さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

Fleetwood Macの関連記事一覧

Go Your Own Way / Fleetwood Mac

Go Your Own Way / Freetwood Mac

Lyrics&訳

Loving you isn't the right thing to do

How can I ever change things that I feel?

If I could baby I'd give you my world

How can I when you won't take it from me?

 

お前を愛するのはまずいことかもしれない

思い留まるにはどうしたらいい?

もしお前に全てを捧げようとしたとして

お前が受け取る気が無かったらどうしたらいい?

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

だってお前は我が道を行ける奴だから

そうさ、自分の道を

それは孤独な日とも言えるだろうが

自分のだけの道を

自分を信じて

 

Tell me why everything turned around

Packing up shacking up's all you wanna do

If I could baby I'd give you my world

Open up everything's waiting for you

 

待ってくれ。一体どういう心境の変化だ

荷物まとめて一つ屋根の下。それが望む全てだって?

出来るなら、俺の人生全部くれてやりたいところだが

世界はお前の手で開かれるのを待ってるんだぜ?

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

だから、そのまま自分の道を行けばいいんだ

俺なんか振りきって行け

それは孤独と戦う日かもしれない

でもお前は自分の道を

迷うこと無く

 

You can go your own way

Go your own way

You can call it another lonely day

You can go your own way

Go your own way

 

自分の人生を行け

自分だけの人生を

その横には俺もいないことになるが

お前だけの人生を駆け抜けろ

お前だけの人生を

 

この曲について

 軽快なノリで、歌詞も多くないのでサラッと内容は理解できるかなと思ったのですが、甘かったです。どうにもまず「これだ!」って確信できるシチュエーションがいまいち思い浮かびません。
 昔の歌詞によくあることなのかもしれませんが、ThenとかButとかBecauseといった接続詞が全くない為、各フレーズをどういう想いで繋いでいいのか、主人公の本意は一体どこにあるのかを読むとっかかりが無いのが、一番の原因かなと思います。

 

 まず最初は、自分が相手を愛することにためらいを持っています。もし自分が全てを賭けて相手に尽くしたとしても、相手はそれを受け入れる気が無いのではないかと危惧します。それは何故か。それは You can go your own way……つまり、相手は周りに流されたり縛られたりすることのない、我が道を行くことができる人だからという事のようです。

 

 ここまでは分かります。

 

 さて問題は2番です。ここをどう読み解くべきかが分かりません。とりあえず最初の歌詞を直訳すると

 

・状況が全く変わってしまったのは何故なんだ

・お前は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる

 

 となります。ここ、とりあえず二つの解釈が思い浮かびます。

 

 

1:状況が全く変わった結果、相手は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる

 

2:相手は荷物をまとめて一緒に住むことを望んでいる筈。なのにその状況が全く変わってしまった


 

 そして、このどちらの解釈だったとしても、これに対する主人公からの回答は、You can go your own way……つまり、お前は自分の道を行けばいいんだと、相手を突き放しています。これが色々引っかかりました。
 後のサビにこの突き放したこの言葉が控えていることを考えると、最初は2の解釈だと思いました。しかしその場合、時制を正確に考えると、3行目の歌詞はShacking up was all you wanna do か Shacking up's all you wanted to doとなる筈で、なんかしっくりきません。
 しかしかと言って、1の解釈だったとして、その後に相手を突き放しているのは何故なんでしょう。1番の歌詞を見る限り、この1のシチュエーションは、主人公にとっては好都合の筈です。

 

 で、色々考えた結果、1の解釈を採用しました。というのも、恐らく1番と2番の間には、長い時間の経過が隠されているのではないかなと思いました。少なくともそれは、主人公が相手の事を諦めるのに十分な時間です。そう考えれば、2番のシチュエーションは、主人公にしてみれば「何を今さら」となり、相手を突き放す理由も説明がつき、上記の1の解釈とも矛盾しないかなと思います。

 

 さてそう考えると、タイトルを含む You can go your own wayというフレーズは、

 

 ・1番では「君は我が道を行くタイプの人だよな」という、相手のパーソナリティを言及する言葉

 ・2番では「君は自分の道を進めばいいんだ」という、自分から離れる事を促すメッセージ

 

 と、それぞれ意味合いが異なることになりますね。そして、その後もこの言葉は繰り返されますが、これにどんな気持ちが乗せられるかは、聴き手によって様々でしょうね。「自分と行く道は違うけど頑張れよ」という応援のメッセージにも取れるでしょうし、「我が道を突っ走る為に俺を捨てたんだから、最後まで我が道を貫き通せ」と相手に発破をかけているようにも取れます。勿論、自分になびかなかった相手への「好きにすればいいだろう」という捨て台詞にも取れますね。ここがこの曲の楽しみ処かもしれません。

 

 さて、この曲はフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)により1977年にリリースされた曲で、アルバム「Rumours(邦題:噂)」に収録されています。この曲はgleeで知っていたのですが、元はフリートウッド・マックの曲だと気づいたのは実はつい最近です(思いっきり劇中でもそう言っているのに……)。
 それにしても、フリートウッド・マックは、以前訳したLandslideのイメージが強かったので、ちょっとびっくりしました。


Fleetwood Mac - Go Your Own Way (HQ)

 

 そしてこの曲が収録されたアルバムRumoursは、gleeのSeason2の19話で特集が組まれており、この曲もその際に登場します。クィンとのよりを戻してしまったフィンに対して、レイチェルが嫌味と未練を込めて挑戦状でも叩きつけるようにこの曲を歌います。この時のフィンは、なかなかどっちつかずな態度をとりますね。


Glee - Go Your Own Way (Lyrics On Screen) HD

 


訳、言葉について

 Your own は、All The Wayの時にも出てきましたが、「君一人で」というニュアンスになります。その為、Your own way は、「一人きりの道」「自分だけの道」となります。 

 

 Pack up は、「荷物をまとめる」という意味で使える言葉だそうです。

 

 Shackは「掘っ建て小屋」という名詞となりますが、これを動詞にすると「同棲する」という意味になるそうです。

 

 歌詞とは違いますが、この曲が収められているRumours。日本語訳は「噂」ですが、噂を英語にしたとき、我々が習うスペルでは「Rumor」と記述されます。Rumourは、このRumorのイギリス表記のスペルです( sは複数形のs)。

Landslide / Fleetwood Mac

 

f:id:Sasakichi:20160904120327p:plain

 

Lyrics&訳

I took my love, took it down
Climbed a mountain and I turned around
And I saw my reflection in the snow covered hills
'Til the landslide brought me down

 

愛ってものを授かったの。そして、一緒に歩いてきたわ
雪山を登るようなものだったかしらね。でね、振り返ってみたら
なんだか自分の姿がそこにあるみたいって思えた
その後は、まあ崖崩れにあって転がり落ちていったような気分ね

Oh, mirror in the sky
What is love?
Can the child within my heart rise above?
Can I sail through the changin' ocean tides?
Can I handle the seasons of my life?


空を見ながら自分に問いかけたわ
愛って何だろう?ってね
こんな中身はまだ子供みたいな自分が、大人になれるの?って
荒れた海に船を出すようなものよ?って
色々なことが起きる中、迷わずにいられるの?って


Well, I've been afraid of changin'
'Cause I've built my life around you
But time makes you bolder
Even children get older
And I'm getting older too

 

本当、何かある度不安だったわ
だって、私は大丈夫だったとしても、あなたもそうとは限らないでしょ
でも、時はあなたを強くしてしまう
そりゃまあ、子供だって歳は取るのは分かってるけど
……で、私もこうやって歳を取っていくのね


Well, I've been afraid of changin'
'Cause I've built my life around you
But time makes you bolder
Even children get older
And I'm getting older too
Oh I'm getting older too

 

でね、今も怖いの
だって、もうあなた中心に人生考えちゃってたもの
でも、いつかは独り立ちしちゃうのよね
分かってる。子供だっていつまでも子供じゃないって
私だってもうこんな歳だもの
本当、私も歳を取ったものね


Oh, take my love, take it down
Oh climb a mountain and turn around
And if you see my reflection in the snow covered hills
Will the landslide bring you down?
And if you see my reflection in the snow covered hills
Will the landslide bring you down?

 

The landslide bring you down

 

でもね、あなたを愛してきた。これだけは忘れないでいて
あなたも、同じように山を登ることになるわ。そしたら、振り返ってみて
その時、なんだか私の姿がそこにあるみたいって思ってくれたらなって
そしてやっぱり、崖崩れにあって転がり落ちていくような気分になるのかしらね
もしかしたら、いつか親になったら、皆そう思うものなのかもね
振り返ってみたら、あっという間だなって、多分思うわよ

 

本当、あっという間なんだから

 

この曲について

 

 正直を申しまして、今でもちょっと内容に自信は無いのですが、この曲は自分の子供が、あと少しもすれば巣立ちの時を迎えてしまうことへの気持ち、そしてその子供に送るメッセージを歌った曲ではないかなと思います。

 

 まず、この曲は冒頭がまるごと比喩表現となっており、いきなり全部を解釈することはできないと思ったので、まず一度素直に直訳してみました。


I took my love, took it down
→私は愛を手に入れ、それと一緒にいた

 

Climbed a mountain and I turned around
→山を登り、そして振り返った

 

And I saw my reflection in the snow covered hills
→そして、丘にかかる雪に、自分の反射を見た

 

'Til the landslide brought me down
→崖崩れが私を掻っ攫うまでは


 ……さて、何のことやらです。このままにらめっこしても明確な答えが出なさそうなので、この冒頭部分はひとまず置いておきます。

 

 次に「Oh, mirror in the sky」からの部分ですが、ここも比喩的な表現が多いです。しかしこちらは、その意味するところは比較的明快です。空に浮かぶ鏡には自分が映っており、その自分に「この海を乗り越えられるのか?」「自分の人生の中の様々な出来事に、ちゃんと舵取りができるのか」と、どうも自分の未熟さと、自分のこれからの先行きを問いかけている姿が見えてきます。しかしここでもまだこの曲の全体像は見えてきません。

 

 そしてサビの部分です。ここで、ようやくキーワードらしき言葉が出てきます。「But time makes you bolder(でも、時はあなたを強くする)」と「And I'm getting older too(私も歳を取っていく)」です。ここで、どうもこの主人公はyou(あなた)の成長と共に、自分も歳を取っていくことに想いを馳せている  主人公とyouは親子ではないかなというヒントに見えてきます。これを元にサビの部分を頭から訳してみますと、自分の生活の全てが子供中心にあったこと、自分に何かあったら子供にも影響が出てしまうことへの不安、子供の成長、それと共に年老いた自分を歌っているのではないかなと思われます。

 

 そして、このサビから得た解釈を元に冒頭部分に再び目を向けると、

 

●私は愛を手に入れ、それと一緒にいた
→愛=自分の子供

 

●山を登り、そして振り返った
→山を登る=子育て

 

●そして、丘にかかる雪に、自分の反射を見た
→子供を育ててきた日々の中に、かつてのまだ親に育てられていた頃の自分を垣間見た

 

●崖崩れが私を掻っ攫うまでは
→崖崩れ=すぐに過ぎ去ってしまう時間

 

 と、どうもこのような比喩であったのではないかなと思われます。ここまで訳して、この曲の基になるイメージは、立派に育って行く自分の子供を見て、改めて子育ての思い出を振り返り、一言「あっという間だったなぁ」と呟く親の姿ではないかなと感じました。そして、この「あっという間」を「Landslide(崖崩れ)」と題したのだと思います。

 

 そして最後には、詩的な工夫が凝らされています。文の構成を冒頭と同じ形にした上で、Iやmeという言葉がyouに、そして過去形であった言葉が現在形、もしくは未来を表す言葉にほとんどそっくり置き換わっています。これは、自分が経てきた道のり、苦労、喜びを、これからあなたも同じように経験し、感じることになるでしょうねという思いを良く表していると思います。

 またそんな中で、my love と my reflectionだけは、your love、your reflectionとは置き換えていません。これは、自分が本当に愛していたことを、疑い無く受け止めて欲しいという思い。そして、あなたがこれから味わうであろう苦労や喜びは、かつて親も味わった同じものであるという事に気付いて欲しい。という、親心と寂しさが混じった心境の表現なのかなと思います。

 

 さて、この曲はフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)というバンドユニットによって1975年に発表された古い曲ですが、その後ディクシー・チックス(Dixie Chicks)によって、よりカントリー色を強くしたアレンジでのカバーが2002年に発表されたことで、再び注目を集めました。
 また、アメリカの人気ドラマ「glee」の第2シーズンにおいても、このディクシー・チックスのバージョンを再アレンジした形で、ホリー・ホリデイ先生、サンタナ、ブリトニーの3人によって歌われております。

 この二つのカバーは歌詞がやや変えられており、今まで過ごしていた当たり前の日々が、ある日突然当たり前ではなくなるという、人が成長する上での一つの節目を励ます歌に思えます。

 

どれもお勧めなので、是非聴いてみて下さい。

 


Fleetwood Mac - Landslide

 

 


Dixie Chicks - Landslide

 

 


Glee - Landslide Official Music Video HD

 

 

訳、言葉について

 
 今回訳す上で躓いたのは、冒頭も冒頭。I took my love, took it downです。最初「私は愛を手に入れ、それを降ろした」と読んでしまったので「ああ、恋愛に失敗した後悔を歌った曲かな」等と思ってしまったのですが、それだと後の歌詞との辻褄をどうしても合わせられませんでした。

 そこで、色々考えた結果、

 

・Took it : それを持って行った

 

・Down   : 今の場所から離れる方向へ

 

と捉えて、「私は愛を手に入れ、それを一緒に連れて前に進んだ」とすればいろいろ腑に落ちたので、恐らくこれではないかなと思います。(実際、I'll take you downであなたを連れて行くっていう意味として良く使われるようですし)

 

 また「But time makes you bolder」のboldですが、この言葉の持つイメージは、良くも悪くも恐れを知らないという雰囲気です。その為、通常は「勇敢」「大胆」「図太い」と言った意味で使われますが、今回は「強さ」とか「自分一人で生き抜く力」といった意味合いで訳してみました。

 ところでこの部分は、フリートウッド・マックが歌っているのを聴くと「But time made you bolder」にも聴こえるのですが、今一つ判然としません。ただ、madeだとしたら、それはそれで子供が今まさに巣立ちの時を迎えた瞬間の曲になり、また別の味わいが出ていいなと思います。

 

 あと個人的に気になるのが「Will the landslide bring you down?」の部分です。ここは「Well the landslide will bring you down」と記載されていることが殆どです。しかし、フリートウッド・マックの歌をいくら聴いてみても、頭がWellかWillかはともかく、landslideとbringの間にはwillは無いように思えます。そして何より、この歌詞の部分は上でも記述した通り、冒頭と詩の構成を同じにしている部分にあたります。だとすると冒頭の「'Til the landslide brought me down」に相当するこの部分では、Willを頭に持ってきて、'TilとWillで韻を踏むほうが歌詞として自然に思えます。……といろいろ考えた結果、こちらの歌詞にしてしまいました。ご容赦ください。


プロフィール

笹森茂樹

カテゴリ
関連アーティスト検索
検索