Rhythm Of The Rain / The Cascades

 

Lyrics&訳

Listen to the rhythm of the falling rain

Telling me just what a fool I've been

I wish that it would go and let me cry in vain

And let me be alone again

 

雨の鼓動に耳を澄まし

教えてもらう。僕の馬鹿さを

自分を憐れみ、泣いて忘れて

独りの頃に戻れたのなら

 

The only girl I care about has gone away

Looking for a brand new start

But little does she know that when she left that day

Along with her she took my heart

 

行ってしまった。ただ一人だけ気にかけた娘は

新たな人生さがす為にと

でも彼女は気付いていない。旅立ちの日に

僕の心も、その手荷物に紛れてたことを

 

Rain please tell me now does that seem fair

For her to steal my heart away when she don't care

I can't love another when my hearts somewhere far away

 

雨よ教えてくれないか。本当にこれで良かったのか

素知らぬ顔で、彼女は僕の心を奪っていった

心がここに無いままで、他の誰かを愛するなんて

 

The only girl I care about has gone away

Looking for a brand new start

But little does she know that when she left that day

Along with her she took my heart

 

たった一人の愛した女性。しかし彼女はもういない

新たな明日に発って行った

知る由もないさ。旅立つ時に

僕の心を置き忘れたなんて

 

Rain won't you tell her that I love her so

Please ask the sun to set her heart aglow

Rain in her heart and let the love we knew start to grow

 

雨よ伝えてはくれないのか。僕がどれ程愛しているか

太陽に願えないか。彼女の心に火を点けてくれと

彼女の心に雨を降らせ、僕らのあの愛を育めないか

 

Listen to the rhythm of the falling rain

Telling me just what a fool I've been

I wish that it would go and let me cry in vain

And let me be alone again

 

雨打つ調べに耳を澄ませば

馬鹿な自分が見えてくる

涙に飽かせて、記憶も心もいっそ無くして

また出会う前に戻れたのなら

 

Oh, listen to the falling rain

Pitter pater, pitter pater
Oh, oh, oh, listen to the falling rain

Pitter pater, pitter pater

 

目を閉じて雨の打つ音を聴く

ぴちぴち、ちゃぷちゃぷ

そう、ただただ雨の音を

ぴちぴち、ちゃぷちゃぷ

 

この曲について

 雨降りのシーンに似つかわしい(?)ストレートな失恋の曲です。雨の音に耳を傾け、いかに自分が愚かだったかを噛みしめる所から始まるのですが、この曲からは主人公と彼女の間柄は、果たして恋人だった時期があるのか、それとも知り合いではあるけれど一方的な方想いであったのかが確定しないので、この「自分の愚かさ」も確定しません。なので、叶わぬ恋に身を焦がしていたことなのか、想いをそもそもはっきり伝えなかったことなのか、それとも折角両想いになったのに相手の事を蔑ろにしていたのか、ここは自由に想像できる余地のあるところでしょうね。

 

 ただ、少なくとも自分の心の中で多大なウェイトを占めていた彼女が突如旅立ってしまい、そのことをひたすら思い悩んでいる曲であることは間違いありません。そんな想いを降り続く雨の打つ音に重ねており、この雨みたいに涙を流しきり、全て忘れられるよう、今は耐えているという感じでしょうか。

 

 ただ、この雨は涙の象徴の他に、この雨が恋人との愛を育てる慈雨であることまで願っている辺り、まだまだこの悲しみは消えなさそうです。

 

 さて、この曲は1962年にザ・カスケーズ(The Cascades)によってリリースされた曲で、後に映画「さらば、青春の光(原題:Quadrophenia)」の主題歌に採用されました。日本でも邦題「悲しき雨音」というタイトルで知られています。

 
The CASCADES-Rhythm Of the Rain

 

 個人的にはしとしと降る雨を想像していたので、冒頭いきなり雷の音で始まって「あれ?」と思ってしまったのですが……僕だけですかね。

 

訳、言葉について

 vainは、「無駄な」とか「空虚」という意味の他に「自惚れる」という意味もあるそうです。その為、今回は自分で自分を悲劇の主人公のように憐れんでいるイメージかなと思いました。

 

 Brand new は邦楽の歌詞でも良く使われますが、「手に入れたばかりの」とか「真新しい」という意味の言葉です。もともと Brand は革製品や家畜などに押す焼印のことのようなので、新しい焼印=手に入れたばかりという意味なのかなと思いました。