl you can't hide your desire

'Cause when we kiss

 

Fire

 

こんな時間だ

連れて帰るよ

家に寄ってけ

独りにしてって?

タイプじゃないって?

嘘つけ、顔に書いてある

だってそうだろ、口づけ一つで

 

燃える

 

You had a hold on me

Right from the start

A grip so tight

I couldn't tear it apart

My nerves all jumpin'

Actin' like a fool

Well your kisses they burn

But your heart stays cool

 

お前のもんだ

最初からな

俺はお前にガッチリ掴まれ

お前の手から逃げられやしない

どうなってもいい

ネジを飛ばして

辺り一面キスに焼かれて

お前一人がどこ吹く風で

 

Romeo and Juliet

Samson and Delilah

Baby you can bet

Their love they didn't deny

Your words say split

But your words they lie

'Cause when we kiss

 

シェイクスピア

旧約聖書

信じてみろよ

悲劇でも愛だ

拒む言葉

お前の並べる嘘の言葉

観念しろよ、唇重ねりゃ

 

Fire

Fire

 

焼けつく

火傷しそうだ

 

Burning in my soul

It's outta control

 

焦がれる魂

イカレちまうね

 

この曲について

 ちょっと強引に彼女を口説き落とす男のシチュエーションですね。ドライブしながら肩を抱き寄せて口説く男と、まんざらじゃないと思いつつも拒んで焦らす彼女という、そんな駆け引きが楽しい曲です。そして、そんなお互いじりじりと燻ってる中、キスをすることで、一気に火が点いて燃え上がります。まさに「Fire」ですね。

 

 ただ、主人公の男の方は、彼女の方が一枚上手で、自分はうまく転がされてるなって思っているところが、ちょっと可愛らしかったりします。

 

 さて、この曲は1977年にブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)により歌われました。アップテンポのバージョンも有りますが、アルバム「Live/1975-85」の、遅めでメリハリの効いたバージョンが有名ではないでしょうか。カバーしているアーティストも多いですが、やはりそちらのバージョンがベースになっています。


Bruce Springsteen - Fire - Lyrics

 

 gleeでもこの曲はシュー先生とエイプリルのデュエットで歌われています。ちょうど離婚が決まったシュー先生とエイプリルとの再会により、再び火が点いたことを匂わせる選曲ですね。なお、歌詞は同じシチュエーションの女性側目線になっていて、こちらも面白いです。やっぱり、gleeは曲の意味を知っていると楽しさが倍増しますね。


 GLEE "Fire" (Full Performance)| From "Home"

 また、以前ご紹介したDes'reeも、Lifeと同じアルバム「Supernatural」の中で、この曲をBabyfaceとのデュエットで歌っています。こちらは、Babyfaceが男性目線の歌詞で、Des'reeが女性目線の歌詞で交互に歌う形をとっています。



Fire (Babyface & Des'ree)
 

 こう、歌詞を少しずつ変えて色んな歌い方をされているというのも楽しいですね。

 

訳、言葉について

 You can betは、そのままだと「あなたは賭けることができます」となりますが、これは「これは絶対勝てる賭けだよ」というニュアンスです。つまり「間違いない」「絶対」という意味になります。

 

 Samson and Delilahは、旧約聖書に登場する話の、怪力男サムソンと、彼に歪んだ愛を寄せるデリラの二人の事のようです。

 

 It's outta control は、It's out of control のことで「制御できない」「抑えがきかない」「どうにもならない」という場合に使う言葉です。

Go Your Own Way / Fleetwood Mac

Go Your Own Way / Freetwood Mac

Lyrics&訳

Loving you isn't the right thing to do

How can I ever change things that I feel?

If I could baby I'd give you my world

How can I when you won't take it from me?

 

お前を愛するのはまずいことかもしれない

思い留まるにはどうしたらいい?

もしお前に全てを捧げようとしたとして

お前が受け取る気が無かったらどうしたらいい?

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way
Go your own way

 

だってお前は我が道を行ける奴だから

そうさ、自分の道を

それは孤独な日とも言えるだろうが

自分のだけの道を

自分を信じて

 

Tell me why everything turned around

Packing up shacking up's all you wanna do

If I could baby I'd give you my world

Open up everything's waiting for you

 

待ってくれ。一体どういう心境の変化だ

荷物まとめて一つ屋根の下。それが望む全てだって?

出来るなら、俺の人生全部くれてやりたいところだが

世界はお前の手で開かれるのを待ってるんだぜ?

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

だから、そのまま自分の道を行けばいいんだ

俺なんか振りきって行け

それは孤独と戦う日かもしれない

でもお前は自分の道を

迷うこと無く

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

自分の人生を行け

自分だけの人生を

その横には俺もいないことになるが

お前だけの人生を駆け抜けろ

お前だけの人生を

 

この曲について

 軽快なノリで、歌詞も多くないのでサラッと内容は理解できるかなと思ったのですが、甘かったです。どうにもまず「これだ!」って確信できるシチュエーションがいまいち思い浮かびません。
 昔の歌詞によくあることなのかもしれませんが、ThenとかButとかBecauseといった接続詞が全くない為、各フレーズをどういう想いで繋いでいいのか、主人公の本意は一体どこにあるのかを読むとっかかりが無いのが、一番の原因かなと思います。

 

 まず最初は、自分が相手を愛することにためらいを持っています。もし自分が全てを賭けて相手に尽くしたとしても、相手はそれを受け入れる気が無いのではないかと危惧します。それは何故か。それは You can go your own way……つまり、相手は周りに流されたり縛られたりすることのない、我が道を行くことができる人だからという事のようです。

 

 ここまでは分かります。

 

 さて問題は2番です。ここをどう読み解くべきかが分かりません。とりあえず最初の歌詞を直訳すると

 

・状況が全く変わってしまったのは何故なんだ

・お前は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる

 

 となります。ここ、とりあえず二つの解釈が思い浮かびます。

 

 

1:状況が全く変わった結果、相手は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる

 

2:相手は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる筈。なのにその状況が全く変わってしまった


 

 そして、このどちらの解釈だったとしても、これに対する主人公からの回答は、You can go your own way……つまり、お前は自分の道を行けばいいんだと、相手を突き放しています。これが色々引っかかりました。
 後のサビにこの突き放したこの言葉が控えていることを考えると、最初は2の解釈だと思いました。しかしその場合、時制を正確に考えると、3行目の歌詞はShacking up was all you wanna do か Shacking up's all you wanted to doとなる筈で、なんかしっくりきません。
 しかしかと言って、1の解釈だったとして、その後に相手を突き放しているのは何故なんでしょう。1番の歌詞を見る限り、この1のシチュエーションは、主人公にとっては好都合の筈です。

 

 で、色々考えた結果、1の解釈を採用しました。というのも、恐らく1番と2番の間には、長い時間の経過が隠されているのではないかなと思いました。少なくともそれは、主人公が相手の事を諦めるのに十分な時間です。そう考えれば、2番のシチュエーションは、主人公にしてみれば「何を今さら」となり、相手を突き放す理由も説明がつき、上記の1の解釈とも矛盾しないかなと思います。

 

 さてそう考えると、タイトルを含む You can go your own wayというフレーズは、

 

 ・1番では「君は我が道を行くタイプの人だよな」という、相手のパーソナリティを言及する言葉

 ・2番では「君は自分の道を進めばいいんだ」という、自分から離れる事を促すメッセージ

 

 と、それぞれ意味合いが異なることになりますね。そして、その後もこの言葉は繰り返されますが、これにどんな気持ちが乗せられるかは、聴き手によって様々でしょうね。「自分と行く道は違うけど頑張れよ」という応援のメッセージにも取れるでしょうし、「我が道を突っ走る為に俺を捨てたんだから、最後まで我が道を貫き通せ」と相手に発破をかけているようにも取れます。勿論、自分になびかなかった相手への「好きにすればいいだろう」という捨て台詞にも取れますね。ここがこの曲の楽しみ処かもしれません。

 

 さて、この曲はフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)により1977年にリリースされた曲で、アルバム「Rumours(邦題:噂)」に収録されています。この曲はgleeで知っていたのですが、元はフリートウッド・マックの曲だと気づいたのは実はつい最近です(思いっきり劇中でもそう言っているのに……)。
 それにしても、フリートウッド・マックは、以前訳したLandslideのイメージが強かったので、ちょっとびっくりしました。


Fleetwood Mac - Go Your Own Way (HQ)

 

 そしてこの曲が収録されたアルバムRumoursは、gleeのSeason2の19話で特集が組まれており、この曲もその際に登場します。クィンとのよりを戻してしまったフィンに対して、レイチェルが嫌味と未練を込めて挑戦状でも叩きつけるようにこの曲を歌います。この時のフィンは、なかなかどっちつかずな態度をとりますね。


Glee - Go Your Own Way (Lyrics On Screen) HD

 


訳、言葉について

 Your own は、All The Wayの時にも出てきましたが、「君一人で」というニュアンスになります。その為、Your own way は、「一人きりの道」「自分だけの道」となります。 

 

 Pack up は、「荷物をまとめる」という意味で使える言葉だそうです。

 

 Shackは「掘っ建て小屋」という名詞となりますが、これを動詞にすると「同棲する」という意味になるそうです。

 

 歌詞とは違いますが、この曲が収められているRumours。日本語訳は「噂」ですが、噂を英語にしたとき、我々が習うスペルでは「Rumor」と記述されます。Rumourは、このRumorのイギリス表記のスペルです( sは複数形のs)。

One Love / Bob Marley

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Lyrics&訳

One Love. One Heart

Let's get together and feel all right.

Hear the children cryin' (One Love)

Hear the children cryin' (One Heart)

Sayin' give thanks and praise to the Lord and I will feel all right

Sayin' let's get together and feel all right. Wo wo-wo wo-wo

 

愛が一つ。心が一つ

だったら集めて沢山にしよう。そっちの方がいいだろう

ほら、子供達の泣き声が

君の耳に聴こえてきたら

教えてあげよう。主を讃える心があれば、きっとこの先大丈夫だよって

言ってあげよう。一緒にいれば寂しくないよって

 

Let them all pass all their dirty remarks (One Love)

There is one question I'd really love to ask (One Heart)

Is there a place for the hopeless sinner

Who has hurt all mankind just to save his own beliefs

 

一度罪を犯したら、その人はもう終わりなのかな

教えてくれないか。僕はまだこの問いに答えが出せないんだ。

この世のどこにも、咎人の居場所は無いのかな

その咎は信じる者の為の、仕方がなかった物だとしても?

 

One Love. What about the one heart? One Heart

What about - ? Let's get together and feel all right

As it was in the beginning (One Love)

So shall it be in the end (One Heart)

All right.

Give thanks and praise to the Lord and I will feel all right.

Let's get together and feel all right.

One more thing.

 

孤独な愛。愛だけじゃないな。心も独り

だったら、皆で寄り添おう。そうすればきっと温かい

初めからこうだったみたいに

終わりを迎える日までずっと

そうさ

主にこの喜びを伝えよう。きっと気分も落ち着くさ

さあ、みんな一緒に集まろう。誰かがいれば怖くないよ

 

Let's get together to fight this Holy Armagiddyon (One Love)

So when the Man comes there will be no, no doom (One Song)

Have pity on those whose chances grows thinner

There ain't no hiding place from the Father of Creation.

 

皆心を一つに合わせて、この聖戦を生き抜こう

絶望なんてすることない。神様がきっと味方する

恵まれることの無かった人にも、その救いの手を差し伸べよう

例えこの世の何処に居ようと、彼は皆を見ているよ

 

Sayin' One Love. What about the One Heart? (One Heart)

What about the - ? Let's get together and feel all right.

I'm pleadin' to mankind (One Love)

Oh, Lord (One Heart) Wo-ooh

Give thanks and praise to the Lord and I will feel all right;

Let's get together and feel all right.

Give thanks and praise to the Lord and I will feel all right;

Let's get together and feel all right.

 

一つの愛を高らかに。その一つの心も重ねて

皆で叫ぼう。こっちにおいで、一緒に居れば笑顔も生まれる

心の底からお願いするよ

主もこの声を聴いてくれ

今ここにいることを喜び合おう。僕はそれだけで嬉しいんだ

一人一人が集まれば、だんだん気持ちが楽になる

今生きていることを讃え合おう。もう、恐れる物など何も無い

一人一人が寄り合えば、ほらもう寂しくないだろう

 

この曲について

 前回の、聖書をからかったと思われる曲からは一転して、ちょっと宗教感の強めのチョイスとなりましたが、世の中の行き場を無くして彷徨っている人たちに対して、居場所が無いなんてことない、独りになることないと呼びかける歌です。そして一方で、独りの人を独りのままにしておいてはいけないと、周りに呼びかける歌でもあります。

 

 この歌は、曲調こそ明るくてゆったりと軽快な調子ですが、のっけから、罪を犯した者はただ世の中から捨てられればそれで良いのかと鋭く問いかけます。そして、彼らは彼らなりに大切な物、守るべきものがあり、その為に否応なく手を汚さざるを得なかった、まずそこを理解してあげるという道はないかということを伝えています。

 

 そして、そんな理解が得られていない人たちを例えた言葉が「One Love」であり「One Heart」なのかなと思います。つまり、愛も優しい心も持っている、けど不運にも孤立してしまっている人。という表現かなと。しかし、そんな人たちも集まれば、必ずTwo LovesになりFour Heartsになり……Many Loves、Many Heartsになりますね。愛も想いもいっぱいあったら、それはとてもいいことじゃないか……と、とてもシンプルな理屈を言っているように思えます。そして、そんなシンプルな考えだからこそ、温かみがあるように思えます。

 

 さて、この曲はボブ・マーリー(Bob Marley)によって1977年に歌われた曲です。ボブ・マーリーと言えばレゲエの神様ですね。このOne Loveも、レゲエ・ミュージックの代表曲の一つに思えます。特にジャマイカで愛されているようですね。

 

 色んな人に歌われている曲ですが、宗教的なメッセージ性も強く持っている為、ゴスペルクワイヤーを初め、人種を問わず様々なコーラス隊によってもよく歌われる曲です。肌の色を問わない世界を望んだボブ・マーリーとしては、そのように歌われることを望んでいるかもしれないですね。

 


One Love Bob Marley official video (HD)

 

 また、この曲はgleeのSeason2にて、パックとアーティのデュオで歌われます。刑務所から出所したパックが、善い行い(?)をしようとして彼女のいないアーティにナンパ指導を施しますが、その為の資金として寄付を募る為に歌ったのがこの曲です。過去の過ちなんて忘れてやろうぜというメッセージは、まあ確かにこの時のパックにはぴったりかもしれませんが、それを君自身が歌っちゃダメでしょう(笑)

 


glee - one love/people get ready full performance official music video

 

訳、言葉について

 Doomというのは、これ単体で「もう終わりだ」という破滅感を表す言葉ですが、いわゆる「最後の審判」という意味合いもあります。それにNoがついているので、「絶望することは無い」という意味合いで訳しました。

 

 Praiseは「称賛」と訳せますが、日常生活の中においてというよりは、どちらかと言うと特にこういった神様や王様を讃える時にこそよく使われるフレーズのような気がします。

 

 Pleadingは、Pleadの現在進行形で、「弁論する」「訴えかける」という意味から「嘆願する」という意味でも使われるそうです。今回は、この「嘆願する」のニュアンスを押し出して訳してみました。

 

S.O.S / ABBA

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Lyrics&訳

Where are those happy days, they seem so hard to find

I tried to reach for you, but you have closed your mind

Whatever happened to our love?

I wish I understood

It used to be so nice, it used to be so good

 

あの幸せは今どこにいったのかしら。何だか探しても見つからなそうよ

あなたに手を伸ばしてもみたけど、あなたの心は閉ざされたまま

一体私たちの愛に何が起こったの?

もしそれを知ることができたならば

あの時はとても楽しかった。そう、素敵な日々だった。

 

So when you're near me, darling can't you hear me

S.O.S

The love you gave me, nothing else can save me

S.O.S

When you're gone

How can I even try to go on?

When you're gone

Though I try how can I carry on?

 

ねえ、こんなに私の近くにいても、私の心の声は聞こえないのね

こんなことになってしまうなんて

あなたがくれた愛、それだけが私を安心させてくれるのに

こんな瀬戸際に立たされてしまうなんて

あなたが行ってしまったら

この先どう生きて行けばいいの?

あなたが離れてしまったら

また前に進もうだなんて思えるの?

 

You seem so far away though you are standing near

You made me feel alive, but something died I fear

I really tried to make it out

I wish I understood

What happened to our love, it used to be so good

 

あなたは近くに居るのに、なんだかとても遠くに思えるわ

あなたは生きる喜びをくれたけど、同時に生きる絶望と怖さもくれたのね

自分にやれることはもう、全てやったと思うけど

何とかして知りたかったわ

私たちに何が起こったのか。あの素晴らしかった日々はもう・・・

 

So when you're near me, darling can't you hear me

S.O.S

The love you gave me, nothing else can save me

S.O.S

When you're gone

How can I even try to go on?

When you're gone

Though I try how can I carry on?

 

ねえ、あなたは傍に居てくれるけど、私の胸の内には気付かないのね

もう駄目なのかしら

あなたは愛してくれた。それだけが心の救いなのだけど

もう終わりなのかしら

あなたが去ってしまったら

この先生きていくことができるのかしら

あなたがいなくなってしまったら

全て忘れてやり直すことができるのかしら

 

この曲について

 愛し合っていた二人が、いつしか時が経つにつれてその思いが薄れ、心が離れてしまっている状態を歌った歌なのではないかなと思います。この主人公は、少なくともまだ相手を愛しているようですが、その想いが通じている手ごたえが無く、そこに歯がゆさと焦りを感じているようですね。

 

 1番では「かつての幸せな日々をまた見つけるのは難しそう」と言っているので、まだ主人公はなんとかこの様子を打開しようとしているのではないかと思われます。そして、可能性は低くても、自分たちの間に何が起こったかさえ解かれば、まだ道はあると思っているのではないかなと思います。

 

 しかし、2番に来るとあきらめの表情が見えますね。かつては、相手から貰ったものは人生を素晴らしく思えるようにしてくれる、そんなものばかりだったのが、今は不安や悲しみと言ったものに変わってしまっているようです。そして、自分に出来る限りの手は尽くしたけれど、状況が変わらなかった。そういったことを嘆いているシーンに思えます。

 

 今、二人の関係が終わってしまおうとしている危機的状況、この状況がなんとか打開されるような救いを求める心情、もう元には戻ることができないのだろうという諦め。そして何より、相手の愛無しではこの先もう生きていくことができないという絶望感。そういったもの達を、救難信号を発する命の危険にさらされた人々の心境に重ねて例えたのが、このS.O.Sと言う曲なのだろうなと思います。

 

 さて、この曲は1975年にABBAによってリリースされた曲です。個人的にはABBAというと、Dancing Queen、Money、Gimme! Gimme! Gimme!、Mamma Miaのイメージが強く、この辺りから何か訳してみようかなと思っていたのですが、先日S.O.Sをたまたま耳にして「ああ、そういえばこんな曲もあったなぁ」と思い直し、今回訳してみました。この曲、サビよりもAメロの方がやけに印象深く、S.O.Sと聴くと先にそちらを思い出すのですが、僕だけでしょうか。(実際Aメロの方がS.O.S信号を出している雰囲気が出てると思うのですが・・・)

 


Abba - SOS

 

 そして、ABBAと言えば何といっても映画「マンマ・ミーア!」(Mamma Mia!)ですよね。この曲も勿論劇中に登場し、ソフィの父親候補その1であるサムと、ドナのデュオで歌われています。かつて一時(本当に一瞬(笑))愛し合った二人ですが、長い時を経て再開した今となっては、同じような感情を持つことなど到底できません。劇中ではサムの方はまだやり直せるならやり直したいと思っているものの、既に独りでソフィを育てあげ、ここまで生きてきたドナにその思いは簡単には届きません。まさにこのシチュエーションは、S.O.Sに出てくる二人ですね。

 


Pierce Brosnan and Meryl Streep sing "S.O.S" in "Mamma Mia!"

 

訳、言葉について

 2番に「Make it out」という言葉が出てきます。このMakeとOutの組み合わせの言葉は多岐に渡りすぎて非常に困ってしまううえに、非常に頻繁に出てくる言葉なのですが、いまだにどう訳したら良いものか正直良く分かっていません。「(主に書類を)完成させる」「理解する」「露わにする」「時間を確保する」「いちゃつく」etc、etc... ただ、何となく根底のニュアンスとしては、物事を良い方向に押し進めるような意味合いを持っているのではないかなと思えます。なので、日本で言うところの「良きに計らう」だとか「宜しくやる」を一度念頭に置くと、何となく前後の文が繋がり易いような気がします。ということで、今回はそれにさらにreallyがついているので、最善の手は尽くしたという感じの捉え方をしてみました。

Landslide / Fleetwood Mac

 

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Lyrics&訳

I took my love, took it down
Climbed a mountain and I turned around
And I saw my reflection in the snow covered hills
'Til the landslide brought me down

 

愛ってものを授かったの。そして、一緒に歩いてきたわ
雪山を登るようなものだったかしらね。でね、振り返ってみたら
なんだか自分の姿がそこにあるみたいって思えた
その後は、まあ崖崩れにあって転がり落ちていったような気分ね

Oh, mirror in the sky
What is love?
Can the child within my heart rise above?
Can I sail through the changin' ocean tides?
Can I handle the seasons of my life?


空を見ながら自分に問いかけたわ
愛って何だろう?ってね
こんな中身はまだ子供みたいな自分が、大人になれるの?って
荒れた海に船を出すようなものよ?って
色々なことが起きる中、迷わずにいられるの?って


Well, I've been afraid of changin'
'Cause I've built my life around you
But time makes you bolder
Even children get older
And I'm getting older too

 

本当、何かある度不安だったわ
だって、私は大丈夫だったとしても、あなたもそうとは限らないでしょ
でも、時はあなたを強くしてしまう
そりゃまあ、子供だって歳は取るのは分かってるけど
……で、私もこうやって歳を取っていくのね


Well, I've been afraid of changin'
'Cause I've built my life around you
But time makes you bolder
Even children get older
And I'm getting older too
Oh I'm getting older too

 

でね、今も怖いの
だって、もうあなた中心に人生考えちゃってたもの
でも、いつかは独り立ちしちゃうのよね
分かってる。子供だっていつまでも子供じゃないって
私だってもうこんな歳だもの
本当、私も歳を取ったものね


Oh, take my love, take it down
Oh climb a mountain and turn around
And if you see my reflection in the snow covered hills
Will the landslide bring you down?
And if you see my reflection in the snow covered hills
Will the landslide bring you down?

 

The landslide bring you down

 

でもね、あなたを愛してきた。これだけは忘れないでいて
あなたも、同じように山を登ることになるわ。そしたら、振り返ってみて
その時、なんだか私の姿がそこにあるみたいって思ってくれたらなって
そしてやっぱり、崖崩れにあって転がり落ちていくような気分になるのかしらね
もしかしたら、いつか親になったら、皆そう思うものなのかもね
振り返ってみたら、あっという間だなって、多分思うわよ

 

本当、あっという間なんだから

 

この曲について

 

 正直を申しまして、今でもちょっと内容に自信は無いのですが、この曲は自分の子供が、あと少しもすれば巣立ちの時を迎えてしまうことへの気持ち、そしてその子供に送るメッセージを歌った曲ではないかなと思います。

 

 まず、この曲は冒頭がまるごと比喩表現となっており、いきなり全部を解釈することはできないと思ったので、まず一度素直に直訳してみました。


I took my love, took it down
→私は愛を手に入れ、それと一緒にいた

 

Climbed a mountain and I turned around
→山を登り、そして振り返った

 

And I saw my reflection in the snow covered hills
→そして、丘にかかる雪に、自分の反射を見た

 

'Til the landslide brought me down
→崖崩れが私を掻っ攫うまでは


 ……さて、何のことやらです。このままにらめっこしても明確な答えが出なさそうなので、この冒頭部分はひとまず置いておきます。

 

 次に「Oh, mirror in the sky」からの部分ですが、ここも比喩的な表現が多いです。しかしこちらは、その意味するところは比較的明快です。空に浮かぶ鏡には自分が映っており、その自分に「この海を乗り越えられるのか?」「自分の人生の中の様々な出来事に、ちゃんと舵取りができるのか」と、どうも自分の未熟さと、自分のこれからの先行きを問いかけている姿が見えてきます。しかしここでもまだこの曲の全体像は見えてきません。

 

 そしてサビの部分です。ここで、ようやくキーワードらしき言葉が出てきます。「But time makes you bolder(でも、時はあなたを強くする)」と「And I'm getting older too(私も歳を取っていく)」です。ここで、どうもこの主人公はyou(あなた)の成長と共に、自分も歳を取っていくことに想いを馳せている  主人公とyouは親子ではないかなというヒントに見えてきます。これを元にサビの部分を頭から訳してみますと、自分の生活の全てが子供中心にあったこと、自分に何かあったら子供にも影響が出てしまうことへの不安、子供の成長、それと共に年老いた自分を歌っているのではないかなと思われます。

 

 そして、このサビから得た解釈を元に冒頭部分に再び目を向けると、

 

●私は愛を手に入れ、それと一緒にいた
→愛=自分の子供

 

●山を登り、そして振り返った
→山を登る=子育て

 

●そして、丘にかかる雪に、自分の反射を見た
→子供を育ててきた日々の中に、かつてのまだ親に育てられていた頃の自分を垣間見た

 

●崖崩れが私を掻っ攫うまでは
→崖崩れ=すぐに過ぎ去ってしまう時間

 

 と、どうもこのような比喩であったのではないかなと思われます。ここまで訳して、この曲の基になるイメージは、立派に育って行く自分の子供を見て、改めて子育ての思い出を振り返り、一言「あっという間だったなぁ」と呟く親の姿ではないかなと感じました。そして、この「あっという間」を「Landslide(崖崩れ)」と題したのだと思います。

 

 そして最後には、詩的な工夫が凝らされています。文の構成を冒頭と同じ形にした上で、Iやmeという言葉がyouに、そして過去形であった言葉が現在形、もしくは未来を表す言葉にほとんどそっくり置き換わっています。これは、自分が経てきた道のり、苦労、喜びを、これからあなたも同じように経験し、感じることになるでしょうねという思いを良く表していると思います。

 またそんな中で、my love と my reflectionだけは、your love、your reflectionとは置き換えていません。これは、自分が本当に愛していたことを、疑い無く受け止めて欲しいという思い。そして、あなたがこれから味わうであろう苦労や喜びは、かつて親も味わった同じものであるという事に気付いて欲しい。という、親心と寂しさが混じった心境の表現なのかなと思います。

 

 さて、この曲はフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)というバンドユニットによって1975年に発表された古い曲ですが、その後ディクシー・チックス(Dixie Chicks)によって、よりカントリー色を強くしたアレンジでのカバーが2002年に発表されたことで、再び注目を集めました。
 また、アメリカの人気ドラマ「glee」の第2シーズンにおいても、このディクシー・チックスのバージョンを再アレンジした形で、ホリー・ホリデイ先生、サンタナ、ブリトニーの3人によって歌われております。

 この二つのカバーは歌詞がやや変えられており、今まで過ごしていた当たり前の日々が、ある日突然当たり前ではなくなるという、人が成長する上での一つの節目を励ます歌に思えます。

 

どれもお勧めなので、是非聴いてみて下さい。

 


Fleetwood Mac - Landslide

 

 


Dixie Chicks - Landslide

 

 


Glee - Landslide Official Music Video HD

 

 

訳、言葉について

 
 今回訳す上で躓いたのは、冒頭も冒頭。I took my love, took it downです。最初「私は愛を手に入れ、それを降ろした」と読んでしまったので「ああ、恋愛に失敗した後悔を歌った曲かな」等と思ってしまったのですが、それだと後の歌詞との辻褄をどうしても合わせられませんでした。

 そこで、色々考えた結果、

 

・Took it : それを持って行った

 

・Down   : 今の場所から離れる方向へ

 

と捉えて、「私は愛を手に入れ、それを一緒に連れて前に進んだ」とすればいろいろ腑に落ちたので、恐らくこれではないかなと思います。(実際、I'll take you downであなたを連れて行くっていう意味として良く使われるようですし)

 

 また「But time makes you bolder」のboldですが、この言葉の持つイメージは、良くも悪くも恐れを知らないという雰囲気です。その為、通常は「勇敢」「大胆」「図太い」と言った意味で使われますが、今回は「強さ」とか「自分一人で生き抜く力」といった意味合いで訳してみました。

 ところでこの部分は、フリートウッド・マックが歌っているのを聴くと「But time made you bolder」にも聴こえるのですが、今一つ判然としません。ただ、madeだとしたら、それはそれで子供が今まさに巣立ちの時を迎えた瞬間の曲になり、また別の味わいが出ていいなと思います。

 

 あと個人的に気になるのが「Will the landslide bring you down?」の部分です。ここは「Well the landslide will bring you down」と記載されていることが殆どです。しかし、フリートウッド・マックの歌をいくら聴いてみても、頭がWellかWillかはともかく、landslideとbringの間にはwillは無いように思えます。そして何より、この歌詞の部分は上でも記述した通り、冒頭と詩の構成を同じにしている部分にあたります。だとすると冒頭の「'Til the landslide brought me down」に相当するこの部分では、Willを頭に持ってきて、'TilとWillで韻を踏むほうが歌詞として自然に思えます。……といろいろ考えた結果、こちらの歌詞にしてしまいました。ご容赦ください。


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