さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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Have You Ever Seen The Rain / Creedence Clearwater Revival

Have You Ever Seen The Rain / Creedence Clearwater Revival

 

Lyrics&訳

Someone told me long ago

There's a calm before the storm

I know, it's been comin' for some time

 

かつて、誰かが俺に言った

嵐の前は穏やかなもんさと

そうさ、いつかそんな日が来るんだろう

 

When it's over, so they say

It'll rain a sunny day

I know, shinin' down like water

 

全て終われば、皆言うさ

晴れ晴れした日が降り注ぐ

そうさ、水のように陽が射すんだ

 

I want to know, have you ever seen the rain?

I want to know, have you ever seen the rain?

Comin' down on a sunny day

 

訊きたいんだが、あんた、雨を見たことあるかい

教えちゃくれないか。そんな雨を見たことあるかい

晴れ渡る日を降るような、な

 

Yesterday, and days before

Sun is cold and rain is hard

I know, been that way for all my time

 

昨日も、一昨日も

太陽は冷え、雨は激しい

そうさ、今までずっとそうだった

 

'Til forever, on it goes

Through the circle, fast and slow

I know, it can't stop, I wonder

 

この先ずっと、続いていくんだ

ゆっくり、早く、繰り返す

ああ、止められないさ。何でだろな

 

I want to know, have you ever seen the rain?

I want to know, have you ever seen the rain?

Comin' down on a sunny day

Yeah!

 

知りたいもんだ。皆の言う雨ってのを見たことあるかい

見てみたいんだ。あんたは、見たことあるのかい

晴れ渡る日を降るってやつさ

 

I want to know, have you ever seen the rain?

I want to know, have you ever seen the rain?

Comin' down on a sunny day

 

教えてくれ。そんな雨を見たことあるかい

なあ、どうなんだ。そんな雨、降ったことあるかい

晴れ渡る日を降るってやつを

 

この曲について

 非常に解釈に困る曲ですね。この曲は「The rain」をどう解釈するかで大分様相が変わります。

 

 まず1番では、いつか穏やかな日が来るものだと言う言葉を胸に、晴れた日を望んでいる様子がうかがえます。つまり、今は晴れてはいないようですね。しかし、いきなりその後のサビで have you ever seen the rain? (雨を見たことが有るかい)と尋ねられます。この時点では、この矛盾めいた展開を読み解くのは少し難しいかと思います。

 

 そして、続く2番ですが、ここでは人生ずっと雨が降っていたということを言っていますね。しかしこの後でもやはり「雨を見たことが有るかい」と言っています。これはどういうことでしょう。

 

 ここでもう一つ、1番の歌詞の中に It'll rain a sunny day とありますが、ここでは sunny day の前に on だとか at だとかが無い為、a sunny day その物が雨のように降り注ぐという意味になるのかなと思われます。

 

 そうなると have you ever seen the rain の the rain は二つの意味が考えられます。一つは「自分の人生に降り続けている雨」、もう一つは「降り注ぐ日の光」です。全く別の意味になってしまいますね。
 前者の場合、雨は自分の人生の不遇や不幸といったものの比喩と思われます。そうなると「自分のような不遇な人生を、あんた少しでも味わったことあるのかい」という、自分の人生を拗ねた言葉、あるいは「自分のような人生を、あんたも少しは味わうことはあるのかい」という、ちょっとネガティブな救いを求める意味になるのではないかなと思います。
 そして後者の場合、「自分の人生に晴れ渡った日など来た覚えがないが、あんたにはそんな日はあったかい」という内容になり、これだと恐らく、いつか自分の人生にも射す光があることを信じたいという心情の表れとなるでしょうね。

 

 どの解釈が正解ということは無いでしょうが、個人的には後者で捉えたいかなと思っています。いっそ1番が後者、2番が前者と、途中で意味を変えて捉えても面白いかもしれませんね。聴く時々の状況で解釈を変えて聴いてみてはいかがでしょう。

 

 さて、この曲は クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence Clearwater Revival)によって、1970年にリリースされた曲で、アルバム「Pendulum」に収録されています。以前、ブログのコメントでこの曲を教えて頂き、少し遅くなりましたが、今回訳してみる運びとなりました。


Creedence Clearwater Revival: Have You Ever Seen The Rain?

 

 昔の曲は、歌詞の捉え方が曖昧である分、自分なりに解釈して自分だけの曲として聴くことができて良いですね。

 

訳、言葉について

 it's been comin' ですが、こう書くと「ある時から来初めて、今もまだ来ている最中」という捉え方になるので、結果として、まだここには辿り着いていない(けれど向かってきてはいる)ということになります。

 

 文中にも書きましたが、rain は「雨が降る」という意味の他に「雨のように降る」「雨のように降らせる」という比喩の動詞として使用できます。It'll rain a sunny day の場合 a sunny day を雨のように降らせる…ということになるのかなと思います。

 

 come down on ~ は、「~にふいに襲い掛かる」という意味になります。

Lean On Me / Bill Withers

Lean On Me / Bill Withers

 

Lyrics&訳

Sometimes in our lives

We all have pain, we all have sorrow

But if we are wise

We know that there's always tomorrow

 

生きているとさ

痛みを覚えたり、悲しみを抱えたりするよね

でも、ちょっと落ち着いてみれば

いつもまた明日があるって、僕らはちゃんと知っている

 

Lean on me when you're not strong

I'll be your friend, I'll help you carry on

For it won't be long

'Til I'm gonna need somebody to lean on

 

もし気持ちを強く持てないのなら、力になるよ

きっと友達に。きっとその背中の後押しに

ずっとって訳じゃないけど

僕もまた、誰かの力が必要になる、その時までは

 

Please swallow your pride

If I have things you need to borrow

For no one can fill those of your needs

That you won't let show

 

強がるのはこの際やめよう

君の必要な物。僕が持っているなら使っていい

君に必要な物全部、揃えられる人なんて居ない

君がそれを教えてくれない限りはさ

 

You just call on me, brother, when you need a hand

We all need somebody to lean on

I just might have a problem that you'll understand

We all need somebody to lean on

 

連絡をくれるだけでいいんだ。誰かの手が必要ならさ

誰だってそう。誰かの力が必要なんだ

僕だってそう。君じゃないと解決できない問題を抱えるかもしれない

皆そう。誰かを頼って生きているんだ

 

Lean on me when you're not strong

And I'll be your friend I'll help you carry on

For it won't be long

'Til I'm gonna need somebody to lean on

 

だから僕のことも頼って。辛いときには

心の支えにも、前に進む力にもなる

ずっとは無理かもしれないけど

僕も誰かを頼らなければならなくなる、その時までは

 

You just call on me, brother, when you need a hand

We all need somebody to lean on

I just might have a problem that you'll understand

We all need somebody to lean on

 

そう、訪ねてくれればいいんだ。その手が足りないなら

皆誰かを頼りに生きている

僕が君の力を借りたくなる日もいつか来ると思う

皆そうやって、支えあって生きている

 

If there is a load

You have to bear that you can't carry

I'm right up the road

I'll share your load if you just call me.

 

もし、運ぶべきものがあって

でも運べなくて、困っていたとしても

その近くには僕もいるんだ

一緒に運ぼう。声をかけてくれればいい

 

Call me if you need a friend

Call me, call me

Call me when you need a friend

Call me if you ever need a friend

 

そう、声をかけて。仲間が必要なら

話してかけて。教えて欲しい

呼んでほしい。味方が必要なら

連絡して。この先、友達が必要ならば

 

Call me, call me

Call me, call me

Call me, call me

Call me, call me

 

躊躇わないで

遠慮しないで

意地にならないで

独りじゃないんだ

 

Call me if you need a friend

Call me, call me

Call me, call me

Call me, call me

 

電話でもいい。誰かが必要なら

どんなことでもいい

ちっぽけなことでも

大変なことでも

 

Call me, call me

Call me

 

辛いなら。助けが必要なら

僕を呼んで欲しい

 

この曲について

 人間誰しも、他人の力を借りるということには何かしらの抵抗感を覚える物だと思います。それは、遠慮であったり、相手を気遣ってのことであったり、或いは貸し借りを作りたくないという思いであったり、自分への無力感の否定であったりと様々な理由があると思いますが、そう言ったものはとりあえず忘れて、まずは助けを求めて欲しいと訴えかける曲ですね。

 

 恐らく、この曲に登場する You は、やや意地っ張りというか、特に自分一人でどうにかしようとするタイプなのでしょうね。You に呼びかける言葉には、We all have pain ですとか We know that there's always tomorrow のように、We が多く含まれており、「皆そうなんだ」とか「君一人が特別弱いわけじゃない」という形で想いが伝えられている点から、そんな人物像が見えてくると思います。

 

 そしてまた、この You に訴えかけている主人公もまた、誰かの力を借りることがあり、そしてそれはこの You の力であるかもしれないと伝えます。これにより、誰かを頼った分、いずれどこかで他の誰かの力になってあげればいいということまで伝えているように思えます。そうやって、人は支えあって生きている、そうやってこの世の中は回っている。そういうことなんでしょうね。

 

 さて、この曲はビル・ウィザース(Bill Withers)により、1972年にリリースされた曲です。シンプルか強いメッセージ性を持った曲の為か、多くのアーティストやゴスペルクワイヤーにも歌われています。


 
Bill Withers - Lean On Me

 

 そしてこの曲はglee のシーズン1にて、子供ができてしまいこの先の人生に不安を抱えたフィンとクィンに向けたメッセージとして歌われました。特にシーズン1はこういった、一人を皆で支えるというシーンが多くていいですね。

 

 
GLEE - Lean On Me (Full Performance) HD

訳、言葉について

 タイトルでもある Lean on ~ は、「~に寄りかかる」「~に体を預ける」というイメージとなり、そこから「~を頼る」という意味で使われます。

 

 Carry on は Bad Day にも出てきましたが、「続けて行く」という意味になります。

 

 Call on me と Call me の2種類の表現が出てきていますが、Call on ~ は「~を訪ねる」、Call ~ は「~を呼ぶ」となります。特に Call me は、「連絡下さい」とか「電話をして下さい」という意味に派生して使われます。(後者は以前ご紹介した Call Me Maybe がその意味で使われています)

 

 I'm right up は「すぐそばに駆けつける」という意味です。歌詞的にもうっかり I'll light up と間違えそうなのでご注意ください。僕は間違えました(笑)

Top Of The World / Carpenters

Top Of The World / Carpenters

 

Lyrics&訳

Such a feelin's comin' over me

There is wonder in most every thing I see

Not a cloud in the sky, got the sun in my eyes

And I won't be surprised if it's a dream

 

なんて気持ちに襲われたものかしら

目に映るもの全てが不思議なの

雲一つない空に、目には眩い太陽

これは夢でも不思議じゃないわね

 

Everything I want the world to be

Is now comin' true especially for me

And the reason is clear, it's because you are here

You're the nearest thing to Heaven that I've seen

 

私が望んだ世界の在り方、その全てが

今、その通りになる。そう、私の為にね

理由なんてとても簡単。あなたって人がここにいるから

私が想い描いてきた世界には、一番あなたに居て欲しいの

 

I'm on the top of the world lookin' down on creation

And the only explanation I can find

Is the love that I've found ever since you've been around

Your love's put me at the top of the world

 

私は今ね、誰より一番高い場所から、生まれ始めた世界を見てる

そしてそうね、ただこれだけは解かっている

それはこの愛。出会った時から気づいていた気持ち

あなたの愛で、私は誰よりも高く舞い上がれるの

 

Somethin' in the wind has learned my name

And it's tellin' me that things are not the same

In the leaves on the trees and the touch of the breeze

There's a pleasin' sense of happiness for me

 

私の名前を覚えてくれた、風にそよがれている物たちが

同じものなど何一つ無いと教えてくれるの

そしてこの木々の葉の下、この風の手触り

なんていい気分。私の幸せがそこにあるわ

 

There is only one wish on my mind

When this day is through I hope that I will find

That tomorrow will be just the same for you and me

All I need will be mine if you are here

 

たった一つ、願いをかけていることがあってね

今日この日が終わる時、こう思えますようにって

明日も今日と変わらない二人でいられるんだなって

あなたがいれば、欲しいものはそれで全部

 

I'm on the top of the world lookin' down on creation

And the only explanation I can find

Is the love that I've found ever since you've been around

Your love's put me at the top of the world

 

そう、誰も辿り着けない高い場所から、作られ始めた世界を見てる

そして私が見い出せる答えはただ一つ、

あなたと出会った時に生まれていた愛

あなたの愛が、私をここまで導いてきたから

 

I'm on the top of the world lookin' down on creation

And the only explanation I can find

Is the love that I've found ever since you've been around

Your love's put me at the top of the world

 

そう、この世のどこより高い場所から、新たな世界の始まりを見てる

そして、ただこれだけは信じて良いって思ってる

それは出会えた時から、ずっとそこにあった愛

あなたの愛は、私をここまで連れてきてくれたから

 

この曲について

 もはや知らない人は居ないのではないかと思われる曲ですね。タイトルと、穏やかに弾んだ明るい曲調からは、殆どの人が幸せそうなイメージが浮かぶのではないでしょうか。

 

 最初の2文だけは、少し思わせぶりな内容かもしれませんね。「何て気分に見舞われてしまったのか」「目に映るもの全てに違和感を覚える」ともとれるこのフレーズは、字面だけ見れば、もしかしてこの主人公に何か悪いことでも起きてしまったのではないかという展開を予想する人もいるのではないでしょうか。

 

 しかし、その次に語られる景色はなんともすがすがしく、気持ちの良い映像となっています。ここで、主人公には信じ難いほどの幸運が訪れ、嬉しさと戸惑いが入り混じっているのだなということが分かります。
 その幸運とは、自分が思い描いてきた理想の世界(未来)が、実現してしまうのだということです。そしてその世界は、あなたがいることによって実現されるという……あ、真面目に訳すと結構恥ずかしいですね、これ。

 

 サビでは、この主人公は世界の中で最も高い場所に立ち、今まさにその世界が造られ始めているのを見下ろしている言っています。後述しますが、自分の思い描いてきた世界が実現するということを、ここでは聖書上の「天地創造」のイメージで例えており、なんとも壮大なスケールで自分の幸せを表現しています。
 そして最後に、そんな世界を見下ろせる高い場所まで連れてきてくれたのが、あなたの愛なのだという……あ、やっぱり真面目に訳すと結構恥ずかしいですね。
 それにしても、日本語でも幸せな状態の時に「天にも昇る気持ち」と言いますが、国を越えても幸せと高い場所と言うのは、何かしらリンクするんでしょうね。

 

 2番では、日々の小さなことに、もう十分なほど幸せを見い出しているように思えます。そして、そんな一日とそれを過ごす二人が、変わること無くこのままでいられれば、他にはもう何もいらないと言っています。本当にこの主人公はこの相手のことが好きなんですねぇ。

 

 さて、この曲は1972年に、カーペンターズ(Carpenters)によって歌われた歌ですが、当時はアルバム内の一曲でしかなかったそうで、現在良く知られているバージョンでシングルリリースしたのは、1973年になってからのことだそうです。

 
The Carpenters- Top Of The World(HD/HQ)

 この曲は、小学校で音楽好きの先生が教えてくれた、僕が生まれて初めてまともに聴いた洋楽でした。一部の年代の方は、ドラマのオープニングテーマに起用されたことで、この曲を知ったと言う方も多いでしょうね。

 

訳、言葉について

 Come over は「やってくる」という意味でも使えますが、「支配する」「襲う」のようなニュアンスで捉えることもできる言葉です。今回は、あまりに最初から最後まで幸せいっぱいなシチュエーションというのもなんなので、後者のニュアンスで捉えてみました。

 

 Look down は、そのまま「見下ろす」という意味ですが、使い方によっては「軽蔑する」という意味にもなる言葉です。この曲においてはもちろん前者ですね。

 

 Creation は、普通に訳せば「創造物」なのですが、本文中にも記述した通り、これは聖書上の「天地創造」を意味する言葉でもあります。つまりこの曲においては、自分の見る世界が変わる今まさにその瞬間を、新しい世界が創造されるというイメージで例えているということになります。

Rainy Days And Mondays / Carpenters

image

 

Lyrics&訳

Talkin' to myself and feelin' old

Sometimes I'd like to quit

Nothing ever seems to fit

 

独り事。老いたと感じる

時折、終わりにしたいと思う

目に映る物は違和感ばかり

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

まとわりついてる

重い気持ちに何するでもなく

いつだって、心は沈む。雨と月曜

 

What I've got they used to call the blues

Nothin' is really wrong

Feelin' like I don't belong

 

そう、これを憂鬱というのね

これと言った理由などない

寄る辺の無いこの胸の内

 

Walkin' around

Some kind of lonely clown

Rainy days and Mondays always get me down

 

ただうろついている

独りぼっちの道化師見たく

いつだって、心も濡れる。雨と月曜

 

Funny but it seems I always wind up here with you

Nice to know somebody loves me

Funny but it seems that it's the only thing to do

Run and find the one who loves me

 

変ね、結局はいつもあなたのもとに

愛されている。そう思えるのは素晴らしい

でも変ね、私のするべきはむしろ

愛される為、ここから逃げ出し求めること

 

What I feel has come and gone before

No need to talk it out

We know what it's all about

 

幾度も揺れて動く私の心は

口に起こすまでも無い

分かっている。お互いにもう、全て

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

たちこめている

心の闇も払うこと無く

いつだって、心の浮かぬ。雨と月曜

 

Funny but it seems that it's the only thing to do

Run and find the one who loves me

 

可笑しなものね。こんな道しか無いと思える

あなたから離れ、別の誰かを探さなければと

 

What I feel has come and gone before

No need to talk it out

We know what it's all about

 

何度も移り変わるこの胸の内は

あなたに伝える必要も無い

これが全てと分かっているから

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

まだたたずんでる

笑えぬ顔も繕うことなく

いつだって、心が褪せる。雨と月曜

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

また彷徨ってる

濡れる頬も拭うことなく

いつだって、心も晴れぬ。雨と月曜

 

この曲について

 あーもう湿っぽい!はっきりしない!ジメジメした雨模様と同じような、煮え切らない女性の心模様を描いた曲のようですね。

 

 この主人公、恋人や夫と呼べる人と長く生きており、それなりに幸せと言えば幸せな境遇に居るのかも知れません。しかし、常に自分の心の中に「本当にこれが自分の幸せなのか」と常に疑問が投げかけられているように思えます。

 

 しかし、この気持ちに関しては一言で表現できるような気持ではなさそうです。長い生活に飽きてきたのかと言えば少し違う気もしますし、ではうんざりしているのかと言えば、少なくとも相手の愛は大切なものと言う想いもあるようです。かといって一時の気の迷いなのかと言えば、それなりに長いこと心に秘めている気持ちのようにも思えますし、身も蓋も無く言うなら倦怠期……でしょうかね。

 

 この曲のキーフレーズは、雨ではなく月曜日というところなのでしょうね。日曜日は恋人、あるいは夫と共に一日を過ごしたのでしょう。そしてその次の日、その人は仕事で外に出て行って主人公が一人残されるわけですが、この時の心境はいかがなものなのでしょうね。丸一日の間、自分を愛してくれていた人がいなくなった寂しさの一方で、しかしともすれば、自分はむしろその状況に少しほっとしているのかもしれないといった複雑な胸の内を抱えているのかもしれません。そしてそんな気持ちになりがちな月曜日を、この雨の日の憂鬱さに重ねてより重く際立たせている。そんなシチュエーションを歌った曲でしょうね。

 

 さて、この曲は1971年にカーペンターズ(Carpenters)により歌われた曲で、邦題では「雨の日と、月曜日は」と呼ばれています。
 特別印象的な曲では無いかもしれませんが、でも一度はどこかで耳にしたことのある曲なのではないかと思います。男女関係に留まらず、自分の中でも気持ちがはっきりせずにただ一日だけが過ぎていってしまう日にはぴったりな曲に思えます。


Carpenters - Rainy Days And Mondays

訳、言葉について

 Talk to my self は、自分自身に話しかける、即ち「独り言を言う」という意味となります。

 

 Hang around は、「辺りをうろつく」とか「佇む」といった意味の言葉です。

 

 Get 誰それ down で、「誰それの気持ちを沈ませる」という意味になります。
 余談ですが、以前 Good Time にもこの熟語が出てきています。ただ、あちらは全く意味が違い「~に賛成する」とか「パーティを開催する」という意味で使用されていました。
 ……何でここまで意味が違うんでしょう……
 多分、Down 自体「賛成する」という意味があるので、パーティーが日常的に行われているアメリカでは「パーティに行く人~?」という呼びかけに対して「賛成~」というやり取りが繰り返された中で、「賛成を得た(Get down)」→「じゃあパーティを開こう・行こう」というような流れで、パーティと Down が結びついたのかも知れません。憶測ですが。

 

 Come and go は Karma Chameleon のサビに出てきましたね。行ったり来たり……というイメージから派生したのか「移り変わる」という意味で捉えられる言葉です。

Power To The People / John Lennon

Power To The People / John Lennon

Lyrics&訳

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

人々に力を

俺に力を

君に力を

彼らに力を

彼女らに力を

民に力を

我らに力を

そうだ、我らに力を

 

Say you want a revolution

We better get on right away

Well you get on your feet

And out on the street

 

口にするんだ。革命をって

世の中もっと良くなる筈だ

その二の足でしっかり立って

表の通りを練り歩け

 

Singing power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

そしてこの歌を口ずさむんだ

自分に力を

君に力を

そうさ、我らに力を

 

A million workers working for nothing

You better give 'em what they really own

We got to put you down

When we come into town

 

幾千幾万、タダ同然の労働者

彼らの価値を認めるべきだな

さもなきゃお前は半殺し

俺らが街に来たその時にな

 

Singing power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

さあ叫ぶんだ、この歌を

彼らに力を

労働者に力を

そうさ、我らに力を

 

I gotta ask you comrades and brothers

How do you treat you own woman back home

She got to be herself

So she can free herself

 

なあ、聞いてくれるか兄弟たち

家で、お前の女をどう扱ってる?

彼女らしさを大切にしろよ

そうさ、彼女に束縛は必要無い

 

Singing power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

Now, now, now, now

 

さあ歌うんだ、この歌を

彼女らに力を

女性に力を

そうだ、我らに力を

さあ、すぐに、待ってないで、今この場でだ

 

Oh well, power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

人々に力を

俺に喝を

君に意志を

我らに誇りを

 

Yeah, power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

労働者に怒りを

彼らに愛を

彼女らに勇気を

皆に光を

 

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

我らに力を

我らに明日を

我らに希望を

そう、我らに未来を

 

この曲について

 革命だ!さあ虐げられた人々よ、立ち上がれ!そんな曲です。以前ご紹介した Bob DylanThe Times They Are A-Changin' も革命を歌った曲でしたが、あちらはどこか一歩引いて革命を外から眺めている風にも取れたのに対し、この曲は多分に扇動的ですね。明らかに大衆を煽り、焚き付けています。

 

 そもそも、1章でいきなり革命を起こせと唆しています。ただ流されて今のままで諦めるのではなく、自分の中にある本当の意思に従って、表に出て行動を起こせと言っています。もう、この時点でこの曲のイメージの8割は確定するのではないでしょうか。大勢の民衆がプラカードや垂れ幕を持って、声を大にして練り歩く姿がぴったりきます。

 

 そして、扇動の対象は労働者に移ります。この曲がリリースされた1971年前後という時代背景が鍵なのですが、この頃は失業とインフレでアメリカの経済状態は非常に悪かった時代です。その為、この章のYouは、この状況に有効手を打ち出せていなかった当時の大統領、リチャード・ニクソンのことでしょうね。そんな大統領に労働者の怒りをぶつけようというメッセージが、この章には込められているようです。

 

 また、これは Respect の回でも触れた話ですが、1960~1970年代は、女性が男性と同じ社会的地位を勝ち取ろうという動きの強かった時代です。3章では、そんな女性たちを応援するかのように、世の男性達に女性への接し方を今一度見つめ直してみようと問いかける内容になっています。
 実際、ジョンレノン自身、奥さんの影響もあってフェミニストを貫いていたようですね。

 

 さて、この曲は先述の通り1971年に、皆さんご存知のジョン・レノン(John Lennon)によってリリースされた曲で、邦題では「人々に勇気を」と題されています。ジョン・レノンというと、Imagine や Happy X'mas のような、争いの無い平和な曲のイメージが個人的に強かったのですが、こういう平和を争ってでも勝ち取ろうとする曲も書くんですね。



John Lennon-Power To The People-Offical Video-HQ

 

 曲の詳細な意味は分からなくても、Power to the peopleの部分を聴くだけで何だか全身に喝が入るような気がする、そんな力がある曲だなと思います。

 

訳、言葉について

 ちょっとイディオムが多めの曲ですね。まず、 Get on right away ですが、Get on が「進める」、Right away が「すぐに」となります。なので、Better get on right away で「良くなる方向に今すぐ舵を取る」のような雰囲気になるのかなと思います。

 

 と、Get on が「進める」と言った下の根も乾かないうちに、Get on your feet という言葉が出てきます。この Get on one's feet という言い回しは「しっかりと地に足を付けて立つ」というニュアンスの言葉になるそうです。「進める」のニュアンスどこ行った・・・

 

 Right on は、「そうだ!」とか「その通り!」のような意味です。

 

 Put you down で 「お前をを底辺に置く」となり、即ち「お前には最低ランクの扱いをする」のような意味合いがあります。相手を徹底的にこき下ろすような、そんなイメージかと。

 

 How do you treat you own woman back home は、最初「んん?!」と思ってしまいました。Treat と Youの間に関係代名詞 That が入っているのは解かるんですが、「お前は家で女を養っている」「それをどのように扱っている」っていう括り方がいまいちピンと来なかったので、暫く考え込んでしまいました。
 How do you treat the woman you own back home って並びならすーっと理解できるんですが……

プロフィール

笹森茂樹

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