さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。
意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

Wild Child / Enya

 

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Lyrics&訳

Ever close your eyes

Ever stop and listen

Ever feel alive

And you've nothing missing

You don't need a reason

Let the day go on and on

 

目を閉じることを忘れないで

足を止め、耳を澄ますことを怠らないで

疎かにせず、常に命を感じていて

あなたは満ち足りているはず

理由などいらないの

過ぎ往く一日に身を任せましょう


Let the rain fall down

Everywhere around you

Give into it now

Let the day surround you

You don't need a reason

Let the rain go on and on

 

降る雨を拒まないで

あなたが何処に居たとしても

それに身を委ねるの

その一日に包まれましょう

理由などいらないの

過ぎ往く雨に身を任せましょう

 

What a day

What a day to take to

What a way

What a way

To make it through

What a day

What a day to take to

A wild child

 

何という

何という愛しい日

素晴らしい

この素晴らしい営み

何という

何という愛しい日

野に生きる子となるに

 

Only take the time

From the helter skelter

Every day you find

Everything's in kilter

You don't need a reason

Let the day go on and on

 

少し立ち止まって

慌ただしい時から外れ

日々に見出すの

全てに宿る瑞々しさを

理由などいらないの

過ぎ往く一日に身を任せましょう

  

Every summer sun

Every winter evening

Every spring to come

Every autumn leaving

You don't need a reason

Let it all go on and on

 

変わらぬ夏の太陽

今年も望む冬の星空

幾たび春は訪れ

そしてまた秋は去り往く

理由などいらないの

過ぎ往く全てに身を任せましょう

 

What a day

What a day to take to

What a way

What a way

To make it through

What a day

What a day to take to

A wild child

 

何という

何という愛しい日

素晴らしい

この素晴らしい営み

何という

何という愛しい日

野に生きる子となるに

 

この曲について

 歌詞が凄く細切れで分かりづらい所が多いのですが「無暗に理由など考えずに、自分の周りをとりまく大きな流れを受け入れ、それに身を任せましょう」というメッセージは一貫しているようですね。

 そして、歌詞には瞑想、命、雨、季節といった、自然を象徴する物が数多く登場しますが、その中で2番の前半にだけ「慌ただしさ」という、現代社会を思い起こさせる言葉が顔を覗かせています。ここは、まとまった時間が取れない、あるいは取ろうとしない現代人へのメッセージになっているようにも思えます。

 

 また、サビの部分では、なんて愛しい日、なんて素晴らしい生き方だろうと言っています。自然と共に生きる人々にとっては、このような時間の移ろい身を任せる、ただそれだけで充分かけがえのない物ということでしょうか。

 そして最後にWild Childとタイトルフレーズが入りますが、これをどう捉えたものでしょう。このような日こそ、ありのままに立ち返るのに相応しいということで、自然と生きる子供「Wild Child」でしょうか。ここは文の前後関係がかなり曖昧なので、人によってそれぞれイメージが違うかもしれませんね。

 

 このWild Childというタイトル自体もそうですが、実はあちこちでひっそり韻が踏まれていますので、是非そこも着目してみてください。実際に口ずさんでみると、意外にもリズムがちょっと心地いいです。(listenとmissingが果たして同じ韻として認識されるのかがちょっと自信無いですが)

 

 個人的には、スピリチュアルという言葉はあまり好きではないのですが、目の前の物からは一旦視点を外し、自分の周囲を構成する全ての物に感覚を集中してみるというのは、まさにそれなのでしょうね。そしてまた、この曲にはYou don’t need a reason(理由などいらない)という歌詞が頻出します。実際、心が疲れやすい人ほど、無暗にこの「理由」というのに拘る傾向があるそうです。雑な言い方をしてしまえば、能天気な人の方が心は健康状態であることが多いようで、そうして見ると、この曲はどんな人が日々に疲れているのかという点も、ちゃんと指摘していると言えるかもしれませんね。

 

 さて、この曲はエンヤによって2000年にリリースされたものです。TVでも色々な場面で流されることが多い為、エンヤと言えばこの曲というイメージを持たれている方も多いと思います。特にこの曲がリリースされた2000年前後は彼女を初めとした、いわゆる「癒し」がちょっとしたブームになった時期でして、この曲が収録された「A Day Without Rain」というアルバムを僕が買ったのもその頃でした。

 


Enya - Wild Child (video)

 

 当時は、訳してみるどころか訳詞カードすら見なかったのですが、このアルバムを聴くときは必ず部屋を真っ暗にして、耳を完全に覆うヘッドホンを付けて、目を瞑って聴いていました。その為、このWild Childの冒頭の歌詞を訳してみて、「ああ、当時この歌詞を実践していたんだ」等と思ってしまいました。でも、実際こうして聴いてみると、漫然と聴くのとはだいぶ違った印象を受けると思いますので、是非お試しください。

 

訳、言葉について

 まず、最初にあるEverという単語は、個人的に訳すのに非常に困る言葉の一つです。この一語で、「今まで」と「これから先ずっと」という、ある種正反対な意味を同時に内包している為です。それだけでも厄介ですが、今回のように文の初めに出てくるような使い方は見たことが無かったので、どう訳したら良いのか、最初は見当がつきませんでした。今回の場合は「これから先ずっと」の意味で訳した方が良いのでしょうが、かといってそれで直訳すると永遠にずっと目を閉じていることになってしまうので、恐らく「これから先、目を閉じ、耳を傾けることを、毎日の習慣としてずっと続けてね」というぐらいのニュアンスで訳してみました。

 

 また2番に出てくるHelter skelterですが、これは二語で一つの意味を成す単語で、個別には意味は無いそうです。この二語の意味は「慌ただしい」「乱雑」ですが、英語と同じようにテンポ良い言葉を選んで、「どたばた」とか「てんやわんや」で訳すと面白いかもしれませんね(今回は雰囲気的にそうは訳しませんでしたが)。

 

 サビに登場するWhat a day to take toですが、この「~to take to」で「~に心を寄せる」という意味があるそうで、恐らくこの歌詞上でもその意味で用いられているのではないかなと思います。確信は持てないのですが……(本当、takeは日本人には完全には理解できないニュアンスを持っているように思えます)

 そして同じくサビのMake it throughは、「うまくやり過ごす」とか「乗り切る」といった意味合いの言葉ですが、この曲全体の雰囲気と比較すると、ややネガティブなイメージになってしまう気がしました。どちらかと言うと、一日を無事終えるというぐらいの解釈の方がしっくり来る気がします。ということから、Way(道、方法)という単語もひっくるめて、「営み」と訳してみました。

From A Distance / Nanci Griffith

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Lyrics&訳

From a distance the world looks blue and green
And the snow-capped mountains white
From a distance the ocean meets the stream
And the eagle takes to flight

 

彼の場所からは、青く緑の世界が見える
山脈覆う雪の白も覗かせる
彼の場所からは、風と出会う海が見える
鷲もまた、懸命に羽ばたいている

From a distance there is harmony
And it echoes through the land
It's the voice of hope, it's the voice of peace
It's the voice of every man

 

彼の場所からは、幾重に織り成す音が見えて
その響きは大地を駆け抜けてゆく
それは希望なる声、それは平和たる声
それは全ての人々の声

 

From a distance we all have enough
And no one is in need
There are no guns, no bombs, no diseases
There's no hungry mouths to feed

 

彼の場所からは、満ち足りている我らが見える
何かを渇望する者もいない
銃も無く、爆弾も無い。疫病も、そして
飢えてねだる寂しい口も

 

From a distance we are instruments
Marching in a common band
Playing songs of hope, playing songs of peace
They're the songs of every man

 

彼の場所からは、我らはまるで楽器のようで
音は違えど、調べは一つに往き進む
奏でるのは希望の曲。歌うのは平和の歌
それは全ての人々の音楽

 

God is watching us,
God is watching us
God is watching us from a distance

 

神様は見ている
いつも見ている
彼の場所から

 

From a distance you look like my friend
Even though we are at war
From a distance I can't comprehend
What all this war is for

 

彼の場所からは、あなたは私の友人に見える
例え今、争いの中にあろうとも
彼の場所からは、答えの見えない自分が見える
この争いは、一体誰が為なのか

 

From a distance there is harmony
And it echoes through the land
It's the hope of hopes, it's the love of loves
It's the heart of every man
It's the hope of hopes, It's the love of loves
It's the song of every man

 

彼の場所からは、幾重に織り成す音が聴こえ
響き合って、世界の大地を吹き抜ける
それは希望の中の希望、それは愛の中の愛
それは世界の人々の心
それは希望の中の希望、それは愛の中の愛
それは世界の人々の音楽

 

この曲について

 この曲は、地球と言うかけがえのない物と、その中で織り成される平和な日々、そして戦争と言う悲惨な現実を歌った歌です。その歌詞を紐解いていくと、とてもイメージに強く訴えかける歌詞となっており、あたかもカメラワークがそこにあるような構成を取っています。

 

 まず1番では地球がドンと目の前にあり、その距離からは地球の素晴らしい色合いを讃えます。そして、そこから急激に拡大され、地球上の大洋にフォーカスが移り、その自然の雄大さが語られます。
 次の2番では、カメラはどこかの国、及びそこの人々にフォーカスを移し、悲劇や争いの種になるような物(銃、爆弾、疫病、貧困)は何もないと、幸せな様子を映し出します。
 最後の3番ではもっとカメラのフォーカスは狭まり、一人の人間にそのフォーカスを移します。そこには、戦争などなければ、何のためらいもなく目の前の相手と友人になれただろうと悔やむ人物の姿があります。

 ここで一つ重要なのは、この戦争のシチュエーションを描いた3番において、youという二人称が使われているという事です。つまり、これまで世界の美しさや素晴らしさを歌っていたこの主人公は、実は今も戦地にいたということです。そしてなお、和解や平和への希望と、この戦争が一体何のためになるというのか理解ができないという想いを、敵である相手に語りかけているということになります。
 タイトルが「From A Distance(離れた距離から)」なので、何となく全て第三者が語っているように見えますが、実はこの曲は、戦争の渦中に身を置くある一人の人物により、その切なる願いが歌われているというシチュエーションになります。

 

 上記の通り、この曲のメインのテーマとしては戦争を扱っておりますが、その取り扱い方として、世界と言うものに対しフォーカスを変えて眺めるという手法を取っています。その為、今が平和である人に対しては、確かに戦争といった悲劇は存在するということ、現在世界を悲観している人に対しては、確かに平和と言う希望も存在するということ……と、この曲に込められたメッセージも、聴き手の視点によっても、フォーカスが変わるという効果が出来ている気がします。

 

 さて、この曲は、ナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)によって1987年に歌われ、その後1990年にベット・ミドラー(Bette Midler)によって再度歌われることとなり、その後に代表的な平和の祈りを込めた曲の一つとして、広く歌われるようになりました。最近は日本国内でも、元ル・クプルの藤田恵美さんが歌われたようです。

 


Nanci Griffith : From A Distance

 

 また、この歌は絵本にもなっており、国内訳版も「遠くから見ると」というタイトルで発売されたことがあるようです。(残念ながら、現在は絶版のようです)
 私がこの曲と出会ったのは、上記のどれでもなく、たまたまゴスペルアレンジされたのを聴いたのがきっかけでした。確かに歌詞の中には神様も出てくるので、教会で歌われることにも自然な曲かもしれませんね。

 

訳、言葉について

 この曲のタイトルである「From A Distance」をどう訳そうかが凄く困りました。確かに「遠くから見ると」でも全く間違いではないのですが、この曲の持ち味は、このDistance(距離)が、明示していなくてもだんだん狭まっていること、そして最終的には、目の前にいる人物と主人公との距離まで表現しているというところにあり、必ずしも「遠い」とは限らないのです。なので、何も飾らずに言うならば、「とある距離から」とか「例えばこの距離から」といったニュアンスの方がしっくりくる気がします。これを、日本語において一つの共通の言葉で、しかもそれぞれの前後の詞にきちんと続くように表現するのは、僕の語彙力ではちょっと無理があったように思いました。そう考えると、英語って便利(?)ですね。

 

 また、2番のサビに出てくるCommon bandですが、これは多分、周波数の共用帯域のことだと思われます。ここのフレーズでは、我々は楽器であると例えられていますが、恐らくその奏でる音色の一つ一つは違っても、全体で見ればほぼ同じ周波数帯に収まっている……即ち、上下も差別も無く、皆大体同じであるという表現ではないかなと考えました。

Landslide / Fleetwood Mac

 

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Lyrics&訳

I took my love, took it down
Climbed a mountain and I turned around
And I saw my reflection in the snow covered hills
'Til the landslide brought me down

 

愛ってものを授かったの。そして、一緒に歩いてきたわ
雪山を登るようなものだったかしらね。でね、振り返ってみたら
なんだか自分の姿がそこにあるみたいって思えた
その後は、まあ崖崩れにあって転がり落ちていったような気分ね

Oh, mirror in the sky
What is love?
Can the child within my heart rise above?
Can I sail through the changin' ocean tides?
Can I handle the seasons of my life?


空を見ながら自分に問いかけたわ
愛って何だろう?ってね
こんな中身はまだ子供みたいな自分が、大人になれるの?って
荒れた海に船を出すようなものよ?って
色々なことが起きる中、迷わずにいられるの?って


Well, I've been afraid of changin'
'Cause I've built my life around you
But time makes you bolder
Even children get older
And I'm getting older too

 

本当、何かある度不安だったわ
だって、私は大丈夫だったとしても、あなたもそうとは限らないでしょ
でも、時はあなたを強くしてしまう
そりゃまあ、子供だって歳は取るのは分かってるけど
……で、私もこうやって歳を取っていくのね


Well, I've been afraid of changin'
'Cause I've built my life around you
But time makes you bolder
Even children get older
And I'm getting older too
Oh I'm getting older too

 

でね、今も怖いの
だって、もうあなた中心に人生考えちゃってたもの
でも、いつかは独り立ちしちゃうのよね
分かってる。子供だっていつまでも子供じゃないって
私だってもうこんな歳だもの
本当、私も歳を取ったものね


Oh, take my love, take it down
Oh climb a mountain and turn around
And if you see my reflection in the snow covered hills
Will the landslide bring you down?
And if you see my reflection in the snow covered hills
Will the landslide bring you down?

 

The landslide bring you down

 

でもね、あなたを愛してきた。これだけは忘れないでいて
あなたも、同じように山を登ることになるわ。そしたら、振り返ってみて
その時、なんだか私の姿がそこにあるみたいって思ってくれたらなって
そしてやっぱり、崖崩れにあって転がり落ちていくような気分になるのかしらね
もしかしたら、いつか親になったら、皆そう思うものなのかもね
振り返ってみたら、あっという間だなって、多分思うわよ

 

本当、あっという間なんだから

 

この曲について

 

 正直を申しまして、今でもちょっと内容に自信は無いのですが、この曲は自分の子供が、あと少しもすれば巣立ちの時を迎えてしまうことへの気持ち、そしてその子供に送るメッセージを歌った曲ではないかなと思います。

 

 まず、この曲は冒頭がまるごと比喩表現となっており、いきなり全部を解釈することはできないと思ったので、まず一度素直に直訳してみました。


I took my love, took it down
→私は愛を手に入れ、それと一緒にいた

 

Climbed a mountain and I turned around
→山を登り、そして振り返った

 

And I saw my reflection in the snow covered hills
→そして、丘にかかる雪に、自分の反射を見た

 

'Til the landslide brought me down
→崖崩れが私を掻っ攫うまでは


 ……さて、何のことやらです。このままにらめっこしても明確な答えが出なさそうなので、この冒頭部分はひとまず置いておきます。

 

 次に「Oh, mirror in the sky」からの部分ですが、ここも比喩的な表現が多いです。しかしこちらは、その意味するところは比較的明快です。空に浮かぶ鏡には自分が映っており、その自分に「この海を乗り越えられるのか?」「自分の人生の中の様々な出来事に、ちゃんと舵取りができるのか」と、どうも自分の未熟さと、自分のこれからの先行きを問いかけている姿が見えてきます。しかしここでもまだこの曲の全体像は見えてきません。

 

 そしてサビの部分です。ここで、ようやくキーワードらしき言葉が出てきます。「But time makes you bolder(でも、時はあなたを強くする)」と「And I'm getting older too(私も歳を取っていく)」です。ここで、どうもこの主人公はyou(あなた)の成長と共に、自分も歳を取っていくことに想いを馳せている  主人公とyouは親子ではないかなというヒントに見えてきます。これを元にサビの部分を頭から訳してみますと、自分の生活の全てが子供中心にあったこと、自分に何かあったら子供にも影響が出てしまうことへの不安、子供の成長、それと共に年老いた自分を歌っているのではないかなと思われます。

 

 そして、このサビから得た解釈を元に冒頭部分に再び目を向けると、

 

●私は愛を手に入れ、それと一緒にいた
→愛=自分の子供

 

●山を登り、そして振り返った
→山を登る=子育て

 

●そして、丘にかかる雪に、自分の反射を見た
→子供を育ててきた日々の中に、かつてのまだ親に育てられていた頃の自分を垣間見た

 

●崖崩れが私を掻っ攫うまでは
→崖崩れ=すぐに過ぎ去ってしまう時間

 

 と、どうもこのような比喩であったのではないかなと思われます。ここまで訳して、この曲の基になるイメージは、立派に育って行く自分の子供を見て、改めて子育ての思い出を振り返り、一言「あっという間だったなぁ」と呟く親の姿ではないかなと感じました。そして、この「あっという間」を「Landslide(崖崩れ)」と題したのだと思います。

 

 そして最後には、詩的な工夫が凝らされています。文の構成を冒頭と同じ形にした上で、Iやmeという言葉がyouに、そして過去形であった言葉が現在形、もしくは未来を表す言葉にほとんどそっくり置き換わっています。これは、自分が経てきた道のり、苦労、喜びを、これからあなたも同じように経験し、感じることになるでしょうねという思いを良く表していると思います。

 またそんな中で、my love と my reflectionだけは、your love、your reflectionとは置き換えていません。これは、自分が本当に愛していたことを、疑い無く受け止めて欲しいという思い。そして、あなたがこれから味わうであろう苦労や喜びは、かつて親も味わった同じものであるという事に気付いて欲しい。という、親心と寂しさが混じった心境の表現なのかなと思います。

 

 さて、この曲はフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)というバンドユニットによって1975年に発表された古い曲ですが、その後ディクシー・チックス(Dixie Chicks)によって、よりカントリー色を強くしたアレンジでのカバーが2002年に発表されたことで、再び注目を集めました。
 また、アメリカの人気ドラマ「glee」の第2シーズンにおいても、このディクシー・チックスのバージョンを再アレンジした形で、ホリー・ホリデイ先生、サンタナ、ブリトニーの3人によって歌われております。

 この二つのカバーは歌詞がやや変えられており、今まで過ごしていた当たり前の日々が、ある日突然当たり前ではなくなるという、人が成長する上での一つの節目を励ます歌に思えます。

 

どれもお勧めなので、是非聴いてみて下さい。

 


Fleetwood Mac - Landslide

 

 


Dixie Chicks - Landslide

 

 


Glee - Landslide Official Music Video HD

 

 

訳、言葉について

 
 今回訳す上で躓いたのは、冒頭も冒頭。I took my love, took it downです。最初「私は愛を手に入れ、それを降ろした」と読んでしまったので「ああ、恋愛に失敗した後悔を歌った曲かな」等と思ってしまったのですが、それだと後の歌詞との辻褄をどうしても合わせられませんでした。

 そこで、色々考えた結果、

 

・Took it : それを持って行った

 

・Down   : 今の場所から離れる方向へ

 

と捉えて、「私は愛を手に入れ、それを一緒に連れて前に進んだ」とすればいろいろ腑に落ちたので、恐らくこれではないかなと思います。(実際、I'll take you downであなたを連れて行くっていう意味として良く使われるようですし)

 

 また「But time makes you bolder」のboldですが、この言葉の持つイメージは、良くも悪くも恐れを知らないという雰囲気です。その為、通常は「勇敢」「大胆」「図太い」と言った意味で使われますが、今回は「強さ」とか「自分一人で生き抜く力」といった意味合いで訳してみました。

 ところでこの部分は、フリートウッド・マックが歌っているのを聴くと「But time made you bolder」にも聴こえるのですが、今一つ判然としません。ただ、madeだとしたら、それはそれで子供が今まさに巣立ちの時を迎えた瞬間の曲になり、また別の味わいが出ていいなと思います。

 

 あと個人的に気になるのが「Will the landslide bring you down?」の部分です。ここは「Well the landslide will bring you down」と記載されていることが殆どです。しかし、フリートウッド・マックの歌をいくら聴いてみても、頭がWellかWillかはともかく、landslideとbringの間にはwillは無いように思えます。そして何より、この歌詞の部分は上でも記述した通り、冒頭と詩の構成を同じにしている部分にあたります。だとすると冒頭の「'Til the landslide brought me down」に相当するこの部分では、Willを頭に持ってきて、'TilとWillで韻を踏むほうが歌詞として自然に思えます。……といろいろ考えた結果、こちらの歌詞にしてしまいました。ご容赦ください。


You Are My Sunshine / The Pine Ridge Boys 他多数

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Lyrics&訳


The only lady

 

君しかいないんだ

 

The other night, dear
As I lay sleeping
I dreamt I held you
In my arms
But when I awoke, dear
I was mistaken
Then I hung my head and I cried

 

こないだの夜、さ
横になって寝てたらさ
夢を見たんだ。君を抱きしめる
この両腕にね
でも、さ。目が覚めちゃって
なんだ、違ったって
頭抱えて、泣いてた

You are my sunshine
My only (only) sunshine
You make me happy
When skies are grey
You'll never know, dear
How much I love you
Please don't take my sunshine away

 

君は太陽
僕だけの
君がいれば幸せ
例え曇りが続いても
知らないよね
僕がどれ程好きかって
ねえ、行かないで。僕の太陽

 

You told me once, dear
That you love me
There's nothing else could
Come between
But now you've left me
For another
And you shattered all of my dreams

 

言ったよね
僕を愛してるって
誰もいなかったよね
僕らの間に
でも僕を置いてった
他の誰かの為に
僕の夢を破ったね

 

You are my sunshine
My only (only) sunshine
You make me happy
When skies are grey
You'll never know, dear
How much I love you
Please don't take my sunshine away

 

君は太陽
僕だけに眩しい
あったかいんだ
落ち込んだ時も
知らないでしょ
どれ程君が大好きかって
ねえ、行かないでよ。僕の太陽

 

I'll always love you
And make you happy
If you will only
Say the same
But if you leave me
For another
You'll regret it all someday

 

ずっと好きだよ
幸せにする
もし君の答えも
同じだったらね
でも僕を置いて
他の人を選んだら
後悔するよ。いつか。絶対。

 

You are my sunshine
My only (only) sunshine
You make me happy
When skies are grey
You'll never know, dear
How much I love you
Please don't take my sunshine away

 

君は太陽
僕だけの太陽
君さえいてくれたら
嫌なことがあった日さえ
でも、君は知らない
こんなに愛してるのに
お願いだから、行かないで。僕の太陽

 

The only lady


君しかいないんだ

 

この曲について

 もはやこの曲は知らない人はいないと言っても過言ではないでしょうね。いろんな歌手が歌っている曲ですが、日本では恐らく、ジミー・デイヴィス(Jimmie Davis)やウィリー・ネルソン(Willie Nelson)が歌っているような、陽気で軽快な曲のイメージが最もポピュラーではないでしょうか。そのせいもあってか、実は失恋ソングと知って驚かれることも多い曲ですね。

 

 今回の訳を見てお分かりの通り、この曲は憧れの人、或いは恋人が他の人に取られてしまったことを歌っています。曲のテーマとしてはごくごく一般的で、言ってしまえばそういった曲は他にも沢山あると思います。

 ただ、この曲の特徴の一つとして、他の聴き手との間で共通して明確に映像化できるイメージと言うものが殆ど無いように思えます。というのも、よくよく歌詞を冷静に読み取ってみると「愛してる」「でも振られた」を延々と言っているだけとなっており、しかもその歌詞を構成する単語や表現も、簡単でシンプルなものばかりとなっています。つまり、情報量が圧倒的に少ないのです。自身たちの性別も不明です(今回歌詞を参考にしたThe Pine Ridge Boysのバージョンに限っては冒頭にLadyと付け加えられているようですが)。

 

 ただ、それ故にこの曲を聴いたとき聴き手は、不足している情報を勝手に補完して、色々イメージしてくれるのだと思います。ましてや、テーマも失恋という普遍的な物なので、言ってみれば自分自身を重ね易い曲なのかもしれません。

 更に言えば、これは英語の一つの特徴だと思うのですが、英語は一つの単語が持つイメージの幅が、日本語のそれより広い気がします。英語初期に習うような、単純な単語であれば特にです。その為、聴き手が持つ印象の幅もぐっと広がり、聴き手の感性や老若男女を問わない曲となったのではないでしょうか。

 

 例えば、今回僕は、恋愛ごとにとても不器用で純情な男性をイメージして訳しましたが、別にこの主人公は「理想の彼女と付き合えたことに舞い上がって調子に乗っていたけど、あっさり乗り換えられた途端、彼女に必死で泣いて縋る情けない男」というコメディっぽい解釈だってできますし、前述の通り主人公は女性でも歌詞に問題は出てきません。場合によっては、歌が後半になるにつれ、裏切られた恨みをじわじわと募らせていく、ちょっとゾッとするような性格の主人公でもこの歌詞は受け入れられてしまう気がします。(この場合、3回目のYou’ll never know, dear辺りでは、もはや想い人を殺めていますよね、きっと)

 

 勿論、ネイティブの方にとって、この歌詞が本当に上記のような感覚で捉えられているかどうかは分からないのですが、この曲ほど世界中の色々な人に愛され、様々な形でアレンジ、カバーされている曲は他にはそうそう無いと思います。それはそれだけ解釈が千差万別であっても問題なく、人種、性別、年齢に囚われない曲であるからのように思えます。

 

 さて、この歌詞ですが、冒頭「あれ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。この曲は、現在では歌い出しから「You are my sunshine, my only sunshine」と歌われることが多いですが、もともとは現在で言うところの2番から歌われていたようです。
 この曲は最早カバーされすぎていて、どれがオリジナルか良く分からないのですが、少なくとも、レコードとしては1939年にThe Pine Ridge Boysというデュオによって歌われたのが最初のようです。折角なので、歌詞もこのバージョンに準拠してみました。(一部耳に頼っているので、もしかしたら不正確かもしれません。最初と最後のヨーデルみたいなところは特に自信無しです)

 


Pine Ridge Boys - You Are My Sunshine

 

 なお、この曲の著作権を持っているジミー・デイヴィス(Jimmie Davis)がルイジアナ州知事を務めたことから、この曲はルイジアナ州歌とされているようです。しかし、経緯が経緯とは言え、失恋の曲を州歌にしてしまう辺り、やっぱりアメリカって自由だなと思ってしまいます。

 

訳、言葉について

 今回、取り立てて気になる言葉は有りませんでしたが、あえて挙げるとしたらYou’ll never know, dear, how much I love youの部分でしょうか。「僕がどれだけ愛しているかを君は知ることは無い」という意味になりますが、これは歌詞によってはYou never know, dear ,how much I love youとなっています。

 個人的にこう感じると言うだけですが、You’ll never knowだと「知ろうと思えば知ることは出来るけれど、敢えて絶対しないよね」という、意思の部分にフォーカスが当たっている気がします。対してYou never knowだと「知りたくても知れない。例えどんなに努力して知ろうとしたとしても無理」という能力面にフォーカスが当たっている感じがします。

 なので、前者だと「もう、僕がどれだけ愛しているかなんかどうでもいいよね」という独白のように見て取れますが、後者の場合「君が知ることが絶対出来ないくらい、僕の愛は深いんだよ」と、自分の持っている愛の程度をPRしていることになり、ちょっとポジティブな感じが出ると思います。

 

 ところでこの歌詞、You told me once, dearの件と、I'll always love youの件の順序が逆のような気がします。そう思っていくつかのサイトを調べてみたら、実際逆に掲載されているサイトもありました。ここまでオリジナルが分からない曲も珍しいですね。

 

 まあ前述の通り、聴き手が思い描きたいように思い描くのがこの曲の醍醐味な気もしますので、他の文面も前向きに受け取ってみたり、後ろ向きに解釈してみたりして、是非自分なりのスタイルで情景を味わってみると面白いと思います

 

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