Lyrics&訳
(Ooh) What you want
(Ooh) Baby, I got
(Ooh) What you need
(Ooh) Do you know I've got it
(Ooh) All I'm askin'
(Ooh) Is for a little respect when you come home (just a little bit)
Hey baby (just a little bit) when you get home
(Just a little bit) mister (just a little bit)
あなたが望んでる物
分かってるわ
あなたに必要な物
もう私は分かってるの。知ってた?
私が望むのは
あなたが家に帰って来た時。少しだけでも大事にされること(ちょっとでいいのよ)
そう、あなたが家に帰って来る時
ねえ愛しい人
I ain't gonna do you wrong, while you're gone
Ain't gonna do you wrong (ooh) 'cause I don't want to (ooh)
All I'm askin' (ooh)
Is for a little respect when you come home (just a little bit)
Baby (just a little bit), when you get home (just a little bit)
Yeah (just a little bit)
あなたが居なくなっても、私はあなたを責めやしない
そうよ、意地悪しないわ。そんなこと望んじゃいないもの
私が願うのは
大事にしてほしいの。あなたが帰ってきた時は(ちょっとだけいいから)
そう、あなたが家にもどってきた時にね
ねえってば!
I'm about to give you all of my money
And all I'm askin' in return, honey
Is to give me my profits
When you get home (just a, just a, just a, just a)
Yeah baby (just a, just a, just a, just a)
When you get home (just a little bit)
Yeah (just a little bit)
私はあんたに全財産つぎ込むような女で
でもってちゃんと見返りも求めるわ、ハニー
私へのご褒美をね
あんたが帰ってきた時の
ねえねえ
帰ってきてからのあれよ
ねえってば!(まあ、ちょっとだけね)
Ooh, your kisses (ooh)
Sweeter than honey (ooh)
And guess what (ooh)
So is my money (ooh)
All I want you to do (ooh) for me
Is give it to me when you get home (re, re, re ,re)
Yeah baby (re, re, re ,re)
Whip it to me (respect, just a little bit)
When you get home, now (just a little bit)
ああ、あんたの口づけ
蜂蜜の甘さも霞むような、ね
もしかして
お金目当てだったりしてね
でも私はあんたにして貰いたいの
帰ってきてからね
ねえねえ
刺激が欲しいの(大事にして。ちょっとだ・け)
帰ってきて、今すぐよ(待ちきれないわ)
R-E-S-P-E-C-T
Find out what it means to me
R-E-S-P-E-C-T
Take care, TCB
だ・い・じ・に・し・て
意味、分かってるわよね?
だ・い・じ・に・し・て
優しくしてね、ちゃ・ん・と・よ。
Oh (sock it to me, sock it to me, sock it to me, sock it to me)
A little respect (sock it to me, sock it to me, sock it to me, sock it to me)
Whoa, babe (just a little bit)
A little respect (just a little bit)
I get tired (just a little bit)
Keep on tryin' (just a little bit)
You're runnin' out of fools (just a little bit)
And I ain't lyin' (just a little bit)
(Re, re, re, re) 'spect
When you come home (re, re, re ,re)
Or you might walk in (respect, just a little bit)
And find out I'm gone (just a little bit)
I got to have (just a little bit)
A little respect (just a little bit)
ああ(もっとちょうだい)
あとちょっと大事にして(もっとってば)
もう、ねえったら(ちょっとだけ)
大事にしてってば(ちょっとだけでいいの)
ねぇ退屈よ(ちょっとだけね)
もっと続けましょうよ(ちょっとだけよ)
もっとはっちゃけちゃってよ(ちょっとだけだって)
やだ、本気よ?(ちょっとだけね)
だ・い・じ・に・し・て
あんたが帰ってきた時はね
ダメなら私、あんたが部屋に入った時
居なくなっちゃってるかもね
わたしはね、絶対
あんたに大事にされるべきなんだから
この曲について
え~と……特に後半、訳してて段々自信が無くなってきたのですが、まず間違いないのは、愛しい人へのラブコールの曲ですね。で、多分それも、かなり生々しいというか、欲望むき出しと言うか……それでいて言葉尻は無闇にオブラートに包んでいるあたりがまたいやらしいというか……そんな感じの曲なんだと思うんですが……
この曲の楽しみ処は、タイトルにもなっているRespect(敬う・大事に思う・価値を認める)という言葉が、歌詞を追うごとに、実は裏の意味を含んだ言葉であることが分かっていく点なのだと思います。
最初では、それなりに普通の使われ方をしているように思えます。愛しい人が家に帰って来た時、私がそこにいるのを当たり前だなんて思わないで、少しはそれなりに特別感を持ってほしいと言っています。
次のフレーズでは、もっと健気に見えますね。例え、愛しい人がいなくなってしまったとしても、それを責めない懐の大きい自分に、もっと有難味を感じて欲しいと言っています。
ですが、これ以降から段々様子が妖しくなっていきます。自分の全てを相手に捧げたのだから見返りが欲しいとか、あなたとのキスって最高とか、どうもこの主人公は、愛しい人への思いが若干抑えられていないような様子を呈してきます。当初Respectという言葉は「私に対して少しは有難味ってものを持って欲しい」という意味合いでしたが、ここにくると、どうも「私をちゃんと女として扱って欲しい」という位の意味にスライドしているように思えます。何だか、焦れったい思いが今にも爆発しそうですね。
と思ったら、本当に爆発しましたね。「RespectよRespect。意味分かってるわよね?」と相手に詰め寄ります。ということで、ここまで来ると最早Respectは「女としての悦びを与える義務くらいあるでしょ」ぐらいのニュアンスになっており、お互いの情事を匂わせる隠語として使われていますね。
ここでRespectの裏の意味が分かってからは、ひたすら主人公は欲望に忠実に暴走していくイメージに思えます。なんかもう、相手のネクタイひっつかんで、ワイシャツのボタンを引きちぎって片足絡ませて自分も肩辺りから肌蹴させて(以下省略)
こんだけ暴走しておいて「ちょっとだけね」なんて無駄に言い訳している辺りがまたユーモラスですな(?)
さて、この曲はアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)によって歌われた曲ですが、実際のオリジナルはオーティス・レディング(Otis Ray Redding Jr.)の物と言われています。ただ、歌詞の内容はオーティス・レディング版は男が女にRespectを求めているのに対し、アレサ・フランクリン版は女が男にRespectを求めており、一部歌詞も改変・追加されています。というか、オーティス・レディング版の歌詞にそっくりそのままお返しするような形になっており、合わせて読むと夫婦喧嘩みたいで面白いですね。オーティス・レディング版も別の機会にご紹介したいと思います。
Aretha Franklin - Respect [1967] (Original Version)
また、この曲がリリースされたのは1967年ですが、1960年代後半はアメリカで職場上の男女平等運動が盛んになり始めた時期です。そんな中にこの曲はマッチしていたのかも知れませんね。最初は女性側が控えめな主張を行い、それが段々エスカレートしていき、最後には自分の望むものをはっきりきっぱり言い放って、セックスの主導権まで女性側で持つ様を描いているこの曲は、男性に従属する女性というイメージを吹き飛ばすのに一役買ったのではないかなと思います。
あと、この曲は海外ドラマgleeでも、メルセデスが第1話のオーディションでちらっと歌っています。いやぁ「私を認めなさいよ!」っていう、メルセデスらしい選曲かもしれませんね、こうしてみると。
※僕がglee大好きなので、gleeで使われたことのある曲は、今後もその旨記していこうかなと思います。
訳、言葉について
Respectに関しては本文中で説明した通りなので割愛しますが、合いの手で出てくるJust a little bitは「本当にちょっとだけね」という意味で、色々なところで使われます。料理番組なんかでも、コショウを少々のような、この「少々」を言う時に使われたりします。
Whip to meは、直訳すれば「私に鞭打って」となり、SMでもするのかしらと一瞬思ってしまいましたが、いくらなんでもそれは過激なので、単に「刺激をちょうだい」と捉えればいいかなと思います。
途中、TCBという言葉がありますが、これはTake care of buisinessの略で、「やるべきことに気を配りなさい」という意味だそうです。端的に言えば「やることやって」というニュアンスになるのではないかなと思います。当然というかなんというか、この曲においてはセックスアピールの意味で使っているかと。
また、暴走後(笑)に出てくる、Sock it to meは、普通に訳すと「私を打ち負かして」という意味になりますが、これもまた挑発的な意味合いで使っていると思われます。「どっちが先に力尽き果てるか勝負よ」のような、そんな感じでしょうか。
一点良く分からないのが、You're runnin' out of foolsです。run out of 何々で、何々を使い果たすという意味となり、燃料切れの時によく使われる言葉なのですが、それに則って訳すと「あなたはおバカ成分を切らしている」のような意味になってしまうような……ということで、「気取ってないで」とか「本能ってものは無いの?」というような意味に訳してみたのですが……あ、これ、もしかしたらYou're runnin' out of fuel(あなた燃料(つまり精力)切れてんじゃないの)のダジャレなんでしょうか……?
この曲の状況を誤解しておられるように思います。
この男女は仲が良いわけではないです。男はヒモのような人で、ぶらぶらしているだけで、おそらく働いていません(while you're gone という歌詞からも想像できる)。男は既に女への愛情を失っていますが、女が稼いでくる金が目当てで、女にキスをしてやってその関係を維持しています。男は帰宅するとまず女を殴ります。昔の黒人の男は白人よりも家庭内暴力が多かったことをご存知でしょうか。男は家に入るやいなや「おい、金をくれ」と言います。金を出さなければ男は殴ります。「ねぇ、どうか殴らずに、私にちょっとだけでいいから人間としての尊厳を認めて」という歌だと思います。
貴殿とは相当に違う意見ですが、どう思われますか?