Lyrics&訳
Feeling broken
Barely holding on
But there's just something so strong
Somewhere inside me
打ちひしがれて
生きるのがやっと
けど、まだ熱い何かがある
私の中の何処かにあるわ
And I'm down but I'll get up again
Don't count me out just yet
そうね、今は惨めなもんよ。けど立ち上がる
私を見限るなんて10年早いわ
I've been brought down to my knees
And I've been pushed way past the point of breaking
But I can take it
I'll be back, back on my feet
This is far from over
You haven't seen the last of me
You haven't seen the last of me
崩れ落ちて
つき落とされて
けどこんなの何でもない。
また…また戻ってきてやるわ
まだこれからよ
これで終わりだなんて思わないで
今に見てなさい
They can say that
I won't stay around
But I'm gonna stand my ground
You're not gonna stop me
軽々しく言ってくれるわ
私はいなくなるって?
お生憎様、そんなつもりはないの
止められるものなら止めてみなさい
You don't know me, you don't know who I am
Don't count me out so fast
私が誰だか思い知らせてあげるわ
何か言うのはそれからにして貰える?
I've been brought down to my knees
And I've been pushed way past the point of breaking
But I can take it
I'll be back, back on my feet.
This is far from over
You haven't seen the last of me
這いつくばって
転げ落ちて
でも耐えられる。
また、あの日々を手に入れるの
まだやれることはいくらでもあるわ
これで終わりと思ったら大間違いよ
They will be not fade out, this is not the end
I'm down now but I'll be standing tall again
Times are hard but I was built tough
I'm gonna show you all what I'm made of
道は見えている。まだ先がある
倒れていても、また立ち上がるわ。一際気高く
苦しい日々。それが私を強くしたわ
私の生き様を見せてあげる
I've been brought down to my knees
And I've been pushed way past the point of breaking
But I can take it
I'll be back, back on my feet.
This is far from over
膝を折って
振り出しに戻され
でも受けて立つわ
そして、必ず戻ってくる
こんな所では終わらない
I'm far from over
私はまだ終わらない
You haven't seen the last of me
今に見ていなさい
No, no. I'm not going nowhere
I'm staying right here
Oh no, you won't see me begging
I'm not taking my bow
他の何処にも行くわけないわ
此処こそ私の居る場所よ
惨めに縋りついたりしない
あなたに下げる頭は無いわね
Can't stop me, it's not the end
止めないで頂戴。まだこれからよ
You haven't seen the last of me
Oh no, you haven't see the last of me
You haven't seen the last of me
これで終わりだなんて思わないで
今に・・・
今に見ていなさい
この曲について
「これで終わると思うな、今に見ておれ愚か者ども」……こんな感じの一文に尽きると思います。本当にこれだけを、言葉を変え表現を変え言っているだけです。しかしだからこそ、各フレーズの隅から隅にまでこの気迫が行きわたっており、韻踏みなどのテクニックを優先した単語や表現が無い所が、この曲が持つ芯の強さを一層際立たせているのではないでしょうか。またそこにシェールの深い声がぴったりハマっていて、聴いていて思わず拳を静かにグッと握りしめてしまいそうな曲になっています。
冒頭はピアノの伴奏のみの厳かな雰囲気で、自身に「まだやれる」と言い聞かせながら、凛として逆境に立ち向かうという、何かの物語の一枚絵にでもなりそうな予感を覚えます。
……が、そんな上品な絵面は初めの4節までで、この曲ときたらこれ以降は、周囲を敵意たっぷりに睨んで大見得を切り、指でも突き付けて己の執念を撒き散らしているような、なんとも荒々しいシチュエーションで満ち溢れています。特に2番のサビが終わってからは曲調が一転して攻撃的な味を持ち、そのあとには転調までするという昂まりぶりで、溜まりに溜まったあらゆる思いを怒涛の如くぶち撒けている姿が、有り有りと目に浮かびます。聴いていて「ああ、本当にこの人は全ての敵を叩きのめして復活を遂げるんだろうな」という確信が持ててしまいます。
このような印象の曲ですが、あえて自分の芯を保つ為の内側に向けた曲として解釈し直したら、それはそれで面白いかもしれませんね。ラストの呟くようなYou haven't seen the last of meが、だいぶ印象が違って聞こえる気がします。
この曲は映画「バーレスク(原題:Burlesque)」の中で歌われます。映画内ではシェールが、バーレスクというショーパブの女将である「テス」の役として登場するのですが、このバーレスクは経営が行き詰まっており、もはや手放さなくてはならないという状況に瀕しています。そして、その失意の中でテスが歌うのがこの曲です。
※この時、この曲のCDが画面に出てくるのですが、そこには単にLast of meとだけ書かれているので、映画をご覧になった方はこのタイトルで記憶されてるかもしれないですね
実は、この映画を初めて観た時は既に深夜だったので、ソファーに横になって眠気と格闘しながら観ていたのですが、この曲が始まって最初の「Feeling」のたった一語を聞いた瞬間「何だこの歌声⁉」と飛び起きてしまいました。恥ずかしながら、この映画を観るまでシェールという歌手を知らなかったのですが、底知れぬ程の深さと弦楽器のような艶を併せ持った声に、背筋が震えて眠気が一発で吹っ飛んだ事を今でも思い出します。そんな彼女の歌声と共に、一度は折れかけたテスの心が、曲に同調するかのように強さを取り戻していく姿は圧巻の一言です。
Youtubeでもこのシーンを見ることは出来ますが、未見の方は是非映画で最初からご覧ください。(リンクは曲と歌詞のみのバージョンです)
You Haven't Seen The Last Of Me By, Cher (Lyrics) (Orignal)
訳、言葉について
ちょっと今でも良く分かっていないのが、サビに出てくるI've been pushed way past the point of breaking という部分です。今回の訳にあたっては
・かつて(past)
・どん底に落ちた人生の分岐点(the point of breaking)に
・続く道(way)に、
・押し戻された(I've been pushed)」
という解釈で進めてみたのですが、いかがでしょうか。
※余談ですが、「I've been pushed」だけで、お金に困っていた、という意味になるらしいですね(Weblio調べ)。確かにバーレスクはお金に困っていますね……(でもまさか歌詞上で「金に困ってる」なんて表現にはしないと思いますが)
あとI'm not going nowhereも、あれ?と思った部分でした。てっきり
・I'm going nowhere(どこにも行かない)
だから
・I'm staying right here(ここにいる)
なのではないのかなと思い、念の為に曲を何度か聴き直してもみたんですが……notが入っているようにも聞こえますし、入ってないようにも聞こえます。日本人の耳って厄介ですね、本当。
ただよく考えれば、nowhere単体で「どこにもない」という意味になるので、
・I'm not going nowhere(私に目指せない場所などどこにもない)
という意味として捉えられるなと思いました。そうすると、次のフレーズは
・I'm staying right here([だから]自分が去ることになると皆が思っているこの場所にだって、私は居ることが出来る)
ということになるのでしょうね。not一つで、後のニュアンスがだいぶ変わるものだなと思いました。
※2017/03/13追記
Bad Dayを訳した後で改めて上記の部分を見て、ここは二重否定ではなく、nowhereのnoが否定の意味を持たない表現になるのではないかと思い至りました。その為「I'm not going nowhere=私は何処にも行くつもりが無い」というニュアンスに訂正させて頂きます。申し訳ありません
また、最後の辺りでYou won't see me beggingという部分がありますが、ここがYou won't see me fadingと書かれているケースもあります。今回もこの曲はLISMOで購入しており、歌詞はYou won't see me beggingとなっていたのですが、映画の字幕はどうだったんでしょう。
正直、どちらでも意味は通じますし、曲のメッセージ性にも影響は有りません。困ったことに、曲を聴いてみてもどっちにも聞こえます。ただ、この後にI'm not taking my bow(頭を下げるつもりはない)というフレーズが控えていることから、Begging(縋りつく)という単語の方がFading(ぼやける)という単語よりしっくりくるかなと思います。また、fadeという単語はこの曲の別の場所で使われている為、再度別のフレーズでfadeを使うことは表現上避けるのではないかなという読みも含め、Beggingで訳すことにしました。