What a Wonderful World / Louis Armstrong

 

Lyrics&訳

I see trees of green, red roses too

I see them bloom for me and you

And I think to myself what a wonderful world

 

木々は青く、薔薇は赤く

目の前に咲く。僕に、君等に

そして言い聞かせる。世界は素晴らしい、と

 

I see skies of blue and clouds of white

The bright blessed day, the dark sacred night

And I think to myself what a wonderful world

 

空の蒼、雲の白

陽に洗われる日、穢れ無き夜

問いかける。世界は素晴らしいだろう、と

 

The colors of the rainbow so pretty in the sky

Are also on the faces of people going by

I see friends shaking hands saying how do you do

But they're really saying I love you

 

空浮かぶ虹。愛らしき色

行き交う顔にも宿るその色

交わされる握手。宜しくの声

その裏にいつも、愛している、と

 

I hear babies cry, and I watched them grow

They'll learn much more than I'll ever know

And I think to myself what a wonderful world

 

Yes, I think to myself what a wonderful world

 

子等の泣き声、育つ姿

幾つもを覚え、嬉しく裏切る

改めて思う。この世界は素晴らしい、と

 

そう。この世界は素晴らしいのだ、と

 

この曲について

 目の前にある、当たり前の光景、いつもの日常に改めてフォーカスを当てることで、この世界の素晴らしさを改めて感じる曲です。

 

 ですが、それは裏を返せば、改めてそのようにして見ないと世界の良さが見えないという事なのかもしれません。そんな思いが現れているのが、この曲のキーフレーズでもある I think to myself what a wonderful world だと思われます。
 単に普段から「世界って素晴らしいな」と感じているのであれば、I think what a wonderful world でいい筈ですが、わざわざ間に to myself を付けて想いの方向を自分自身に向けているということは、世界の素晴らしさを自分自身に言い聞かせているということになります。

 

 そうなると、この歌い手は一度世界に絶望しているのではないか、という背景が推察されます。世の中の汚い部分、見たくもない部分を目の当たりにしてしまったのかもしれませんし、何かあって生きて行くことが辛くなってしまっているのかもしれません。
 ですが、それでもなお主人公はちゃんと生きて行こうします。その為に、改めてこの世界をもう一度信じてみようと、普段の何気ない景色から日常風景に至るまでの中に希望を見い出すのが、この曲なのかなと思います。

 

 さて、この曲はルイ・アームストロング(Louis Armstrong)によって、1967年にリリースされた曲です。邦題は「この素晴らしき世界」となっています。日本国内は勿論、様々な国でカバーされており、映画やCMでも起用されることが多いので、殆どの方はどこかで聴いたことがある曲でしょうね。


Louis Armstrong - What a wonderful world (1967)


 世界の良い面、悪い面を捉えた曲という事では、以前 From a Distance という曲もご紹介してますので、そちらも是非どうぞ。

 

訳、言葉について

 Sacred は、「神聖な」とか「宗教的な」という意味を持つ言葉です。

 

 Going by は、「行く」とか「過ぎ去る」という言葉になります。今回では、街、もしくは同じ時代を行き交う人々のイメージでこの言葉が使われているのだと思われます。

 

 How do you do は、あまり今この言葉を使っているのを見たことが無いのですが「ごきげんよう」とか「お会いできて光栄です」に相当する言葉です。僕が小学生の時(25年位前)にアメリカンスクールとの交流会において、この言葉で初めましてを伝えましょうと言われて使ったことがありますが……今思うとあの時代でも既に古い言葉だったかもしれません。