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Lyrics&訳

You, with your words like knives

And swords and weapons that you use against me

You have knocked me off my feet again

Got me feeling like a nothing

You, with your voice like nails on a chalkboard

Calling me out when I'm wounded

You, picking on the weaker man

 

ねえ、あなたの言葉、刃物みたい

それとも剣とか銃とかかしら。私の前に突き付けて

ねえ、あなたまた私の足を蹴っ飛ばしたわね

私に存在価値なんか無いって思わせて

ねえ、あなたの声、黒板をひっかいた音みたい

私が苦しい時を狙って呼びつけるのよね

ねえ、あなた弱い者ばっかり相手にしてる


Well you can take me down with just one single blow

But you don't know, what you don't know...

 

そうね、あなたなら一息で私を潰せるでしょうね

でも、あなたは知らない。まだ知らないわ


Someday I'll be living in a big old city

And all you're ever gonna be is mean

Someday I'll be big enough so you can't hit me

And all you're ever gonna be is mean

Why you gotta be so mean?

 

いつの日か、私は大きな街に住むの

で、あなたは今と同じにひねくれたまま

いつの日か、あなたなんか手の届かない存在に

でもあなたは変わらずみすぼらしいまま

なんでそんなに意地悪でいたいの?

 

You, with your switching sides

And your wildfire lies and your humiliation

You have pointed out my flaws again

As if I don't already see them

I walk with my head down

Trying to block you out 'cause I'll never impress you

I just wanna feel okay again

 

ねえ、あなたのやり口は狡賢い立ち回りと

嘘のうわさ話で恥をかかせること

ねえ、あなたまた私の欠点を論うのね

知らないようだから教えてあげるって口調で

目を上げないで歩くことにするわ

あなたが視界に入らないように。あなたに振り回されたくない

ただまた穏やかに生きたいだけよ


I bet you got pushed around

Somebody made you cold

But the cycle ends right now

'Cause you can't lead me down that road

And you don't know, what you don't know...

 

きっとのけ者にされてきたのね

誰かのせいでそんなに冷たくなったんでしょ

でももうこんなの私で終わり

だって、あなたと同じ道は辿らない

あなた分かってない。分かってないわ

 

Someday I'll be living in a big old city

And all you're ever gonna be is mean

Someday I'll be big enough so you can't hit me

And all you're ever gonna be is mean

Why you gotta be so mean?

 

いつか、上品な都会の街で生きていくわ

でもその時のあなたは今のまんま

いつか、あなたなんかちっぽけな存在になるわ

あなたは何にも変わらない

自分が嫌にならないの?


And I can see you years from now in a bar

Talking over a football game

With that same big loud opinion

But nobody's listening

Washed up and ranting about the same old bitter things

Drunk and grumbling on about how I can't sing

But all you are is mean

 

何年後かな。酒場であなたを見かけるの

フットボールの試合に文句を付けて

大声で講釈を垂れて

誰も聴く耳を持ってくれないあなたを

ボロボロになって昔のヤなことを引っ張り出してわめくの

酔っぱらって、私の歌にケチをつけるの

でもこのしみったれた存在。これがあなたよ


All you are is mean

And a liar, and pathetic, and alone in life

And mean, and mean, and mean, and mean

 

性悪が服着て歩いてるみたい

嘘つきで、惨めで、誰も側に寄りたがらない

意地悪で、下品で、みっともなくて、最悪


But someday I'll be living in a big old city

And all you're ever gonna be is mean, yeah

Someday I'll be big enough so you can't hit me

And all you're ever gonna be is mean

Why you gotta be so mean?

 

でも、私は違う。そのうち素敵な街で暮らすの

あなたは卑しいまんまだけれど

あんたなんか取るに足らない人に見えてくる筈

いつまでたっても悪口しか言えないのよね

そんな生き方楽しいの?

 

この曲について

 自分にネチネチと嫌がらせをしてくる相手に対して、いつか自分は素晴らしい人間になって見返してやる……そんな感じの曲ではあるのですが、巷に良くある「みにくいアヒルの子」とか、アメリカンドリーム的なお話とは少し毛色が違っています。と言うのも、通常その手の曲は、自分自身が主人公として描かれます。自分が如何に悩んだか、辛かったか、酷い目にあったか……からの大成功!というシナリオになります。

 

 しかしです。この曲の中でスポットライトが当たっているのは、常に「you」、相手です。相手が如何に意地悪で、酷い人間であるかを徹底的に書き連ねています

 確かにサビでは、自分がどれ程の成功を収めてみせるという決意を発してはいます。しかしそれも、相手がその頃には如何にみすぼらしい存在になり下がっているか、という点を色濃く強調する意味合いが強く、やはりここでも主人公はあくまでこの「you」に思えます。

 

 また、2番の後の描写は凄いですね。酔っぱらって、喚いて、でも誰にも相手にされなくて、しまいにはグチグチ文句を言っている・・・典型的な底辺の人間ですね。そして、あなたはそうなるに違いないと何度も何度も念押して宣言しています。なかなか、復讐心のテイストの強い曲だなと思います。

 

 ただ一点。この曲を単なる「見返し」の曲で終わらせない、ちょっとしたキーになるフレーズがあります。それは「But the cycle ends right now」です。このフレーズの前では、相手にも意地悪くなってしまった、それ相応の理由があるのだろうという理解は示しており、それは過去に同じ目にあったからだろうと推測しています。つまり、意地悪が次の意地悪を生んでいるという循環が存在する事を示唆しています。その上で、「But the cycle ends right now(こんな循環はここで終わり)」としています。そして、この循環を止めた自分は幸せになり、循環に飲み込まれた相手は底辺の人生を歩むというシナリオになっています。

 

 この曲をさらっと聴いた時は、今イジメを受けている人への応援メッセージとして受け取れます。しかし、上記の事を考慮すると、実は今イジメをしている人への「そんなことはもうやめよう」「そんなことを続けていても、みすぼらしい人生が待っているだけ」という呼びかけのメッセージも含まれており、恐らくこっちに本意があるのではないかなと思います。

 なので、最後の「何でそんなに意地悪でいようとするの」という言葉には、相手に対して上記の忠告を込めた呼びかけの意味もあるのでないかなと思います。

 

 さて、この曲はテイラー・スウィフト(Taylor Swift)によって、2010年にリリースされた曲です。彼女自身、学生時代からカントリーミュージックが好きだったそうですが、それが当時のクラスメートにはその嗜好が受け入れられず、孤立してしまった時期があったそうです。カントリー色の強い楽器を使ったこの曲には、当時の思いも少なからず込めているかもしれませんね。もしそうだとしたら、カントリーを馬鹿にした人をカントリーの曲内で標的にするという、なかなか小気味のいい皮肉の効いた曲ですね(笑)

 


Taylor Swift - Mean

 

 また、この曲はgleeのseason3にてパックとビースト先生のデュオで歌われます。パックもかつては、カートやアーティをイジメ抜いた一人で、当時皆から恐れられていました。しかしそれが、いつしか勉強では負け組、アメフトの成績もパッとせず、学生ヒエラルキーの底辺であるgleeクラブに入っていることも相まって、周囲からないがしろにされ、しまいには逆にイジメの標的になり下がってしまいました。このパックの辿ってきた一連の流れは、まさにこのMeanの「you」そのものです。

 gleeでは楽器がアコースティックギター一本に絞られ、原曲の明るさは抑えて、深さと孤独さを前面に押し出したアレンジになっています。またそれにパックの絞り出すような声と、それをしっかり受け止めるビースト先生の頼もしい声が重なってとても素敵です。原曲しか御存知ない方も是非聴いてみて下さい。

 


GLEE - Mean (Full Performance) (Official Music Video)

 

訳、言葉について

 Washed upが最初分からなかったのですが、どうもwashが持つイメージには「擦って剥がす」ようなニュアンスが有るみたいですね。なので、洗うという意味の他に、擦り減るとか、ボロボロになるという意味で捉えることができるようです。この歌詞上においては、主語とbe動詞を省略した受身形として捉えて「ボロボロにされた」というイメージで訳してみました。

 

 あと変わった表現として「All you are is mean」というのが出てきます。be動詞が横に並んでいるのはあまり見ないかと思いますが、これは「All you are」までを「あなたの存在全て」という一つの名詞として捉えて訳せばよいのかなと思います。