さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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Lean On Me / Bill Withers

Lean On Me / Bill Withers

 

Lyrics&訳

Sometimes in our lives

We all have pain, we all have sorrow

But if we are wise

We know that there's always tomorrow

 

生きているとさ

痛みを覚えたり、悲しみを抱えたりするよね

でも、ちょっと落ち着いてみれば

いつもまた明日があるって、僕らはちゃんと知っている

 

Lean on me when you're not strong

I'll be your friend, I'll help you carry on

For it won't be long

'Til I'm gonna need somebody to lean on

 

もし気持ちを強く持てないのなら、力になるよ

きっと友達に。きっとその背中の後押しに

ずっとって訳じゃないけど

僕もまた、誰かの力が必要になる、その時までは

 

Please swallow your pride

If I have things you need to borrow

For no one can fill those of your needs

That you won't let show

 

強がるのはこの際やめよう

君の必要な物。僕が持っているなら使っていい

君に必要な物全部、揃えられる人なんて居ない

君がそれを教えてくれない限りはさ

 

You just call on me, brother, when you need a hand

We all need somebody to lean on

I just might have a problem that you'll understand

We all need somebody to lean on

 

連絡をくれるだけでいいんだ。誰かの手が必要ならさ

誰だってそう。誰かの力が必要なんだ

僕だってそう。君じゃないと解決できない問題を抱えるかもしれない

皆そう。誰かを頼って生きているんだ

 

Lean on me when you're not strong

And I'll be your friend I'll help you carry on

For it won't be long

'Til I'm gonna need somebody to lean on

 

だから僕のことも頼って。辛いときには

心の支えにも、前に進む力にもなる

ずっとは無理かもしれないけど

僕も誰かを頼らなければならなくなる、その時までは

 

You just call on me, brother, when you need a hand

We all need somebody to lean on

I just might have a problem that you'll understand

We all need somebody to lean on

 

そう、訪ねてくれればいいんだ。その手が足りないなら

皆誰かを頼りに生きている

僕が君の力を借りたくなる日もいつか来ると思う

皆そうやって、支えあって生きている

 

If there is a load

You have to bear that you can't carry

I'm right up the road

I'll share your load if you just call me.

 

もし、運ぶべきものがあって

でも運べなくて、困っていたとしても

その近くには僕もいるんだ

一緒に運ぼう。声をかけてくれればいい

 

Call me if you need a friend

Call me, call me

Call me when you need a friend

Call me if you ever need a friend

 

そう、声をかけて。仲間が必要なら

話してかけて。教えて欲しい

呼んでほしい。味方が必要なら

連絡して。この先、友達が必要ならば

 

Call me, call me

Call me, call me

Call me, call me

Call me, call me

 

躊躇わないで

遠慮しないで

意地にならないで

独りじゃないんだ

 

Call me if you need a friend

Call me, call me

Call me, call me

Call me, call me

 

電話でもいい。誰かが必要なら

どんなことでもいい

ちっぽけなことでも

大変なことでも

 

Call me, call me

Call me

 

辛いなら。助けが必要なら

僕を呼んで欲しい

 

この曲について

 人間誰しも、他人の力を借りるということには何かしらの抵抗感を覚える物だと思います。それは、遠慮であったり、相手を気遣ってのことであったり、或いは貸し借りを作りたくないという思いであったり、自分への無力感の否定であったりと様々な理由があると思いますが、そう言ったものはとりあえず忘れて、まずは助けを求めて欲しいと訴えかける曲ですね。

 

 恐らく、この曲に登場する You は、やや意地っ張りというか、特に自分一人でどうにかしようとするタイプなのでしょうね。You に呼びかける言葉には、We all have pain ですとか We know that there's always tomorrow のように、We が多く含まれており、「皆そうなんだ」とか「君一人が特別弱いわけじゃない」という形で想いが伝えられている点から、そんな人物像が見えてくると思います。

 

 そしてまた、この You に訴えかけている主人公もまた、誰かの力を借りることがあり、そしてそれはこの You の力であるかもしれないと伝えます。これにより、誰かを頼った分、いずれどこかで他の誰かの力になってあげればいいということまで伝えているように思えます。そうやって、人は支えあって生きている、そうやってこの世の中は回っている。そういうことなんでしょうね。

 

 さて、この曲はビル・ウィザース(Bill Withers)により、1972年にリリースされた曲です。シンプルか強いメッセージ性を持った曲の為か、多くのアーティストやゴスペルクワイヤーにも歌われています。


 
Bill Withers - Lean On Me

 

 そしてこの曲はglee のシーズン1にて、子供ができてしまいこの先の人生に不安を抱えたフィンとクィンに向けたメッセージとして歌われました。特にシーズン1はこういった、一人を皆で支えるというシーンが多くていいですね。

 

 
GLEE - Lean On Me (Full Performance) HD

訳、言葉について

 タイトルでもある Lean on ~ は、「~に寄りかかる」「~に体を預ける」というイメージとなり、そこから「~を頼る」という意味で使われます。

 

 Carry on は Bad Day にも出てきましたが、「続けて行く」という意味になります。

 

 Call on me と Call me の2種類の表現が出てきていますが、Call on ~ は「~を訪ねる」、Call ~ は「~を呼ぶ」となります。特に Call me は、「連絡下さい」とか「電話をして下さい」という意味に派生して使われます。(後者は以前ご紹介した Call Me Maybe がその意味で使われています)

 

 I'm right up は「すぐそばに駆けつける」という意味です。歌詞的にもうっかり I'll light up と間違えそうなのでご注意ください。僕は間違えました(笑)

Top Of The World / Carpenters

Top Of The World / Carpenters

 

Lyrics&訳

Such a feelin's comin' over me

There is wonder in most every thing I see

Not a cloud in the sky, got the sun in my eyes

And I won't be surprised if it's a dream

 

なんて気持ちに襲われたものかしら

目に映るもの全てが不思議なの

雲一つない空に、目には眩い太陽

これは夢でも不思議じゃないわね

 

Everything I want the world to be

Is now comin' true especially for me

And the reason is clear, it's because you are here

You're the nearest thing to Heaven that I've seen

 

私が望んだ世界の在り方、その全てが

今、その通りになる。そう、私の為にね

理由なんてとても簡単。あなたって人がここにいるから

私が想い描いてきた世界には、一番あなたに居て欲しいの

 

I'm on the top of the world lookin' down on creation

And the only explanation I can find

Is the love that I've found ever since you've been around

Your love's put me at the top of the world

 

私は今ね、誰より一番高い場所から、生まれ始めた世界を見てる

そしてそうね、ただこれだけは解かっている

それはこの愛。出会った時から気づいていた気持ち

あなたの愛で、私は誰よりも高く舞い上がれるの

 

Somethin' in the wind has learned my name

And it's tellin' me that things are not the same

In the leaves on the trees and the touch of the breeze

There's a pleasin' sense of happiness for me

 

私の名前を覚えてくれた、風にそよがれている物たちが

同じものなど何一つ無いと教えてくれるの

そしてこの木々の葉の下、この風の手触り

なんていい気分。私の幸せがそこにあるわ

 

There is only one wish on my mind

When this day is through I hope that I will find

That tomorrow will be just the same for you and me

All I need will be mine if you are here

 

たった一つ、願いをかけていることがあってね

今日この日が終わる時、こう思えますようにって

明日も今日と変わらない二人でいられるんだなって

あなたがいれば、欲しいものはそれで全部

 

I'm on the top of the world lookin' down on creation

And the only explanation I can find

Is the love that I've found ever since you've been around

Your love's put me at the top of the world

 

そう、誰も辿り着けない高い場所から、作られ始めた世界を見てる

そして私が見い出せる答えはただ一つ、

あなたと出会った時に生まれていた愛

あなたの愛が、私をここまで導いてきたから

 

I'm on the top of the world lookin' down on creation

And the only explanation I can find

Is the love that I've found ever since you've been around

Your love's put me at the top of the world

 

そう、この世のどこより高い場所から、新たな世界の始まりを見てる

そして、ただこれだけは信じて良いって思ってる

それは出会えた時から、ずっとそこにあった愛

あなたの愛は、私をここまで連れてきてくれたから

 

この曲について

 もはや知らない人は居ないのではないかと思われる曲ですね。タイトルと、穏やかに弾んだ明るい曲調からは、殆どの人が幸せそうなイメージが浮かぶのではないでしょうか。

 

 最初の2文だけは、少し思わせぶりな内容かもしれませんね。「何て気分に見舞われてしまったのか」「目に映るもの全てに違和感を覚える」ともとれるこのフレーズは、字面だけ見れば、もしかしてこの主人公に何か悪いことでも起きてしまったのではないかという展開を予想する人もいるのではないでしょうか。

 

 しかし、その次に語られる景色はなんともすがすがしく、気持ちの良い映像となっています。ここで、主人公には信じ難いほどの幸運が訪れ、嬉しさと戸惑いが入り混じっているのだなということが分かります。
 その幸運とは、自分が思い描いてきた理想の世界(未来)が、実現してしまうのだということです。そしてその世界は、あなたがいることによって実現されるという……あ、真面目に訳すと結構恥ずかしいですね、これ。

 

 サビでは、この主人公は世界の中で最も高い場所に立ち、今まさにその世界が造られ始めているのを見下ろしている言っています。後述しますが、自分の思い描いてきた世界が実現するということを、ここでは聖書上の「天地創造」のイメージで例えており、なんとも壮大なスケールで自分の幸せを表現しています。
 そして最後に、そんな世界を見下ろせる高い場所まで連れてきてくれたのが、あなたの愛なのだという……あ、やっぱり真面目に訳すと結構恥ずかしいですね。
 それにしても、日本語でも幸せな状態の時に「天にも昇る気持ち」と言いますが、国を越えても幸せと高い場所と言うのは、何かしらリンクするんでしょうね。

 

 2番では、日々の小さなことに、もう十分なほど幸せを見い出しているように思えます。そして、そんな一日とそれを過ごす二人が、変わること無くこのままでいられれば、他にはもう何もいらないと言っています。本当にこの主人公はこの相手のことが好きなんですねぇ。

 

 さて、この曲は1972年に、カーペンターズ(Carpenters)によって歌われた歌ですが、当時はアルバム内の一曲でしかなかったそうで、現在良く知られているバージョンでシングルリリースしたのは、1973年になってからのことだそうです。

 
The Carpenters- Top Of The World(HD/HQ)

 この曲は、小学校で音楽好きの先生が教えてくれた、僕が生まれて初めてまともに聴いた洋楽でした。一部の年代の方は、ドラマのオープニングテーマに起用されたことで、この曲を知ったと言う方も多いでしょうね。

 

訳、言葉について

 Come over は「やってくる」という意味でも使えますが、「支配する」「襲う」のようなニュアンスで捉えることもできる言葉です。今回は、あまりに最初から最後まで幸せいっぱいなシチュエーションというのもなんなので、後者のニュアンスで捉えてみました。

 

 Look down は、そのまま「見下ろす」という意味ですが、使い方によっては「軽蔑する」という意味にもなる言葉です。この曲においてはもちろん前者ですね。

 

 Creation は、普通に訳せば「創造物」なのですが、本文中にも記述した通り、これは聖書上の「天地創造」を意味する言葉でもあります。つまりこの曲においては、自分の見る世界が変わる今まさにその瞬間を、新しい世界が創造されるというイメージで例えているということになります。

Rainy Days And Mondays / Carpenters

image

 

Lyrics&訳

Talkin' to myself and feelin' old

Sometimes I'd like to quit

Nothing ever seems to fit

 

独り事。老いたと感じる

時折、終わりにしたいと思う

目に映る物は違和感ばかり

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

まとわりついてる

重い気持ちに何するでもなく

いつだって、心は沈む。雨と月曜

 

What I've got they used to call the blues

Nothin' is really wrong

Feelin' like I don't belong

 

そう、これを憂鬱というのね

これと言った理由などない

寄る辺の無いこの胸の内

 

Walkin' around

Some kind of lonely clown

Rainy days and Mondays always get me down

 

ただうろついている

独りぼっちの道化師見たく

いつだって、心も濡れる。雨と月曜

 

Funny but it seems I always wind up here with you

Nice to know somebody loves me

Funny but it seems that it's the only thing to do

Run and find the one who loves me

 

変ね、結局はいつもあなたのもとに

愛されている。そう思えるのは素晴らしい

でも変ね、私のするべきはむしろ

愛される為、ここから逃げ出し求めること

 

What I feel has come and gone before

No need to talk it out

We know what it's all about

 

幾度も揺れて動く私の心は

口に起こすまでも無い

分かっている。お互いにもう、全て

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

たちこめている

心の闇も払うこと無く

いつだって、心の浮かぬ。雨と月曜

 

Funny but it seems that it's the only thing to do

Run and find the one who loves me

 

可笑しなものね。こんな道しか無いと思える

あなたから離れ、別の誰かを探さなければと

 

What I feel has come and gone before

No need to talk it out

We know what it's all about

 

何度も移り変わるこの胸の内は

あなたに伝える必要も無い

これが全てと分かっているから

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

まだたたずんでる

笑えぬ顔も繕うことなく

いつだって、心が褪せる。雨と月曜

 

Hangin' around

Nothing to do but frown

Rainy days and Mondays always get me down

 

また彷徨ってる

濡れる頬も拭うことなく

いつだって、心も晴れぬ。雨と月曜

 

この曲について

 あーもう湿っぽい!はっきりしない!ジメジメした雨模様と同じような、煮え切らない女性の心模様を描いた曲のようですね。

 

 この主人公、恋人や夫と呼べる人と長く生きており、それなりに幸せと言えば幸せな境遇に居るのかも知れません。しかし、常に自分の心の中に「本当にこれが自分の幸せなのか」と常に疑問が投げかけられているように思えます。

 

 しかし、この気持ちに関しては一言で表現できるような気持ではなさそうです。長い生活に飽きてきたのかと言えば少し違う気もしますし、ではうんざりしているのかと言えば、少なくとも相手の愛は大切なものと言う想いもあるようです。かといって一時の気の迷いなのかと言えば、それなりに長いこと心に秘めている気持ちのようにも思えますし、身も蓋も無く言うなら倦怠期……でしょうかね。

 

 この曲のキーフレーズは、雨ではなく月曜日というところなのでしょうね。日曜日は恋人、あるいは夫と共に一日を過ごしたのでしょう。そしてその次の日、その人は仕事で外に出て行って主人公が一人残されるわけですが、この時の心境はいかがなものなのでしょうね。丸一日の間、自分を愛してくれていた人がいなくなった寂しさの一方で、しかしともすれば、自分はむしろその状況に少しほっとしているのかもしれないといった複雑な胸の内を抱えているのかもしれません。そしてそんな気持ちになりがちな月曜日を、この雨の日の憂鬱さに重ねてより重く際立たせている。そんなシチュエーションを歌った曲でしょうね。

 

 さて、この曲は1971年にカーペンターズ(Carpenters)により歌われた曲で、邦題では「雨の日と、月曜日は」と呼ばれています。
 特別印象的な曲では無いかもしれませんが、でも一度はどこかで耳にしたことのある曲なのではないかと思います。男女関係に留まらず、自分の中でも気持ちがはっきりせずにただ一日だけが過ぎていってしまう日にはぴったりな曲に思えます。


Carpenters - Rainy Days And Mondays

訳、言葉について

 Talk to my self は、自分自身に話しかける、即ち「独り言を言う」という意味となります。

 

 Hang around は、「辺りをうろつく」とか「佇む」といった意味の言葉です。

 

 Get 誰それ down で、「誰それの気持ちを沈ませる」という意味になります。
 余談ですが、以前 Good Time にもこの熟語が出てきています。ただ、あちらは全く意味が違い「~に賛成する」とか「パーティを開催する」という意味で使用されていました。
 ……何でここまで意味が違うんでしょう……
 多分、Down 自体「賛成する」という意味があるので、パーティーが日常的に行われているアメリカでは「パーティに行く人~?」という呼びかけに対して「賛成~」というやり取りが繰り返された中で、「賛成を得た(Get down)」→「じゃあパーティを開こう・行こう」というような流れで、パーティと Down が結びついたのかも知れません。憶測ですが。

 

 Come and go は Karma Chameleon のサビに出てきましたね。行ったり来たり……というイメージから派生したのか「移り変わる」という意味で捉えられる言葉です。

Power To The People / John Lennon

Power To The People / John Lennon

Lyrics&訳

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

人々に力を

俺に力を

君に力を

彼らに力を

彼女らに力を

民に力を

我らに力を

そうだ、我らに力を

 

Say you want a revolution

We better get on right away

Well you get on your feet

And out on the street

 

口にするんだ。革命をって

世の中もっと良くなる筈だ

その二の足でしっかり立って

表の通りを練り歩け

 

Singing power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

そしてこの歌を口ずさむんだ

自分に力を

君に力を

そうさ、我らに力を

 

A million workers working for nothing

You better give 'em what they really own

We got to put you down

When we come into town

 

幾千幾万、タダ同然の労働者

彼らの価値を認めるべきだな

さもなきゃお前は半殺し

俺らが街に来たその時にな

 

Singing power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

さあ叫ぶんだ、この歌を

彼らに力を

労働者に力を

そうさ、我らに力を

 

I gotta ask you comrades and brothers

How do you treat you own woman back home

She got to be herself

So she can free herself

 

なあ、聞いてくれるか兄弟たち

家で、お前の女をどう扱ってる?

彼女らしさを大切にしろよ

そうさ、彼女に束縛は必要無い

 

Singing power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

Now, now, now, now

 

さあ歌うんだ、この歌を

彼女らに力を

女性に力を

そうだ、我らに力を

さあ、すぐに、待ってないで、今この場でだ

 

Oh well, power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

人々に力を

俺に喝を

君に意志を

我らに誇りを

 

Yeah, power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

労働者に怒りを

彼らに愛を

彼女らに勇気を

皆に光を

 

Power to the people

Power to the people

Power to the people

Power to the people, right on

 

我らに力を

我らに明日を

我らに希望を

そう、我らに未来を

 

この曲について

 革命だ!さあ虐げられた人々よ、立ち上がれ!そんな曲です。以前ご紹介した Bob DylanThe Times They Are A-Changin' も革命を歌った曲でしたが、あちらはどこか一歩引いて革命を外から眺めている風にも取れたのに対し、この曲は多分に扇動的ですね。明らかに大衆を煽り、焚き付けています。

 

 そもそも、1章でいきなり革命を起こせと唆しています。ただ流されて今のままで諦めるのではなく、自分の中にある本当の意思に従って、表に出て行動を起こせと言っています。もう、この時点でこの曲のイメージの8割は確定するのではないでしょうか。大勢の民衆がプラカードや垂れ幕を持って、声を大にして練り歩く姿がぴったりきます。

 

 そして、扇動の対象は労働者に移ります。この曲がリリースされた1971年前後という時代背景が鍵なのですが、この頃は失業とインフレでアメリカの経済状態は非常に悪かった時代です。その為、この章のYouは、この状況に有効手を打ち出せていなかった当時の大統領、リチャード・ニクソンのことでしょうね。そんな大統領に労働者の怒りをぶつけようというメッセージが、この章には込められているようです。

 

 また、これは Respect の回でも触れた話ですが、1960~1970年代は、女性が男性と同じ社会的地位を勝ち取ろうという動きの強かった時代です。3章では、そんな女性たちを応援するかのように、世の男性達に女性への接し方を今一度見つめ直してみようと問いかける内容になっています。
 実際、ジョンレノン自身、奥さんの影響もあってフェミニストを貫いていたようですね。

 

 さて、この曲は先述の通り1971年に、皆さんご存知のジョン・レノン(John Lennon)によってリリースされた曲で、邦題では「人々に勇気を」と題されています。ジョン・レノンというと、Imagine や Happy X'mas のような、争いの無い平和な曲のイメージが個人的に強かったのですが、こういう平和を争ってでも勝ち取ろうとする曲も書くんですね。



John Lennon-Power To The People-Offical Video-HQ

 

 曲の詳細な意味は分からなくても、Power to the peopleの部分を聴くだけで何だか全身に喝が入るような気がする、そんな力がある曲だなと思います。

 

訳、言葉について

 ちょっとイディオムが多めの曲ですね。まず、 Get on right away ですが、Get on が「進める」、Right away が「すぐに」となります。なので、Better get on right away で「良くなる方向に今すぐ舵を取る」のような雰囲気になるのかなと思います。

 

 と、Get on が「進める」と言った下の根も乾かないうちに、Get on your feet という言葉が出てきます。この Get on one's feet という言い回しは「しっかりと地に足を付けて立つ」というニュアンスの言葉になるそうです。「進める」のニュアンスどこ行った・・・

 

 Right on は、「そうだ!」とか「その通り!」のような意味です。

 

 Put you down で 「お前をを底辺に置く」となり、即ち「お前には最低ランクの扱いをする」のような意味合いがあります。相手を徹底的にこき下ろすような、そんなイメージかと。

 

 How do you treat you own woman back home は、最初「んん?!」と思ってしまいました。Treat と Youの間に関係代名詞 That が入っているのは解かるんですが、「お前は家で女を養っている」「それをどのように扱っている」っていう括り方がいまいちピンと来なかったので、暫く考え込んでしまいました。
 How do you treat the woman you own back home って並びならすーっと理解できるんですが……

Piano Man / Billy Joel

 

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Lyrics&訳

It's nine o'clock on a Saturday

The regular crowd shuffles in

There's an old man sitting next to me

Making love to his tonic and gin

 

土曜日夜9時

いつもの賑わい

俺の隣にゃ年老いた男

お気に入りはジントニックだ

 

He says, "Son can you play me a memory

I'm not really sure how it goes

But it's sad and it's sweet

And I knew it complete

When I wore a younger man's clothes."

 

「若いの。俺の青春を一曲たのむわ

気が紛れるかは何とも言えんが

甘酸っぱいもんだ、若さっちゃ

だが後で分かった。最高だった

イカした服を着てたあの日が」

 

Sing us a song you're the piano man

Sing us a song tonight

Well we're all in the mood for a melody

And you've got us feeling alright

 

歌ってくれんか。ピアノマンだろ

こんな夜こそ歌ってくれや

今夜は音楽に浸りたいんだ

あんたにしか頼めないんだ。な。

 

Now John at the bar is a friend of mine

He gets me my drinks for free

And he's quick with a joke or to light up your smoke

But there's someplace that he'd rather be

 

バーテンのジョンは俺の友人

いつも俺には奢ってくれる

愉快で気の利く働きもんさ

でもやりたいことが他にあるんだと

 

He says, "Bill, I believe this is killing me."

As a smile ran away from his face

"Well, I'm sure that I could be a movie star

If I could get out of this place."

 

「ビル。俺、このまま終わりたくねぇ」

いつもの笑顔も見せずに言うんだ

「俺、映画のスターになれるハズさ

いつかこことオサラバしたらな」

 

Now Paul is a real estate novelist

Who never had time for a wife

And he's talking with Davy, who's still in the Navy

And probably will be for life

 

ポールは作家気取りのブローカー

結婚する気はさらさらないとさ

まだ海軍にいるデヴィとお喋り

多分、ずっとあのままだろうな

 

And the waitress is practicing politics

As the businessmen slowly get stoned

Yes they're sharing a drink they call loneliness

But it's better than drinking alone

 

あの娘は世の中を勉強中さ

男を上手く酒で潰してね

孤独ってカクテルを皆舐め合ってる

独りで飲むよりゃマシだものな

 

Sing us a song you're the piano man

Sing us a song tonight

Well we're all in the mood for a melody

And you've got us feeling alright

 

さあ、歌ってくれよ、ピアノマンさん

今夜は存分歌ってくれ

みんな音楽に酔っていたいのさ

みんなお前を待ってるぜ。なあ。

 

It's a pretty good crowd for a Saturday

And the manager gives me a smile

'Cause he knows that it's me they've been coming to see

To forget about life for a while

 

大繁盛の土曜日の夜

笑ってマスターがステージを指す

みんな俺を目当てで来ている

ちょっと現実を忘れる為に

 

And the piano it sounds like a carnival

And the microphone smells like a beer

And they sit at the bar and put bread in my jar

And say, "Man what are you doing here?"

 

ピアノの音は宴を奏で

マイクの匂いはビールを思わせ

客席からはチップが投げられ

「こんな所でくすぶってるのか?」って

 

Sing us a song you're the piano man

Sing us a song tonight

Well we're all in the mood for a melody

And you've got us feeling alright

 

さあ、歌うんだ。ピアノマン

いいから今夜は歌うんだ

音楽がないとやってられないんだ

お前の曲に酔いたいんだ。さあ。

 

この曲について

 タイトルこそ「ピアノマン」ですが、どちらかというと主役は彼ではなく、彼がいる大衆酒場に集う面々のようですね。そしてまた、彼らのキャラクターが何ともいい味を出しています。

 

 最初に登場するのは、年老いた男性です。昔は良かったと懐かしみ、当時流行った歌をリクエストしています。恐らく、当時の若かった自分を少しでも取り戻したいんでしょうね。

 そして、飲んでいるお酒がジントニックというのもまた、恐らく懐古の気持ちを際立たせる表現のように思えます。というのも、ジントニックは東インド会社による開拓時代に誕生したもので、これのおかげでマラリアを予防でき、イギリスはインド方面での成功を収めたと言われる歴史を持っています。また、ジンが安いお酒なので、お金の無い若い時によく飲まれるお酒でもあるようです。こういった背景から、ジントニックには時間を巻き戻すような、そんな印象を与えてくれる何かが向こうの方の感覚にあるのではないかなと思います。この御老人がブリティッシュだったりすると、よりそんな感じが強まる気がします。完全に想像ですが。

 

 お次はバーテンのジョンです。一見楽しそうに振る舞っておりますが、実は現状に満足しておらず、夢は映画スターで、自分にはその才能があると豪語します。

 しかし恐らく、彼自身それが強がりであり、また見果てぬ夢であるということは、心のどこかで分かっているのだと思います。そして、夢に挑戦しないことを「今はやりたくてもできないだけなんだ」と周りにも自分にも言い訳しているのですね。

 

 次は心は作家な、不動産屋ブローカーのポールです。彼の話し相手のデヴィですが、彼が海軍にいるということを示す文に、わざわざ「still(まだ)」という言葉が付いていますね。これは恐らく、ポールもかつては海軍に所属しており、デヴィはその時の相棒だったのだと思われます。そして、ポールだけが先に退役して、不動産屋兼小説家になっているという事なのでしょうね。

 ここからはちょっと深読みの類になるかもしれませんが、海軍は殆どの時間を船の上で生活することになる為、女性を抱くことができません。その為、一部で衆道に走る人がいるのではないかと思われます。そして、ポールとデヴィはそんな関係かもしれません。なので、ポールは結婚相手を探すことをせずに、退役した今でもデヴィと会っているのかもしれませんね。

 

 お店のウェイトレスは、酔っぱらって絡んでくるサラリーマンを上手にあしらえるようになったと言っています。ただここは、ウェイトレスの成長に感心しているというよりはむしろ、日常茶飯事のようにそんなちょっかいを出してくる酔っぱらいが大勢いるという点に焦点を当てたフレーズではないかなと思います。そして、こういった大衆酒場でそのように振る舞うことで、自分の心にある穴のような物を紛らわそうとしていることにフォーカスを当てていると思われます。

 そしてこれまでに出てきた、老いてかつての輝きを懐かしむ老人、叶わない夢と心のどこかで悟りつつも諦めきれないジョン、一生を添い遂げる人を持つことのないポール。彼らもまた、そのように心に一抹の寂しさや無念さを抱えた人であるということを、改めてここで伝えていると思います。

 

 そんな気持ちを少しでも癒そうと、彼らはピアノマンに歌を依頼します。そしてピアノマンもまた、彼らの心の穴を一時でも埋められればと、ピアノを奏で、歌を披露します。そしてその歌につられ、普段は来ない客まで引き寄せられ、彼らもまたピアノマンに一曲お願いしていき、その歌に浸り……と、この日の酒場は大入りとなります。

 そして、仮初めでも心が満たされた客達は、彼に感謝とチップを弾みながら「あんたこんな所で何やってんだい」と檄を飛ばします。こんな大勢の人達に感動を与えることができる力を持った人間が、こんな大衆酒場の中だけで終わっていいはずが無いという想いからの言葉でしょうね。そして反対に「このままここにいたら、自分たちみたいに心に穴を開けた人間になっちまうぞ」という警告も込めているかもしれません。

 

 寂しさを埋めてくれる彼をピアノマンと慕い、どこか物悲し気に、でもだからこそ賑やかに夢の宴はいつまでも続いていくという、そんな情景が思い浮かぶ曲ですね。

 

 さて、この曲はビリー・ジョエル(Billy Joel)が最初にレコードとして世の中に発表した曲で、多分彼の曲の中でもっともよく知られているのではないかなと思います。

 この曲のPVはオリジナルバージョンとリメイクバージョンが有りますが、どちらも珍しく、イメージ映像では無くて本当に曲の内容に忠実に沿った映像となっております。是非、和訳部分と比較しながら聴いてみて下さい。

 

【オリジナルバージョン】


Billy Joel "Pianoman" Original Video

 

【リメイクバージョン】


Billy Joel - Piano Man

 

 また、リメイクバージョンのPVの最後にビル・マーティン(Bill Martin)という写真が出てきますが、これはビリー・ジョエルが別名で活動していた時の物のようです。その為、ジョンの友人として歌詞中に出てくるビル(Bill)という名前も、恐らくビル・マーティン、即ちビリー・ジョエル本人の事を指していると思われます。

 

 また、この曲はgleeでも2回使われており、1度目はシュー先生、及びシュー先生のかつてのグリー・クラブ仲間であるブライアンによって、2度目はブレインによって歌われています。2度目はビリー・ジョエル特集をやりたくて多少無理矢理シーンを作った感がありますが、1度目はかつて演芸の道を挫折し、ミュージカル俳優など見果てぬ夢だと諦めていたブライアンが、またその夢を取り戻すきっかけとなる曲として使われております。これは個人的にこのシーンで使用されるべき曲としては、最高のチョイスじゃないかなと思います。また、ブライアン役のニール・パトリック・ハリス(Neil Patrick Harris)の歌いっぷりもいいですね~


 

 

【1度目:シュー先生&ブライアン】


Pianoman - glee (Neil Patrick Harris & Matthew Morrison)

 

【2度目:ブレイン】


Glee - Piano Man (Full Perfomance) HD

 

訳、言葉について

 老人が飲んでいるジントニック、これは本当はgin and tonicと呼びますが、shuffles inとの韻踏みを考慮し、tonic and ginと逆にしたのでしょうね。

 

 老人の言葉にあったhow it goesは、イメージとしては「今という状況がどこかに行く方法」と捉えればいいかなと思います。つまり、状況を変えるとか、気持ちを切り替えるとか、そういった意味になるのだと思います。

 

 ポールの職業として出てきたreal estate novelistですが、real estateは「不動産」という名詞だけでなく「不動産売買を行う」という形容詞的役割にも使えるそうです。なので、「不動産を売買する小説家」となります。きっと、本業は不動産業者で、その一方で小説家紛いの執筆活動を行っているのではないかなと思います。もっとも本人としては、小説家こそが本業で、ただそれだけだと食っていけないので、不動産の売買で生活費を得ているということでしょうけれどね。

 

 演奏後のシーンでput bread in my jarとありますが、このbreadは「パン」ではなく「お金」の意味合いになります。日本でもお金稼ぐことを「飯を食っていく」という表現があるように、英語ではbreadという言葉に、このニュアンスを持たせているようです。なので、ここで言うbreadは、チップだとかおひねりと言った意味合いで捉えれば良いかなと思います。

 

 最後に観客の言ったWhat are you doing here?は「なんでこんな所にいるんだい?」というニュアンスで使われるもので、日常ではどこかで偶然ばったり知り合いに出会った際によく使われる言葉です。しかし、このシチュエーションでは「あんたぐらいの腕前の人が、なんでこんな所で歌っているんだい?」という褒め言葉でしょうね。

 ……まあ、逆に「その程度の腕前で、何でここで歌えているんだ?」という痛烈なクレームの可能性も無いわけではないのですが、それまでのシチュエーションからしてそれは無いかなと思います。※余談ですが、もし本当にクレームだとしたら、前述のbreadは本当に食べかけのパンをお代の箱にぶち込まれているかもしれませんね(笑)

プロフィール

笹森茂樹

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