さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

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O Christmas Tree / Traditional

O Christmas Tree / Traditional

 

Lyrics&訳

O Christmas tree, O Christmas tree

Thy leaves are so unchanging

O Christmas tree, O Christmas tree

Thy leaves are so unchanging

 

おお、クリスマスツリー。大いなる樹よ

そなたの纏う葉の数々は

ああ、クリスマスツリー。聖なる樹よ

何があろうと変わること無く

 

Not only green when summers here

But also when its cold and drear

O Christmas tree, O Christmas tree

Thy leaves are so unchanging

 

その緑は夏に終わらず

人影無き寒き日にもまた

おお、クリスマスツリー。逞しき樹よ

そなたの葉はただそのままに

 

O Christmas tree, O Christmas tree

Such pleasure do you bring me

O Christmas tree, O Christmas tree

Such pleasure do you bring me

 

おお、クリスマスツリー。偉大なる樹よ

そなたが私にもたらしたのは

ああ、クリスマスツリー。幸福の樹よ

なんと大きな歓びなのか

 

For every year this Christmas tree

Brings to us such joy and glee

O Christmas tree, O Christmas tree

Such pleasure do you bring me

 

如何なる年にも、この大いなる樹は

我らに伝える。日々の素晴らしきを

おお、クリスマスツリー。歓びの樹よ

そなたが与えるこの幸せよ

 

O Christmas tree, O Christmas tree

You'll ever be unchanging

A symbol of goodwill and love

You'll ever be unchanging

 

おお、クリスマスツリー。揺るぎなき樹よ

そなたの姿は、今も昔も

優しきを、愛を象りて

変わること無く。ただそのままに

 

Each shining light, each silver bell

No one alive spreads cheer so well

O Christmas tree, O Christmas tree

You'll ever be unchanging

 

光のそれぞれ。鐘のそれぞれ

皆が開くは貧しき宴

おお、クリスマスツリー。永劫の樹よ

変わることなかれ。その幾年も

 

この曲について

 タイトルの通り、クリスマスツリーを讃えた歌ですね。と言っても、飾り付けられたクリスマスツリーの華やかさや賑やかさを歌った歌ではありません。何があってもその姿を大きく変えることのない、その芯の強さや頼もしさを歌っています。そして、その変わることのない姿は、毎年このクリスマスの時期になると、同じ喜びを思い出させてくれる、そんな一年における灯台のような役割を持っているようにも思えます。

 

 そしてまた、この曲においてはクリスマスツリーがとても孤高な存在にも見えますね。誰もいない中で、それでも静かに何も動じずに立っている姿は、ともすればわびさびに通じる物すらある気がします。

 

 さて、この曲はドイツ起源のクリスマスソングです。原題は O Tannenbaum と言い、日本国内では「もみの木」というタイトルで知られています。年代は古く、作られたのは1824年と言われているようです。


O Christmas Tree Lyrics 🎄 Christmas Songs and Carols Sing Along

 

 また、ドラマでは未使用となりましたが、glee でシュー先生がこの曲を歌っています。この曲、英語歌詞も何パターンかあるようなのですが、今回の歌詞はこの glee でも収録されたバージョンとしました。(何気に、歌詞の中に glee という単語もありますね)



Glee - O Christmas Tree ~ with Lyrics

 

訳、言葉について

 O Christmas tree の O は、「おお」とか「ああ」という感嘆を意味する間投詞です。Oh と同じ感じだと思うのですが、O の場合はカンマ等で後の言葉との区切りを入れないそうです。

 

 thy は、日本語で言うところの「汝」とか「そなた」のイメージが近いようです。

 

 drear は、dreary (荒涼とした、もの寂しい) の詩的表現だそうです。

 

 spread cheer ですが、ここで言う cheer は恐らく christmas cheer (クリスマスの御馳走)のことと思われます。そして spread christmas cheer で「クリスマスの御馳走を並べる」という意味で使われます。


Baa Baa Black Sheep / Traditional

Baa Baa Black Sheep / Traditional

 

Lyrics&訳

Baa baa black sheep

Have you any wool?

Yes sir, yes sir

Three bags full

 

メェメェ、黒い羊さん

羊さんの毛、あなたもあるの?

もちろんですとも もちろんですとも

袋に一杯、三つ程

 

One for my master

And one for my dame

And one for the little boy

That lives down the lane

 

一つは御主人

一つは奥様

残る一つは少年に

通りの向こうの少年に

 

この曲について

 所謂、マザー・グース(Mother Goose)の一曲です。黒い羊に「あなた、羊毛を持っているのかしら」と尋ねられて、「勿論持ってますよ。御主人にも奥方様にも、街の外れに住んでいる子にも使って頂いていますよ」と答えているという内容になります。

 

 と、シンプルに捉えればそれだけの曲です。単純な内容と、きらきら星に似たメロディから、子供向けの曲としてとても親しみやすくできています。
 しかし、大人になってからこの歌詞を見てみると、どうにもこうにも裏を読みたくなってしまいますね。

 

 何よりもまず、 Black Sheep(黒い羊)という名詞自体、「厄介者」とか「一族の恥」という意味を持った言葉としても使われます。それを踏まえてこの歌詞を見ると、最初の問いかけは、とてもステレオタイプに満ちた、悪意ある皮肉のように思えます。
 そもそも、羊を目の前にして「やあ、君は羊毛というものは持ってるのかね」なんて訊いていること自体、不自然です。となると、この問いかけの意味は「やあ、黒い羊さん。羊の毛ってふつう白いものだと思うんだけど、お前のその黒い毛は使い物になるのか?と言うか、そもそも羊毛っていうカテゴリに入れて良いものなのか?」という、侮蔑とからかいの念を込めた言葉と見て取れます。
 そして、そんな不躾な言葉に対しても Yes, sir (は。左様でございます) と慇懃に答えている黒い羊を見ると、この会話から見えるのは、主従関係というよりは、奴隷と貴族のような関係なのではないでしょうか。

 

 そして、自分の一部を切り取った羊毛は三つの袋を満たせるほどになりますが、そのうち二袋、つまり三分の二は御主人とその奥方に渡ることになります。言い換えれば、町に住む少年には三分の一しか行かないとも取れますし、もっと言えば黒羊自身には何も残らないとも取ることができます。こんな見方をした場合、この曲は富裕層と平民との社会的扱いの対比を描いていると解釈することもできます。


 前述の読み方と合わせてみると、この曲、実はなかなか痛烈な社会風刺の曲として捉えることもできるのではないかなと思います。
 勿論、子供向けの寓話として捉えても何の問題も無いのですが、寓話はやはり寓意を見い出したくなるもので……考えすぎかもしれませんが、逆にあれこれ想像させてくれるのも、マザー・グースの醍醐味かなと思いますので、是非皆さんもいろんな説を展開してみて下さい。

 

 さて、この曲は1731年にはイギリスで出来ていた曲……というか、お話のようですね。

Baa, Baa, Black Sheep - Wonderful Songs for Children | LooLoo Kids
 

 そして、先ほどきらきら星に似たメロディと記述しましたが、この曲もきらきら星も、メロディはもともとはフランスの歌に源流があるようです。この楽曲、18世紀中にモーツァルトによってアレンジされ 12 Variationen über ein französisches Lied "Ah, vous dirai-je, maman"(訳題:フランスの歌曲「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲 ※出典:Wikipedia)として発表されたのですが、これがうけたのか、色んな歌詞を付けて童謡に応用されたようです。(ちなみに、この曲の邦題は、原題を完全に無視して「きらきら星変奏曲」とされているようです)

 

訳、言葉について

 Black sheep は、既に述べましたが「黒い羊」の他に「厄介者」という意味で使われることが有ります。

 

 Yes, sir は、もはや日本でも「イエッサー」で通じますね。目上の人に了解の意を告げる常套句です。

 

 Dame は、貴族階級を持った女性に対して使う言葉です。訳上では「奥方」と訳しましたが、必ずしも男性貴族の妻には限定されません。

 

 Down はこの場合「今いる場所から離れた場所」を意味する言葉になります。The Weight にも出てきた表現ですが、 Go down は「ここから離れなさい」という意味になりますし、逆に「近づいてきて」と言いたい場合は Come up になります。英語では、自分に近づくほど「上がる」、遠ざかるほど「下る」というニュアンスがあるようです。

Witch Doctor / David Seville

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Lyrics&訳

I told the witch doctor I was in love with you

I told the witch doctor I was in love with you

And then the witch doctor, he told me what to do

He said that

 

俺はまじない師に言ったのさ。君と居た時は幸せだったって

怪しげだけど言ったのさ。君との愛に包まれてたって

したらそいつは言ったのさ。こいつを唱えりゃ解決さって

こんな呪文さ

 

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

 

チチンプイプイ

ゴヨノオンタカラ

ナンジャラモンジャラ

チンカラホイ

ジュゲムジュゲム

ゴコウノスリキレ

ズイズイズッコロバシ

ゴマミソズイ

 

I told the witch doctor you didn't love me true

I told the witch doctor you didn't love me nice

And then the witch doctor, he gave me this advice

He said that

 

またもあいつに言ったのさ。君は僕を愛しちゃいないって

胡散臭いけど言ったのさ。君には僕はどうでもいいって

したらあいつは言ったのさ。言った通りにしてみなよって

そう、この呪文さ

 

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

 

アジャラカモクレン

テケレッツノパ

アブラカダブラ

ヒラケゴマ

リンピョウトウシャー

カイジンレツザイ

アーメンラーメン

タンタンメン

 

You've been keeping love from me just like you were a miser

And I'll admit I wasn't very smart

So I went out and found myself a guy that's so much wiser

And he taught me the way to win your heart

 

僕の想いを捨てきれてない君は、なんて言うか貧乏性だね

そりゃまあ、僕は不器用だったさ。それは認める

でも分かったんだ。やっぱり僕は天才だって

後はアイツの教えで仕上げだ。君のハートをゲットだね

 

My friend the witch doctor, he taught me what to say

My friend the witch doctor, he taught me what to do

I know that you'll be mine when I say this to you

 

あのまじない師はイイ友人サ。何言えば良いか教えてくれる

信頼できる相談相手サ。どうすれば良いかも教えてくれる

そう、この呪文を唱えたならば、君はすぐにイチコロさ

 

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

 

テクマクマヤコン

テクマクマヤコン

マハリクマハリタ

ヤンバラヤン

マジカルカルカレ

シウボノウホマ

クルクルバビンチョ

パペッピポ

 

You've been keeping love from me just like you were a miser

And I'll admit I wasn't very smart

So I went out and found myself a guy that's so much wiser

And he taught me the way to win your heart

 

何だかんだ言って僕を捨てきれないじゃないか

まあ、今まではちょっと回りくどかったね

でも今は何をすべきか全部わかってる

アイツに教えて貰ったこの手で、君の心は僕のモノ

 

My friend the witch doctor, he taught me what to say

My friend the witch doctor, he taught me what to do

I know that you'll be mine when I say this to you

Oh, baby

 

もうあのまじない師サマサマ。アイツの言った通りにしてりゃいい

ホント足向けて寝られないな、全部アイツの助言通りサ

そう、これさえ唱えりゃ君は僕ンだい

コレでもくらえっ

 

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Come on and ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

 

パラリンリリカル

パラポラマジカル

ピピルマピピルマ

プリミンパ

コスモマジック

メタモルフォーゼ

リンパライパネマ

シャオシャオパイ

 

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

 

エロイムエッサイム

オンシュラソワカ

スキトキメキトキス

ドラグスレイブ

ホロレチュチュパレロ

ティロフィナーレ

ケアルラケアルガ

パルプンテ!

 

※本日は四月バカです

 

この曲について

 好きな相手に想いが届かなくて、思い詰めるあまりに怪しげな呪い師にまで助けを求め始めた男のドタバタ喜劇ですね。

 

 最初はあくまでダメ元で、まじない師に自分の彼女(?)と最近うまく行っていないってことを相談してみたって感じですかね。そしてその結果、この男はまじない師から「これを唱えれば大丈夫」と、呪文を教わります。これまたアヤシゲというか、胡散臭いと言うか、見るからに全く効果のなさそうな代物ですね。

 

 しかしまあ、何があったのかこの男、この呪文に活路を見い出してしまったようで。この呪文さえ唱えれば、相手は自分のモノになると、本気で信じ始めてしまいます。それどころは、この呪文を教えてくれたこの呪い師を心から信頼し始めてしまいます。まあ、なんというか、チョロい主人公です。このどう見てもアッタマ悪そーな主人公が「自分はやっぱり天才だった」なんて言うもんだから、聴いてていっそすがすが腹立たしいですね。

 

 そしてまあ、最後は本当にこの呪文を彼女の前で唱え始めるわけですが、そりゃまあ彼女もドン引きするでしょうね。この曲、最後はしつっこく繰り返されながらフェードアウトで終わっていきますが、是非このフェードアウトは、そのドン引きした彼女を想像しながらお楽しみください(笑)

 

 さて、この曲は1958年に、デイヴィッド・セヴィル(David Seville)によって歌われた曲です。この曲の最も特徴的な点は、やっぱりこの倍速録音の技術を利用した甲高い声ですね。

 

WITCH DOCTOR (David Seville) 1958 original version


 この技術を使った曲と言えば、日本では「帰って来たヨッパライ」が一番有名なのではないかなと思います。この声は「シマリス(Chipmunks)」と呼ばれており、この曲もシマリスが書かれたタイプのジャケットも有ります。なお、この倍速録音の声もデイヴィッド自身の声で、これを利用して「David Seville & Chipmunks」という架空のグループとして活動していました。

 

 なお、実際の歌い手の名前はロス・バグダサリアン・シニア(Ross Bagdasarian Sr.)と言い、デイヴィッド・セヴィルは彼のステージ名とのことです。

 

訳、言葉について

 タイトルでもある Witch doctor とは、呪文や祈祷で病気を治す医者、いわゆる呪術医というやつです。昔ならいざ知らず、今この御時世においては胡散臭い物の一つですね。

 

 Miser は、「しみったれた人」、「ケチな人」、「惨めな人」といった言葉です。Misery という形容詞でお目にかかる方が多い単語かなと思います。

 

 Ooo eee, ooo ah ah~ は……敢えて書く必要は無いですよね(笑)

Hark! The Herald Angels Sing / Traditional

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Lyrics&約

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

Peace on earth, and mercy mild

God and sinners reconciled

 

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

地は安寧と慈悲に覆われ

咎人と神は歩み寄らん

 

Joyful, all ye nations, rise

Join the triumph of the skies

With th' angelic host proclaim

"Christ is born in Bethlehem."

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

慶び満ちて諸人こぞれ

天の凱旋を共に参れ

聖なる宣主の声を刻め

主はベツヘレムでお生まれになった

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

Christ, by highest heaven adored

Christ, the everlasting Lord

Late in time behold him come

Offspring of the favored one

 

天の寵愛受けしキリスト

永遠に我らを導くキリスト

来たる時、彼の来たるを見給え

愛されし者の子の御姿を

 

Veiled in flesh, the Godhead see

Hail, th' incarnate Deity

Pleased, as man, with men to dwell

Jesus, our Emmanuel!

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

聖なる衣を纏いし御体

やあ、神はこの世に舞い降りん

この人の世にぞ住まわれん

神よ、我らが救世主よ

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

Hail! the heaven born Prince of peace!

Hail! the Son of Righteousness!

Light and life to all he brings

Risen with healing in his wings

 

やあ、天に生まれし王の子よ

やあ、聖なる意志を継ぐ子よ

命を導く彼に光を

彼の翼に、癒され登らん

 

Mild he lays his glory by

Born that man no more may die

Born to raise the sons of earth

Born to give them second birth

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

穏やかにして栄なる光

御生まれになった。永遠に続く命を持って

御生まれになった。地の子、我等を導く為に

御生まれになった。新たな命を与える為に

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

この曲について

 キリストの誕生の喜びを歌った曲で、日本では「天には栄え(あめにはさかえ)」と題されている讃美歌の一つです。新たな人間の王の誕生により、人々が迷うこと無く導かれていく、その期待が大いに込められていますね。

 

 讃美歌は大抵そうですが、場面展開と言うものが全くと言って良い程無く、ただひたすら主を讃えているだけとなっております。ただ、その神聖なるものを讃える言葉のバラエティは非常に多いので、是非一度目を通して頂けたらなと思って御紹介しました。

 

 さて、この曲は1739年には既に詩としては存在していたようですが、それが1840年にイギリスで讃美歌として作られたそうです。原詩は本当はもう少し長いのですが、讃美歌として歌われる場合は今回ご紹介した部分までのみとなります。

 

 キリストの誕生を歌った歌なので、クリスマスキャロルとしてもよく使われており、カバーしているアーティストも多くいますので、讃美歌では無くカバーバージョンでお聴きになった方もいらっしゃるのではないかなと思います。


 
Hark the herald angels sing

 

Maraiah Careyバージョン

Mariah Carey - Hark! The Herald Angels Sing / Gloria (In Excelsis Deo) [audio]


Blackmore's Night バージョン

Blackmore's Night - Hark The Herald Angels Sing / Come All Ye Faithfull

訳、言葉について

 Hark は、口語ではあまり使われ無い言葉で「聴け」という時に使う言葉だそうです。

 

 Herald は、「使者」を意味する言葉です。ただ、日本語で Angel が既に「天使」と使者の意味を含んでいるので、Herald angels でまとめて「天使」で良いと思います。

 

 Everlasting は、「永遠に続く」とか「不朽」という意味の言葉です。

 

 Godhead、Deity は、どちらも「神性」とか「神格」という意味の言葉ですが、単にそのまま「神」の意味として使用することもあるようです。

 

 dwell は「住む」を意味する言葉です。Live も同じ意味で使うことが有りますが、こちらは「居を構える」点に重点を置いた言葉のようです。

 

 Emmanuel は男性の名前ですが、救世主という意味を持たせることも出来るようです。また、Wikipedia によると、語源を辿れば「神は我らと共に」という意味になる名前だそうです。

We Wish You A Merry Christmas / Traditional

We Wish You A Merry Christmas / Traditional

 

Lyrics&訳

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year

 

良きクリスマスが訪れますよう

今年もあなたに

クリスマスが、そして新しい年が訪れますよう

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

良き流れが訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

良き流れでこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

Oh, bring us a figgy pudding

Oh, bring us a figgy pudding

Oh, bring us a figgy pudding and a cup of good cheer

 

さあクリスマスプディングを私たちに

クリスマスの伝統の

イチジクでできたプディングを食べて、乾杯しましょう

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

良き出会いが訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

良き出会いでこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

For we all like figgy pudding,
For we all like figgy pudding,
For we all like figgy pudding, so bring some out here

 

みんな大好きな

イチジクのプディング

クリスマスのプディングを、ここに一切れ持ってきてね

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

幸せな時が訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

幸せな時でこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

We won't go until we get some

We won't go until we get some

We won't go until we get some, so bring some out here

 

僕らここを動かないよ

それを一切れ貰えるまでは

ずっとここを動かないよ。だから一切れ持ってきてね

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

素敵な一年が訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

素敵な一年でまたクリスマスと、次の年をまた迎えられますよう

 

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year

 

良きクリスマスが訪れますよう

来年もあなたに

クリスマスが、そしてまた次なる年が訪れますよう

 

この曲について

 日本でも最もポピュラーな部類に入るこのクリスマスキャロルですが、We wish your merry christmas の部分だけが有名で、それ以外の部分は御存知ない方も多いかもしれませんね。

 

 テーマは、良いクリスマスと新年が迎えられますようにという、一年を無事に終えて、また新たな年を無事に始められることの感謝です。そしてまた、来年も同じようにこの一時を迎えられますようにと言う祈りも込められているように思えます。

 

 さて、この曲は16世紀頃にイギリスで作られた曲とされています。子供から大人まで広く歌われており、また様々なアレンジを施されて今日まで歌い続けられています。また、Good tidings we bring ~ の部分は幾つか違うバージョンがあるようで、特にこれが正解と言うのも無いようです。


We Wish You a Merry Christmas with Lyrics | Christmas Carol & Song | Children Love to Sing

 

 このブログでも御紹介したことのあるエンヤ(Enya)もこの曲をリリースしており、彼女らしいとても厳かなバージョンで歌いあげています。


Enya - We Wish you a merry christmas

 

 また、先日も御紹介したブラックモアズナイト(Blackmore's Night)も、Winter Carol のCDの最後をこの曲で飾っています。


Blackmore's Night - We Wish You A Merry Christmas

 

訳、言葉について

 Wishは「願う」「望む」と訳されますが、どちらかというと「お祈り」に近いニュアンスで、切実さは余りなく「そうだったらいいね」という感じで使われます。

 

 Kin は、親戚という意味を持つ言葉のようですが、どうも古めの言葉のようですね。例文があまり見当たりませんでした。

 

 Figgy pudding はイチジクのプディングのことです。イギリスではクリスマスにプディングを食べるという伝統が有りますが、その代表的なものの一つがこれだそうです。

プロフィール

笹森茂樹

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