さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

~1959年の関連記事一覧

Witch Doctor / David Seville

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Lyrics&訳

I told the witch doctor I was in love with you

I told the witch doctor I was in love with you

And then the witch doctor, he told me what to do

He said that

 

俺はまじない師に言ったのさ。君と居た時は幸せだったって

怪しげだけど言ったのさ。君との愛に包まれてたって

したらそいつは言ったのさ。こいつを唱えりゃ解決さって

こんな呪文さ

 

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

 

チチンプイプイ

ゴヨノオンタカラ

ナンジャラモンジャラ

チンカラホイ

ジュゲムジュゲム

ゴコウノスリキレ

ズイズイズッコロバシ

ゴマミソズイ

 

I told the witch doctor you didn't love me true

I told the witch doctor you didn't love me nice

And then the witch doctor, he gave me this advice

He said that

 

またもあいつに言ったのさ。君は僕を愛しちゃいないって

胡散臭いけど言ったのさ。君には僕はどうでもいいって

したらあいつは言ったのさ。言った通りにしてみなよって

そう、この呪文さ

 

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah ting tang

Walla walla, bing bang

 

アジャラカモクレン

テケレッツノパ

アブラカダブラ

ヒラケゴマ

リンピョウトウシャー

カイジンレツザイ

アーメンラーメン

タンタンメン

 

You've been keeping love from me just like you were a miser

And I'll admit I wasn't very smart

So I went out and found myself a guy that's so much wiser

And he taught me the way to win your heart

 

僕の想いを捨てきれてない君は、なんて言うか貧乏性だね

そりゃまあ、僕は不器用だったさ。それは認める

でも分かったんだ。やっぱり僕は天才だって

後はアイツの教えで仕上げだ。君のハートをゲットだね

 

My friend the witch doctor, he taught me what to say

My friend the witch doctor, he taught me what to do

I know that you'll be mine when I say this to you

 

あのまじない師はイイ友人サ。何言えば良いか教えてくれる

信頼できる相談相手サ。どうすれば良いかも教えてくれる

そう、この呪文を唱えたならば、君はすぐにイチコロさ

 

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

 

テクマクマヤコン

テクマクマヤコン

マハリクマハリタ

ヤンバラヤン

マジカルカルカレ

シウボノウホマ

クルクルバビンチョ

パペッピポ

 

You've been keeping love from me just like you were a miser

And I'll admit I wasn't very smart

So I went out and found myself a guy that's so much wiser

And he taught me the way to win your heart

 

何だかんだ言って僕を捨てきれないじゃないか

まあ、今まではちょっと回りくどかったね

でも今は何をすべきか全部わかってる

アイツに教えて貰ったこの手で、君の心は僕のモノ

 

My friend the witch doctor, he taught me what to say

My friend the witch doctor, he taught me what to do

I know that you'll be mine when I say this to you

Oh, baby

 

もうあのまじない師サマサマ。アイツの言った通りにしてりゃいい

ホント足向けて寝られないな、全部アイツの助言通りサ

そう、これさえ唱えりゃ君は僕ンだい

コレでもくらえっ

 

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Come on and ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

 

パラリンリリカル

パラポラマジカル

ピピルマピピルマ

プリミンパ

コスモマジック

メタモルフォーゼ

リンパライパネマ

シャオシャオパイ

 

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

Ooo eee, ooo ah ah, ting tang

Walla walla, bing bang

 

エロイムエッサイム

オンシュラソワカ

スキトキメキトキス

ドラグスレイブ

ホロレチュチュパレロ

ティロフィナーレ

ケアルラケアルガ

パルプンテ!

 

※本日は四月バカです

 

この曲について

 好きな相手に想いが届かなくて、思い詰めるあまりに怪しげな呪い師にまで助けを求め始めた男のドタバタ喜劇ですね。

 

 最初はあくまでダメ元で、まじない師に自分の彼女(?)と最近うまく行っていないってことを相談してみたって感じですかね。そしてその結果、この男はまじない師から「これを唱えれば大丈夫」と、呪文を教わります。これまたアヤシゲというか、胡散臭いと言うか、見るからに全く効果のなさそうな代物ですね。

 

 しかしまあ、何があったのかこの男、この呪文に活路を見い出してしまったようで。この呪文さえ唱えれば、相手は自分のモノになると、本気で信じ始めてしまいます。それどころは、この呪文を教えてくれたこの呪い師を心から信頼し始めてしまいます。まあ、なんというか、チョロい主人公です。このどう見てもアッタマ悪そーな主人公が「自分はやっぱり天才だった」なんて言うもんだから、聴いてていっそすがすが腹立たしいですね。

 

 そしてまあ、最後は本当にこの呪文を彼女の前で唱え始めるわけですが、そりゃまあ彼女もドン引きするでしょうね。この曲、最後はしつっこく繰り返されながらフェードアウトで終わっていきますが、是非このフェードアウトは、そのドン引きした彼女を想像しながらお楽しみください(笑)

 

 さて、この曲は1958年に、デイヴィッド・セヴィル(David Seville)によって歌われた曲です。この曲の最も特徴的な点は、やっぱりこの倍速録音の技術を利用した甲高い声ですね。

 

WITCH DOCTOR (David Seville) 1958 original version


 この技術を使った曲と言えば、日本では「帰って来たヨッパライ」が一番有名なのではないかなと思います。この声は「シマリス(Chipmunks)」と呼ばれており、この曲もシマリスが書かれたタイプのジャケットも有ります。なお、この倍速録音の声もデイヴィッド自身の声で、これを利用して「David Seville & Chipmunks」という架空のグループとして活動していました。

 

 なお、実際の歌い手の名前はロス・バグダサリアン・シニア(Ross Bagdasarian Sr.)と言い、デイヴィッド・セヴィルは彼のステージ名とのことです。

 

訳、言葉について

 タイトルでもある Witch doctor とは、呪文や祈祷で病気を治す医者、いわゆる呪術医というやつです。昔ならいざ知らず、今この御時世においては胡散臭い物の一つですね。

 

 Miser は、「しみったれた人」、「ケチな人」、「惨めな人」といった言葉です。Misery という形容詞でお目にかかる方が多い単語かなと思います。

 

 Ooo eee, ooo ah ah~ は……敢えて書く必要は無いですよね(笑)

Hark! The Herald Angels Sing / Traditional

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Lyrics&約

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

Peace on earth, and mercy mild

God and sinners reconciled

 

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

地は安寧と慈悲に覆われ

咎人と神は歩み寄らん

 

Joyful, all ye nations, rise

Join the triumph of the skies

With th' angelic host proclaim

"Christ is born in Bethlehem."

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

慶び満ちて諸人こぞれ

天の凱旋を共に参れ

聖なる宣主の声を刻め

主はベツヘレムでお生まれになった

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

Christ, by highest heaven adored

Christ, the everlasting Lord

Late in time behold him come

Offspring of the favored one

 

天の寵愛受けしキリスト

永遠に我らを導くキリスト

来たる時、彼の来たるを見給え

愛されし者の子の御姿を

 

Veiled in flesh, the Godhead see

Hail, th' incarnate Deity

Pleased, as man, with men to dwell

Jesus, our Emmanuel!

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

聖なる衣を纏いし御体

やあ、神はこの世に舞い降りん

この人の世にぞ住まわれん

神よ、我らが救世主よ

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

Hail! the heaven born Prince of peace!

Hail! the Son of Righteousness!

Light and life to all he brings

Risen with healing in his wings

 

やあ、天に生まれし王の子よ

やあ、聖なる意志を継ぐ子よ

命を導く彼に光を

彼の翼に、癒され登らん

 

Mild he lays his glory by

Born that man no more may die

Born to raise the sons of earth

Born to give them second birth

Hark! the herald angels sing

"Glory to the newborn King!"

 

穏やかにして栄なる光

御生まれになった。永遠に続く命を持って

御生まれになった。地の子、我等を導く為に

御生まれになった。新たな命を与える為に

聴け!天の使いの紡ぐ御歌を

新たな王に栄光あれ

 

この曲について

 キリストの誕生の喜びを歌った曲で、日本では「天には栄え(あめにはさかえ)」と題されている讃美歌の一つです。新たな人間の王の誕生により、人々が迷うこと無く導かれていく、その期待が大いに込められていますね。

 

 讃美歌は大抵そうですが、場面展開と言うものが全くと言って良い程無く、ただひたすら主を讃えているだけとなっております。ただ、その神聖なるものを讃える言葉のバラエティは非常に多いので、是非一度目を通して頂けたらなと思って御紹介しました。

 

 さて、この曲は1739年には既に詩としては存在していたようですが、それが1840年にイギリスで讃美歌として作られたそうです。原詩は本当はもう少し長いのですが、讃美歌として歌われる場合は今回ご紹介した部分までのみとなります。

 

 キリストの誕生を歌った歌なので、クリスマスキャロルとしてもよく使われており、カバーしているアーティストも多くいますので、讃美歌では無くカバーバージョンでお聴きになった方もいらっしゃるのではないかなと思います。


 
Hark the herald angels sing

 

Maraiah Careyバージョン

Mariah Carey - Hark! The Herald Angels Sing / Gloria (In Excelsis Deo) [audio]


Blackmore's Night バージョン

Blackmore's Night - Hark The Herald Angels Sing / Come All Ye Faithfull

訳、言葉について

 Hark は、口語ではあまり使われ無い言葉で「聴け」という時に使う言葉だそうです。

 

 Herald は、「使者」を意味する言葉です。ただ、日本語で Angel が既に「天使」と使者の意味を含んでいるので、Herald angels でまとめて「天使」で良いと思います。

 

 Everlasting は、「永遠に続く」とか「不朽」という意味の言葉です。

 

 Godhead、Deity は、どちらも「神性」とか「神格」という意味の言葉ですが、単にそのまま「神」の意味として使用することもあるようです。

 

 dwell は「住む」を意味する言葉です。Live も同じ意味で使うことが有りますが、こちらは「居を構える」点に重点を置いた言葉のようです。

 

 Emmanuel は男性の名前ですが、救世主という意味を持たせることも出来るようです。また、Wikipedia によると、語源を辿れば「神は我らと共に」という意味になる名前だそうです。

We Wish You A Merry Christmas / Traditional

We Wish You A Merry Christmas / Traditional

 

Lyrics&訳

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year

 

良きクリスマスが訪れますよう

今年もあなたに

クリスマスが、そして新しい年が訪れますよう

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

良き流れが訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

良き流れでこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

Oh, bring us a figgy pudding

Oh, bring us a figgy pudding

Oh, bring us a figgy pudding and a cup of good cheer

 

さあクリスマスプディングを私たちに

クリスマスの伝統の

イチジクでできたプディングを食べて、乾杯しましょう

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

良き出会いが訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

良き出会いでこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

For we all like figgy pudding,
For we all like figgy pudding,
For we all like figgy pudding, so bring some out here

 

みんな大好きな

イチジクのプディング

クリスマスのプディングを、ここに一切れ持ってきてね

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

幸せな時が訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

幸せな時でこのクリスマスを、新年をまた迎えられますよう

 

We won't go until we get some

We won't go until we get some

We won't go until we get some, so bring some out here

 

僕らここを動かないよ

それを一切れ貰えるまでは

ずっとここを動かないよ。だから一切れ持ってきてね

 

Good tidings we bring to you and your kin

Good tidings for Christmas and a Happy New Year

 

素敵な一年が訪れますよう。あなたとあなたの大事な人に

素敵な一年でまたクリスマスと、次の年をまた迎えられますよう

 

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas

We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year

 

良きクリスマスが訪れますよう

来年もあなたに

クリスマスが、そしてまた次なる年が訪れますよう

 

この曲について

 日本でも最もポピュラーな部類に入るこのクリスマスキャロルですが、We wish your merry christmas の部分だけが有名で、それ以外の部分は御存知ない方も多いかもしれませんね。

 

 テーマは、良いクリスマスと新年が迎えられますようにという、一年を無事に終えて、また新たな年を無事に始められることの感謝です。そしてまた、来年も同じようにこの一時を迎えられますようにと言う祈りも込められているように思えます。

 

 さて、この曲は16世紀頃にイギリスで作られた曲とされています。子供から大人まで広く歌われており、また様々なアレンジを施されて今日まで歌い続けられています。また、Good tidings we bring ~ の部分は幾つか違うバージョンがあるようで、特にこれが正解と言うのも無いようです。


We Wish You a Merry Christmas with Lyrics | Christmas Carol & Song | Children Love to Sing

 

 このブログでも御紹介したことのあるエンヤ(Enya)もこの曲をリリースしており、彼女らしいとても厳かなバージョンで歌いあげています。


Enya - We Wish you a merry christmas

 

 また、先日も御紹介したブラックモアズナイト(Blackmore's Night)も、Winter Carol のCDの最後をこの曲で飾っています。


Blackmore's Night - We Wish You A Merry Christmas

 

訳、言葉について

 Wishは「願う」「望む」と訳されますが、どちらかというと「お祈り」に近いニュアンスで、切実さは余りなく「そうだったらいいね」という感じで使われます。

 

 Kin は、親戚という意味を持つ言葉のようですが、どうも古めの言葉のようですね。例文があまり見当たりませんでした。

 

 Figgy pudding はイチジクのプディングのことです。イギリスではクリスマスにプディングを食べるという伝統が有りますが、その代表的なものの一つがこれだそうです。

I Saw Three Ships / Blackmore's Night 他

I Saw Three Ships / Blackmore's Night

Lyrics&訳

I saw three ships come sailing in

On Christmas Day, on Christmas Day

I saw three ships come sailing in

On Christmas Day in the morning

 

三隻の船の来たるを我は見た

クリスマスの日、聖なるこの日に

三隻の船の来たるを我は見た

清きこの日の朝陽の中に

 

And what was in those ships all three

On Christmas Day, on Christmas Day?

And what was in those ships all three

On Christmas Day in the morning?

 

彼の船に乗るは何れの者か

クリスマスの日、聖なるこの日に

彼の船に乗るは何れの者か

清きこの日の朝陽の中の

 

The Virgin Mary and Christ were there

On Christmas Day, on Christmas Day

The Virgin Mary and Christ were there

On Christmas Day in the morning

 

居わすは聖母マリアとキリストなるぞ

クリスマスの日、聖なるこの日に

居わすは聖母マリアとキリストなるぞ

清きこの日の朝陽の中に

 

Pray, wither sailed those ships all three

On Christmas Day, on Christmas Day

Pray, wither sailed those ships all three

On Christmas Day in the morning

 

祈れ、朽ちぬべきかな彼の三隻は

クリスマスの日、聖なるこの日

祈れ、朽ちぬべきかな彼の三隻は

清きこの日の朝陽の中で

 

O they sailed into Bethlehem

On Christmas Day, on Christmas Day

O they sailed into Bethlehem

On Christmas Day in the morning

 

おお、彼の船はベツヘレムへと辿り着かん

クリスマスの日、聖なるこの日

おお、彼の船はベツヘレムへと辿り着かん

清きこの日の朝陽と共に

 

And all the bells on earth shall ring

On Christmas Day, on Christmas Day

And all the bells on earth shall ring

On Christmas Day in the morning

 

大地の鐘ぞ鳴り響かん

クリスマスの日、聖なるこの日

大地の鐘ぞ鳴り響かん

清きこの日の朝陽の中で

 

And all the Angels in Heaven shall sing

On Christmas Day, on Christmas Day

And all the Angels in Heaven shall sing

On Christmas Day in the morning

 

天の御使いぞここに歌わん

クリスマスの日、聖なるこの日

天の御使いぞここに歌わん

清きこの日の朝陽の中で

 

And all the souls on earth shall sing

On Christmas Day, on Christmas Day

And all the souls on earth shall sing

On Christmas Day in the morning

 

普く御魂ぞここに歌わん

クリスマスの日、聖なるこの日

普く御魂ぞここに歌わん

清きこの日の朝陽の中で

 

Then let us all rejoice again

On Christmas Day, on Christmas Day

Then let us all rejoice again

On Christmas Day in the morning

 

讃える慶びを再び我らに

クリスマスの日、聖なるこの日

讃える喜びを再び我らに

清きこの日の朝陽の中で

 

この曲について

 主にイギリスで歌われることの多い、古い歴史を持つクリスマスキャロルで、遡ると作られたのは17世紀の事だそうです。


  この曲では、三隻の朽ちかけた船に聖母マリアとキリストが乗っており、彼らがベツヘレムへと向かう様子が描かれております。一見、聖書の中の1シーンにも思えるのですが、聖書に具体的にこのエピソードが描かれている訳ではないようです。

 

 ただ、ベツヘレムは福音書によってはキリスト生誕の土地とされており、この街の厩で聖母マリアがキリストを産んだとされています。その為、この船に乗っている聖母マリアとキリストというのは、実際はキリストを身籠った聖母マリアと言うことになるのかもしれませんね。なので、キリスト生誕の少し前のエピソードなのかもしれません。(ただ、そう考えると Christmas day という言葉は相応しくないようにも思えるのですが……)

 

 さて、この曲は前述の通り17世紀には既に存在していた曲のようで、現代では童謡を初めとして色んな方に歌われています。ここ数年ですと、このブログでも御紹介したことのあるブラックモアズ・ナイト(Blackmore's Night)が歌ったバージョンが手に入れ易い音源と思われます。(全詞は歌っていませんが)


Blackmore's Night - I Saw Three Ships

 

 日本ではあまりメジャーでは無いかもしれませんが、昨年何故かセブンイレブンでこの曲がかかっていた時期が有りまして、なかなか通な選曲だなぁ等と思った記憶が有ります。

 

訳、言葉について

 wither は、しぼむとか、弱っているという意味の言葉です。今回は船と言う物体に使われているので、老朽化してボロボロな様子を指すのではないかなと思います。

 

 O they ~ という表現が有りますが、この O は感嘆を意味する言葉として使うようです。日本で言う「おお」と同じ意味で捉えて良いようですね。

 

 今回はっきりと分からなかった言葉が2つありまして、一つはearthです。聖書の時代は地動説の概念が無かったはずなので、earth と言った時に、それは現代で言う地球のイメージでは無いのではないかなと思われます。と言うか、この曲が作られたとされる17世紀の時点でも、まだ現代ほど地動説が確固とした立場を形成していなかったため、この歌詞で言う earth は、もっと別の形をイメージするべきかもしれません。

 

 その上で、もう一つ分からなかったのが、All the bells on earth です。これが単に、地上にある鐘の事なのか、それともこの「鐘」が組み込まれた earth のモデル図があるのか、それとも神話のような類の物があるのかと言う点です。実際、これをタイトルとした本も出版されているようなのですが、洋書なので全部読むわけにもいかない(と言うか読めません(笑))ので、もしこの辺りの知識に明るい方がいらっしゃいましたら、お教えいただければと思います。

 

 なお、例によって古語っぽく書いていますが、雰囲気重視の出鱈目文法となっております(こら)

When The Saints Go Marching In / Louis Armstrong

When The Saints Go Marchin' In / Louis Armstrong

Lyrics&訳

Oh, when the saints go marching in

Oh, when the saints go marching in

Oh how I want to be in that number

When the saints go marching in

 

我らの聖者が、列を成して

彼の地へと歩を進めるならば

どうか、彼の列へ我も加え給え

聖者が彼の地へ向かうその時

 

Oh, when the drums begin to bang

Oh, when the drums begin to bang

I want to be in that number

When the saints go marching in

 

太鼓の音が鳴り出したなら

彼らを見送る太鼓の音が

ああ、彼の列へ我も加え給え

聖者が彼の地へ向かうその時

 

Oh, when the stars fall from the sky

Oh, when the stars fall from the sky

I want to be in that number

When the saints go marching in

 

夜空の星が流れたのなら

彼らを迎える数多の星が

ああ、彼の列へ我も加え給え

聖者が彼の地へ向かうその時

 

Oh, when the moon turns red with blood

Oh, when the moon turns red with blood

I want to be in that number

When the saints go marching in

 

月が赤き血に染まるのならば

共に想いを馳せれる月が

ああ、彼の列へ我も加え給え

聖者が彼の地へ向かうその時

 

Oh, when the trumpet sounds its call

Oh, when the trumpet sounds its call

I want to be in that number

When the saints go marching in

 

喇叭の音が響いたならば

彼の時を告げる喇叭の音が

ああ、彼の列へ我も加え給え

聖者が彼の地へ向かうその時

 

Oh, when the horsemen begin to ride

Oh, when the horsemen begin to ride

I want to be in that number

When the saints go marching in

 

兵隊が馬に乗り出したなら

列を指揮する兵隊たちが

ああ、彼の列へ我も加え給え

聖者が彼の地へ向かうその時

 

Oh, when the fire begins to blaze

Oh, when the fire begins to blaze

I want to be in that number

When the saints go marching in

 

松明に火が灯されたなら

彼らを導くこの送り火が

ああ、彼の列へ我も加え給え

聖者が彼の地へ向かうその時

 

Oh, when the saints go marching in

Oh, when the saints go marching in

I want to be in that number

When the saints go marching in.

 

我らが聖者が征く時が来た

街から彼の地へ征く時が来た

ああ、彼の列へ我も加え給え

聖者が我らを去る時が来た

 

この曲について

 日本でも「聖者の行進」或いは「聖者が街にやって来る」という曲名で知られており、メロディはとても馴染み深い曲だと思います。CM等では替え歌で歌われることも多いですし、ジャズバンドによるインストゥルメンタルで流されることも多いですね。しかし一方で、本来の歌詞の内容そのものに触れる機会は割と少ないのではないかなと思います。

 

 この曲は見てお察しの通り、元を辿れば死者との別れを告げる葬式用の曲です。発祥はアメリカのニューオーリンズで、当時奴隷だった人々が、死者を埋葬後にこの曲を明るく歌いながら家路についていたそうです。
 土地の風習から自然発生的に生まれた曲らしく、作詞・作曲者は不明となっております。歌詞も特にこれが正式という物がありません。恐らく、その場のノリで歌う趣の強い曲なのでしょうね。ただ、英語版Wikipediaには「一応標準」とされる歌詞が掲載されており、今回はそれをお借りしております。

 

 この曲は最初、亡くなって聖者の仲間入りをした人が、その聖者の隊列の中に立っています。この時、この隊列はまだ動いておらず、軍隊風に言うのであれば「待機」の状態にあるのだと思われます。

 

 しかしここから一つ一つ、別れの時が近づいていることを示す事柄が歌われます。太鼓の音が鳴り、星が見えて月が赤く染まる時刻となり、ラッパの音が響き渡り、兵隊が馬に乗り始め、松明に火が灯される。そんな一つ一つの小さなことに曲をまるごと一章ずつ割いておりますね。そこから「ああ、ついに……ああ、ついに……」といった名残惜しさと、最期の別れの時がいよいよ来てしまうのだという覚悟のような物が、この曲からは読み取れるのではないかなと思われます。そして、その名残惜しさを精一杯込めた言葉が、「I want to be in that number(私もその一員に加えて欲しい)」なのかなと思います。

 

 先ほど、正式な歌詞と言うものが無いと言うお話をしましたが、この曲が持つ構成と「名残惜しさ」が一つの理由なのではないかなと思います。上に記した通り、この曲の一章一章は本当に些細な瞬間を切り取って歌っています。これは逆に言えば、この些細な瞬間を見つけさえすれば簡単に曲の中に盛り込むことができるということであり、結果として曲をいくらでも長くすることができることになります。その為、気の済むまで、名残惜しさが消えるまで、歌詞を思いつく限り独自に盛り込んで歌っていたのではないかなと思います。
 ……というより、各個人の想いに相応しい、好きな言葉を盛り込んで歌える曲として自然発生したという経緯が先にあったのかもしれません。そして、その中で普遍的に使える歌詞が代表して知られているといった方が、この曲の歴史として正しい順序のようにも思えます。

 

 ところでこの曲、葬式の曲なのにこんなに明るくていいのでしょうかという疑問が湧きますが、それに対しては「この曲は黒人奴隷たちによって歌われた物であり、死することで奴隷と言う身分から解放されたのだから喜んでやろう……という想いから生まれた曲」という一応の回答があります。
 しかし、少しこれには異を唱えたいです。いや、勿論これには充分に一理あると思うのですが、自分の中では本当にそれだけなのかなと言う疑問が残ります。何故なら、奴隷制度のような物が無かった国でも死者を明るく送り出す風習は有りますし、日本ですら一部の地域では喪主の家でどんちゃん騒ぎをするケースも有る為です。
 人が亡くなった際に悲しく思うのは万国共通だと思いますが、ではその悲しみをこれからどうするかという事については、人によって選択肢が分かれるのではないかと思います。そしてこの「敢えて楽しく騒ぐ」というのは、そんな選択肢の中の一つとして、普通に考えられ得る手段なのではないかなと個人的には思います。その為、この曲は単に奴隷制度という歴史により生まれた悲しい曲とだけ捉えるのではなく、やっぱりシンプルに故人を偲び、でも残された人を明るく励まし、悲しみを乗り越えようとする曲として捉えたいです。少なくとも、歌詞の内容を見る限りは、心から送り出すことなどしておらず、むしろ名残惜しさたっぷりの曲に思えますから。

 

 さて、この曲は前述の通り、いつ作られたかも分からない曲ですが、最初にレコーディングしたのはルイ・アームストロング(Louis Armstrong)のようです。Youtubeで見られる彼のバージョンはこんなに歌詞は長くなく、楽器によるジャジーな演奏を主体としたパフォーマンスになっています。

 


Louis Armstrong - When The Saints Go Marchin' In

 

 個人的には、この曲を聴くとマリオペイントを思い出すのですが……僕だけですかね。

 

訳、言葉について

 Saintは聖者の事ですが、ここでは亡くなったことで聖者となった人ですね。仏教でも死ぬと仏になるということなので、亡くなることで神聖化するというのは普遍的な概念なのかもしれませんね。

 

 I want to be in that numberのnumberは、日本語で言う「頭数(あたまかず)」のニュアンスに近いかなと思います(勿論、歌詞にそのまま使うにはちょっとアレなので、そのようには訳しませんでしたが)。

プロフィール

笹森茂樹

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