Lyrics&訳
I'm dreaming of a White Christmas
Just like the ones I used to know
Where the treetops glisten
And children listen
To hear sleigh bells in the snow.
今宵夢見るは、真白なクリスマス
あの懐かしき日々に劣らぬような
彼の木の上には星が煌めき
子供達はそっと静まり
雪景色に響くソリの鈴を聴く
I'm dreaming of a White Christmas
With every Christmas card I write
May your days be merry and bright
And may all your Christmases be white.
焦がれて止まない真白きクリスマス
手紙の数だけ、想いも積もる
皆の日々に幸あらんことを
そして、彼の日の如き聖夜であらんことを
この曲について。
この曲は、タイトルこそWhite Christmasですが、この主人公は何処に居るかと言うと、一説にはカリフォルニアの比較的暖かめの、雪とは無縁な気候の所にいるそうです。というのもこの曲は、作詞・作曲を手掛けたIrving Berlin(アーヴィング・バーリン)が、この地域に滞在していた時に書いたとされている為です。そしてまた、彼はロシアとニューヨークで少年時代を過ごしているので、この時期雪は当たり前の景色だったことと思われます。なので、クリスマスに雪も降らない場所から、自分の故郷のクリスマスの景色と、その頃の自分を懐かしむ思いで書かれているのでしょうね。
後半では、クリスマスカードを1枚書く度に、思い出のクリスマスの景色への想いをより一段募らせています。確かに、温暖な気候の中でクリスマスカードをひたすら書くという作業は、味気ないというか、なんとも絵にならないですね。やっぱりクリスマスカードは、雪の夜にランプの下で書くものであって欲しいですね。窓格子と机と椅子が木製で、ペンが羽ペンだと最高です。
……それはともかく、曲の最後は自分の親愛なる人達へのお祝いの言葉と、今年も故郷はかつてのクリスマスと同じ景色であって欲しいという願いを込めて締めくくられます。恐らく、長いこと故郷を離れ、雪の降らないクリスマスを何年も過ごしたんでしょうね。その為段々それが普通の感覚になってしまい、もう故郷でもクリスマスに雪は降らないのではないか……なんていう心配に駆られてしまっているのかなと思います。
さて、この曲は上記のIrving Berlinによって1940年に書かれ、1942年に発表されたとされているようです。この時の歌い手はBing Crosby(ビング・クロスビー)で、彼のバージョンが最も有名なのではないかと思われます。
そして、この曲が発表された時の時代背景は第二次世界大戦の真っただ中であった為、戦地に赴いた兵士たちが、自分たちの故郷を懐かしむ曲として大ヒットしたそうです。
それにしても、世の中色々なクリスマスソングがありますが、直接的にせよ間接的にせよ、意外に戦争に結びついた曲が多いように思えます。それだけクリスマスは、戦争とは全く正反対に位置している特別な日なのだということなんでしょうね。
訳、言葉について
シンプルで短い曲なので、特に訳に困ることは有りませんでした。Irving Berlinの詞は奇をてらわない、大衆向けのものが多いそうです。
一つあるとすれば、With every Christmas card I writeでしょうか。複数形のCardsでまとめないでEvery cardとすることで、「書き記したクリスマスカードは全て違う内容だけれど、そのどれを取ってみても」といったような、一枚一枚のカードに色とか個性を含めたニュアンスを出しているのではないかなと思いました。