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Lyrics&訳

Every breath you take

Every move you make

Every bond you break

Every step you take

I'll be watching you.

 

君のどんな安らぎも

君のどんな行動も

君のどんな別れも

君のどんな進歩も

僕は見ているよ

 

Every single day

Every word you say

Every game you play

Every night you stay

I'll be watching you.

 

君のどんな孤独も

君のどんな言葉も

君のどんな遊びも

君のどんな夜も

僕は見ているよ

 

Oh can't you see

You belong to me?

How my poor heart aches with every step you take.

 

分からないのかい?

君は僕のものだって

君が離れていく度に、僕の弱い心をひどく傷める 

 

Every move you make

Every vow you break

Every smile you fake

Every claim you stake

I'll be watching you.

 

君のどんな活躍も

君のどんな裏切りも

君のどんな仮面も

君のどんな主張も

僕は見ているよ

 

Since you've gone I've been lost without a trace.

I dream at night, I can only see your face.

I look around but it's you I can't replace.

I feel so cold, and I long for your embrace.

I keep crying baby, baby, please...

 

別れてからは、君を追っていないと気が済まない

夢を見たけど、君の顔しか浮かんでこない

見回しても、君の変わらぬ心しかない

心が寒い。君を抱きしめたくて堪らない

泣いているんだ・・・ねぇ・・・

 

Oh can't you see

You belong to me?

How my poor heart aches with every step you take.

 

分かってくれないのかい?

君には僕しかいないんだ

君が足を進める度に、僕の弱い心がひどく苦しむ

 

Every move you make

Every vow you break

Every smile you fake

Every claim you stake

I'll be watching you.

 

君のどんな挑戦も

君のどんな性根も

君のどんな本心も

君のどんな心根も

僕は見ているよ

 

Every move you make

Every step you take

I'll be watching you...

 

I'll be watching you

 

君のどんな人生も

君のどんな未来も

僕は見ているよ

 

僕は見ているよ

 

この曲について

「君が手にする全ての安らぎ」というタイトルと、淡々としみじみとした曲調から、この曲はずっと、青春時代のひと夏の思い出を、じっくり感慨深げに思い返すような曲なのかなと勝手に思っていたのですが……結構とんでもない内容でしたね。どう見てもストーカーの曲です。

 

 読み解く限り、この主人公はYouに振られてしまったようですが、主人公はそれを受け入れられず、相手をこれからずっと見続けていこうとしているようですね。

 ということで、とにかくこの曲の歌詞は全て「I'll be watching you(僕は君を見ているよ)」に集約されます。タイトルがこれでないのが不思議なくらいですね。実際、邦題は「見つめていたい」となっており、この部分をタイトルに採用しています。

 

 そしてメインテーマは全て「Every ○○ you △△」の形式となっており、かつ全ての末尾が同じ韻を踏むという、徹底した韻文形式をとっているのが特徴的です。英語に慣れていない日本人から見ても、この統一感は心地よいと思います。

 

 ですが上にも書いた通り、この規則正しく書かれた言葉は全て「君を見ているよ」という想いに集約されています。

 

 まあ、恋した人と別れた後に「君を見ているよ」という言葉を送ったとして、それが一人の思い出の人への「いつか幸せになってね」というメッセージであれば、何の問題も無いんです。タイトルの「君が手にする全ての安らぎ」も、しっとり響いてくれます。

 しかしこの詩が持つ規則正しさや緻密さといった印象は、どちらかというと、完璧主義者に隅から隅まで、一点の抜け目も無くいつまでも監視されているという、逃れられない不気味さを醸し出してしまいます。しかも、そんな人が「君は僕のもの」とまで言い切っています。こうなると最早、タイトルの「君が手にする全ての安らぎ」は、じっとりとした恨みや皮肉と言ったものでしかありません。

 

 いやぁ……そう考えると強烈なタイトルですねぇ。

 

 さて、この曲は1983年にPOLICEによって歌われた曲です。今でもTV番組のBGM等でよく使われているように思えます。

 洋楽を訳していて「へぇ~、こんな曲だったんだ」と思うことは良くありますが、この曲は群を抜いて強烈な印象を受けました。単に最初の印象とギャップがあると言うだけでなく、余りにも生々しいというか、スティング(POLICEのボーカル)が心を病んで書いた曲なんじゃないかと……フィクションであって欲しいですね(笑)

 


The Police - Every Breath You Take

 

 ただ、曲の内容をさて置けば、淡々と、そしてしみじみとした趣のある曲調は、夏のドライブなんかにぴったりに思えます。1番だけを見て取れば、ただ見守っているという曲なのだなという解釈も可能なので、そういうつもりで聴くのもありかなと思います。

 

 あと、この曲はgleeのシーズン5でも歌われております。舞台のオーディションで役の取り合いとなったレイチェルとサンタナが歌うのですが、この場合はお互い、いつ出し抜かれるのかと、逐一相手を監視するという解釈で使われています。

 


Glee - Every Breath You Take Official Music Video HD

 

訳&言葉について

 メインテーマが、全て文章をひっくり返して名詞にするという手法が取られているので解説しづらいですが、まず「Break a bond」で、「絆を断ち切る」という意味になります。曲中では「You break a bond」(君は絆を断ち切る)をひっくり返し「Bond you break」で「君が断ち切る絆」としています。

 

 また、同じくBreakを使用した「Break a vow」ですが、これは「誓いを破る」という意味になります。なので、同じようの曲中ではこれがひっくり返され、「Vow you break」となり「君が破る誓い」となります。