Renaissance Faire / Blackmore's Night

Lyrics&訳

I was told once, by a friend of mine,

She had seen an olden sign,

She said she was not from this time,

And did I feel the same?

 

お友達から、一度だけ聞いたことがあるの

古のお告げを受けてしまったのって

「私、本当は別の時代の人間なのね。

あなたもそう思う?」って訊かれたわ

 

So I told her, "Yes", I knew her fear

As I felt the truth draw near

Told her back three hundred years,

Was the time that I held dear...

 

「ええ私も」って答えたわ。畏れなくていいように

彼女を信じて傍に引き寄せ

言ったの。今から300年前

それこそが私の居た筈の時代なのって

 

Gather ye lords and ladies fair,

Come with me to the Renaissance Faire

Hurry now,

We're almost there...

Fa, la, la, la, la, la, la, la, la, la...

 

男の人達も、女の人達も

私と一緒にお祭りに行こうよ

さあ早く早く

あと少しで辿り着くわ

なんて楽しみなのかしら

 

Through the shroud of mystery,

Turn a page of history,

Feeling more than you can see,

Down at the Renaissance Faire.

 

さあ謎めいた帳を潜り抜け

重ねた歴史を繙きて

見るには及ばず身体で感じよ

ルネッサンスフェアはもう目の前ぞ

 

Hear the minstrels play their tunes,

They will play the whole night through,

Special songs for me and for you,

And anyone whose heart is true...

 

詩人の奏に耳を傾けよ

彼の音と共に夜を明かそうぞ

今宵の歌は我に、其方に

心に偽り無き者共に

 

Gather ye lords and ladies fair,

Come with me to the Renaissance Faire

Hurry now,

We're almost there...

Fa, la, la, la, la, la, la, la, la, la...

 

来たれ紳士淑女の皆々

我と共に彼の祭典へ

さあさ皆共急ぐが良いぞ

夢の一時は始まっておる

時間の扉を今こそ潜らん

 

There's too many stars for one sky to hold,

Some will fall, others are sold,

As the fields turn to gold

Down at the Renaissance Faire...

 

空には数多なる星々が集い

あるものは落ち、あるものは手に取られ

やがて大地は黄金に染められ

彼の時代は今蘇らん

 

Gather ye lords and ladies fair,

Come with me to the Renaissance Faire

Hurry now,

We're almost there...

Fa, la, la, la, la, la, la, la, la, la...

 

集え諸侯に御婦人方よ

我と向かうは時代の祭典

さあその足を速め給え

もう引き返すことまかりならん

夢見る時代へと還るが良い

 

この曲について

 一見、幻想めいた何かのおとぎ話のような曲に見えますが、実はアメリカにてルネッサンス・フェア(Renaissance Faire)というお祭りが実際に存在します。この曲は、そのお祭りを心待ちにしている人たち、そしてそのお祭りの様子を描いた曲と思われます。その為、この曲自体の内容を説明するより、ルネッサンス・フェアがそもそもどういうものなのかを知れば、自ずとこの曲の内容に繋がります。

 

 ルネッサンス・フェアは、エリザベス1世が治めていたイギリスのルネッサンス期を再現するイベントで、アメリカの各地で定期的に、或いは常時開催されているそうです。このお祭りでは、スタッフも参加者も16世紀当時の衣装に身を纏い、その当時を再現した食べ物や装飾品の露店が出され、加えて音楽、演劇、大道芸などのショーも催されます。特に近代化の象徴である電気は使われない為、乗り物も馬車や人力車が利用されるのだとか。

 

 ただ、その時代背景だけでなく、その時代のファンタジー感を持ち込むのもアリのようで、魔法使いやフェアリー(妖精)の格好をされている方もいらっしゃるようですね。Wikipediaにはケンタウロス(人馬)の格好をされた方の写真が掲載されています。ここまで来ると、完全にコスプレのノリですね。

 

 以上を踏まえて曲の内容を見ると、1番に出てくる女の子達は、この中世の時代の人になりきろうとしているのだろうなと思います。そして、時代を超えるというミステリアスな設定に心をときめかせているのかなと。そして2番以降はひたすらルネッサンス・フェアの様子を歌っているようですね。

 

 さて、この曲は1997年にブラックモアズ・ナイト(Blackmore's Night)によってリリースされた曲で、アルバムシャドウ・オフ・ザ・ムーン(Shadow Of The Moon)に収録されています。

 

 

 Blackmore's Night Renaissance fair

 

 ブラックモアズ・ナイトというユニットは、日本では大分マイナー感が否めないですが、ギタリストであるリッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)は、ロックバンド、ディープパープル(Deep Purple)のギタリストとして有名ですね。そしてボーカルを務めているのは、その妻であるキャンディス・ナイト(Candice Night)です。
 ディープパープルのようなハードロックとはおよそかけ離れた嗜好のユニットですが、彼らのファーストアルバムとなるこのシャドウ・オブ・ザ・ムーンは、特にこの中世イギリスを強くイメージした曲が多数収録されています。この手の曲が好きな方は是非。

 

訳、言葉について

 Renaissanceはそもそもフランス語で「再誕」を意味する言葉だそうです。Renaissance FaireのRenaissanceは、あくまでルネッサンス期を指していると思うのですが、歴史の再現という意味で捉えてもいいのかも知れませんね。

 

 Signは、普通は「印」「象徴」「標識」などを意味しますが、「神託」とか「お告げ」「何かの兆し」という意味もあります。今回はそれが元で女の子が「この時代の人では無いのかも」と思いこむので、後者の方と解釈しました。

 

 サビに出てくるye は、古い言葉で「汝ら」を意味する言葉だそうです。

 

 同じくサビに出てくるFairは、日本でも良く使うフェアのように「公正」という意味が一般的ですが、一方で「金髪で色白」という、所謂北欧系の顔立ちの事を指すこともあるそうです。今回は後者ですね。

 ・・・妖精を意味するFairyは多分この言葉の派生なんでしょうね。憶測ですが。