Lyrics&訳
Desert loving in your eyes all the way
If I listened to your lies would you say
君の瞳にあるのは、不毛な愛だね
僕が嘘を見抜いたら、君はこう言うかな
I'm a man without conviction
I'm a man who doesn't know
How to sell a contradiction
You come and go
You come and go
どうせ白黒はっきりできないでしょって
それに分からないでしょ
悪気を認めさせる方法もって
君はいつもそうだ
近づいてみたり、突き放してみたり
Karma Karma Karma Karma Karma Chameleon
You come and go
You come and go
Loving would be easy if your colors were like my dream
Red, gold and green
Red, gold and green
カーマ、罪作りなカメレオンだ
消えては現れ
戻っては出て行き
色さえ合えば良い恋なのに
赤にも金にも緑にもなる
お次は一体何色なんだ
Didn't hear your wicked words every day
And you used to be so sweet I heard you say
いつも意地悪なんて聞くこともなかった
耳にしたのはこんな優しい言葉だったな
That my love was an addiction
When we cling our love is strong
When you go you're gone forever
You string along
You string along
私、あなたに首ったけなのって
あの時は強い愛で結ばれてたな
そして君が出て行って戻らなくなって
僕は遊びだったんだな
よくもからかってくれたよな
Karma Karma Karma Karma Karma Chameleon
You come and go
You come and go
Loving would be easy if your colors were like my dream
Red, gold and green
Red, gold and green
カーマ、君は酷く移り気で
くっついてみたり、離れてみたり
いなくなったり、また現れたり
僕と同じ色なら良かったのに
赤に、金に、ほらまた緑
本当は一体何色なんだ
Every day is like survival
You're my lover not my rival
Every day is like survival
You're my lover not my rival
毎日がサバイバルさ
君は恋人であって、敵じゃないだろ
毎日毎日張りつめてる
恋人なんだろ?違うの?
I'm a man without conviction
I'm a man who doesn't know
How to sell a contradiction
You come and go
You come and go
どうせ白黒はっきりできないさ
それに分からないよ
どうやって君を否定するかなんて
一緒にいても、離れていても
結ばれもしない。別れもしない
Karma Karma Karma Karma Karma Chameleon
You come and go
You come and go
Loving would be easy if your colors were like my dream
Red, gold and green
Red, gold and green
カーマ、本当の君を見せたらどうだ
見せてるようで隠してる
気にしなければ気を惹いてくる
理想の色であって欲しいのに
赤色、金色、緑色
最後は一体何色なんだ
この曲について
自分の理想の恋人であって欲しいのに、相手ときたら会う度に態度が違い、一体自分のことを好きなんだか嫌いなんだかも良く分からない……そんな、一筋縄ではいかない相手に翻弄される心を描いた曲だと思います。
既に主人公は出だしから相手に辟易しており、相手に嫌みの一つも言ってやろうとしているようです。が、相手も強かですね。今一つ煮え切らない主人公のことを良く分かっており、どうせ一線を越えた決断は出来ないだろうと踏んで、むしろそれをからかっているようです。
サビで「カーマ(Karma)」としきりに出てきますが、頭文字が大文字で固有名詞のようなので、このカーマが相手の名前だと思われます。しかし一方で、このスペルで書かれるKarmaは一般名詞では「罪」とか「業」を意味する言葉となり、日本語発音でもカルマと呼称されるものです。これにより、この「カーマ」という人物がひどく罪作りな人物であることの暗示にもなっていると思われます。
そして尚且つ、相手のことをカメレオンと称しています。ご存知の通り、カメレオンと言えば周囲の色に合わせて自分の色を変える生き物です(本当は違うそうですが)。その為、ころころ態度を変える相手のことを、この動物に例えているのでしょうね。
2番では、相手が良く思えた昔のことを懐かしむシーンとなり、かつてはお互いにそれなりに恋人同士であった様子が見られますね。しかし結局それも、相手が突然離れてしまったことにより、一転恨みつらみに変わっております。
が、主人公はまだ完全には相手への思いを断ち切れておらず、苦悩の毎日を送っているようですね。まだ心の中では、相手のことを恋人であって欲しいと願っている様子が良く伝わってきます。
そして更に1番の歌詞がリフレインしますが、この歌詞は1番では相手に自分の弱さを指摘されてたのに対し、ここではそれを自虐的に独白、認めるというシーンに代わっているのではないかなと思います。結局、まだまだ相手からは離れられず、翻弄される日々が続きそうですね、この分ですと。
ただ、このKarmaですが、これはもともとは仏教からきた言葉であり、そこには仏教の基本概念の一つ、「因果応報」とか「自業自得」という結果までの示唆が含まれています。なので、今は主人公を良いようにからかっているこの相手も、いずれは手痛いしっぺ返しを食らうことになるのではないかなと思われます。勿論そのシーンは曲の中では語られませんが、いずれそのようになるという事を主人公も望んでおり、またそうなるのだろうと暗に示しているように思えます。
さて、この曲は1983年にCulture Clubによって歌われました。邦題では「カーマは気まぐれ」というタイトルがついており、こちらのタイトルの方がなじみ深い方もいらっしゃるでしょうね。いずれにせよ、このキャッチーで歯切れのよいサビは、世代を問わず皆さん一度は聴いたことがあるのではないかなと思います。
Culture Club - Karma Chameleon
この曲はもう一つの通説があるそうで、ゲイであるボーカルのボーイ・ジョージが、ドラムのジョンへの気持ちをこの曲の中に隠しているとのことです。だとしたら、サビのLoving would be easy……の件ですかね。ちょっと真偽のほどは定かではないですが。
それにしても、なぜPVは1870年のミシシッピーが舞台なのでしょうね。この中で、ボーイ・ジョージだけは当時の衣装とはかけ離れた姿で登場し、群衆の中にいるスリに気付き、その悪事を暴くきっかけを作っています。このスリが最後川に突き落とされる辺り、曲中に含まれる因果応報のメッセージでしょうね。
訳、言葉について
You string alongという言葉が有ります。これは、一緒に歩くとか、同調するという意味の言葉ですが、そう見せかけておいて実は騙しているという意味にも使うようです。意味が全く真逆で使うのはどういうことなのかなと思ったのですが、この「騙す」の意味で使う場合はかなり皮肉を込めて言っているのかもしれませんね。日本語でも、遅刻している人に「ずいぶん早いですね?」と言ったら嫌みになるように、そんな感覚で相手を責める意味を込めて使う感じでしょうか。
一点良く分からなかったのが、How to sell a contradictionです。Contradictionは否定とか矛盾という言葉ですが、それにsell(売る)が付くとどういうニュアンスになるのかがちょっと想像がつきませんでした。何となく、相手に否定を売りつける→相手に悪事を認めさせるとか、自分が否定していることを受け入れさせるといった意味かなと思い、そのように訳してます。
また、red, gold, and greenが何故この色なのかもちょっと良く分かりませんでした。この色でパッと思い浮かぶのはクリスマスカラーなのですが、クリスマスとは何の関係もない曲ですし、仮にgoldをyellowとして捉えたとしても、三原色にすらならないですね。後は・・・信号機ぐらいしか思い浮かびませんが、ますます意味が分からないですね。ただ、この色はPVの中にもそこかしこに象徴的に登場しています。ダンサーの衣装に、舟が来たシーンで掲げている布、更には船内カジノのチップまでこの色です。単に分かり易い色を並べただけの可能性もありますが、宗教上の意味のような、そんな感じの物が有るのかも知れませんね。
こんにちは。現在アフリカ滞在中の花郎と申します。二度目のお便り申し上げます。
さて、私め洋楽は80’sのわずかな知識しかないため、今回は目に留まったこの曲を拝見しました。正直、当時カルチャークラブにまったく興味はなく、当時はご案内のとおりBritish Invasionとか言われていた時代で、米国のビルボードの上位に何組もの英国人アーティストが入っており、ビルボードのヒットチャートを聞くと、いやおうなしにこのカルチャークラブの曲が聞こえてくるという時代でした。今でもこの曲のさびでカーマがしきりに出てくる部分は頭に自然に残っています。
「えっ!?」
今でも頭にこびりついているこのさびの部分、 Karma Karma Karma Karma Karma Chameleon.....
のカーマって、「カルマ」(業)のことだったんですか?
それも、さらにそのあとに Chameleonで隠喩される「因果応報」が来ているとは。
とうことは、ボーイ・ジョージは、この曲のさびの部分で、
「カルマ、カルマ。。。。 因果応報!」と叫んでいるってことですね。
さらに、ボーイのジョンへの気持ちがこの曲に込められているという秘話も驚きでした。
それにしても、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのあったボーイがその代表曲のそれもさびの部分で、
「カルマ、因果応報!」と叫んでいるというのは、なんとも楽の歌詞はほんと幅が広い、なんでも歌詞になるんだなと、先のBand Aidの「Do They Know It's Chirsitmas?」での驚きに次ぐ第2の驚きでありました。洋楽は深いですね。笹森さまが、無限にある洋楽の中で、あえてこの一見普通の色恋の曲とも思える曲を訳出されたのは、まさにこのような深い意味がこの曲に込められていたからでしょうか。
今回も驚きの翻訳、ありがとうございました。驚きとともにたいへん勉強になりました。
ありがとうございました。