Lyrics&訳
No more champagne
And the fireworks are through
Here we are, me and you
Feeling lost and feeling blue
シャンパンは底尽き
花火も上がりきって
さあこれから、あなたも私も
何かを失くして、沈んだ気持ちに
It's the end of the party
And the morning seems so grey
So unlike yesterday
Now's the time for us to say...
パーティーも終わり
明けた空は何だか灰色
昨日なんかと全然違う
さあ、あの言葉を言う時ね
Happy new year
Happy new year
May we all have a vision now and then
Of a world where every neighbour is a friend
新年おめでとう
明けましておめでとう
今もこれからも、夢見られますよう
全ての隣人を忌むことのない世界を
Happy new year
Happy new year
May we all have our hopes, our will to try
If we don't we might as well lay down and die
You and I
そう、新しい年
幸せな年
皆が望みを、叶える意志を持ち続けますよう
持てないのなら、いっそ倒れて死んでしまった方が
あなたも、私も
Sometimes I see
How the brave new world arrives
And I see how it thrives
In the ashes of our lives
たまに見えるの
とても素晴らしい世界がやって来るのを
そして、それが大きくなる様を
私達人生の塵芥の中で
Oh yes, man is a fool
And he thinks he'll be okay
Dragging on, feet of clay
Never knowing he's astray
Keeps on going anyway...
そう、人間なんてバカなモノ
自分は大丈夫なんて思ってるけど
弱みを引きずり続けて
道を失ったことにいつまでも気づかない
そのままどこでも行こうとしてしまう
Happy new year
Happy new year
May we all have a vision now and then
Of a world where every neighbour is a friend
ふざけた年は終わり
新しい年を始めるの
あなたも私も見出しますよう。今もこれからも
この世界、そこまで捨てたものじゃない筈と
Happy new year
Happy new year
May we all have our hopes, our will to try
If we don't we might as well lay down and die
You and I
過去を忘れるとき
また何かを期待するとき
望みを持って、前に進めますよう
それすら叶わぬのなら、生きる意味は一体何処に
あなたも、私も
Seems to me now
That the dreams we had before
Are all dead, nothing more
Than confetti on the floor
今はこう思うの
私達が抱いていた夢
あれは死んだのね。言うなれば
床に落ちた紙吹雪以外の何物でもなかったわ
It's the end of a decade
In another ten years time
Who can say what we'll find
What lies waiting down the line
In the end of eighty-nine...
この10年も終わり
また次の10年は
誰にも分からない。私たちが
待ち受けている何を見つけ出すのか
80年代が終わってしまうまでに
Happy new year
Happy new year
May we all have a vision now and then
Of a world where every neighbour is a friend
新しい年
新しい何か
いつも描き続けられますよう
身近な人がみんな味方である世界を
Happy new year
Happy new year
May we all have our hopes, our will to try
If we don't we might as well lay down and die
You and I
今までと違う年
全てが新しい年
あなたも私も、希望と勇気を持てますよう
できないのなら、いっそ生きるのをやめた方が
あなたも、私も
この曲について
新年明けましておめでとうございます。ということで、年明けをイメージした曲のチョイスとなりました。
と言っても、タイトルは Happy New Year とはなっていますが、この曲自体は決してハッピーではありません。「ハッピーな新年を!」と言うよりは、むしろ「去年はちっともハッピーじゃなかったから、今年こそはハッピーに」くらいのテイストですね。
一応、読み解く背景には二つ候補が有り、2番に出てくる man を単に「男」と取るか「人類」と取るかが肝となりました。前者で訳せば、10年も付き合った男と破局して、新たな人生を始める女性の曲となりますが、その他の場所で何度か「世界」をイメージさせる言葉が散りばめられているので、今回は後者を取りました。つまり、人間はどこまでも愚か者なのは分かっているけど、でもいつか幸せな世界がやって来るという夢すら抱けないなら、死んだ方がましという、世界に期待をする曲と取りました。この曲がリリースされた1980年までの10年、つまり1970年代は、欧米にとって決して恵まれた年でもなかったように思えるのも一因です。
※ドルショック、ウォーターゲート事件、2度のオイルショック等々、特に経済的に厳しい年だったのではないかなと
リリースされた年、歌詞中にある10年という年月、そして89年という年の特定から、この曲は1970年代から1980年代への変遷に特に焦点を当てていると考えられます。なので、普通の Happy New Year よりも少し意味づけが重い(と言うか、意識的に重くなってしまう) Happy New Year なんでしょうね。そこには、何となくですが「ほんと1970年代は勘弁してほしかった」ような感じが含まれているような気がします。
さて、この曲は前述の通り、1980年にABBAによってリリースされた曲です。洋楽は Happy New Year と Merry Christmas がほぼワンセットなので、こうして明確に Happy New Year に焦点を当てた曲は探すのが大変珍しいですね。
訳、言葉について
Fireworks are through とありますが、この be through は、通り過ぎるでは無く「終わらせる」という意味合いの言葉になります。
Here we are は、よく目的についた時に使われる言葉で「さあ、着いたぞ」という意味です。また、そこから転じて、予想していた状況に突入する時の「さあ、いよいよこれから」という意味で使用することもあります。
Neighbour は、Neighbor の英国記述で、意味は同じ「隣人」となります。
Might as well ~ は、Makes No Difference でも出てきた言い回しで、いっそ~の方が良いという表現です。
Who can say ~ は、直訳すると「~だと誰が言える」となりますが、使用するニュアンスとしては「~については誰も分からない」というテイストで利用されます。
nothing more than ~ という表現があります。ここは、直前の Are all dead と Are を共有しているので、分かり易く共有部分を取り除いて全体を改めると That the dreams we had before are nothing more than confetti on the floorとなります。この文において Are nothing more than は、「~以外の何物でもない」という意味合いになります。