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Lyrics&訳

Where are those happy days, they seem so hard to find

I tried to reach for you, but you have closed your mind

Whatever happened to our love?

I wish I understood

It used to be so nice, it used to be so good

 

あの幸せは今どこにいったのかしら。何だか探しても見つからなそうよ

あなたに手を伸ばしてもみたけど、あなたの心は閉ざされたまま

一体私たちの愛に何が起こったの?

もしそれを知ることができたならば

あの時はとても楽しかった。そう、素敵な日々だった。

 

So when you're near me, darling can't you hear me

S.O.S

The love you gave me, nothing else can save me

S.O.S

When you're gone

How can I even try to go on?

When you're gone

Though I try how can I carry on?

 

ねえ、こんなに私の近くにいても、私の心の声は聞こえないのね

こんなことになってしまうなんて

あなたがくれた愛、それだけが私を安心させてくれるのに

こんな瀬戸際に立たされてしまうなんて

あなたが行ってしまったら

この先どう生きて行けばいいの?

あなたが離れてしまったら

また前に進もうだなんて思えるの?

 

You seem so far away though you are standing near

You made me feel alive, but something died I fear

I really tried to make it out

I wish I understood

What happened to our love, it used to be so good

 

あなたは近くに居るのに、なんだかとても遠くに思えるわ

あなたは生きる喜びをくれたけど、同時に生きる絶望と怖さもくれたのね

自分にやれることはもう、全てやったと思うけど

何とかして知りたかったわ

私たちに何が起こったのか。あの素晴らしかった日々はもう・・・

 

So when you're near me, darling can't you hear me

S.O.S

The love you gave me, nothing else can save me

S.O.S

When you're gone

How can I even try to go on?

When you're gone

Though I try how can I carry on?

 

ねえ、あなたは傍に居てくれるけど、私の胸の内には気付かないのね

もう駄目なのかしら

あなたは愛してくれた。それだけが心の救いなのだけど

もう終わりなのかしら

あなたが去ってしまったら

この先生きていくことができるのかしら

あなたがいなくなってしまったら

全て忘れてやり直すことができるのかしら

 

この曲について

 愛し合っていた二人が、いつしか時が経つにつれてその思いが薄れ、心が離れてしまっている状態を歌った歌なのではないかなと思います。この主人公は、少なくともまだ相手を愛しているようですが、その想いが通じている手ごたえが無く、そこに歯がゆさと焦りを感じているようですね。

 

 1番では「かつての幸せな日々をまた見つけるのは難しそう」と言っているので、まだ主人公はなんとかこの様子を打開しようとしているのではないかと思われます。そして、可能性は低くても、自分たちの間に何が起こったかさえ解かれば、まだ道はあると思っているのではないかなと思います。

 

 しかし、2番に来るとあきらめの表情が見えますね。かつては、相手から貰ったものは人生を素晴らしく思えるようにしてくれる、そんなものばかりだったのが、今は不安や悲しみと言ったものに変わってしまっているようです。そして、自分に出来る限りの手は尽くしたけれど、状況が変わらなかった。そういったことを嘆いているシーンに思えます。

 

 今、二人の関係が終わってしまおうとしている危機的状況、この状況がなんとか打開されるような救いを求める心情、もう元には戻ることができないのだろうという諦め。そして何より、相手の愛無しではこの先もう生きていくことができないという絶望感。そういったもの達を、救難信号を発する命の危険にさらされた人々の心境に重ねて例えたのが、このS.O.Sと言う曲なのだろうなと思います。

 

 さて、この曲は1975年にABBAによってリリースされた曲です。個人的にはABBAというと、Dancing Queen、Money、Gimme! Gimme! Gimme!、Mamma Miaのイメージが強く、この辺りから何か訳してみようかなと思っていたのですが、先日S.O.Sをたまたま耳にして「ああ、そういえばこんな曲もあったなぁ」と思い直し、今回訳してみました。この曲、サビよりもAメロの方がやけに印象深く、S.O.Sと聴くと先にそちらを思い出すのですが、僕だけでしょうか。(実際Aメロの方がS.O.S信号を出している雰囲気が出てると思うのですが・・・)

 


Abba - SOS

 

 そして、ABBAと言えば何といっても映画「マンマ・ミーア!」(Mamma Mia!)ですよね。この曲も勿論劇中に登場し、ソフィの父親候補その1であるサムと、ドナのデュオで歌われています。かつて一時(本当に一瞬(笑))愛し合った二人ですが、長い時を経て再開した今となっては、同じような感情を持つことなど到底できません。劇中ではサムの方はまだやり直せるならやり直したいと思っているものの、既に独りでソフィを育てあげ、ここまで生きてきたドナにその思いは簡単には届きません。まさにこのシチュエーションは、S.O.Sに出てくる二人ですね。

 


Pierce Brosnan and Meryl Streep sing "S.O.S" in "Mamma Mia!"

 

訳、言葉について

 2番に「Make it out」という言葉が出てきます。このMakeとOutの組み合わせの言葉は多岐に渡りすぎて非常に困ってしまううえに、非常に頻繁に出てくる言葉なのですが、いまだにどう訳したら良いものか正直良く分かっていません。「(主に書類を)完成させる」「理解する」「露わにする」「時間を確保する」「いちゃつく」etc、etc... ただ、何となく根底のニュアンスとしては、物事を良い方向に押し進めるような意味合いを持っているのではないかなと思えます。なので、日本で言うところの「良きに計らう」だとか「宜しくやる」を一度念頭に置くと、何となく前後の文が繋がり易いような気がします。ということで、今回はそれにさらにreallyがついているので、最善の手は尽くしたという感じの捉え方をしてみました。