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Lyrics&訳

Do you remember me

I sat upon your knee

I wrote to you with childhood fantasies

Well I'm all grown up now

And still need help somehow

I'm not a child but my heart still can dream

 

覚えていますか

お膝の上に乗って

子供らしい夢のようなお願いを書いたこと

今はすっかり大きくなって

まだ独り立ちとまではいかないけれど

もう子供じゃなくなりました。でも私にはまだ夢があります

 

So here's my lifelong wish

My grown up Christmas list

Not for myself but for a world in need

 

一生のお願いを書き出してきました

大人になった私の、お願い事リストです

でも私にではなくて、世界中に届けて欲しい物なのです

 

No more lives torn apart

That wars would never start

And time would heal all hearts

And everyone would have a friend

And right would always win

And love would never end

This is my grown up Christmas list

 

これ以上、人々がバラバラになりませんように

争いが二度と起きませんように

時間が全てを癒しますように

皆が大事な友達に巡り合えますように

常に正しき選択が行われますように

そして、愛が途絶えることなど有りませんように

これが、今の私のお願い事リストです

 

As children we believe

The grandest sight to see

Was something lovely wrapped beneath the tree

But Heaven only knows

That packages and bows

Can never heal a heartached human soul

 

子供みたいだけど、確かにこう思います

こんな素敵な眺めは他にはありません

可愛らしい包みがツリーの下に並んでいるのは

でも神様はちゃんと御存知ですね

このプレゼントの箱も、蝶々結びのリボンも

心の深い傷など癒せないと

 

No more lives torn apart

That wars would never start

And time would heal all hearts

And everyone would have a friend

And right would always win

And love would never end

This is my grown up Christmas list

 

人々がもっと寄り添えますよう

全ての争いが終わりますよう

時が経てば、前を向いて歩けますよう

皆、大事な人の傍に居ますよう

再び過ちが犯されませんよう

そして、愛がこの先も無くなりませんよう

 

What is this illusion called the innocence of youth

Maybe only in our blind belief can we ever find the truth

 

自分でも、なんて世間知らずな幻想なのかと思います

でもきっと、ひたむきな想いだけが、いつも真実を見出せると信じています

 

No more lives torn apart

That wars would never start

And time would heal all hearts

And everyone would have a friend

And right would always win

And love would never end

This is my grown up Christmas list

This is my only lifelong wish

This is my grown up Christmas list

 

人々がもっと解かりあえますよう

この世から争いが無くなりますよう

未来に光が有りますよう

孤独な人がいなくなりますよう

常に正しきことが讃えられますよう

そして、愛が永遠に続きますよう

これだけが、私の一生のお願い

これが、生涯の私のお願い事リストです

 

この曲について

 クリスマスの時期になると、子供達がサンタさんに伝えるお願い事。日本では口頭でお願いしますが、アメリカではお願い事リストに書くのが一般的のようですね。

 

 子供の頃のお願い事というものは、一般的には「○○が欲しいです」といった内容が殆どだと思います。つまり、自分の為のお願い事ですね。しかしこの主人公は成長し、世の中を知ることになります。そして、自分が如何に恵まれていたかを知り、自分だけが何かを欲しがっている場合ではないと気づきます。

 しかし、成長したとは言え、まだ親をはじめとしたいろんな人の助けが必要な自分に、出来ることは数限られています。そこで今一度、子供の頃の奇蹟にかけてみようと、再びサンタクロースへのお願い事リストを作成します。そしてそこには、世の中の恵まれない人への助けと、平和の願いが書き連らねられることになります。

 

 And still need help somehow を、まだサンタクロースの助けが必要と言っているのか、いろんな人の助けが必要と言っているのかの解釈で違ってくると思いますが、前者で訳されるのが一般的みたいなので、今回は後者のイメージでこの主人公は中学生、あるいは高校生といった思春期にある設定にしてみました。

 思春期というと、いつも「何かしなくては」と逸る気持ちが先行して、現実感とか実現性を無視した行動に走るもののように思います。多分皆さんも何かしら心当たりはあると思います。それがこの主人公の場合、世界で起きている様々な現実問題に対して、自分で何か出来ることは無いかと考え、今はせめてサンタクロースにお願いするという行動にでたということになり、何とも可愛らしいイメージになるなあと。

 

 しかし、完全に絵本の中のお話になってしまいますが、このリストをサンタクロースがトナカイと一緒に頷きながら読んでいるところを想像すると、何とも心が温まります。実際は、独り立ち出来たところでこれらの問題に対してどんな行動を起こせるかと言えば、決して多くは有りません。であればむしろ、大人になった今でも、せめてこんなファンタジックな想いだけでも持っていた方が良いかも知れませんね。

 

 さて、この曲は、Amy Grant(エイミー・グラント)によって、1992年にリリースされたクリスマスソングです(正確には、1990年に作曲者であるDavid Foster自身のアルバムに収録されたのが最初のようです。※この時のボーカルはNatalie Cole)。

 その後、2003年にAmerican Idol(アメリカン・アイドル)というドラマ内でKelly Clarkson(ケリー・クラークソン)が歌ったことで、人気が再燃しました。


 


Amy Grant - Grown Up Christmas List

 

 最初さらっと聴いた時は別段何とも思わなかったのですが、たまたま1年前にこの曲の歌詞を調べる機会があって、そこで内容を知って初めて好きになった曲です。音楽なので、メロディやリズム主体で聴いてしまうことが多いですが、やっぱりどんな曲にせよ一度は歌詞も読んでみるもんですね。面倒ですけど(笑)

 

訳、言葉について

 最初、I sat upon your kneeは親の膝の上に乗っていた状態を想像していました。しかし、後の歌詞ではどう見てもyouはサンタクロースの事なので、なんでかなと思ったのですが、よく考えたらアメリカでは、クリスマスにサンタクロースが子供達を膝の上に乗せてお願い事を聴くと言うイベントがあったような気がします。

gleeでもSeason2でブリトニーがサンタクロースの膝の上に乗っていましたね、そう言えば。

 

 あと引っかかったのがThe packages and bowsのbowsです。なんでここで弓が出てくるのかなと思ったのですが、このbowは蝶々結びのことらしいです。そういえば、蝶ネクタイの事をボウタイって呼ぶことが有りますね。

 

 ちょっと訳に自信が無いのが、What is this illusion called the innocence of youthの部分です。まずinnocence of youthですが、これは前述の通り、思春期の時期特有の純粋な想いです。日本語にこれに相当する言葉が他に見あたらないのですが、中二病の事です(ああ、情緒が……)。なので、illusion called the innocence of youthで、「中二病と呼ばれる幻想」となります。で、What isをどう捉えるかですが……以前何かのドラマで、自分に酷いことをしてきた人の事を友人に愚痴ったシーンで、友人が「What is that people!」と言った際「なんなのその人」と訳されていたことがあったような気がするので、今回のパターンに置き換えると、「なんて中二病的な幻想なんだ」と訳せば良いのかなと思いました。

 ……って良くないので、本文では精一杯オブラートに包みました。