Fire Escape / Andrew Mcmahon

 

Lyrics&訳

I met up with an acrobat

In Brooklyn or some place like that

With life and taxis flying past

We tore that dance hall down

 

出会ったのは曲芸師

ブルックリンだか何処でだったか

タクシー、人生、突っ走らせて

二人で壊したダンスホール

 

Pocket change and subway cars

Our big ideas filled empty bars

You might be from the moon or mars

Either way, I'm never going home

 

あるのは小銭。地下鉄の車両

流行らないバーを満たした思想

君は何処から?月か火星から?

何処でもいいさ。もう帰らない

 

So, lets hang an anchor from the sun

There's a million city lights but

 

錨を降ろそう。あの太陽から

街の灯りは幾千億。けど

 

You're number one

You're the reason I'm still

Up at dawn

Just to see your face

We'll be going strong

With the vampires, baby

We belong, we belong awake

 

一番は君

君がいるから、僕は今でも

夜明けも起きてる

君の顔を見ていたいから

僕らは強くなっていける

吸血鬼たちも一緒になって

僕らはこのまま起きていればいい

 

Swinging from the fire escape

 

非常階段。ここに座ろう

 

I was drinking from the wishing well

Some junkie metal-head hotel

When we boarded the carousel

The roof was caving in

 

願いの井戸の水を飲んでた

イカレ野郎の居座るホテル

回転木馬に僕らが乗ったら

屋根が大きくへっこんだ

 

On the stage my Oxblood friend

Was singing songs about the end

The bankers in the lion's den

Were dropping lines like beggars in the snow

 

赤茶けた友はステージに立ち

この世の終わりを歌ってた

獅子のねぐらの胴元共が

物書く姿は冬の乞食か

 

So, lets hang an anchor from the sun

There's a million city lights but

 

あの太陽からぶら下がろう

眼下は数多の煌めきが。けど

 

You're number one

You're the reason I'm still

Up at dawn

Just to see your face

We'll be going strong

With the vampires, baby

We belong, we belong awake

 

大事なのは君

君だから僕は今この時も

寝ずに夜明けを

君の顔を見たいが為に

強くなれる。君も僕も

吸血鬼たちも今宵は共に

僕らは寝ている場合じゃない

 

Swinging from the fire escape

Swinging from the fire escape

Swinging from the fire escape

 

この踊場に腰を下ろして

この踏板から足を下ろして

風の吹くままゆらゆらさせて

 

Walking home your hand in mine

Tattoos on the river line

The morning birds are taking flight

Either way I thought that you should know

 

家路へとつく。手には君の手

入れ墨された川の水面

飛び立っていく曙の鳥

そうだな。君には知っていて欲しい

 

You're my number one

You're the reason I'm still

Up at dawn

Just to see your face

We'll be going strong

With the vampires, baby

We belong, we belong awake

 

君は僕の一番の人

君だからこそ、僕は今でも

夜通しずっと

君の笑顔を焼きつける為

僕ら二人は強くなってく

吸血鬼だって怖くはないさ

僕らはそうさ、朝日と共に

 

You're my number one

You're the reason I'm still

Up at dawn

Just to see your face

We'll be going strong

With the vampires, baby

We belong, we belong awake

 

君が僕の最高の人

君の為に、僕は今でも

この夜明けまで目を開けている

そこにいる君と見つめ合う為

二人で共に強くなろう

吸血鬼すら傍において

僕らはそうさ、夜明けを生きる

 

Swinging from the fire escape

Swinging from the fire escape

Swinging from the fire escape

Swinging from the fire escape

 

並んで座って

足を下ろして

風に揺らそう

この階段で

 

この曲について

 久しぶりに手こずりました。比喩なのか幻想なのか、いずれにせよ不可思議な言葉が羅列されており、何をどうイメージしていいのかをつかみ取るのに大分苦労しました。

 

 とにもかくにも、とても独特な世界観ですね。およそ意味の繋がらない、断片的に綴られた映像を切り貼りしてできたような、つぎはぎの世界が見える気がします。あまりそれぞれのシチュエーションに対して、深い意味は考えない方がこの曲は良いような気もしますが、敢えて言うなら最初に出会っている曲芸師が、自分を幻想的な世界を与えてくれた人ということで、この曲における you の比喩なのかなとも思えます。そしてそこから、突拍子も無い体験することになったのかなと。 

 

 一つだけ確実なシチュエーションはサビですね。you と共に、夜が明けて朝が来るまで起きて居ようという点は間違いないかと思います。そしてその夜明けをどこで過ごすかと言うと、ビルの非常階段です。そこに腰かけて、足を放り出してぶらつかせながら、陽が昇るのを眺めるようなシーンでしょうか。・・・ちょっとやってみたい気もします。

 

 後半は特に意味の分からない風景が並べ連ねられ、汲み取って何かを解釈できるものではなくなっています。この曲はアンドリューがニューヨークに住んでいた時の体験が活かされているそうですが、目まぐるしくせわしなく、何が起きてもおかしくない街の雰囲気をこのように描いたのかも知れませんね。

 

 さて、この曲は2017年にアンドリュー・マクマホン(Andrew Mcmahon)によって歌われた歌で、Zonbies On Broadway というアルバムに収録されています。そして、国内では Panasonic の家電のCMテーマに使用されています。僕がこの曲を知ったのも、このCMがきっかけでした。


Andrew McMahon in the Wilderness - Fire Escape (Official Music Video)

 

 ……凄いベッドシーン(笑)

 ところでこの曲、イントロを聴いて一瞬「オブラディ・オブラダ?」って思った方いらっしゃいませんか。いらっしゃいませんね。

 

訳、言葉について

 まずタイトルの Fire escape ですが、直訳すると火事の脱出ということで、災害時の非常階段、もしくは非常梯子の総称のようです。以前ご紹介した Shooting star のPVの0:37あたりで、この Fire escape に若者がたむろしている姿が見られます。



Owl City - Shooting Star

 もしかしたら、夜にこの非常階段で仲間と過ごすというのは、NYの若者たちの青春の一ページとしてよくある光景なのかもしれません。

 

 Pocket change の change は、この場合は小銭や細かい釣銭を意味する言葉です。お札を change(交換・両替) した結果だからでしょうか。

 

 Belong は、「~に属する」という意味ですが、転じて「収まっているべき場所」「そこに在るべき状態」というニュアンスでも捉えられます。なので、belong awake で「起きているのが、かく在るべき状態」という形で捉えれられると思います。

 

 Swinging ですが、これは「ぶら下がる」と捉えられます。なので、Swinging from the fire escape という詞を見て、最初は「避難用の梯子に腕一本でどうにかこうにかぶら下がって風に吹かれている危険な状態」を思い浮かべたのですが・・・Swing という単語には「ブランコを漕ぐ」という意味もあるんですね。今回の曲では、こっちのイメージかと思います。なので、階段の踏板とか踊り場から足を出してぶら下げている状態ですね。多分。きっと。

 

 Wishing well は、Call Me Maybe の時にも I through wishing the well という形で出てきてましたね。「願い事をかける井戸や泉」の事です。

 

 Metal-head とは「ヘビメタ大好きな人」のことを指す言葉だそうです。

 

 Oxblood とは、その名の通り牛の血のような「濃い赤茶色」のことを指します。

 

 Drop lines は「文章を書く」という意味の表現です。日本でも「書き下ろす」という表現があるので、文字を書く=下の方に置く……というイメージのは共通のイメージなのかもしれません。